俺、ツインテールになります。2 's ~二人で結ぶツインテール~ 作:中川カイザー
5月も残すところ一週間を切った。季節的に気温は暖かいというよりかは暑いといった言葉がしっくりくる頃だ。6月から着用可能の夏服が待ち遠しくて仕方ない時期。もう春も終わり、夏が始まろうとしているのが地肌で感じることが出来る。
思い返すと今年の春は例年に比べ、とても忙しいものだった。初めは毎日、最近は毎週、エレメリアンと戦う日々。夏はともかく、秋も冬もこのまま続くのだろうか……
放課後、俺はバイクを押しながらティアナと匠とともに自宅までの道を歩いていた。バイクを使えば学校から自宅まで本来なら約15分足らずだが、歩きだとこうはいかない。
道中に存在する学校の最寄り駅に到着した。匠の奴、なんでも今日はバイトのヘルプに呼ばれたらしく、いつもと違う場所でバイトらしい。去年までなら片道くらいバイクにでも乗せて連れていってやってもよかったが、生憎今は去年と違いティアナがいる。匠もこのことで文句を言うほど器の小さな男ではない。
「おっ着いたな。んじゃあ、お二人さんまた明日~」
「おう、じゃあな」
「じゃあね、匠」
匠は手をぶんぶん振りながら元気よく改札まで走って行ってしまった。匠の後ろ姿は一瞬で見えなくなってしまった。
さて、匠と別れたことで今は俺とティアナの二人だけだ。二人になったのなら歩いて帰る必要など全くと言っていいほど存在しない。行きと同じようにバイクで帰るとしますか。
「……んじゃあ行くか。ほれパス」
実質ティアナ専用となっている予備のヘルメットを投げ渡し、エンジンをかけようとしたその時だった。
「……そういえば和輝、言い忘れていたけどね」
「うん? どうしたよ。何か思い出したのか?」
ティアナの奴、ヘルメットを抱えたまま立ち止まると急に何かを思い出したのか声をかけてきた。俺はそれをエンジンを入れる片手間で聞くことにした。
「ライブの日の夜にね。私に変な夢を見たの」
「変な夢?」
「ほら、覚えてる? いつぞやの私が言った夢の出来事」
それを言われて思い出す。もう一ヶ月以上も前、バアルギルディと初めて戦ったあの日の夜の出来事。ティアナが夢を通して自身の記憶を少しだけ思い出したあの出来事を。
「もしかして、お前……何か思い出したのかよ!?」
「ちょっとだけ……ね」
「それって、以前言ってた銀髪の女性が誰かわかったとかか?」
「ううん……そうじゃないの」
俺としては先程、一ヶ月前にティアナが見た夢を思い出したこともあり、その時言っていた銀髪の女性の事かと勘ぐってしまったが、どうやらそうじゃないらしい。ティアナは首を横に振っていた。
「夢の中の私は幼かったわ。私はある男の人とアイドルのライブを見ていたの」
幼いってことはそれは幼きティアナの記憶ってことか。俺的にアイドルのライブって所も気にはなるが、それよりも気になるのは一緒にいた謎の男性って部分だ。
「その男が誰かはわからないのかよ? 顔とか見なかったのか?」
「いや、顔は見れなかったわ。でも……」
急にティアナの表情が緩くなった。ついつい俺はなにか嬉しいことでもあったのかと勘ぐってしまう。
「凄く安心したの。その人といると心が落ち着いてくる……心の底からその人のことが大切だったという気持ちが沸き上がっていくような――」
どうしてだろう。ティアナの話を聞く度に何故か俺の心の一部が燃え上がるようにムカついてくる。この苛立ちは何のか? どう表現すれば俺にはわからない。何故だか無性に腹が立ってムカついてくるんだ。
「ふーん……あーそうかよ。……ほら、早く帰るぞ」
ティアナにぶつけてはいけないのは心ではわかっているのだが、体は言うことを聞いてくれない。いつも以上にぶっきらぼうなにティアナの話を強引に終わらせてしまった。
「どうしたのよ? 和輝」
ティアナは俺の態度に勘づき、疑問を浮かべる。
ティアナが気になるのはよくわかるが、この気持ちは俺もどう言えばいいのかわからないんだ。俺の体はまたもや言うことを聞かずさらに乱暴な言葉をティアナにぶつけてしまう。
「別に……何でもねぇよ……」
「嘘よ、絶対に――」
しかし、ティアナの口から最後まで言葉が紡がれることはなかった。ティアナのポケットからエレメリアン出現を知らせるブザーが聞こえてきたからだ。
