今回は千聖さん以外がメインのお話です。
ちなみにこの人もアクセル全開です。だから、推しの方は怒らないで。
「紗夜と」
「慧人の」
「「キーワード教室~」」
ドンドンパフパフー
「さぁ、今週も始まりました。今回のキーワード教室、司会の氷川紗夜です」
「ゲストの冬木慧人……って、何なんですかコレ?」
「このコーナーでは、毎回違う司会者が進行していくコーナーとなります。ちなみにゲストは固定です」
「待ってください?普通は司会者が固定で、ゲストが変わっていくんですよ?」
「だって、慧人さんは司会だと面倒くさいと言いかねないので、たまたま毎回ゲストが慧人さんになるなら大丈夫かと」
「何一つ大丈夫ではない件について」
「さて、早速ですが今回のキーワードはズバリ『consultation』です。慧人さん、意味は分かりますか?」
「『相談』ですかね?」
「正解です」
「なんで急に英単語ですか?」
「企画者が少しでも皆様の勉強になればと言うことですね」
「本音は?」
「企画者の突発的な思いつきです」
「納得です」
「ちなみにですが、『Please feel free to contact us.』で、『気軽に相談してください』とビジネスにも使えるそうです」
「へぇー」
「というわけで、今回のキーワード教室は終了です。また次回、お会いしましょう」
「え?これ次回もやるの?マジで?」
とある公園にて。とある少女と二人で並んでベンチに腰掛けていた。
「紗夜さん。お話があります」
その相手は氷川紗夜さん。Roseliaのギタリストにして、風紀委員であり、ポテト狂である。え?クールビューティーはって?まぁ、信仰対象ではあるが……そこは置いておこう。
「その前に一ついいですか?」
「どうぞ」
すると、一枚の紙を差し出してくる。
「こちらからコースをお選び下さい」
「…………」
そこには、こう書かれていた。
| ~冬木慧人専用、請求ポテト表~
・雑談 1h 1ポテト
・勉強会 1h 1ポテト
・(真面目な感じの)相談 1h 2ポテト
・お願いごと 1h nポテト
・その他 1h nポテト
※補足 1h→1時間のこと。 1ポテト→Lサイズポテト1つ分。 nの決定式→n=状況×難易度×優しさ×空腹度+気分。 なお、質問がある場合は氷川紗夜まで。 |
…………どうしようこの人。なんだこの人。というか、nの決定式が示されてもよく分からないんだけど?俺にはこの式を解くこと出来ないんだけど?
「あ、そちらは差し上げますので、今後の参考にしてください。ちなみに原本はしっかりとこちらで保管しておりますので、紛失した場合は遠慮なくおっしゃってくださいね」
「……一体、今回はなんでしょうね?」
「私は考えたんです。どうしたら、安定して慧人さんからポテトを奢ってもらうことが出来るかを」
「うん。意味が分からないですね」
「いいえ、意味はあります。一応、慧人さんは白鷺さんと、仮とは言えお付き合いしている状態です」
ちなみにだが、俺と千聖が恋人(仮)であることは何人かは知っている。目の前の彼女もその一人だ。
「いくら私でも、彼女(仮)持ちのあなたから、無償で奢られ続けるのは気が引けるというものです」
「うん。奢るって、基本はそういう裏がないから無償だと思うんですけどね」
「そこで閃きました。そこにあるように、私はポテトを受け取る。受け取った分だけ、私が働けばよいのだと。つまり、等価交換です」
「そうですか」
「そして、それを前もって言っておく必要があると思い、こちらを用意しました」
「へーい。ちなみに、10分とかで終わった場合の支払いは?」
「1時間分のポテトを支払ってもらいます」
「…………相手を間違えたなぁ……」
俺は空を見上げる。どうやら、相談相手を間違えたらしい。
いやね?本当はリサ姐……Roseliaのベーシストである
「というか、やっぱり紗夜さんってポンコツですよね?」
「失礼ですね。暴言は1ポテトですよ?」
「器小さっ!一言暴言を吐くだけでポテトを、しかもLサイズを奢らされるんですか!?」
「相手を傷つける発言はよくないですよ」
「というか、傷ついたんですか?」
「いいえ、特には」
「じゃ、1ポテトは抜きですよね?暴言も相手を傷つけなかったら、ただの発言と変わりません」
「わわっ!凄い傷ついたんです!そういうことにしておいてください!」
「嫌です。というかポンコツは属性であって、人を傷つける発言ではないですよ」
「そうなんですか?それは残念です」
「…………」
いや、もちろん人によっては悪く言われていると捉えられるが……やっぱりポンコツだなこの人。
