キャラがぶっ壊れたので、この方推しの方々はお許しを。
最初からアクセルが壊れています。
どうしてこうなったんだろうか?
「り、リサ姐……?」
「…………」
俺の部屋にて、目の前に居るのはリサ姐。あのRoselia……紗夜さんと同じバンドのベース担当にして、一見するとギャル。中身は、料理が得意で家庭的だったり、お化けや虫が苦手だったり、面倒見がよかったりと……人は見た目で判断してはいけないと、この人に教えてもらった気がする。
「…………」
巷では彼女のことを慈愛の女神と呼んでいる……もはや、神格化されている彼女であるが……
「あのーそろそろ何か言ってくれませんか?」
「…………」
何故かそんな彼女が
「…………(すりすり)」
しかも、さっきから無言で胸の辺りにすり寄ってきている。本当になんなんだろうこの状況。
勘違いしないで欲しいのは、決して俺がやれと言ったわけでも、弱みを握っている訳ではない。むしろ、この様子を彼女(仮)であるド変態に見られた日には、厄介なことこの上ないって考えると、立場が弱いの俺だから。絶対にヤバいことになるから。
「…………(じーー)」
すると、俺の方を無言で見てくる。え?どうした?
「…………(ふんっ)」
……なんだろうか?もしかして、俺の考えていること読まれたのか?
「…………(こくこく)」
…………ねぇなんなの?俺の心を読めてもいいことないよ?
「…………(じーー)」
再び俺の方を見てくる。いや、俺には人のオーラを感じ取れても、相手の考えていることを読む力がなくてですね……はい。察しろって?そんなの俺に求めるな。
「…………」
「…………♪」
とりあえず頭を撫でることにしたが……うん。表情的に当たりらしい。
少しすると、顔を左右に振ってきた。一旦、手を放すと今度はさっきより顔をあげている。ふむ……
「…………」
「…………♪」
顎の下を撫でることにすると、再び上機嫌な感じになる。ふむ……この肌触り……なんだか癖になりそうだな。
それにしても、このリサ姐……いや、リサ犬。本当に喋らないんだけど…………うーん?まぁ、いっか。気楽に行こう。
およそ一時間後。
「んー……こういう何にもない時間もいいよね~」
ようやくと言うべきだろうか。リサ犬がようやく喋った。
「何にもなくはなかったと思いますけど?」
「そう?だって慧人くんって、可愛い女子をペットにする趣味があるんでしょ?」
「んな趣味ねぇです」
なんだそのヤバいヤツは。そんな趣味を持っているヤツがいたら流石に引くわ。
「アタシ、分かったの」
「なんだろう。今のリサ姐からは何も聞きたくないけど、どうぞ」
「ペットなら浮気にならないんじゃないかって」
「…………ん?」
どういうこと?俺、何も分かんなかったんだけど?
「いい慧人くん?仮とはいえ、お付き合いしている女性がいる男性と、こうして二人きりで会ったり、スキンシップをした場合は浮気認定されてもおかしくないと思うの」
「誘ったのリサ姐ですけどね。まぁ、否定はしません」
「でもよく考えて欲しいの。ペットって浮気相手にならないでしょ?」
「まぁ、ペットに浮気とか意味分かんねぇですしね」
「つまり!アタシは慧人くんのペットになれば、何しても浮気にならないんだよ!」
「何言っているのこの人!?」
あのまともで精神安定剤(?)だったリサ姐が壊れたんだけど!?何かヤバい病気か!?
「ある意味病気だよ……」
「すみません。普通に俺の心の声に答えないでください」
「そう……恋の病気……かな」
「人の話聞いて!?」
……どうしよう。今日のリサ姐マジで話が噛み合わない。え?何かヤバいもの食べた?え?嘘でしょう?
「……いや、リサ姐をペットにするつもりなんて微塵もないけど……」
「えぇっ!?あんなに可愛いがってくれたのに!?」
「あなたが犬に成りきっていたからでしょうが」
「成りきっていたんじゃないよ?あなたの犬になったんだよ?」
「認めてないけど?」
「そんな!」
……おっかしいなぁ……リサ姐ってまともな枠組みに入っていたんだけどなぁ……あれ?このまま行くと……ヤバい方の枠組みに入っちゃうんだけど……もう片足どころか両足突っ込んでいるんだけど……
「……千聖からはオッケーもらったのに……」
「何してんのアイツ!?」
「酷いよ……何で千聖はオッケーなのにアタシはダメなの!?」
「おかしいな。俺はアイツがペットになることも容認した記憶ないんだけど?」
「酷い……千聖が一人目のペットでアタシが二人目のペットって話でまとまったのに……」
「まとめないで?頼むから俺のいないところでまとめないで?」
何?ちょっと待って?アイツもう俺のペット認定なの?彼女は?彼女ってのはどこに消えた?アイツって本当は彼女じゃないのか?
