俺、ツインテールになります。2 's ~二人で結ぶツインテール~ 作:中川カイザー
「ありがとうございました~また来てね~」
「こちらこそ、ごちそうさまでした」
正樹と悠香、接客する側とされる側。互いにしっかりとお礼をいいあうのが礼儀。万国共通のマナーである。
悠香がアラームクロックを出たのは和輝たちが唯乃を見送っていた時と同時刻だった。悠香はそのまま学校への道を歩いていた。
「今頃唯乃ちゃん、帰っている頃かしら……」
先程、ニュースでテイルバイオレットと謎の戦士が怪物を倒したと報道されていた。それが事実なら唯乃は自分の世界に帰っただろう。悠香はそう結論づけていた。彼女はフェネクスギルディを追ってこの世界にやってきたのだ。なら全てが片付いた今帰るのが自然。
夕日照らす道を一人歩く悠香。後ろ姿にどこか一抹の寂しさを感じる。唯乃は悠香からすれば自分のポニーテールを絶賛してくれた相手だ。無理もなかった。
(また会えるぜ、お前さんがポニーテールを愛する限りな)
暖かい春風に乗って唯乃の元気そうな声が聞こえたような気がした。
「今度会ったらその時は取材させて頂戴ね……」
唯乃は言っていた、ポニーテールは世界を繋ぐ架け橋と。ならまたいつか会える。
この世界で出会った異世界の友達。悠香と唯乃、話した時間は数十分も満たないくらい短いものだったが二人は確かな絆を結んだのだ。
「……さて! しみったれた雰囲気はおしまいおしまい。あたしはあたしのやるべきことをしなくちゃね!!」
悠香は気持ちを新たに歩くスピードを速めるのであった。
歩きながらいじられる悠香のスマホ、そこにはシャイニーブルームの画像が映っていた。
◇
テイルフェニックスと出会い、フェネクスギルディを打ち倒した次の日。俺はゴールデンウィーク最後の日を存分に楽しもうとしていたが、それは昼過ぎに出現した一体のエレメリアンによって阻止されてしまった。一体倒したと思ったらまた一体。本っ当、アルティデビルの連中は空気が読めない奴らばかりだと心底恨んだ。
ティアナと共に現場に向かい、そして倒す。出現した場所が住んでいる町よりかなり離れたダンスイベントの会場であったが為に倒し終わり帰ってきた頃にはもう夕日傾く夕刻であった。こうして俺、涼原和輝高校2年のゴールデンウィークは終わりを迎えたのだった。
「ただいまー、ばあちゃん帰ったぞー」
『テイルバイオレット! 頼むからこの衣装を着て踊ってはくれないか?』
くたびれて帰った俺を出迎えてくれたのはリビングから聞こえてくるテレビの音。その音を聞いて思い出す。今日の戦闘中、ダンスイベントの中継に来ていたテレビ番組の集団がテイルバイオレットの戦闘の中継に切り替えていたことを。
「帰ってたのかい、和輝」
リビングでは俺の祖母、涼原文子が座布団の上に正座しながらテレビでバラエティー番組を静かに黙々と見ていた。勿論、流されているのは今日の戦いのVTRだ。
テレビ画面に映るはヒトコブラクダを獣人にした容姿のエレメリアンとこの俺が変身したスーパーヒロイン、テイルバイオレット。昨今のテレビは実によく撮れている。最近の技術っていうのはすげぇなと感心してしまった。
『後生のお願いだ、頼む!!』
こうして見ると本当、今日の相手は変態だったなと思う。
画面では厳つい声をしたラクダの怪物が中東アラブでみかけそうな踊り子衣装を片手にテイルバイオレットに迫っている。その衣装は露出が激しくてかなり際どかったので尚更気持ち悪さに拍車をかけていた。
『キモイんだよ! 俺に近寄るじゃねぇ!!』
「……こんなにガラ悪かったっけ?」
画面に映っているのはエレメリアンをケンカキックで乱暴に蹴り飛ばすテイルバイオレットだった。攻撃手段や乱暴な言葉遣い、その全てが自分自身がやったこととは思えないくらいのガラの悪さであった。
『くたばれ!! 変態野郎!!』
『ぐああああ!!』