それ聞いたことにより、イライラする気持ちは少しだけ抑え込まれ、エレメリアンと戦う時の真剣な気持ちに自然と切り替わる。
「……とりあえず、さっさとブッ倒しに行くぞ」
「……そうね、さっさと倒しに行きましょう」
完全に俺のせいだが、この空気がとても気まずかった。怒りを忘れるためにも自宅を向かう方角とは正反対の方角へバイクを全力で走らせた。
◇
「「「たすけてーテイルバイオレットーー」」」
「わ―はっはっはっはっは!! 助けを呼んでも無駄だ、子供たちよ」
到着した先ではとても奇妙で珍妙な光景が広がっていた。
別に字面だけなら別段おかしくはない。怪物が助けを求める子供どもに高笑いを決めているという一昔前の特撮ヒーローなら定番ともとれるシチュエーションだ。
おかしいのはその状況だ。まず、場所は住宅街付近の児童公園。そこはギリギリまだいい。ジャングルジムの上に小学生低学年くらいの子供が集められ、逃がさないように周囲を
「ねぇ? これでいいのー?」
なんというか緊迫感がまるでないんだ。子供たちは皆、怯えているというよりも楽しそうに遊んでいるようにも見える。大物感をだそうと高笑いを決める牛のようなエレメリアンとの差が激しい。
「これ、なにー?」
「モケッ!?」
「へんなのー」
「モケッーー!!」
子供たちの一人が戦闘員に飛び掛かってちょっかいをかけていた。本来なら乱暴に対処するであろう筈なのだが、戦闘員は困惑しながらも子供に好き勝手やられている。まるでいたずら小僧にてんてこ舞いな幼稚園の先生だ。
「こらっ!! そこの子、ちゃんとやってよ!! カメラ回っているんだよ」
よく見たら戦闘員の一体が手持ちのカメラを使って、エレメリアンと子供たちを撮影していた。ますますこの状況がわからない。
「いつにも増して意味わからんことしやがって……」
「ほんと、わけわかんないわ……どうする?」
木の陰から伺う俺とティアナもこの状況には呆れるしかなかった。今回のエレメリアンが何を目的で行動しているのなんて俺たちには理解できない。
「何企んでるかは知らねぇがこのまま見過ごす訳にもいかねぇし、行くしかねぇだろ」
「それもそうね」
別にこのまま放置していても問題はなさそうな気も少しはするが、一応相手はエレメリアン。何をするか全く予想できない。
周囲に最大限の警戒をしながらテイルドライバーを構えて、変身を行う。そして変身を完了させた俺は、木の陰から飛び出すと遊具と遊具の間、最短距離を突っ切り、牛のエレメリアンへ接近。エレメリアンが反応できていない内にさっきまでのイライラを拳をのせて思い切りぶん殴る。
「はぎゃー!!」
殴り飛ばされたエレメリアンは綺麗な弧を描きながら砂場の中央に頭から突き刺さった。テイルバイオレットの登場とエレメリアンが殴り飛ばされるを見て戦闘員たちが慌てだし、子供たちの大半が目をキラキラ光らせながら俺を見つめてくる。
「モケーーー!!」
「モケー!!」
エレメリアンは戦闘員たちに助け出される形で砂場から這い出てきた。戦闘員たちのその姿に哀愁が漂って仕方ない。なんというか間抜けな上司とそれを手伝わないといけない可哀想な部下の構図は現代社会の闇を感じる。
「……コホン。貴様。何者だぁ!!」
這い出てきたエレメリアンはカメラをチラッと確認し、咳払いをした後に初めに子供たちに対して向けていたテンションで喋りだした。
「この俺様、ハーゲンティギル――」
「うらぁ!!」
エレメリアン、ハーゲンティギルディが喋り終わるのを待たずに俺は跳び出し、ハーゲンティギルディの顔面目掛けて膝蹴りをかました。
「はぎゃぁ!?」
牛特有の押し潰れたような鼻が今の膝蹴りによってより一層酷く潰れる。ハーゲンティギルディは驚愕と痛みを訴える叫び声とともに後方に吹っ飛ぶと地べたを這いずりながら何かを言い出した。
「ひ、卑怯だぞ!! まだ名乗りもしていないのに……!! ましてや僕が喋っているのに何も聞かず……!!」
「うなこたぁ知らねぇよ。悪いが俺はイライラしてんだ。付き合ってもらうぜ!!」
そう言い終わると俺は未だ立ち上がっていないハーゲンティギルディに向かって駆け出した。
「ちょっ! ちょっとタンマ!!」
「知るかっつってんだろうが! おらよぉ!!」