「でも紗夜さん。これ、俺専用って書いてありますけど、他の人専用メニューも作ってあるんですか?」
「いいえ。それに、作る予定もありません」
「そうですか?例えば、学校の後輩とか相手に作れば、ポテトをたくさん奢ってもらえると思いますけど?」
目の前の人はポンコツだが頭はいい。そして勉強を教えるときも理論を徹底的に叩き込んでくるため、テストの点数や成績アップが狙える。1時間1ポテトで勉強を教えてもらえるなら破格の安さだと思う。
「いいですか?いくら私とは言え、ポテトを貰えたら何でもするわけではありません」
「…………」
「何ですかその疑いの眼差しは?ポテトを貰えて何でもするのは、慧人さんだけです」
「へぇーじゃ、例えば(ピーーー)しましょうって言ったら、どれくらいポテトを支払えばいいですか?」
「うぇ!?そ、そんな付き合ってない人同士で(ピーーー)だなんて……ふ、不健全です!しかも、あなたは仮とは言え彼女持ちですし……ハレンチです!最低です!そうですね……白鷺さんに確認を取って……5ポテトをお支払いしていただければ…………了承できますが……」
どうしようか。あの計算式に、何を代入した結果5になったかがよく分からない。
「いや、風紀委員。ここは、断るところだと思いますよ?」
「そ、そうですよね!えーっと……6ポテト払ってくれないとお断りします!」
「いや、そういう意味じゃねぇよ」
しかも、ちゃっかり5から6に増えたし。というか、ポテトを円とかドルとかと同じ感覚で使わないで欲しいんだけど?
「じゃあ、俺以外の男の人が同じ事を言ったら?」
「吐き気がします。身体が拒否反応を起こしますね。二度と近寄らないで欲しいです。というか、視界にすら入れたくないですね」
「食い下がって、いくらでもポテトを支払うと言ってきたら?」
「断固として、お断りですね。そもそも口約束では信用出来ませんし、仮に公的な手続きを踏んでいる書類を差し出されたとしても、NOと言って突き返しますね」
「じゃあ、俺は?」
「け、慧人さん相手なら……もちろん……オッケーですよ……」
「…………」
最近、身近な女子たちの価値観が分からないことに悩まされています。誰か教えてくれませんか?
「そう言えば慧人さん。私は何で呼ばれたんでしたっけ?」
「ああ、まだ用件を言っていなかったっけ?」
「はい。そうですね」
「いや、少し相談したいことがあって……」
「そうなんですね」
そう言うと右手の人差し指と、左手の人差し指と中指を立てる。どうしたんだろうか?
「どちらですか?」
「いや、何がですか?」
「1ポテトコースか2ポテトコースか」
「いや、伝わらねぇですよ」
「そ、そんな……!慧人さん、人差し指と親指で○を作ったら、お金とかオッケーって伝わりますよね?」
「まぁ、伝わりますね」
「でしたら、何故……!何故、人差し指を立てても、1ポテトと伝わらないんですか!?」
「そんなん伝わるか」
「嘘ですよね!?ポテト界隈では常識ですよ!?」
「すっげぇ、狭そうな界隈ですね。後、俺はポテト界隈に属していません」
「そ、そんな……あなたと私で立ち上げたじゃないですか……忘れたんですか!?」
「忘れた。というより、そんな過去は存在していない」
「あの時私にかけてくれた言葉は嘘だったんですか!?『一緒にポテト界隈を広めていこう』って、優しく手を取ってくれたじゃないですか!」
「うん。そんなことしてねぇよ?」
「……はっ!ま、まさか……頭を打って記憶が……」
「なくなってないから」
「ちなみにですが、人差し指と中指を立てるとチョキやVサイン、ピース以外にも、2ポテトの意味が出てくるんですよ?そこに薬指が加わると3ポテトとか……」
「知らねぇです」
「そ、そんな……!」
両手で口元を抑え、今にも泣き出しそうな表情をする紗夜さん。
「可哀想……」
「オイコラ」
「いいんですよ慧人さん。なくしたものは仕方ないです。今から覚えていきましょう?ね?」
何故、俺は哀れみの目を向けられないといけないのだろうか……
「……はぁ……じゃ、2ポテトで」
「承りました」
そう言うと、伊達メガネを取り出した……ゴメン紗夜さん。ネタの波状攻撃のせいで俺、もう疲れちゃったよ。今度は何ですかねぇ?
「2ポテトコースなので私もここからは真面目にお答えしていきましょう」
「それって、今まで真面目じゃなかったってことですか?」
「いえ、今まで以上に気合いを入れるという意味です」
「…………」
胸を張る紗夜さん。それって、今までよりポンコツが加速するって意味だろうか?