テレビ画面にはストームスライサーによって斬り裂かれ爆発するエレメリアンが映っていた。経緯はかなり馬鹿馬鹿しいし、さっきまでヒーローとは思えないくらいガラも悪かったが必殺技を放った後の残心は中々にカッコよかった。
「てかなんでばあちゃんこんなの見てんだ? こういうのいつも見ねぇじゃん」
いつもばあちゃんは布団の中で寝てるか外で散歩しているかのどちらかがほとんど。テレビを見るにしても昼間に再放送されているNHKの連続テレビ小説や夜遅くに放送してる昔の映画くらいだ。
それなのに今日は俺が見るようなニュースバラエティーを見ている。それが少し気になった。
「目に入っちまっただけさ」
「ふーん、そう」
「ねぇ和輝、このテイルバイオレットってのどことなくあんたに似てやしないかい?」
ギクッ!! 背筋から冷や汗が流れてきた。
いくら愛するばあちゃんとはいえ俺がテイルバイオレットであることは秘密だ。もし、バレたら赤飯を焚いてお祭り騒ぎか、そんなこと止めなさいかの二択だろう。どちらにせよ面倒なことには変わりない。
「なに言ってんだよ。俺がテイルバイオレット似てる? なわけないだろ」
「性別とか見た目の問題じゃないよ、雰囲気の話さ」
ここ最近、正体がバレる展開が続きすぎている。この流れは不味い、非常に。
異世界の住人かつ同じ戦士である唯乃さんはともかく、悠香さんに青葉さん。このままじゃいずれ世界レベルでバレる日も遠くないかもしれないと思うと不安で仕方ない。
不安で一杯になっている俺を気づいていないばあちゃんは流れる映像を見ながらしみじみと昔の事を思い出していた。
「こういうの見てると思い出すねぇ。ジャッキーブルースだっけ? 昔好きだったろ?」
ジャッキーブルース? ジャッキーチェンとブルースリーの合わせたのか? 誰だよそいつ…… 俺そんなの知らねえよ。
「何それ? そんな知らねぇよ。てかばあちゃんボケちまったのか?」
「和輝、みくびんじゃないよ、あたしゃそこらのボケ老人と訳が違うんだ。まだまだこっちは元気さ」
自分の頭を指で指しながら快活な笑みを浮かべるばあちゃん。とても70過ぎの老人とは思えない。流石、俺のばあちゃんだぜ。
「全く……相変わらず、ばあちゃんは口の減らないババアだな」
「その口の悪さは一体誰に似たのかねぇ……あたしゃ不思議でたまらないよ」
「十中八九ばあちゃん、あんたの影響だよ!!」
とぼけるばあちゃんに対し素早いツッコミを入れた。するとばあちゃんの頬が緩み笑みがこぼれる。俺の顔もそれにつられるように笑顔になった。
これがいつもしている家庭でのばあちゃんとのコミュニケーション。いつもと違うことはばあちゃんと同じテレビ番組を見ていることくらいだ。俺たち二人の笑い声がリビングに響き渡る。
『いや~やっぱりテイルバイオレットはカッコ可愛いですねぇ~』
『それにしても怪物も惜しい! 私はテイルバイオレットの踊り子姿を見てみたかったから怪物を応援――』
ハハハと笑いながら俺はリモコンについているテレビの電源ボタンを力強く押し込み、テレビの電源を切った。
◇
そして次の日の5月6日、ゴールデンウィークが明けた金曜日の午前8時半。
俺は毎朝ティアナと共に登校している。特にこれといった訳は別にない。強いて言うならば朝っぱらからエレメリアンが出たときもそのまま急行することができるからくらいか。別にティアナが好きとかそういうつもりではない。断じて違う。
バイクを停め、俺は教室までの道のりを重い足を引きずるように歩いていた。隣のティアナの歩は俺とは反対でとても軽やかであった。
「何でお前はそんなに元気なんだよ……俺なんか久々の授業で憂鬱なのに加えて、昨日ばあちゃんと夜遅くまで映画見てたから寝不足だぜ。早く帰って寝てぇよ……」
「和輝、あなた自分のおばあさんを夜ふかしに誘ったの? もっとお年寄りをいたわりなさいよ。夜ふかしは健康に毒よ」