「だって……千聖とは首輪にリード付けて、夜にお散歩をしたって聞いたよ!」
「
「慧人くん?急に英語を話してどうしたの?」
「
「落ち着いて?ほらアタシも1割ふざけたけど、落ち着いて?」
「…………」
1割って……9割本気じゃねぇか……!
「落ち着かないなら……揉む?」
「よし、落ち着いた。落ち着いたから大丈夫だ」
「そう?」
「リサ姐。俺、思ったんです。千聖はド変態、紗夜さんはポンコツなんです」
「ふむふむ」
「そこでリサ姐が変態枠になってしまうと……」
「興奮する?」
「違います。俺の胃が死にます」
「あ、胃薬いる?」
「大丈夫です。たくさん貰っているので」
「うーん……あ、じゃあ、純粋なヒロイン枠はどう?」
「どうって、さっきまでの会話からもう戻れない気がするんですけど……」
「そうだよね……もう、アタシと慧人くんはあの頃には戻れないんだよ……進むしかないんだよ」
「そうですね……」
「だから、一緒に行くところまで行こうよ!」
……何なんだろうなー……大丈夫かなー
「え?だって、慧人くんって変態な女の子が好きなんでしょ?」
「どうしてそうなった!?」
「だって、千聖のこと好きじゃん」
「いや、そこは否定しないけど……ねぇ?」
それ、千聖が変態って言っているような……いや、今更か。
「それで、アタシのことも好きでしょ」
「どういう流れでそうなった?」
「……え?……嫌い……なの?」
「いや、嫌いじゃないですけど」
「じゃあ、好きなの?」
「まぁ、友人としては好きですよ」
「よかったーアタシも慧人くんのこと好きだよ☆」
「そうですか?」
「うん。――――アタシのご主人様として」
「だから主従関係を結んでねぇよ!?もしかして、メイドとかそういうの目指し始めたの!?」
「ううん。もちろん、ペットとしてだよ?」
「そこでもちろんとか言わないで欲しいんだけど!?」
それならまだメイドと雇い主の主従関係の方が何倍もマシだわ!ペットと飼い主的なのはやめてくれ!?
「……というかさ、なんでペットになりたいとか言い出したんだ?」
「
「だから認めてねぇよ!?……いや、浮気認定云々って言ってたけど、よく考えなくても千聖に許可もらえばオッケーだし、俺が仮に変態が好きでももっと、別のアプローチがあるだろ?なんで、ペットになったとか血迷った、とち狂った、訳の分からないことを言い出したんだ?」
「そうだね……それはある日のこと……普段は圧たっぷりの慧人くんが、道端で迷子の子犬を見つけました」
「……ん?」
「最初は子犬に恐れられながらも、勇気を持って近づいてくれたその子を優しく抱いて、主人を探しに一緒に歩く姿……時折、撫でてあげながら、優しく接していて……」
「ちょっ!?見てたのか!?」
クソっ、あの時は子犬に集中して周りのことを無視していたが、よりによってリサ姐に見られていたとは……!
