祝福は何処に…   作:岸式

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3話

暫くしてから、他のクラスメートが目を覚まし皆それぞれの反応を表す。

家に返して、と絶望し泣きじゃくるものやその逆に、これで自分も異世界ハーレムと喜んでいる者もいた。

 

そんな中、俺はロザなんとかって姫様に疑問を問いかける。

 

「なぁ、お姫様。さっき『私達の国を救って欲しい』って言ってたけどよ、一体何に襲われてるんだ?」

 

「はい、今我が国は魔族が支配する支配するレイヴンズ帝国に侵略されようとしているのです。」

 

お姫様は近くで待機していた騎士にテーブルと地図を持ってくるように指示を出す。

直ぐに用意された地図を広げて自分達の現状を説明する。

地図は大きくわけて赤、青、黄、緑、紫色の計5色に分けられており、赤色が1番面積が大きい。

 

「まず、この赤色が我がフロレンシア王国であり、その他の青、黄、緑はレイヴンズ帝国に抵抗するために支援してくださっている国や中立国です。」

 

お姫様が言うには、赤が自国、青が魔術士、黄色が戦士や騎士団、緑が物資などを提供してくれる国だそうだ。

俺は、そんなことよりも何故自分達の様な一介の高校生が異世界に召喚されたのかが気になる。

 

「なぁ、実際何故俺達がこんな所に呼ばれる事になったんだ?」

 

「…それは、500年前から伝わる伝承があるからです。」

 

「その、伝承ってのはどんなもんなんだよ」

 

「それは、今から500年前の当時力によって世界を征服しようとしていた魔王軍が異世界より召喚された勇者達により倒され、世界に平穏を取り戻した。その勇者達はそれぞれ得意な技を持ち一人一人が百戦錬磨であった、と言う伝説です。」

 

…まぁ、よく聞くやつだわな。

どうせ、こういうのは魔王をたおさなければ元いた世界には帰れないって相場が決まってるんだ。

冗談じゃねぇぞ、おい。

 

 

「その、勇者達はその後どうなったんだ。」

 

「…分かりません。元いた所に帰ったという話もありますし、この世界に残って最後まで世界を見守り続けた、という伝説もあります。」

 

「…じゃあ、さっき言ってた『技』ってのなァどんなもんなんだよ」

 

「…そうですね。見てもらった方が早いかもしれませんね」

 

お姫様は着いてきてください、と言うと今までいた建物の奥に進んでいく。

そこには、先程よりも少し広いドーム状の建物があった。

その建物の中心には今までと違って随分機械的なものがそびえ立ってる。

 

「…ここは?」

 

「ここは勇者達にスキルを授ける場所です。

真ん中の石版に手を乗せるとその人のスキルが分かるのです。」

 

俺が、パネルに手を乗せようとしたその時、後ろから大急ぎで走ってくる人物が現れた。

 

「ちょっ、ちょっと待ってくれ!」

 

「…昇吾か。どうした?」

 

「どうしたもこうしたもあるかよ!お前、なんで相談しようとしないんだよ!」

 

俺は疑問にも思ってなかった、相談ってなんのだよ?

 

「なんの相談だよ…」

 

「なんのって…今後のことだよ!」

 

「だから、それはさっきお姫様が言っていただろう。

レイヴンズ帝国を止めて俺達は帰る、それだけだ。」

 

「それは、人を殺すってことだぞ」

 

「だからどうしたんだよ…」

 

「え?」

 

こいつは分かってない。

今は確かに判断材料は少ないが、結局の所侵略を停めれば良いだけの話だ。

 

「その為に俺達は呼ばれたんだ。それに…」

 

「それに、何だよ」

 

俺は昇吾に近ずいてお姫様にも聞こえないように小さな声で耳打ちをする。

 

「召喚の際に、従わなければ死ぬ呪い何てものもあるかも知れたいだろ?」

 

もし、自分達が誰かの召喚物だとして召喚主の意に反する行動をするとどうなるか分からない。

もしかしたら最悪の場合、死ぬかもしれないのだ。

それに、本当は自分達が知らない間にどこかのテロリスト集団に拉致されていて、従わなければ家族が危険な目に会うかもしれない。

俺は、家族が危険な目にあうのはゴメンだ。

 

「…確かにな」

 

先程の食って掛かろうとしていた態度とは真逆の反応をする。

自分が愚かな行為をしようとしていたのを理解したようだ。

 

「お前の考えは分かった、じゃああのパネルに触るのは俺からだ。もし、お前の言う通りならお前はここからにげてくれ。」

 

「おい、どうなるか分かんねぇぞ!」

 

「大丈夫だよ、運が俺に味方してるって」

 

笑っているが、その目は確かに覚悟を決めたような顔つきをしている。

それに、少し震えている。

誰だって怖いはずだ。

俺だって怖い。

 

「分かった、頼む」

 

「おうよ!」

 

そのままパネルの前まで行く、けれどすぐには動けずにいた。

1度、深呼吸をして右手をパネルの上に置いた。

 

すると、機械が虹色に光だしその光が回転し始める。

光は直ぐに収まる

パネルの少し上の、丁度溝内の辺りからカードがでてくる。

そのカードには、『光の剣士』と書かれている。

これが俗に言う職業のような物だろう。

 

「これで俺も勇者って奴なのかなお姫様」

 

「はい、しかも今の光はとても大きなものでしたのでもしかしたらとても強大な力を宿しているかもしれません。」

 

お姫様が上品に笑う。

そして、昇吾も笑って見せた。

 

「大丈夫そうだったぜ」

 

「じゃあ、次は俺の番だ」

 

俺はパネルに手を乗せる。

すると先程の様に光が現れる…と思いきや、何か色が違う。

先程の様に虹色ではなく紫っぽいような黒いような、そんな感じの光が溢れ出して行き建物の中を闇で覆うようになっていく。

しかしこれも直ぐに収まり辺りは静寂な包まれる。

また、カードが出てくる。

 

「なぁ、どんな職業だった?」

 

俺は無言で昇吾にカードを見せる。

俺のカードには『殺人鬼』と書かれていた。

 

「…うわぁ」

 

「シバくぞこの野郎」

 

そんな顔するんじゃねぇよ、おい

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