三点着地系に目覚めたゼルダ無双 厄災の黙示録 作:放仮ごdz
今回はリンクのモーショントレースとゲルド地方へ。リンクVSゼルダです。楽しんでいただけたら幸いです。
リトの村での激戦を終え。リーバルから、小型ガーディアンによく似たガーディアンが扇動する魔物の群れに何度も襲われて警戒態勢を敷いていたことが話され、リーバルとリンクが仲が悪いと言う一悶着があったもののとりあえずヴァ・メドーの繰り手を引きうけてもらった。そして一度古代研究所に戻ってきた私、リンク、インパの目の前にはプルアが用意した真っ白なアーマーがあった。
「これが…」
「そ。マーク3.5。リンクのモーションをトレースするためだけの軽量アーマーだよ」
「なんというかその……すごく、味気ないですね」
インパの言う通りだ。これまでのアーマーは元々の素材の色である黒や、私に合わせて青や金で彩っていた。それらに比べるとあまりに味気ない。
「戦闘用じゃないし外にも出さないし余計な物を全部削ったのよ。パワーアシストも邪魔しない程度の最低限。じゃあはいリンク、これを装着して。あ、念のために何も身に付けてない状態で装着してくれる?最大限のパフォーマンスをしてほしいから。あ、もちろんパンツは脱がなくていいわよ」
「はい」
「キャー、姫様!見ないでください!」
「え?あ、はい」
インパに目隠しされながらリンクが服を脱ぐ音が聞こえ、カチャカチャと装着していく音が聞こえる。音から見て、マーク1と同じで一つ一つ装着していくタイプらしい。マーク5の変形装着機構はよかったですね…と感慨深く思っていると、準備が終わったらしくインパが手を退かしてくれた。そこには、全身真っ白のアーマーを着たリンクがいた。
「兜との通信、問題なさそう?オッケー!じゃあ裏庭に出て。片手剣、両手剣、槍、盾を渡していくから兜に映る指示通りに最大限の動きをお願いね!」
そう言ってシーカー族の武具である残心の小刀、無心の大剣、護心の盾と、あと一般兵士が使う兵士の両手剣と兵士の槍を用意するプルア。まず渡したのは兵士の槍だ。
「フゥゥ……ハアッ!セイヤーッ!」
すると裏庭の中心に立ってクルクルと振り回して流れる様に突き、薙ぎ、払いを披露したかと思えば跳躍し、怒涛の連続突きを地面に叩き込む。その範囲がすごい。まるで嵐の様だ。
「次、両手剣!」
槍を手放し、兵士の両手剣を受け取るリンク。するとその場でグルグル回転、遠心力を加えた凄まじい一撃を地面に叩き付け、大きく抉ってしまう。
「…えっと、あれ、パワーアシスト、最低限なんですよね?」
「そうよ。アーマーのアシストに頼らない素の動きのはずだけど…貴方の近衛騎士、天才ね」
「………そう、ですね」
やや複雑な思いを抱きつつ、リンクがグルングルンと今度は空中を回転して何度も何度も叩きつける光景を見る。…やはり彼は凄い。伝説の、退魔の剣を持つ勇者は恐らく……彼しかいない。
「次よ。姫様にも手伝って貰おうかしら」
「はい?」
「マーク3、修理しておいたからそれを装着してリンクと戦ってほしいのよ。片手剣と盾は対人戦で最も有効だから」
「なるほど。模擬戦と言う奴ですね」
インパに手伝って貰い、マーク3を装着。シークはそう言えばマーク4からサポートしてくれるんだったなと思い直し、リンクの元に片手剣と盾を持って近づいて手渡す。リンクは躊躇していた様だったが、私が「お願いします」と頭を下げたことで快く引き受けてくれた。…これは八つ当たりだ。プルアには悪いが、手加減はしない!
