まともな千聖さんを返して(マジで)   作:黒ハム

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皆様、ガルパピコフィーバーの5話を見ましたか?爆笑してました。はい。とても面白かったです。

今回は千聖さん以外がメインのお話です。
ちなみにこの人もアクセル全開です。だから、推しの方は怒らないで。


相談する相手を間違えたかもしれない

「紗夜と」

「慧人の」

「「キーワード教室~」」

 

 ドンドンパフパフー

 

「さぁ、今週も始まりました。今回のキーワード教室、司会の氷川紗夜です」

「ゲストの冬木慧人……って、何なんですかコレ?」

「このコーナーでは、毎回違う司会者が進行していくコーナーとなります。ちなみにゲストは固定です」

「待ってください?普通は司会者が固定で、ゲストが変わっていくんですよ?」

「だって、慧人さんは司会だと面倒くさいと言いかねないので、たまたま毎回ゲストが慧人さんになるなら大丈夫かと」

「何一つ大丈夫ではない件について」

「さて、早速ですが今回のキーワードはズバリ『consultation』です。慧人さん、意味は分かりますか?」

「『相談』ですかね?」

「正解です」

「なんで急に英単語ですか?」

「企画者が少しでも皆様の勉強になればと言うことですね」

「本音は?」

「企画者の突発的な思いつきです」

「納得です」

「ちなみにですが、『Please feel free to contact us.』で、『気軽に相談してください』とビジネスにも使えるそうです」

「へぇー」

「というわけで、今回のキーワード教室は終了です。また次回、お会いしましょう」

「え?これ次回もやるの?マジで?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 とある公園にて。とある少女と二人で並んでベンチに腰掛けていた。

 

「紗夜さん。お話があります」

 

 その相手は氷川紗夜さん。Roseliaのギタリストにして、風紀委員であり、ポテト狂である。え?クールビューティーはって?まぁ、信仰対象ではあるが……そこは置いておこう。

 

「その前に一ついいですか?」

「どうぞ」

 

 すると、一枚の紙を差し出してくる。

 

「こちらからコースをお選び下さい」

「…………」

 

 そこには、こう書かれていた。

 

 

        ~冬木慧人専用、請求ポテト表~

                               

・雑談          1h 1ポテト            

                               

・勉強会         1h 1ポテト             

 

・(真面目な感じの)相談  1h 2ポテト

 

・お願いごと       1h nポテト

 

・その他         1h nポテト

 

※補足

1h→1時間のこと。

1ポテト→Lサイズポテト1つ分。

nの決定式→n=状況×難易度×優しさ×空腹度+気分。

なお、質問がある場合は氷川紗夜まで。

 

 

 …………どうしようこの人。なんだこの人。というか、nの決定式が示されてもよく分からないんだけど?俺にはこの式を解くこと出来ないんだけど?

 

「あ、そちらは差し上げますので、今後の参考にしてください。ちなみに原本はしっかりとこちらで保管しておりますので、紛失した場合は遠慮なくおっしゃってくださいね」

「……一体、今回はなんでしょうね?」

「私は考えたんです。どうしたら、安定して慧人さんからポテトを奢ってもらうことが出来るかを」

「うん。意味が分からないですね」

「いいえ、意味はあります。一応、慧人さんは白鷺さんと、仮とは言えお付き合いしている状態です」

 

 ちなみにだが、俺と千聖が恋人(仮)であることは何人かは知っている。目の前の彼女もその一人だ。

 

「いくら私でも、彼女(仮)持ちのあなたから、無償で奢られ続けるのは気が引けるというものです」

「うん。奢るって、基本はそういう裏がないから無償だと思うんですけどね」

「そこで閃きました。そこにあるように、私はポテトを受け取る。受け取った分だけ、私が働けばよいのだと。つまり、等価交換です」

「そうですか」

「そして、それを前もって言っておく必要があると思い、こちらを用意しました」

「へーい。ちなみに、10分とかで終わった場合の支払いは?」

「1時間分のポテトを支払ってもらいます」

「…………相手を間違えたなぁ……」

 

 俺は空を見上げる。どうやら、相談相手を間違えたらしい。

 いやね?本当はリサ姐……Roseliaのベーシストである今井(いまい)リサの姐さんに相談したかったんだよ?でもね、リサ姐に聞いたら『ゴメンね☆おねーさんその日は忙しいかな』って返されたんだよ。で、紗夜さんに聞いたら即オッケーでここに至る。

 

「というか、やっぱり紗夜さんってポンコツですよね?」

「失礼ですね。暴言は1ポテトですよ?」

「器小さっ!一言暴言を吐くだけでポテトを、しかもLサイズを奢らされるんですか!?」

「相手を傷つける発言はよくないですよ」

「というか、傷ついたんですか?」

「いいえ、特には」

「じゃ、1ポテトは抜きですよね?暴言も相手を傷つけなかったら、ただの発言と変わりません」

「わわっ!凄い傷ついたんです!そういうことにしておいてください!」

「嫌です。というかポンコツは属性であって、人を傷つける発言ではないですよ」

「そうなんですか?それは残念です」

「…………」

 