「それで?真面目なご相談というのは……」
「はい。何で……何で紗夜さんの胸って小さいんですか?」
「ぶっ飛ばしますよ!?」
「あ、すみません。冗談です」
「あ、冗談でしたか」
「いえ、紗夜さんの胸が小さいのは本当だと思います」
「ぶちのめしますよ!?」
いや……ねぇ。だって、妹の
「冗談なのは相談の方ですよ」
「えぇ。今、私も慧人さんに相談事が出来ましたけど、お先にどうぞ」
「はい。実は……今度、1週間ほど合宿に行くことになりまして」
「合宿ですか?部活……にしてはおかしな時期ですね。慧人さんの学校にはゴールデンウィーク、シルバーウィークに続くブロンズウィークでもあるのでしょうか?」
「いえ、ないですよ。しかも、学校の方じゃないです」
「学校じゃない?慧人さんは塾等に通っていませんし……」
「塾には通っていませんが、氷川塾の生徒第一号ですよ?」
「あ、そうでしたね。そう言えば入塾ポテトのお支払いがまだな気がしますが……」
「入塾ポテトに関する説明は受けていないので、払う義務はないはずです」
「……仕方ありませんね。それで何の合宿ですか?」
「サッカーです」
「あれ?部活じゃないんですよね?」
「えぇ。実は、サッカーの日本代表U-18の候補に選ばれまして……」
「おぉ!それは凄そうですね!」
「まぁ、その選考合宿なんで……」
「なるほど。これはお祝いにポテトを送らなくては」
「あ、ポテトはいらないです」
「ぽ、ポテトが……いらない……?」
「紗夜さん……?」
「この邪教徒がぁあああああ!」
「えぇ!?何で怒ってんの!?」
急に怒りだしたよこの人。どうしよう?ポテト不足か?
「あなたの信じるポテト教への思いはその程度だったんですか!?」
「いえ、俺が信じているのは一応クールビューティー教ですが……」
「いいですか?クールビューティー教の体現である私を慧人さんが信仰している。私はポテトを信仰している。つまり!慧人さんはポテトを信仰しているんですよ!」
「最近のあなたは信仰対象か怪しいですけどね」
「つまり……心友ですか?」
「何をどうしたらそうなるか知らないですけど、もうそれでいいです」
ほんと、この人って出会ったときは、凄い刺々しく、冷たいオーラだったのに、今では何処かふわふわとした、ポンコツ漂うオーラを感じる。成長……したのか?人によってはこれを退化というのではないのか?
「……それで、ポテトはおいといてですね……」
「はい」
「お互い忙しそうなので、一週間近く彼女(仮)である千聖と連絡を取るつもりがないですので……合宿明けに何かした方がいいかなって考えているんですけど……」
「そうですね……」
顎に手をやって少し考える紗夜さん。先ほどまでと違うこの空気。これはいい返答がきそうだな。
「……ポテトパーティーとかどうでしょうか?」
期待した俺が馬鹿だった。
「……この相談はなかったことにしてください」
「え?ポテトで喜ばない人が居るんですか?」
「恐らく、99%以上の人々が喜ばないかと」
「ちなみに私は喜びます」
「知っています」
……やっぱりダメだったか……
「後は……ポテトデートですかね」
「ポテトとデートするんですか?」
「いえ、近くのファストフード店を巡ってポテトを食べ歩くんです」
「……やっぱり、この相談はなかったことにしてください」
「そ、そんなぁ……じゃあ、ポテトのお支払いは……?」
「そりゃあ、なかったことに……」
「…………」
すると、凄い哀しそうな瞳を向けてくる。……はぁ。
「……分かりましたよ。しっかり2ポテト支払いますよ」
「やったぁ!」
嬉しそうな感じで両手を掴んでブンブンと振ってくる。
最近、思ったこと。俺ってもしかして、身近な女性に弱いのでは?結局最後はこんな感じになるし……うん。もう少し心を鬼にしないといけないのか?
……まぁ、でもデートはありか。何か考えてみるか……もちろん、ポテトは抜きで。そういや、
「ところで、紗夜さん。さっき、相談が出来たとかなんとか」
「えぇ、慧人さん」
そうすると、紗夜さんは神妙な面持ちになる。なんだろう?そんなに重大なことなのだろうか?
「どうしたら私の胸が大きくなりますかね」
「よし、帰りましょうか」
「えぇっ!?無視しないで下さいよ!」
「帰り道で2ポテト払いますから」
「よし、行きましょう!すぐに行きましょう!」
勢いよく立ち上がって、腕を掴んで真っ直ぐファストフード店に向かう。ああ、何というか……この人、ポテトになるとチョロいけど本当に大丈夫か?お兄さん心配だよ。
以上、ポテト系ポンコツチョロイン氷川紗夜さんでした。
向こうより慧人君の信仰が薄いのでこんな感じですね。
ちなみに最初のやり取りは何か思いついたのでやりました。次回があるかは気分次第です。
次回、女神登場(の予定)。