「ハアアアッ!」
足裏からのビームで跳躍、高速で拳を叩き込む。しかし剣を円形に振るうリンクの回転斬りで大きく弾かれ、私は空中に浮遊。両手からリパルサー・レイを二連続で放つ。
「フッ!」
それをリンクは一発目を宙返りで回避。二発目を盾で弾き返してきたので慌てて回避。地上に降りたところをジャンプ斬りで斬りかかってくるのを、左腕の装甲で受け止める。
「甘いです!」
そのまま接近戦に移行、連続で殴りつけるが、剣で斬り払われ盾でいなされ、彼のアーマーに傷一つつけられない。頭に血が上った私は胸部モノアイからユニビームを発射。しかしとんでもない反射神経で盾で受け止められたばかりか向きを変えて私に当ててきた。大ダメージでアラートが鳴り響き、よろめいたところを突撃してくるリンク。
「くっ!」
咄嗟に両手を前に出して防御体勢を取る私に、怒涛の連続攻撃が炸裂。下からの斬撃で防御を崩され、流れる様な四連撃が胴体に炸裂。さらに斬り上げ、着地と同時に回転斬りで浮かされて上突きが背部に炸裂して私は宙に吹っ飛ばされ、落ちてきたところをシールドバッシュで殴り飛ばされる。
「リンクが片手剣が得意なのはわかってましたがこれほどとは…」
アーマー自体のダメージは意外とない。ただの剣じゃこのアーマーはビクともしない。だが、背部の巨大な古代のコアを損傷してパワーアシストが働かず、動けない。それだけじゃない、勢いと気迫には敵わない。確かな恐怖が私に刻まれた。これが、天から才を得た者の力……完敗、です。
「そこまで!姫様、大丈夫!?」
「やりすぎ、やりすぎでーす!」
慌ててプルアとインパが駆け寄ってきてアーマーを脱がしてくれていると、兜を外したリンクが申し訳なさそうにやってきた。
「姫様、申し訳ありません。いくら斬ろうが効かないことはわかっていたので俺の持ちうる最大限の技を叩き込みましたが、やりすぎました…」
「なにを謝ることがあるのです、リンク。これほどの力ならば必ず私の力になるでしょう。…本気で来てくれて、ありがとうございました」
こんな私相手でも、姫である私に対して本気で来てくれたことに感謝しかない。あの動きを私もできるようになるのか…少し、嬉しいかもしれない。
そうしてリンクの協力もあり、武装を付けたアーマー、マーク4は完全に完成した。携帯型のマーク5と大型アーマーのマーク6が先にできたが、性能はこれが随一のはずだ。最後の神獣、ヴァ・ナボリスを有するゲルド族訪問も頑張ろう。
砂漠が広がるゲルド地方に集落を構える女性のみで構成された気高く逞しい砂漠の民、ゲルド族。かつて魔王ガノンを生み出した一族ではあるが今はハイラル王家との関係も良好であり、特に優れた戦闘力と雷を操る力を持ち神獣ヴァ・ナボリスの繰り手に選び出されたゲルド族の族長ウルボザは私の母、亡きハイラル王妃の親友だ。だから今回は魔物に襲われるだけだと、思っていたのだが…
「はあ、はあ、はあ…どうして、こんなことに…」
そうぼやきながら小型ガーディアンを抱えて砂地を走るインパ。警戒しながら先行するリンク。そしてさっそく着てきたマーク4で低空飛行し二人についていく私。それを追いかけてくるのは、赤髪に褐色肌で私やインパどころかリンクさえ優に超える高身長の女性、槍を手にしたゲルド族の兵士たち。
「とにかく、あの岩陰に隠れましょう!」
リパルサー・レイを地面に撃って砂ほこりで目暗まししながら岩陰に隠れる私達。ゲルドの兵士たちは気付かずに走り去って行った。
「どどっどうしてゲルド族が私達を…」
「…ウルボザ本人に真意を問い質すより他ありませんね。二人とも、ゲルドの兵士を極力気絶させてゲルドの町に直行しましょう。そこにウルボザがいるはずです」
リト族との戦いと同じことになってしまった。私から連絡を受けたプルア経由でハイラル軍の兵士があとから援軍に来てくれるはずだが、それまでは三人で何とかしなければ…!
「見ろ!ハイラル軍の新兵器だ!ウルボザ様の言う通りハイラル軍が攻めてきた。やはりゲルドを滅ぼすつもりか…!」
「そんなつもりは、ありません…!」
空から非殺傷モードのリパルサー・レイを撃つことにした私を見て指を差すのはおそらく隊長格と思われるゲルド兵。ウルボザが、そんなことを!?
「私は空から街に入ります。二人は手薄な南側から回ってください!」
「え、姫様!?一人じゃ危ないですよ!」
「一人じゃありません、ね、シーク?」
≪嬉しいこと言ってくれるね姫様。ところで下から弓矢だ≫
「っ!」
下からのゲルド兵の弓矢一斉掃射を何とか回避しながら侵入を試みる。ウルボザ、一体何が…必ず問いただして見せます!
・アイアンマンマーク3.5。モーショントレースの為だけに急造されたアーマー。モーショントレース以外には最低限のパワーアシストぐらいしか機能がない。装甲も貧弱ながら、リンクは無傷でアーマー姫様を倒して見せた。
ついに完成マーク4。既に5と6は完成していたけど先に開発されていたのはこっちなのでマーク4。マーク3からプルアの援護を抜き、シークの補助、ガーディアンシリーズの武装、リンクのモーショントレース他、もう一つの機能が追加されている。本格的な活躍は次回にて。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
ウォーマシン枠は誰?
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インパ
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プルア
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ロベリー
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シーク(無人機)
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カッシーワの師匠
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オリキャラ(ブレワイ世界のヒルダとか)