首根っこをひっつかみ、ハーゲンティギルディを無理やり立たせる。そして右の拳を思い切り握りしめて鼻目掛けて突きだした。
「はぎぃや!!」
本日三度目となるハーゲンティギルディの吹っ飛ぶ光景。戦闘員たちがパニックでオロオロと慌てだす。戦闘員が離れて自由になった子供たちが興奮気味に騒ぎながら一斉に俺の方へ群がってきた。
「うわーすげー」
「ほんものだー」
「ねぇねぇこれ、なにー?」
「かみながーい」
「おい、触るな、それに引っ張んな」
脚部や腹部の装甲をペタペタと触る子供とツインテールをグイグイ引っ張る子供。どいつもこいつも鬱陶しくて仕方ない。悪意が無い分、たちが悪い。
「シッシ、お前らガキとどもはさっさと逃げて、あっちいけ」
手で追い払う仕草を見せるがまるで効果がない。乱暴な手段に出るのは流石に不味いし、どうしたものだろうか……
そんなことを考えている内にいつの間にか背後に忍び寄っていた子共の一人が何かをしだした。
「えい!!」
「……ッ!! おい!! このクソガキ!! どこ触ってんだ!!」
どこを触れられたかはとても口では言えない。
我慢の限界を迎え、つい子供に手をだそうとしてしまったが、それに気づいたティアナが木の陰からすっ飛んでくるとその子を抱え上げて子供たち全員を安全な場所へと逃がし始めた。
「みんなー!! 危ないからこっちきなさい」
その様はまるでティアナが先生のようにも見えた。
「おねーちゃん、テイルバイオレットよりもおっぱいちいさーい」
「……今、なんて言った? ねぇ、僕?」
今、ティアナの怒りに震える声が聞こえた気がするが、気のせいだと信じたい。
ハーゲンティギルディそっちのけでそんな茶番を展開していたらいつの間にかハーゲンティギルディが立ち上がっており、涙目になりながらブツブツと小さい声で一人、喋り出した。
「だから嫌だって僕はいったんだ。テイルレッドたんの居る世界の方が絶対いいって……」
何を一人で愚痴っているのだろうか。
流石に気になった俺は恐る恐るハーゲンティギルディに近づいて様子を伺おうとした。それに気づいたハーゲンティギルディは涙目になりながらも今度は俺に向かって大きな声で叫び出した。
「大体ね!! 君のその、ヒーローやヒロインの風上にも置けない行為や乱暴な喋り方がいけないんだ!!」
「は? 俺?」
「そうだ!! 本来ヒーローならもっとカッコよく、名乗りの一つや二つするもんなんだ。だけど君はなんだ!! 何も言わずにいきなり飛びかかってきたじゃないか!!」
いきなり始まったお説教タイム。しかも相手はエレメリアンだ。
「んだとこの野郎、別にいいだろうが!!」
「待って和輝、ちょっとくらい聞いてあげましょうよ」
こんなお説教、聞く価値など微塵もないそう判断した俺だが、子供たちを逃がし終わったティアナがそれを制止した。まぁ確かに今のハーゲンティギルディからは攻撃してくるような気配はないけど……
それにしてもこの熱い喋り方と言いこの態度。このエレメリアン、属性はヒーローかヒロインとみた。
「何も言わないにしてもせめて相手が名乗っている時は攻撃せずに聞け!! 名乗ってる最中に攻撃しないのは古今東西誰でも知ってるお約束だぞ!!」
いや、知らねぇよ。唯乃さんなら頷きそうだけど俺はそんなの知ったこっちゃねぇ。
なおもハーゲンティギルディの熱いお説教が続く。
「他にも喋り方!! 一人称が"俺"なのはまだいい!! テイルレッドたんと同じだからな。今時、女の子の一人称が俺でもいい。でも子供に対してガキとはなんだガキとは!! そんな乱暴な言葉遣いを子供たちが真似したらどうするんだよ!! ヒーローはみんなの模範にならないといけないんだぞ!! ましてやクソガキなんて言語道断!!」
オタク特有の早口とはよく言ったものだ。それからもガミガミと俺に対するお説教は数十分間続いた。やれ戦い方がどうだの、態度がどうだのといった具合だ。よくもまぁこんな短時間でここまで語れるものだ。感心してしまう。
初めのイライラした気持ちは何処へやら。俺はその熱さに圧倒されながらも黙って聞き続けた。
「僕はこんな乱暴なヒーローにやられるために出撃したんじゃない!!」
「「は?」」
ティアナと声が重なった。
「今、なんつった? やられるために出てきたって言ったのか?」
「当たり前だろ!!
