TS転生したら現代異能バトルゲーのモブキャラになってました 作:不死浪シキ
「おやつどうですか? まだヤヤカにもらったチョコもありますし」
「…また今度…」
◇◆◇
「シオンちゃん、ちょっとこっち来てくれませんか?」
「…また今度…」
◇◆◇
「一緒に映画見ませんか? ゾンビもののを録画してあるんですよ」
「…また今度…」
◇◆◇
「お風呂どうします?」
「……ごめんなさい…」
「ごめんなさい!?」
◇◆◇
どうにも最近ミナミの顔をちゃんと見れない。原因はアレだ。
この前うっかりミナミのえっちなシーンを思い出したり妄想してしまったせいだ。あの時の記憶が頭をよぎって申し訳ないやら恥ずかしいやらで、とてもじゃないけど顔なんて見れない。
というか今までのスキンシップもよくよく考えたらだいぶエロくなかったか?
膝の上に乗せられてるときとかかなり際どいところ触られてた。肉体は女の子同士だからミナミにそんな気がないことは間違いないが、今同じことをされたら平然としていられる気がしない。
私の身体は子どもっぽいつるぺたボディだが、精神的には成熟している。そりゃあエロいこと考えればムラムラもする。そんなのミナミに悟られてみろ。ドン引き間違いなしだ。考えただけで恐ろしい。
問題はそれだけじゃない。ムラムラしたところで解消する手段がないのも由々しき事態だ。同じ屋根の下で暮らしている以上、普段何してるかなんて筒抜けだ。勝手知ったるミナミはともかく私が変わったことし始めてバレない保証なんてない。
まあそもそも女の子の自家発電なんてやり方よくわからない。というか怖い。怖いのでやったことない。
ちなみにゲーム内のミナミは、かなりやばめな大人の玩具をクローゼットの中にしまってたはず。清楚な顔してるのに、彼女むっつりだからね。ギャップがあって大変よろしいと思います。
いやいやいやそういうところやぞ。そういう風にすぐエロゲーの記憶を掘り起こすのが良くない癖だ。うっかりクローゼットの方向をガン見していた。そんなことばかりしてるから変な妄想に思考が持ってかれるんだ。
…もしかして、今もあのクローゼットの中にはヤバめなオモチャ達があるのかな? え、まじ? あのめっちゃエグい奴らが本当に眠ってるのか?
「…シオンちゃん、どうかしたんですか?」
「…なっ…なななんでもないです…」
い、いつの間に隣に。さっきまでドライヤーで自分の髪を乾かしていたはずなのに、気付いたらソファーの隣に座られていた。まさかニンジャの家系ですか?
いや違うな。ドライヤーの音が消えたのにも気付かないほど私が妄想逞しくしていただけだった。本当にごめんなさい。
「そうそう、昨日のロードショーですけど気になるゾンビものだったんで録画したんです。一緒に観ませんか?」
ゾンビものか。生物学的な災害のアレだろうか。死ぬほどずさんな管理体制が悪い癖に、行き過ぎた科学への反動だとか高尚な語りをしてくるよくある映画なのかも。
うーん、いや、別にいいかな。
ホラーやグロいもの、スプラッタなたぐいのは別にそんなに好きじゃない。
いや別に嫌いではないんですよ? 嫌いではないけどわざわざあえて観たいかと言われるとそうでもないみたいな?
全然、その、怖いのが苦手とか? そういうのじゃないですが?
とりあえず遠慮しておこう。
「…別に…いいよ…」
「良かったです! ちょっと雰囲気出すために灯りも落としますね!」
しまった!
言葉選びをしくじった。いいよってやつどちらにも意味を汲み取れるのがよろしくない。これじゃあ許可か遠慮かわからないじゃないか。
ひざ掛けをかけられエアコンの設定温度が更に一度下げられる。うえー雰囲気作りガチ勢か? 羽織るための毛布も持ってきてるし、飲み物もおつまみもある。
でもうきうきと録画一覧を漁るミナミを見ると、水をさすのもちょっとイヤ。絶対ちょっと悲しそうな顔しながら、仕方ないですねって映画を諦めるだろう。優しい子だから。
仕方ない。ここは一肌脱いで鑑賞会に付き合いましょう。別に怖くないが?
「…あれ、これでしたっけ? 日付的に合ってそうですね。じゃあスタートします」
…うん? なんかこれホラーものの映画めっちゃストックされてないか? しかも私が一緒に暮らすようになってからのは未読ばかり。
ミナミさん、そんな花も恥らう乙女って顔しときながらホラー映画の鑑賞が趣味だったのか。しかもこれ私に気を使ってか、同棲中はその趣味も封印していた感じだ。
…いや。
いやいや。それは、流石に、申し訳ない。申し訳ないなこれは。
よし、決めた。シオンさん決意しました。
今度からその溜まった映画たち、私から観たいって誘うようにします。だってミナミさん、その映画気になってるでしょ。気を使わせてしまってるのが恐らく私な以上、私から消化に付き合うのが筋というもの。
別に怖くなんてないしね。よゆーよゆー。
『バウッ!!!!』
「…!!???」
「…シオンちゃん怖いの苦手でした?」
「…ぜんぜん…よゆー…」
いきなり決意が折れかけた。
え、なにこの犬。正中線で二つに裂けた。こわ。うそ、こわくなんてない。
思わず身震いしたのがバレたのか、抱き寄せられその上から毛布がかけられる。肩に回された腕から体温が伝わってくる。
そうなんですね。実は寒さのあまり身震いしたんです。恐怖によるものではないので悪しからず。
『でも見たのよ! 犬の怪物、モンスターがいたの!!!』
『何言ってるんだお前は。とうとうおかしくなっちまったか? 俺が見てくるからそこに座ってろ』
『ダメ、ダメよ外に出たら…外にはあの怪物が…』
『…うわぁーー!!?』
「…!!!!」
「ふ、ふふ…可愛いですね」
え、この映画のどこが可愛いんだ? 今おっさんが、し、死んだんだぞ。ぜ、絶対これ食われてる。咀嚼音してる。やだ。もうやだこんな映画。
作った人間正気じゃないよ。そんな楽しそうに観てるミナミもやばいよ。サイコだよ。
やだ。
こんなのがあと100分くらい続くの?
画面見たくない。
「…音しか聞こえないほうがかえって怖いらしいですよ?」
もうやだ。おうちかえる。
あ、ここおうちだった。
たすけてミナミちゃん!
夜ひとりでトイレいけなくなっちゃう!
なんやかんやあったあと情事を挟む予定ですが、ぼかしたやつだけじゃなくてR18でしっかりやってくれっていうお話も少しいただきました。どうしたらいいのかよくわからないのでアンケート取らせていただきます。
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R18も書け
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そんなもんいらん