蛇毒の女帝は栄光へとひた走る   作:にょろたろ

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※序盤はウマ娘感ないです




メジロ・柊ヶ丘(ひいらぎがおか)孤児院。さしたる経済問題もない大規模な施設だ。その中には「院内ウマ娘専用教育区画」・・・通称「ウマ専」も存在している。小学生以下の子供を専門とした施設であり、また、非常に過保護な運営をしている。特に、院内小学校や学童寮を備えていることを中心とした幅広い施設環境が整っていた。

 

 

 ウマ娘は普通の人間と比べて身体が丈夫で、筋力がある。小さい頃ならば大きく変わらないが、3,4歳くらいで大きく差がつく。

 

 

 子供、というのは加減が利かないものであるし、それが人対ウマ娘、しかも同年齢であったらもう大変なこととなる。ウマ娘が人の子を蹴飛ばした、なんて事故が起こってしまえば孤児院としての風評は忽ち不味くなる。

 

 

 さて、そんなわけで存在している「ウマ専」であるが、群れが集えば問題は発生するもの。娯楽が少ない孤児院にとって、いじめは当然に存在した。子供にとって外部から切り離されている状況、生活環境が常に一緒であることもまた災いした。

 

 

 彼女らの幼さに加え、ウマ娘に宿る「勝利への渇望」もまた作用し、常に何かを競い合い、勝者敗者を作り出す。

 

 

 自分の方が力が強い、毛並みが綺麗、耳の形が整っている、手先が器用、頭がいい、容姿が整っている、才能がある、体力がある、先生に好かれてる・・・

 

 

 そして何より、「()()()()()()()

 

 

「これ」が施設ウマ娘の本質であり、すべてにおいて「これ」が勝るものが施設の頂点に立ち、負けたものは勝者に這いつくばって従うしかできない。

 

 

 なまじ力も強いため、孤児院の職員も手出しが出来ず(孤児院にはウマ娘の職員がいないためだと思うが)実質、「ウマ専」は実力主義に支配された空間であった。

 

 

 

 

 

 そんな場所にいる私、セミラミスオロチの世渡り法ですが・・・

 

 

「ぼっち、イズ、ベスト!!」

 

 

 まさかの陰キャ戦法だった。

 

 

「いやだってわざわざつるんで難癖吹っ掛けられるより一人でいた方が有意義ですしおすし」

 

 

 こんなわけわからんことを口走りながらジャージに着替えた私はすったかたったとグラウンドに走り出す。春といっても日の出前は冷える。

 

 

「ふっ、ふっ、ふっ」と軽い呼吸で一定のペースを保ちながらランニングを行う。

 

 

 前世の記憶が戻ってから様々な混乱があった。8年生きた「私」と、60代まで生きていた「自分」が融合したために起きた自己の混在や常識の辻褄合わせetc・・・

 

 

 なによりウマ娘という存在が特異点のように感じた。「馬はどこにいった!自分の生きがい!!」と萎えた瞬間も少なからずあったが、ウマ娘の正体だったり自分がウマ娘であることで安定した。

 

 

 ただ、ウマ娘の今後の展望・・・つまるところ、進学及び就職ってどうなんだという現実がふっとよぎってしまったわけで。

 

 

 そして孤児院内の図書館やテレビニュース見たうえで60代平凡人生観からウマ娘の将来を考えると、

 

 

「中央の「日本ウマ娘トレーニングセンター学園」を目指し、そこへ入学し、勝ちまくってトップスタアになれば人生・・・いやウマ生安定じゃね??」

 

 

 と考え付いてしまったわけだ。如何せん、前世の勝てなかった競走馬の結末を知っている身として、「ウマ娘も実は・・・」なんて必死になっていた時期もあったためだ。

 

 

 その結果得た結論は、「私」は「自分」の知識を活用しながら勝ち組ウマ生を過ごしたい!という8歳児にあるまじき目標を掲げたのだった。

 

 

 

 

 

「日本ウマ娘トレーニングセンター学園」・・・通称「トレセン」の入学には筆記、実技、面接試験の3項目が必要となる。

 

 

 筆記、面接は「自分」の知識やらでどうにかなるが、実技・・・つまり徒競走となると話は別。こればっかりはどうにかせにゃあかんとなったわけで。

 

 

 

 そうした経緯があり、現在朝のランニングをこなしているわけです。

 

 

「はっ、はっ、っと、やっぱりこの身体バグってるでしょこれ・・・」

 

 

 ウマ娘の身体能力は人間と比べかなり高く、現役ウマ娘は最高速度は70km/hを超える。つまり、それを支える身体や体力、その速度から得る情報を整理する処理能力などを所持していることになり、その恩恵は私も受けていた。

 

 

 ・・・因みに孤独のsilhouette、左手にサイコガンを持つ男は100m5秒フラットなので72km/h。同じ速度で走れるなら実質スペースなコブラだぜ、なんて言ってお菓子の空筒を左手に着けて構えてたら大部屋の注目を受けたのはここだけの話。

 

 

 子供ではあるが、最高速は35~40km/h。8歳女児の50m走平均が約18km/hと考えると破格の速度だし、体力なんて比べるまでもない。

 

 

 実際私もランニングと言っているが、その速度は成人男性のマラソン級の速さ、それをキープして30分以上走ってるんだからもうおかしさで笑いがこみ上げる。

 

 

 

 

 一つはこの身体のおかしさに、一つは前世の最期を思って。

 

 

 

 

 

 

 

「さ、て、と。朝のランニング終わり!今日も一日がんばりますか~」

 

 

 朝日と共にグラウンドを去る。部屋に戻って筋トレと柔軟だ。

 

 

 

 

 学業と身体づくりと表面だけの友達付き合い。今日も明日も変わらない日々が続いていくのだろう、なんて考えて。

 

 

 




オロチ「はい、独りだと文章少なくなるよねっと」


うp主「あとがきでは第四の壁を壊してキャラがしゃべるよ、キャラ崩壊著しいけど」


オロチ「嫌だったら読み飛ばしてくれ……」


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