晩餐会が終わって、部屋に戻ろうとする。
しかし、困ったことに戻り方が分からない。
右往左往している所にローズさんが現れ部屋まで案内してくれた。
「それでは、おやすみなさいませイヌカイ様。」
「ありがとうございました、ローズさん」
「いえ、私は貴方の専属メイドとなったのでこれくらいどうと言うことはありません。」
「専属メイド?何時から?」
「正式には明日からですが、お昼に決まりました。」
「はぁ、分かりました…」
「何か有れば何時でもお呼びください」
ローズさんはそう言うと部屋から出ていってしまった。
それから俺はクローゼットの中にあった寝巻きに着替えてベットに入る。
が、目が冴えてしまっている。
「…寝れねぇ。」
昼に寝てしまっていて全然眠気がない。
それでも、暫く目をつぶってみる。
でも、やっぱりダメだった。
時刻は夜中の12時半。
完全に目が冴えている。
暗い部屋の中で目を瞑っていると、悪い考えが次から次へと湧いて出てくる。
これからどうなっていくのか?
自分達はどんな目にあってしまうのか。
家族は今頃何をしているだろうか。
それから、…勿花は何をしているだろうか。
?何故ここで勿花の事が出てきた?
コンコン
「失礼します」
「ローズさん、どうかしました?」
「ホットミルクをお持ちしました」
「あぁ、助かります。丁度寝付けなかったところです」
ローズさんからカップを受けるとホットミルクを1口飲む。
温かい、それに蜂蜜の上品な甘さが気持ちを穏やかにさせてくれる。
これならグッスリと眠れそうだ。
「コレ、とても美味しいです」
「そう言って頂けると幸いです」
こんなにも美味しホットミルクは初めてだ。
心が穏やかになり、ついさっきまで考えていた悪い考えが全て何処かに行ったように感じる。
「こんなに美味しいなら、毎日欲しいくらいですよ」
「では、明日も来ますね」
彼女は微笑み、持っていたカップをカートに乗せ持っていく。
そして、俺はベッドの中に入り目を瞑っる。
翌日、目が覚めるとを体が軽く感じるほど爽快な朝だった。
空は青く、太陽も輝いている。
今日、これから俺たちの異世界での生活を祝福するようないい天気になった。
歯を磨き顔を洗いこちらの世界での服に着替える。
白のシャツにジーパンの様な生地のズボンを履いて用意して貰った朝食を食べる。
その日はお昼まですることが無かったので、部屋にある本棚に向かい、本を手に取る。
しかし、さすがは異世界、全く読めない。
結局、ベッドでゴロゴロするか、ベランダに出て景色を眺めるしか無いようだ。
コンコン
「どうぞ」
「イヌカイ様、お時間になりました。
これから、国庫まで案内させていただきます。」
「分かりました、ローズさん」
これから、俺達は殺す為の道具を選別する。
俺は実際に人殺しをしたい訳では無い。
そうしなければ、元いた所に変えられないから。
家族の元に帰るために。
そう自分に言い聞かせて、俺は足を運ぶ。