 いや、もちろん人によっては悪く言われていると捉えられるが……やっぱりポンコツだなこの人。

 

「でも紗夜さん。これ、俺専用って書いてありますけど、他の人専用メニューも作ってあるんですか?」

「いいえ。それに、作る予定もありません」

「そうですか?例えば、学校の後輩とか相手に作れば、ポテトをたくさん奢ってもらえると思いますけど?」

 

 目の前の人はポンコツだが頭はいい。そして勉強を教えるときも理論を徹底的に叩き込んでくるため、テストの点数や成績アップが狙える。1時間1ポテトで勉強を教えてもらえるなら破格の安さだと思う。

 

「いいですか?いくら私とは言え、ポテトを貰えたら何でもするわけではありません」

「…………」

「何ですかその疑いの眼差しは?ポテトを貰えて何でもするのは、慧人さんだけです」

「へぇーじゃ、例えば(ピーーー)しましょうって言ったら、どれくらいポテトを支払えばいいですか?」

「うぇ!?そ、そんな付き合ってない人同士で(ピーーー)だなんて……ふ、不健全です!しかも、あなたは仮とは言え彼女持ちですし……ハレンチです!最低です!そうですね……白鷺さんに確認を取って……5ポテトをお支払いしていただければ…………了承できますが……」

 

 どうしようか。あの計算式に、何を代入した結果5になったかがよく分からない。

 

「いや、風紀委員。ここは、断るところだと思いますよ?」

「そ、そうですよね!えーっと……6ポテト払ってくれないとお断りします!」

「いや、そういう意味じゃねぇよ」

 

 しかも、ちゃっかり5から6に増えたし。というか、ポテトを円とかドルとかと同じ感覚で使わないで欲しいんだけど?

 

「じゃあ、俺以外の男の人が同じ事を言ったら?」

「吐き気がします。身体が拒否反応を起こしますね。二度と近寄らないで欲しいです。というか、視界にすら入れたくないですね」

「食い下がって、いくらでもポテトを支払うと言ってきたら?」

「断固として、お断りですね。そもそも口約束では信用出来ませんし、仮に公的な手続きを踏んでいる書類を差し出されたとしても、NOと言って突き返しますね」

「じゃあ、俺は?」

「け、慧人さん相手なら……もちろん……オッケーですよ……」

「…………」

 

 最近、身近な女子たちの価値観が分からないことに悩まされています。誰か教えてくれませんか?

 

「そう言えば慧人さん。私は何で呼ばれたんでしたっけ?」

「ああ、まだ用件を言っていなかったっけ?」

「はい。そうですね」

「いや、少し相談したいことがあって……」

「そうなんですね」

 

 そう言うと右手の人差し指と、左手の人差し指と中指を立てる。どうしたんだろうか?

 

「どちらですか?」

「いや、何がですか?」

「1ポテトコースか2ポテトコースか」

「いや、伝わらねぇですよ」

「そ、そんな……!慧人さん、人差し指と親指で○を作ったら、お金とかオッケーって伝わりますよね?」

「まぁ、伝わりますね」

「でしたら、何故……!何故、人差し指を立てても、1ポテトと伝わらないんですか!?」

「そんなん伝わるか」

「嘘ですよね!?ポテト界隈では常識ですよ!?」

「すっげぇ、狭そうな界隈ですね。後、俺はポテト界隈に属していません」

「そ、そんな……あなたと私で立ち上げたじゃないですか……忘れたんですか!?」

「忘れた。というより、そんな過去は存在していない」

「あの時私にかけてくれた言葉は嘘だったんですか!?『一緒にポテト界隈を広めていこう』って、優しく手を取ってくれたじゃないですか!」

「うん。そんなことしてねぇよ?」

「……はっ!ま、まさか……頭を打って記憶が……」

「なくなってないから」

「ちなみにですが、人差し指と中指を立てるとチョキやVサイン、ピース以外にも、2ポテトの意味が出てくるんですよ?そこに薬指が加わると3ポテトとか……」

「知らねぇです」

「そ、そんな……!」

 

 両手で口元を抑え、今にも泣き出しそうな表情をする紗夜さん。

 

「可哀想……」

「オイコラ」

「いいんですよ慧人さん。なくしたものは仕方ないです。今から覚えていきましょう?ね?」

 

 何故、俺は哀れみの目を向けられないといけないのだろうか……

 

「……はぁ……じゃ、2ポテトで」

「承りました」

 

 そう言うと、伊達メガネを取り出した……ゴメン紗夜さん。ネタの波状攻撃のせいで俺、もう疲れちゃったよ。今度は何ですかねぇ?

 

「2ポテトコースなので私もここからは真面目にお答えしていきましょう」

「それって、今まで真面目じゃなかったってことですか?」

「いえ、今まで以上に気合いを入れるという意味です」

「…………」

 

 胸を張る紗夜さん。それって、今までよりポンコツが加速するって意味だろうか?

