「素晴らしい、素晴らしい素晴らしい素晴らしい!!!」
疲れた…ダンカイさんの興奮した声がはるか遠くに聞こえるほど疲労している
初めて身体に魔力を巡らせた時は無意識で分からなかった
2回目はダンカイさんと一緒に魔力を巡らせた時は1呼吸でお互いの身体を一巡させる程度
だが今回オーブに魔力を注ぎ込んだ時は1呼吸で4~5巡程の速さで行った
まるで何時間も全力でマラソンをしたように体が重く、息も絶え絶えになっていた。
全身も汗だくで立っているのがやっとの状態だ
「素晴らしいですよイヌカイ様。まさか伝説が私の目の前で再現されようとは!!」
「あ…そう…ですか」
「ええ、私の長年の研究はやはり正しかった。300年前の勇者様たちは凄まじいまでの魔力を扱える大魔法使いだったはずに違いない!」
「…うっ…研究が…成功して…良かった…です…」
声が頭に響く、目が回っている。頭が割れそうだ…
「イヌカイ様、大丈夫ですか?顔色が悪うございます」
「すいません…ちょっと…疲れが」
「分かりました、本日はお部屋に戻りゆっくりと休まれて下さい。歩けますかな?」
「…何とか」
「イヌカイ様、部屋までご一緒いたします」
ローズさんが声をかけてくれる。その声すら頭に響き悶絶してしまう
「うっ…ありがとう…ございます」
ローズさんに肩を預ける形でゆっくりと部屋を後にする
足元も疎かになり千鳥足になっているがローズさんのおかけで何とかまっすぐ歩けている
長い渡り廊下を抜けや細かい通路を抜け段々と自室に近ずいていく中で周りを見渡す力もなく、ほぼローズさんに引きずられていくように歩く
そんな中、勿花がこちらを見ているなんて知らず俺たちは部屋に入る
「イヌカイ様、部屋に着きましたよ。ベッドはすぐそこです」
身体も思うように動かないが、それでも気力のみでベッドに横になる。履いている靴を脱ぐことすら困難な状態で身体を投げ出す
「ローズさん…ありがとうございます」
「体調はどうですか?」
めまいがして目の前が白くなってきている、頭も割れるように痛い、身体が重く激しい筋肉痛の様になっている、息も絶え絶えの中あとは気力だけで喋る
「クラクラする…頭が痛いし、目がチカチカする……」
ローズさんが一瞬考えてから発言する
「状況や症状から察するに魔力の使いすぎて魔力欠乏になっているようですね」
「魔力…欠乏」
「はい、時間がかかりますが元の状態に戻ります」
「…それって…どれ…くらいです…か?」
「人にもよりますが早い方で3日、遅くても1週間で戻ります」
「……3日から…1週間……か」
長い、日にち薬とはいえ3日もこの状態が続くのは勘弁して欲しい。もう少し、なにかこの症状を緩和することはできないだろうか?
そんなことをぼんやりと考えているとローズさんがまた、考え事をしているような表情をしている
そしてなにか覚悟を決めたような表情をしてこちらに話しかけてくる
「イヌカイ様、少々手荒ですが症状を緩和させる事が出来ます。どうなさいますか?」
「何でもいい…早くこのしんどさを和らげるなら…」
「承知しました」
ベッドに大の字で寝ている俺にローズさんは覆いかぶさってくる
そしてその顔を段々と近ずけて行く
お互いの鼻と鼻が触れるほど近くに顔を寄せ、遂には柔らかな唇が俺の口先に触れる
鼻には微かにその名の通り薔薇の香りがする
甘く、上品で、優雅な香りを