ええ……嘘だろ……
これには流石にドン引きしてしまう。いくらヒーローオタクだからといってヒーローにやられるのが夢とかありえるのかよ。
余りにもおかしくて疑ってしまうが、ハーゲンティギルディの目はおふざけや冗談といったものは存在していないマジの目だった。
「もしかして戦闘員が持ってるカメラってまさか……」
ティアナが何かに気づいた。ハーゲンティギルディはティアナが最後まで言う前に早口で語りだす。
「そうだ!! 僕がカッコいいヒーローにやられる所をカメラに収めて後世に語り継ぐんだ。この作品の番外編を飾る素晴らしい散様を」
そういうとハーゲンティギルディはどこからともなく分厚いDVDケースを取り出した。表紙にはアニメ調のイラストが書かれているが、文字の方は何か書いているがよく見えない。
ティアナと揃って目を細くして何が書いているのかを見ようとしたらハーゲンティギルディの奴がそれを投げ渡してきた。
「それは僕がアルティメギルの持っていたデータを解析し作り上げた魂の作品だ」
「これお前が死んだら誰が編集すんだよ」
「それは大丈夫。ドラマパートはもう撮影済み。戦闘シーンを入れるくらいなら戦闘員たちでも充分可能だ」
それを聞いた戦闘員たちが任せてくれといった感じでサムズアップをハーゲンティギルディに返す。
てかドラマパートってなんだ……
「僕は次の土曜日にもう一度現れるからその時までそれを見てもっと勉強するんだ!! いいな!!」
早口でそう言い終わるとハーゲンティギルディは連れてきた戦闘員たちとともに走って何処かに去ってしまった。
全く、なんて奴だ。呆れながらハーゲンティギルディが投げ渡したDVDに目をやった。
「「空想戦姫テイルレッド!?」」
まさかまさかのテイルレッド主役のDVD。
ティアナとともに驚きで目が大きく開いた。
◇
同時刻。
ここは双神高等学校、新聞部部室。
カーテンとカーテンの隙間から薄っすらと夕日が差し込む室内では喋り声など聞こえず、カタカタとパソコンのキーボードを叩く音のみが響いている。
常人には真似できないほど高速でキーボードを叩いているのは、総勢たった二人だけの新聞部において電子機器担当の神外青葉。
「ふーっ」
作業がひと段落ついたのか、青葉は一息つくと画面に釘付けだった目線を外し、今度はスマホの画面に目をやりながら、椅子の背もたれにもたれかかる。
画面を眺める度に青葉の顔はニヤついていく。それは年頃の女の子はとても見せないよな目つきで風俗嬢を選ぶ年配の親父のようないやらしさがあった。何を見ていたかなんてとても口に出せる物ではないのは確かである。
そして数分後、青葉はスマホを置くと再び画面に目をやった。
「はあ~悠香も無茶言うよ、これだけの量を今日中に仕上げてだなんて……僕の使い方が荒いんだから……」
青葉の口から愚痴が漏れてしまう。
毎度毎度、青葉はうんざりしそうな気分になってしまうが、それでも自身に与えられた仕事をキッチリとこなしてみせる。それは悠香と長年、付き合って得た友情もあるが、何よりも青葉自身のプライドが仕事をしようとしない自分を許せない、一種の職人魂がそこにはあった。
「でもどうしよ……来月の新発売だって言うのに。まだ終わってないルートが山ほど……」
青葉はデスクの隣に積まれたゲームの山をチラリと見る。青葉は今からでもゲームをしたい気分に駆られたがグッとそれを堪えた。
ちなみにそのゲームは18歳以上限定を意味するR18のマークが書いてあるのだが……
「いけない、いけない。集中、集中」
近くに置いておいた紙パックに入った大好物の苺ミルクを一口で飲み干した。集中力がきれそうな時、青葉は決まって苺ミルクを飲むのだ。
「さあて、ラストスパートラストスパート」
それから数時間と数十分間、青葉は黙々と作業を続ける。誰かほかにこの場に居たとしても、集中している青葉の姿を見て声をかける者などいないだろう。再び、常人では到底できないだろう速度でキーが押されてみるみるうちに画面の中で記事が出来上がっていく。