「誘ってきたのはばあちゃんからだよ。俺じゃねぇ」
俺のばあちゃんは御年73歳だというのに元気が有り余っていやがる。まぁ、俺と同じで朝には滅法弱いって点は見逃すとしよう。
それしてもティアナは俺と反対で朝に強い。女子のほうが低血圧ゆえに朝に弱いとは話で聞いたことがあるのだが、俺とティアナに関しては俺のほうが朝に弱い。
「そんなの断ればいいでしょ、何ミイラ取りがミイラになってんのよ……」
「それは無理だな、俺の辞書にばあちゃんからの誘いを断るなんて文字はない。絶対にだ」
「もしかして和輝、あなたババコン……?」
ティアナの目線がとても冷たいものに変わった。しかも少し後退っている。
俗に言うドン引きというやつである。
「しゃーねぇだろうが! 俺はな、物心つく前に親は亡くなり、小学生の頃にじいちゃんも亡くなってばあちゃんに育てられたんだ。 ババコンくらいなるに決まってんだろ!!」
親が亡くなっている。それを少し強い剣幕で言ったこともありティアナは申し訳なさそうな気まずい表情をしていた。流石にやり過ぎたかと俺も反省する。
「……ごめんなさい……そんなつもりは……」
「いや……俺も言い過ぎた。ごめん」
俺たち二人ともどちらにも悪気はなかった。これは偶然が重なったことによって発生した不幸な事故みたいなものだ。
「別に親がいなくても辛いだとか悲しいなんて思ったことはないぜ、ばあちゃん以外にもおやっさんもいたしな」
これは本心だ。小さい頃から面倒をみてくれたおやっさんは俺の親代わりみたいなものだ。
この暗い空気を払拭するためにも俺はまず、ティアナに辛くないということを教えなければならない。そう感じたから胸の内をカミングアウトした。
ここまで喋っていてふとあることを思い出した。ティアナにも家族はいたはずだということを……
「そういや、ティアナお前はどうなんだよ。お前にだって家族はいただろ? やっぱり思い出せないのか?」
暗い空気を払拭する第二段階。話題の転換を実行した。しかし、転換するための話題が今の現状に適しているとは言い難いことは言い終わるまで全く気づかなかった。
「思い出そうと日々努力しているんだけどね……」
いつもこうやってティアナ、ティアナと呼んでいるがそれは仮の名、本名は全くわからない。案外普通の日本人らしい名前かもしれない。
いつか必ず、ティアナを元居た世界の家族と再会させてやりたい。唯乃さんが次元を超えることは可能であると証明してくれたんだ。後は方法とティアナの記憶をどうするかだ。
真剣に悩みながら教室までの階段を昇っていく。そんな俺たちの後ろから場違いすぎるテンションの男が走り寄ってきた。
「見つけたぞ和輝!! てめぇこれどういうこったぁ!!
ドタドタと大きな足音をたてながら寄って来たのは匠だった。、ここ一週間めっきり会っていなかったために久しぶりといった感想がまず思い浮かぶ。
ティアナのことを無視し、俺に対して強い剣幕で詰め寄ってくる匠。俺とティアナの今まで喋ってきて形成された真剣な空気なんか全くお構いなしである。
「これはどういうことだぁ!? ああん?」
目の前につきつけられたのは匠のスマホ。画面には写っていたのはアラームクロック内で食事している俺とティアナと悠香さん、そして唯乃さん。先日の様子を写真に収めたものであった。
「何がだよ、別にお前の勘に障るようなことは写ってないだろうが! てかこれ誰が撮った!!」
俺は少しイライラしながら匠をはねのけた。一方、ティアナは気になったのか匠のスマホを覗き込んでいた。
「別におかしなことないじゃないの。これが一体どうしたっていうの……?」
「俺はなぁ! この子は誰なんだって聞きてぇんだよ!!」
写真のある部分を指で刺された。その部分をまじまじと見る俺とティアナ。指で刺された部分に写っていたのは紅いポニーテールの少女、唯乃さんだった。
「その人はなぁ――」