「主人が見つかった時は少し喜び、子犬を引き渡した後は少し寂しさを感じ……でも、アタシたちとその後会ったときは何もなかったように接していて……心に来るものがあったよね」
「やめてくれ!?マジでやめてくれ!?」
「…………(にっこり)」
「そんな目で俺を見ないでくれ!いや見ないで下さいお願いします!」
「……だから思ったの。アタシ、慧人くんのペットになりたいって」
「って今の流れで!?聞いたけどやっぱり理解できねぇ!」
「ふふっ、乙女の繊細な思考は理解できないものだよ☆」
「繊細じゃなくて性的なだろうが!」
「ちなみに、千聖も一緒に見ていたから」
「アイツもかぁ……!」
「でも、千聖はアタシとは違うと思うの」
「何が?」
「千聖は慧人くんに虐げられたい願望もあったから」
「要するにアイツはドMだったんだろうが!」
「あ、アタシには……優しくしてね?千聖程Mじゃないから……」
「そんな趣味は持ち合わせていねぇよ!」
ダメだ。何だろう……もう末期だよ。誰か助けて……
「大丈夫?慧人くん、何か疲れているように見えるよ?」
「誰のせいだと思っているんですか!?」
「うーん……?慧人くん、もしかして最近学校で何かあった?お姉さんに話してみるといいよ?」
「アンタのせいだよアンタの……」
「あはは~慧人くん。ナイスジョーク☆」
「ジョークじゃなくてガチだっての……ああ、でもいいや。ちょっと相談したいこともあったし」
「あー前に聞かれてたこと?確か、紗夜に相談したんでしょ?」
「まぁ……あの人のポンコツさが発揮されたおかげで色々とありましたがね」
「それで?お姉さんに相談って?」
「そうですね……どうしたらリサ姐の残念な思考が治りますかね?」
「うーん、調教じゃない?とりあえず(ピーー)して(ピーーー)から(ピーーー)を(ピーーーーー)」
「すみません。治せる自信がないのと、本題は別なのでその辺にしましょう」
「そう?アタシ的には、慧人くんのペットとして成長できるなら全然オッケーだよ?」
「…………」
どうして俺の身近な人(特に異性)は残念なんだ?俺と親しくなればなるほど壊れるんだ?何だ?見えない何かが、俺の周りの人間の頭を壊している気がする……
「…………えっとですね。本題は、今度千聖をデートに誘おうと思うんです」
「ふむふむ……首輪つけてお散歩?」
「いえ、普通のデートです」
「慧人くんの家で?」
「いえ、偶には一緒に出かけようかと」
「ホテル直行の?」
「いえ、ホテルには行きません」
「……もしかして……あの千聖と健全なデートをしようとしているの……!?」
「何でそんなに驚いているんですかねぇ」
「いや、無理でしょ。アタシとも無理だと思うよ?」
「おかしいな。普通の健全なデートが、何でそんなにハードル高いんでしょうね?」
「高いに決まっているじゃん。いい慧人くん。普通の中学生高校生がやるような、ピー音禁止縛りの、待ち合わせをしっかりして、二人きりで一緒に出かけて、路地裏にもホテルにもお互いの家にも行かないなんて、アタシたちにとっては最高難易度なんだよ?」
「完全にアンタらのせいじゃねぇか」
そもそもピー音禁止縛りって何だよ。普通のカップルはそんな縛り、縛りじゃなくて普通だよ。というか、待ち合わせをするって……いや、気付いたらこの人たち家の前にいるか、家の中にいるけどさ。
「でもさー慧人くん。例えばだけど、手を繋いだら胸を押し当てたくならない?」
「さては痴女ですか?」
「ううん。慧人くんのペット」
「おて」
「わん♪」
「おかわり」
「わん♪」
「おすわり」
「わん♪」
「ふせ」
「わん♪」
「…………」
「わんわん♪」
どうしよう。何でこんなに楽しそうに言うことを聞くんだろう。もう価値観がよく分からないよ……
「それで、色々と考えたんですけど……」
「わんわん」
「……そろそろ戻ってくれませんか?」
「わん?」
「…………」
どうしたら戻るんだろう?というか、どうしてその体制で、そんな何かを期待するような目が出来るんだろう?
「…………(すりすり)」
あぁ、撫でればいいのか。
「…………(こくこく)」
当たりなのね。そして、当たり前のように心の中を読まないで欲しい。
ということで、撫でることにしたが……
「いい?飴と鞭が大事なんだよ」
「そうですか」
「アタシのようなペットには飴の割合を増やすといいよ♪」
「一生使わない知識ですね」
「え?これから一生使える知識って?」
「…………」
もうやだこの人……
「ちなみに躾にはお尻を叩くといいよ」
「そうすると?」
「喜ぶ」
「それ、躾じゃねぇじゃん」
「それで?千聖とのデートプランってなんか考えているの?」
「あーその場のノリだと絶対アウトだから、一応は考えたけど……」
「でも、今思うとアレだね。他の女の子とのデートプランを一緒に考えるって、中々鬼畜だね♪」
「そうですか?」
「うんうん。……だって、好きな人と別の女の子のデートプランを、いくら相手が千聖とは言え、考えるのは来るものがあるよね」
「じゃあ、今度デートしますか?」
「……え?」
「ちょっと先の話になるだろうし、千聖にも言わなきゃいけないけど」
「……うん。期待している」
この後、なぜか急に真面目になったリサ姐と一緒に考えるのだった。まぁ、相談が終わったら残念な方に戻ったけど。
しかし、この時の二人は知らなかった。まさか、二人のデートがあんなことになるなんて……
以上、両足をヤバい方に突っ込んだお姉さん系ヒロイン今井リサさんでした。
よく言えばこの人は本編に比べ遙かに、従順系です。本編?……どっちかというと暴力系?
次回は千聖さん帰還です。