まともな千聖さんを返して(マジで)   作:黒ハム

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というわけで、始まった千聖ルート!
もちろん、元の作品を知らなくても楽しめるようにしていきますのでよろしく!
ちなみに、最初から彼女のアクセルは全開です。


○○の秋

 皆様は○○の秋と聞かれたときに、真っ先に思い浮かべるのは何でしょうか?

 食欲の秋?読書の秋?スポーツの秋?睡眠の秋?芸術の秋?

 様々な秋があり、思い浮かべたものが不正解だと言えることはないだろう。

 

「ねぇ、慧人。私思うの。秋はやっぱり性欲の秋じゃないかって」

「…………」

 

 だからどれも不正解ではないと思うが、彼女の言葉を聞いたとき、俺はどう答えれば正しいのかよく分からない。

 

「聞いてるの?」

 

 目の前の女性……白鷺(しらさぎ)千聖(ちさと)が黙り込んでしまった俺の顔を覗いてくる。

 

「白鷺千聖……とある芸能事務所に所属する女子五人で結成されたガールズバンドユニット、Pastel*Palettesのベース担当。幼い頃から子役として活躍してきた、花咲川女子学園に通う高校二年生。容姿はとても整っており、可愛らしく、美少女という言葉がよく似合う」

「……千聖。何で急に自己紹介したの?」

「ふふっ♪一応ね」

「あと、腹黒いっていうこと忘れているぞ」

「そんな……!私のお腹は黒くないわ……!」

「……あっそ」

「そして目の前に居る彼は冬木慧人(ふゆきけいと)。虎南高校に通う高校二年生で、CiRCLEでバイトをしている。現在、私とお付き合いしている男性である」

「ダウト。最後の一文はちげぇよ馬鹿」

「そんな……は……!付き合うって……ベットの上で激しく突き合っているっていうこと」

「付き合ってねぇし、突き合ってもいねぇよ」

「そうね……慧人が突いて私が突かれる関係だったわ♪」

「そんな関係になってねえよ」

「私はいつでも歓迎なのに」

 

 そう言うと、俺の部屋で寝転がっている千聖は軽くスカートの端を持ち上げる。

 

「はいはい」

「興奮した?」

「誰がするかよ」

「といいながら心の中では興味津々。もっとその手を挙げてくれよ、と野獣のような眼差しで見つめて……」

「いねぇから。勝手にねつ造するな」

 

 呆れながら俺は外を見る。

 俺とコイツの関係は強いて言えば悪友。別に身体の関係もねぇし、恋人って訳でもない。ただの友人と呼ぶには色々と語弊がありそうだが、親友とは呼びたくないので、悪友というのが一番相応しい。

 

「で、さっきの話なんだけど」

「さっき?」

「性欲の秋って話よ」

「…………」

 

 出来れば戻りたくないってのが本音だ。

 

「その顔はどうしてそんなことを言い出したの?って顔ね」

「ちげぇけど?出来ればそんな話をしたくないって顔だよ」

「いいでしょう。これから白鷺千聖による『秋は性欲の秋が相応しい理由について』という講義を始めます」

「終わります」

「では、慧人。秋が性欲の秋……いえ、セッ○スの秋と呼ばれる理由について」

「ついに包み隠さなかったなこの野郎」

「いい慧人。ここからは真面目な話よ。しっかりとメモを取りなさい。テストに出るわよ?」

「なんのテストだよ」

「私お手製のテスト♪」

 

 誰が受けるかそんなもん。

 

「ちなみに得点に応じて賞品が豪華になっていきます」

「安心しろ。テスト用紙もらった瞬間に突き返すから」

「0点は私と夜の個別レッスンね♪補習ということでマンツーマンの激しく絡み合いながら……」

「じゃ、放棄するわ。放棄すりゃ点数つかねぇだろ」

「その場合は点数がつくまで何度も何度もやってもらいます」

「…………」

 

 どうすりゃいいんだ?俺は。

 