「アラームクロックのマスターから聞いたんだよ! てめぇが女の子はべらせて飯食ってたってなぁ! 俺がお前たちの為に働いたってのに何してんだよ!! 俺も呼びやがれ!!」
説明を要求したくせに匠は俺の話に全く耳を傾けていなかった。それほどに匠は興奮し過ぎていた。
現在、俺たち三人は階段の踊り場で話している。そのために教室に向かう生徒たちとすれ違うのだが、皆この様子を一目チラッと見た後声に出さないように笑いながら昇っていくのだ。
見世物じゃねえんだぞコノヤロー。こちとら朝からこんな馬鹿に付き合わされて迷惑きてんだよ。
「正樹さん……いつの間に……」
ティアナはこの情報の提供者がおやっさんであることに驚いていた。
俺はあの日の出来事を思い出すとすぐに理解することができた。何故ならあの日、おやっさんがスマホを使って何かしていることが見えていたからだ。
「お前とは親友だと思っていたのに……この純粋な漢心を返しやがれ!!」
「知るか馬鹿たれ!! てめぇこそ落ちついてこっちの話を聞きやがれ!!」
このままやっていたら一時間目開始のチャイムがなりかねない。そう判断した俺は興奮するこの馬鹿を落ち着かせるためまず手始めに頭を叩いた。叩いたといっても脳震盪を起こしたり気絶させたりといったくらいの威力ではない。目が覚める程度の威力だ。
「ちょっと! 和輝!!」
「今のコイツにはこれくらいしねぇと目が覚めねぇよ。おらよ、落ち着いたか?」
「……お、おう。すまん、騒ぎ過ぎた」
そこまで力を入れていなかったため、たんこぶはできていなかった。
匠はさっきのように興奮し話も聞かずに捲し立ててはこない。手段は荒っぽいとはいえとりあえず落ち着いたようで何よりだった。
「叩いたことは謝るけどよ、お前も話聞け。 一応先に言っとくがさっきの人、唯乃さんは別に彼女でもなんでもないからな!!」
「ほ、本当か……?」
「当たり前だ!!」
匠には先日起きたフェネクスギルディの事件を簡潔に説明した。異世界のポニーテール戦士テイルフェニックスとの共闘を含めたゴールデンウィーク中の濃密な一日。短い時間で簡潔に説明するのは難しかったがティアナの補助もあり何とかそれをやって見せた。
「俺が働いてる間にそんなことがあったなんてな。にしてもテイルフェニックスか~会いたかったなあぁぁ」
「そう言えばさ、私たちの為に働いていたとか言ってなかった?」
そういや、そうだな……
ティアナの指摘でつい数分前のことを思い出す。興奮状態の匠は「お前たちの為に働いた」と確かに言っていた。
匠も思い出したようで何かを伝えようとヒソヒソ声で俺たち二人に喋りかける。
「あ、そうそう、朗報があるんだよ。いいかお前ら? 耳の穴かっぽじってよく聞けよ」
「焦らすなよ……」
「それはなぁ――」
キーンコーンカーンコーンと匠の声をかき消すように一限目開始のチャイムが鳴り響いた。それ聞いて焦りだす。このままでは遅刻扱いだ。
「やっべ!! 話は後だ、急ぐぜ!!」
「そうね! 急ぎましょ!!」
「お、おい! ちょっと待ってくれよ!!」
俺たち三人は大急ぎで階段を駆け上がり、教室へ一直線に突き進んだ。
一時間目の科目は堀井の日本史。結局、俺たち三人とも奮闘虚しく堀井に呼び出される形で生徒指導室に連れ込まれお説教を喰らうのであった。
◇
時刻は少し飛んで昼休み。
俺とティアナ、匠の三人は新聞部部室で昼ご飯をいただいてた。
俺と匠は購買部で購入したサンドイッチ、ティアナは昨日アラームクロックで出されていた日替わり定食の残りを使ったお弁当。
俺とティアナは隣同士でソファに座り、匠はテーブルを挟んで俺たちの真正面。皆それぞれの昼食に舌鼓を打っていた。ちなみに青葉さんが奥の方で黙々とパソコンと睨めっこしていた。
「……そういや匠、今朝言っていた朗報って何だったんだよ?」
「すっかり忘れてたわ、何だったの?」