 

「それで?真面目なご相談というのは……」

「はい。何で……何で紗夜さんの胸って小さいんですか?」

「ぶっ飛ばしますよ!?」

「あ、すみません。冗談です」

「あ、冗談でしたか」

「いえ、紗夜さんの胸が小さいのは本当だと思います」

「ぶちのめしますよ!?」

 

 いや……ねぇ。だって、妹の氷川(ひかわ)日菜(ひな)より小さいのは事実でしょ。

 

「冗談なのは相談の方ですよ」

「えぇ。今、私も慧人さんに相談事が出来ましたけど、お先にどうぞ」

「はい。実は……今度、1週間ほど合宿に行くことになりまして」

「合宿ですか?部活……にしてはおかしな時期ですね。慧人さんの学校にはゴールデンウィーク、シルバーウィークに続くブロンズウィークでもあるのでしょうか?」

「いえ、ないですよ。しかも、学校の方じゃないです」

「学校じゃない?慧人さんは塾等に通っていませんし……」

「塾には通っていませんが、氷川塾の生徒第一号ですよ?」

「あ、そうでしたね。そう言えば入塾ポテトのお支払いがまだな気がしますが……」

「入塾ポテトに関する説明は受けていないので、払う義務はないはずです」

「……仕方ありませんね。それで何の合宿ですか?」

「サッカーです」

「あれ?部活じゃないんですよね?」

「えぇ。実は、サッカーの日本代表U-18の候補に選ばれまして……」

「おぉ!それは凄そうですね!」

「まぁ、その選考合宿なんで……」

「なるほど。これはお祝いにポテトを送らなくては」

「あ、ポテトはいらないです」

「ぽ、ポテトが……いらない……?」

「紗夜さん……?」

「この邪教徒がぁあああああ!」

「えぇ!?何で怒ってんの!?」

 

 急に怒りだしたよこの人。どうしよう?ポテト不足か?

 

「あなたの信じるポテト教への思いはその程度だったんですか!?」

「いえ、俺が信じているのは一応クールビューティー教ですが……」

「いいですか?クールビューティー教の体現である私を慧人さんが信仰している。私はポテトを信仰している。つまり!慧人さんはポテトを信仰しているんですよ!」

「最近のあなたは信仰対象か怪しいですけどね」

「つまり……心友ですか?」

「何をどうしたらそうなるか知らないですけど、もうそれでいいです」

 

 ほんと、この人って出会ったときは、凄い刺々しく、冷たいオーラだったのに、今では何処かふわふわとした、ポンコツ漂うオーラを感じる。成長……したのか?人によってはこれを退化というのではないのか?

 

「……それで、ポテトはおいといてですね……」

「はい」

「お互い忙しそうなので、一週間近く彼女(仮)である千聖と連絡を取るつもりがないですので……合宿明けに何かした方がいいかなって考えているんですけど……」

「そうですね……」

 

 顎に手をやって少し考える紗夜さん。先ほどまでと違うこの空気。これはいい返答がきそうだな。

 

「……ポテトパーティーとかどうでしょうか?」

 

 期待した俺が馬鹿だった。

 

「……この相談はなかったことにしてください」

「え?ポテトで喜ばない人が居るんですか?」

「恐らく、99%以上の人々が喜ばないかと」

「ちなみに私は喜びます」

「知っています」

 

 ……やっぱりダメだったか……

 

「後は……ポテトデートですかね」

「ポテトとデートするんですか?」

「いえ、近くのファストフード店を巡ってポテトを食べ歩くんです」

「……やっぱり、この相談はなかったことにしてください」

「そ、そんなぁ……じゃあ、ポテトのお支払いは……?」

「そりゃあ、なかったことに……」

「…………」

 

 すると、凄い哀しそうな瞳を向けてくる。……はぁ。

 

「……分かりましたよ。しっかり2ポテト支払いますよ」

「やったぁ!」

 

 嬉しそうな感じで両手を掴んでブンブンと振ってくる。

 最近、思ったこと。俺ってもしかして、身近な女性に弱いのでは?結局最後はこんな感じになるし……うん。もう少し心を鬼にしないといけないのか?

 ……まぁ、でもデートはありか。何か考えてみるか……もちろん、ポテトは抜きで。そういや、()()()()デートしたことないし。

 

「ところで、紗夜さん。さっき、相談が出来たとかなんとか」

「えぇ、慧人さん」

 

 そうすると、紗夜さんは神妙な面持ちになる。なんだろう?そんなに重大なことなのだろうか?

 

「どうしたら私の胸が大きくなりますかね」

「よし、帰りましょうか」

「えぇっ!?無視しないで下さいよ!」

「帰り道で2ポテト払いますから」

「よし、行きましょう!すぐに行きましょう!」

 

 勢いよく立ち上がって、腕を掴んで真っ直ぐファストフード店に向かう。ああ、何というか……この人、ポテトになるとチョロいけど本当に大丈夫か?お兄さん心配だよ。




以上、ポテト系ポンコツチョロイン氷川紗夜さんでした。
向こうより慧人君の信仰が薄いのでこんな感じですね。
ちなみに最初のやり取りは何か思いついたのでやりました。次回があるかは気分次第です。
次回、女神登場(の予定)。
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