「ねぇ慧人。今、気付いたわ」

「何をだよ」

「さっきのって着床するまで何度も何度もヤッてもらいますっていうのと似ていない?ほら、点数がつくのと受精卵が子宮内膜につくってことで」

「…………」

 

 あーどうでもいいなー

 

「こほん。秋というのは発情の季節なのよ」

「あ、いきなり話戻ったのか?そして、クソどうでもいい」

「もちろん、これは私自身が秋によく発情しているからって理由じゃないわ」

「は?そうじゃねぇのか?」

「失礼ね。いい?秋は、男女ともに性欲につながるホルモンの分泌レベルが上昇するの。これは複数の研究であきらかになっていることよ」

「だから性欲が増す……発情するってことか」

「そうね。そして、人間だけじゃなく他の動物も一緒なの。つまり秋は、人間だけでなく生物的に性欲が増す季節と言っているの」

「ほー」

 

 意外と根拠がしっかりある話で驚いた。

 

「また、秋は精子が元気になるの。夏の間はどうしても暑さで精子が減っちゃうけど、涼しくなって行くにつれ精子も活性化するの」

「あー保健の授業で聞いた気がするわ。精子は暑さに弱いんだろ?」

「そうなの。だから涼しくなった秋は活性化する。そう、あなたのここにある」

「……」(ペシッ)

 

 伸びてきた手を振り払う。

 

「ここに……」

「……」(ペシッ)

「ここ……」

「……」(ペシッ)

 

 三回に及ぶ攻防。千聖はジッとこちらを見てきた。

 

「いいじゃないの!ちょっとあなたの(ピーーー)に触るぐらい!」

「ぜってぇそれだけですまねぇだろ」

「なっ……!そんな、私がその拍子にあなたを脱がして、あなたの(ピーー)を上下にしごいて勃起させ、そのまま流れるようにセ○クスに持ち込もうとか、そんなことするとでも!?」

「今の返答で信用するとでも?」

「そんな……酷いわ。何で信じてくれないの……?泣いちゃう」

「勝手に泣け」

「うわーん」(棒読み&嘘泣き)

「…………」

 

 こいつ、どうしてくれよう。

 

「ところで、慧人はどんな秋を思い浮かべるかしら」

「いきなり切り替わったな?うーん、やっぱ、運動の秋とか食欲の秋か?」

 

 部活でサッカーをしているし、料理もよく作っているからな。その意味ではその二つが一番か?後は睡眠の秋か。授業中はちょうどいい涼しさで寝やすいからな。

 

「つまり……慧人もセック○の秋を推奨しているのね」

「どうしてそうなる?」

「運動……つまり、夜の運動がお盛んになっていく。目の前にいる私をベットの上で美味しくいただく……すなわち食欲を満たそうとする!つまりこれは慧人が○ックスしたいと言ってるのと同義よ!」

「ちげぇよ?ちげぇよ馬鹿?というかテメェを頂いても腹が膨れねぇよ」

「……え?性欲が満たされるわよ?」

「食欲が満たされないんだよ」

「え?性欲が満たされればよくないの?」

「は?食欲を満たしたいんだよ」

「二つの欲を満たそうとするなんて……欲に塗れているわね」

「いや、満たしたいの食欲だし、欲に塗れていねぇよ。というか、食欲は人間の三大欲求の一つだろうが」

「性欲も三大欲求の一つよ。あ、もしかしたら、三大欲求同士だし、互換性があるんじゃないかしら?」

「ねぇよ。あるわけねぇだろ」

「それは残念ね……」

 

 誰でもいいから、こいつのねじ曲がった思考を変えてくれ?

 

「……あ、そう言えばさっき睡眠の秋もいいって思ってたわよね?」

「…………」

 

 ああ、神様。なんでコイツは人の心が読めるのでしょうか?