「とりあえず、今日の分は終わりっ……と」
エンターキーが押して作業を終わらせると、青葉は背もたれに思い切りもたれかかりながら両腕を大きく伸ばした。青葉はとてつもない達成感に包まれた。
「やっとできるよ……」
別にすべての作業が終わった訳ではない。この出来上がった記事を悠香に見てもらい、そのまま二人で相談しながら記事の完成度を上げていくのだ。だが、今日の作業が終わったのは事実だ。
青葉はおもむろにゲームの山へ手を伸ばした。生徒の私物のパソコンとはいえ、このまま学校の中で高校生がやるような物ではないいかがわしいゲームが開始される筈だった。
「あ、そういえば……」
青葉の手が止まった。そして青葉はあることを思い出した。
(青ちゃん、作業の合間でいいからコレの事調べてくれない?)
それは丁度、ゴールデンウィークが開けてしばらく経った夢宮ヒカリのライブの日であった。
悠香はいつも、取材で得た大量の資料を青葉に渡す。しかし、その日は少し違った。青葉の前に置かれる資料の山とは別の資料。かなり薄っぺらく量の少ない資料が別に置かれていたのだ。
「シャイニーブルームねぇ……」
その調べてほしい内容はズバリ、魔法少女シャイニーブルーム。12年前にこの世界でアルティメギルと呼ばれるエレメリアンの集団と戦ったツインテールの戦士。テイルバイオレットやツインテイルズとも違う戦士だ。
青葉自身、前々から悠香がその事について調べているのは知っていた。さらに以前、テイルバイオレットの正体を見つけようとか言い出したこともあったこともあり、たちどころにそれを調べることを了承したのだ。
「流石に今回は本腰いれて調べようか……」
今回はテイルバイオレットの時とは違って作業の合間でいいと言われていたこともあり、青葉は今日まで時々調べては忘れるを繰り返していた。
ゲームをやりたい気持ちをまたもグッとこらえるとパソコンのフォルダを開き、前回まで調べていたところを思い出しながら調べだす。
シャイニーブルームを調べても出てくるのは『魔法少女シャイニーブルーム、12年前の戦い!?』などの最近できた記事か、『シャイニーブルーム大好きwiki』などの当時に作られたファンサイトやwikiやまとめブログなどだ。必要なのは当時の情報、よって青葉が見るのは後者の方。しかし、それらのサイトに載っているのはシャイニーブルームに対する気持ち悪い怪文書か、特に確証などない次の登場予測地区、素人が撮ったピンボケ写真。
テイルバイオレットも全盛期のシャイニーブルームほどではないがそれらのサイトは作られている。だが、その内容は当時と今でも変わらなかった。
「……にしても12年経っても変わらないものだね」
その有様に青葉は呆れて声をだしてしまう。
それからしばらく調べていたものの、中々目ぼしい情報は得られない。青葉はテイルバイオレットの時もまるで雲を掴むような話だと思ったが、それでも絶対に諦めない。
「大手情報サイトやニュースも同じ写真に映像ばっかりだね」
シャイニーブルーム、またはアルティメギルが写った写真は何処を見ても同じ物ばかりだ。バリエーションにして約3パターン程度。これは少ないと言わざるえない。
「これじゃ拉致があかない」
視野を広げるためにも青葉は悠香に貰った資料を目にやった。
その内容はかなり薄かった。理由は取材を受けてくれた人たちは皆、当時のことをよく覚えていないからだと記載されていたからだった。
本来なら何の手がかりにもなさそうな代物だが、青葉は何かを閃いた。そして、そのままある事を調べ出した。
「これって、やっぱり……」
外はもう暗くなり生徒たちが帰宅する中、青葉は最後まで部室内に残り続けていた。
いつにも増して和輝が不良っぽく見えますが彼は一応、不良一歩手前といった感じです。