一通り食べ終えた俺は今朝の出来事を尋ねる。箸を使いながらご飯を口に運ぶティアナも俺に便乗して尋ねていた。匠は食べかけのサンドイッチをテーブルの上に置くと右手でちょっと待ってろのジェスチャーをしながら左手で制服のポケットを漁りだした。
「ジャッジャジャーン!! これなーんだ?」
待ってましたとばかりのテンションで匠は、ポケットから取り出した紙切れのような物を俺たち二人に見せつけるように天に掲げた。
これなーんだ?と言われても正直、俺はピンとこなかった。隣を見たらティアナも同じ反応だった。
「あれ? あれれ? どうした、お前ら? 反応薄くない?」
匠一人だけ反応が明らかに浮いていた。多分、もっと盛り上がると思っていたのだろう。
紙切れのような物に何か書いていたので、匠から受け取りまじまじと見て読んでみた。
「ん、何々? 夢宮ヒカリ……ってこれ! ライブのチケットじゃねぇか!!」
「ようやく気づいたか、鈍い奴め」
「誰……?」
驚く俺と正反対の反応のティアナ。しかし、こればかりは仕方がないことであった。何故ならティアナはこの世界に来て、まだあまりこの世界の事情に詳しくない。芸能関係なら尚更だ。
「説明しよう!! この俺、ヒカリちゃんファンクラブ会員番号36番の川本匠が!!」
「お前が喋ると長いから俺が説明するよ、夢宮ヒカリってのはな――」
夢宮ヒカリ、年齢はおそらく16歳、ファンからの愛称はヒカリちゃん。今年の初めにデビューしたというのに今最も勢いがあると言っても過言ではない新進気鋭のアイドル。このまま行けば年末の紅白歌合戦に出場することも確実だろうともっぱらの噂だ。
「ふーん、でチケットがどうしたの?」
「お前らにヒカリちゃんの良さを普及しようと思ってだな、手に入れてきたんだよライブのチケット。来週の日曜日、どうせお前ら暇してんだろ?」
なるほどな、それが目的か。以前、俺に勧めるために歌を聞かせてくれたが効果なしだったので、今度は直で聞かせようって戦法か。
「悪りぃがパス。いつアルティデビルがやってくるかもしれないってのに、のんびりライブを楽しめねぇよ」
興味ないのも理由の一つではあるが、なにより面倒であるのが原因であった。アルティデビルのことを理由に使うのは反則のような気もするが、まぁ致し方なしだ。
「なぁティアナ? お前もそうだろ?」
「私は行くわ」
「だよな。やっぱりパスだよな…………ってマジ!? 行くのか!?」
ここでもティアナの反応が正反対であった。困惑する俺に対して匠はガッツポーズを取りながら喜びを表現している。
「どうしてかはわからないけど、何故かアイドルって単語に惹かれるの……もしかしたら私の記憶と何か関係あるんじゃないかって……」
そう言われると反論できない。実際、匠の言う通り暇だった訳だし……
「わーったよ。俺も行くぜ。……ったく」
「やっぱそう来なくっちゃな!!」
「あらー? 青ちゃんどうしたの? こんなに賑やかで」
話が纏まったそんな時に部室の扉がガラッと開けられ、悠香さんが顔を出した。
こう見えても一応、青葉さんからの許可はもらった上で俺たち三人はここにいる。
「あ、先輩! 先輩もどうすか? ヒカリちゃんのライブ。来週の日曜なんすけど、今からでも急げば間に合うっすよ!!」
「たっくんごめんね~その日、取材あるの」
匠の誘いは三連勝とはならず、悠香さんでストップしてしまった。
てか悠香さん。いつの間に匠の奴を「たっくん」呼びに……!?
こうして俺とティアナは匠に誘われる形で来週、日曜日の夢宮ヒカリのライブに参加することになったのであった。
食事シーンが多いかな? と思うことが多々あります。
キャラクター紹介7
性別:女
年齢:73歳
誕生日:10月23日
身長:155cm
体重:50㎏
和輝の祖母。
和輝の口の悪さや朝に弱い点などは主にこの人が原因。
昔はかなりの美人で男どもにモテモテだったというのは本人の弁である。