 

「愛の為せる業♪」

「お前、神じゃないだろ」

「で、睡眠って一字変えたら睡カ――」

「これ以上言わせねぇよ」

 

 彼女の口元を左手で覆うようにして抑える。

 少しすると何事もなかったように、両手で俺の左手をゆっくりと外した。

 

「――もう、どうせなら唇で塞いで欲しかったのに」

「やらねぇよ」

「あ、それともあなたの(ピーー)を突っ込んでくれていいのよ?それで口を塞ぐ……ねぇ慧人!それでいいのよ!寧ろそうして欲しいわ!」

「よくねぇよ?何もよくねぇよ?絶対やらねぇからなおい」

「……確かに不公平ね」

「え?何が?」

「分かったわ。こうしましょう。あなたの口を塞ぎたいときに私はあなたの口に(ピーーーー)を当てるわ」

「…………」

 

 俺、二度とコイツの前で喋らない方がいいかもしれない。

 

「……さすがにハードルが高かったかしら?それなら、少し恥ずかしいけど……私のパンツを口に詰め込んで塞いであげるわ」

 

 顔を少し紅くしながら言ってくる。どうしよう。この女のハードルが壊れている。いや、羞恥心も壊れている。どうしよう。誰かいいお医者さん知らない?

 

「まぁ、一分の冗談はおいといて」

「九割九分本気じゃねぇかこのド変態」

「今日の夜ご飯は何かしら?」

「ん?何も決めていないけど」

「私は山芋とアスパラガスを使った料理を食べたいわ」

「へぇー好きだっけ?それ」

「ううん」

「なら、どうしてその二つの食材をピンポイントで?」

「性欲を高める食材らしいの」

「…………」

「ついでに食後のデザートはバナナね」

 

 どっちだろうか。この女だから形で責めるか、栄養で責めるか。

 

「私が目の前でいやらしく食べて、慧人の性欲を増すためってのはもちろんあるけど、バナナはミネラルと酵素が豊富なの。だから男性の性欲促進剤の働きをするわ」

 

 両方だったか……

 

「そう思うとバナナって凄いわね。私が使えば慧人の性欲を増加させられるし、食べさせても性欲を増加させられる。……もしかして、バナナって神の食材なのでは?」

「なぁ千聖。お前はきっと疲れているんだ。よし、休め。とにかく休め」

「どうしてそう思うの?平常運転じゃない」

「それを平常運転にしてほしくねぇ……!」

 

 あまりのことに頭を抱えていると、肩をツンツンされる。どうしたのだろうか?

 

「眠くなった」

「勝手に寝ろ」

「頭撫でて」

「甘えん坊か」

「いいじゃない。あなたにしか甘えないわ」

「へいへい」

 

 人のベットの上で堂々と寝る彼女。布団まで被っているが、もう見慣れた光景としか言い様がない。全く……

 

「一時間経ったら起こしてね」

「りょーかい」

「もし、襲ってきても私は歓迎するわよ?」

「襲うわけねぇだろ」

「そう?残念ね」

「普通は残念がらじゃねぇよ」

「好きよ。おやすみ」

「はいはい。おやすみ」

 

 そう言いながら俺は優しく頭を撫でる。

 普段は最初の方で本人も言っていたが、彼女は多忙な人間。芸能界という俺の想像できないような世界ではきっと、コイツの中にも押さえつけているものがいろいろとあるのだろう。

 だからまぁ、彼女がこうして何の気兼ねもなくいられる環境は大事だろうし、それが俺の前になったからといって、彼女を嫌ったり邪険にしすぎることもしない。

 ただまぁ……

 

「夕食は納豆を出すからな」

 

 この後、夕食時に本当に納豆を出したら、凄い嫌そうな顔をしていたことを記す。




主人公設定(簡略版)
名前 冬木慧人
身長 176cm
体重 74kg
学校 虎南高校
学年 高校2年
部活 サッカー部
バイト先 CiRCLE
特技 料理
苦手なこと 歌う、楽器を演奏する

ちなみに二人は同棲していませんし、付き合っていません。
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