今年もよろしくお願いします。
そして、新年一発目からタイトル、内容でふざけたことを後悔しておりません。これを書いた時の作者の脳味噌はとろけていたんです。
また、ハロウィンの時みたいに番外編なので時系列的にはハロウィンの後とでも思って下さい。
12月31日……大晦日。その日の夜は何をして過ごしますか?
テレビを見る。いつも通り寝る。友人と話す。ゲームする……色々とあるでしょう。
では俺はどのように過ごしているか……
「ああ、慧人。もうすぐ私は消えてしまうのね……」
窓の外を見ながら儚げに呟く千聖。
12月31日の22時頃……白鷺千聖は俺の家に居た。新年は早々にPastel*Palettesとしてロケもあり、忙しそうな年始を過ごす彼女。年末は一緒に過ごしたいという彼女の数少ない(?)我が儘で一緒に過ごしている……が、なんというか彼女の纏う空気が若干重い。
「ŧ‹"ŧ‹"( ˙༥˙ ) ŧ‹"ŧ‹"」
が、そんなことは無視をする。こたつに入り、ミカンを食べながら、テレビでやっている年末の特別番組を眺めている。
「……ああ、慧人。もうすぐ私は消えてしまうのね……」
「ŧ‹"ŧ‹"( ˙༥˙ ) ŧ‹"ŧ‹"」
「…………ああ、慧人。もうすぐ私は消えてしまうのね……」
「ŧ‹"ŧ‹"( ˙༥˙ ) ŧ‹"ŧ‹"」
「(^∀^#)イラッ...」
ピッ
テレビの電源が落とされる。そして、目の前からみかんが取り上げられた。
「慧人。私とみかん……どちらが大切かしら?」
「お前」
「それなら大切な私の話をどうして無視するのかしら?」
「お前は大切だが、お前の話は大切じゃない。故にみかんに軍配が上がった」
「そんな……!私の話は大切なことしかないでしょう?」
「9割9分9厘9
「……途中から単位が訳分からなかったんだけど?要するにどういうこと?」
「限りなく10割どうでもいいってことだな」
「酷くないかしら!?どっちかというと、あなたのそういう無駄に賢いところの方がどうでもいいと思うのだけど!?」
「なぁ、千聖。思わないか?」
「何を?」
「馬鹿にされた側が、馬鹿にした側を超えるときが、一番の愉悦を感じると」
「性格悪いわこの男!私よりお腹が真っ黒じゃない!」
「ははっ、千聖ほど黒くねぇよ」
あの千聖さんに比べたらこれぐらい可愛いものだろう。
「で、話の続きだけど……」
「ŧ‹"ŧ‹"( ˙༥˙ ) ŧ‹"ŧ‹"」
「みかんは没収よ!」
「…………はぁ」
「何なのその溜息は……」
「いや……彼女の馬鹿な話を聞いて年越しとか……ねぇ?」
「どうして馬鹿な話確定なのかしら?」
「日頃の行い」
「ドストレートね。隠す気を微塵も感じなかったわ」
「悪いけど俺は嘘がつけない体質で……」
「ダウト」
「……まぁ、そんなことはねぇんだが」
「知ってるわ。で、慧人。もしかしたら、私は消えてしまうかもしれないのよ」
「年越しそば食うか?」
「あなたのを少し貰うわ……じゃないのよ」
「本年もありがとうございました」
「あ、こちらこそ……じゃないのよ」
「では良いお年を……」
「寝かせないわよ」
場所を移動し、俺に背中を預ける形で座る。
「……(ピーー)が勃起していない……」
「何でこのタイミングでしていると思ったんだよ」
「していたら挿れてもらえたのに……」
「そんな年越し嫌だよ」
「ちなみに私の心の(ピーー)は勃起しているわ」
「興味ねぇよド変態」
「分かったわ。あなたの(ピーー)も今からたたせましょう」
「さてはお前、何も聞いていなかったな?」
千聖が手を伸ばしてきたのでその手を掴み、抱きしめるようにして彼女の身動きを封じる。
「……でも、慧人。これで分かったでしょ?」
「何が?」
「私が消えてしまうと言った理由が……」
分かるかー…………ん?いや、もしかして……
「…………そういうことか……クソッ!」
「えぇ、気付いたようね……」
「そんな……!もうすぐ年越しと言うことは
「えぇ、その音色は特定の思想を全てかき消してしまい、抹消する……年に一度の、大掃除よ」
「畜生……!アレばかりは俺でもどうしようもねぇ……!」
「だからね……慧人。もし私がその音色で天に消えたら……笑顔で見送ってくれる?」
「そんなこと……出来るわけねぇだろ!」
「お願い……最後のお願いよ」
「ダメだ!いくら何でもそんな願い、聞けるわけねぇだろ!」
「どうして……どうして聞いてくれないの?」
千聖の肩が震えている。それと同時に、
「当たり前だろうが……だって……!」
俺は思いの丈を彼女に告げる。
「除夜の鐘の音で消えたとか、どんな表情して見送ればいいんだよ!?」
「笑顔で……いいのよ」
「よくねぇよ!?ハッピーエンドじゃねぇんだし、除夜の鐘の音で消えるとか、お前は煩悩の塊かよ!」
「控えめに言ってそうね」
「そこは否定してくれ……」
どうしよう。ウチの彼女が除夜の鐘の音で消えそうとか言っているんだけど。本当にどうしよう。というか、それで本当に消えたらマジでどうしよう。どんな顔をすればいいんだ?
「23時……そろそろ鐘が突かれ始めるわね」
「そんな……」
「ありがとう……好きよ」
そして、除夜の鐘の音……一回目の音が外から聞こえてきた。
「ぐぅうっ!……後107回……!ぐあっ……」
「…………」
一回鐘の音が聞こえる度に、苦しそうな声をあげる千聖。……除夜の鐘ってそんなに強いのか?
なんというか……年越しそばでも作るか。
「あぁっ♡」
「…………」
台所でそばを作っているが……気のせいだよな?途中から嬌声が聞こえてくるんだけど……?え、アイツ今、何してる?
「だ、ダメ……!そこはダメぇ……!」
…………うちの彼女が除夜の鐘の音で発情している件について。除夜の鐘の音さんすみません。もう少し、煩悩退治の力上げてくれませんか?せめて、あそこの
なんだろう。幻聴か?除夜の鐘の音さんが無理と答えた気がする。
…………頭がついにイったか?除夜の鐘の音さんが何かを必死に訴えている気がする。
あれ?うちの彼女、除夜の鐘の音さんだけじゃなく、神様からも見放された?え?嘘だろ?そこまで末期なの?
マジか、やべぇなアイツ。
すみません。俺への助言はいらないので、さっきから性行為中にしか聞かない声を連発し、もはやピー音くんが仕事を辞めている状態の彼女をなんとかしてください。
ゴーン……
あれ?ついに聞こえなくなったんだけど?ちょっ、無視しないで?アレをなんとかして?
ゴーン……
ヤバいな……除夜の鐘の音さんがもう仕事を放棄しちゃった。諦めちゃったよおい。
「ふっ、除夜の鐘の音……恐るるに足らずね」
「…………」
もうすぐ年を越すタイミングで、俺たちは布団の中にいた。年越しそばも食べ、明日も色々とあるからそろそろ寝ることに。……何故か、うちの彼女はとてもすっきりした顔だったが、聞かないでおこう。
「慧人と出会ってから思うの。私、除夜の鐘の音で消えてしまうのではないかって。煩悩の塊過ぎて」
「…………」
最初の言葉でちゃっかり俺のせいにしないで欲しい。
「でも思ったの。私の煩悩は108じゃ足りないって。毎年108を超える煩悩を量産してるから消しても生き残れるのよ」
「…………」
ちげぇよ。お前がド変態過ぎて、除夜の鐘の音さんが手に負えないんだよ。
「ねぇ、慧人…………好き」
「…………」
「大好き……これは煩悩でも何でもないわ。たとえ、煩悩が全てなくなってもあなたのことが好きよ」
「…………」
おかしいな?もうなんか、彼女が言っていることを理解する気力がないぞ?俺の精神ゲージはゼロだよ。年越しを前にゼロになったよ。
「……来年も……こんな私だけど……一緒に居てください」
「はぁ……居るに決まっているだろ」
「……っ!そうね、私はあなたのものだもんね!」
抱きしめてくる彼女。ほんと、偶に千聖が可愛く思える。これがギャップか?それとも脳が疲れすぎたのか?
「……そろそろね。ねぇ、慧人……」
時計を確認した千聖。すると、暗闇の中、彼女は俺の上に跨がる。そして……
「…………」
キスをした。数秒のキス。だけどその数秒は少し長く感じるようなもので……
「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」
「今年もよろしくな」
新年が明け、新年の挨拶をする。スマホには何件も通知が来ていて……
「ふふっ、キスで年越し……去年の最後と今年の初めては頂いたわ」
「はいはい。俺は寝るぞ」
「私は返してから寝るわね」
こうして、俺たちの新しい年が始まったのだった。
今年もマイペースに頑張りますので、気長に待っていただけると嬉しいです。