やあみんな、僕は私立聡明中学の飯田天哉だ!今回は僕がメインの話だそうなので僕が地の文を務めさせてもらおう、現在僕は雄英高校の試験の会場に来ている、ここで僕はヒーローへの第一歩を踏み出す所だ!
「しかし如何したものか、バイクの姿と生身ではやる事が殆ど変わらないからな・・・さて、どちらが効率的だろうか・・・」
こんな時に圭真君達の様に個性やライダーの特性を活かした方法で戦えるのだが、僕の場合では先程言った様にどちらも『走る!突撃!』ぐらいしか出来ないからな・・・仕方ない、生身とレベル1と2の三択ならここは生身で一旦様子を見よう。
「それじゃあスタート!どうしたどうした!実戦にカウントなんざねぇぞ!?賽は投げられてんだ!既に飛び出してる・・・あ?なんだありゃ二頭身?兎に角見習え!!!」
僕以外にも開始と同時に飛び出している者がいる、おそらく圭真君達だな、彼等とは海浜公園の件の後でも関係が続いていて、今では掛け替えのない友人となっている・・・ん?二頭身?と言う事は圭真君か?勝己君ならレベル2で行くだろうしな。
「兎に角この試験、全身全霊で挑まさせてもらうぞ!」
俺は個性のエンジンで加速してそのまま仮想敵に蹴りを放つ、何とかこれでポイントを稼げるだろう。
「しかし、広いなこの会場は俺の個性だけなら全体を周るのは骨が折れそうだな」
少し飛ばし過ぎた性かそろそろガス欠になりそうだ、仕方ないここは早めに切り替えておこう、俺はゲーマードライバーを腰に付け爆走バイクのガシャットを起動させようとした、すると背後から悲鳴が聞こえて来た。
「何だ!?」
振り向くとそこには、巨大な仮想敵が出現していた、プレゼントマイクが言っていた0ポイントのギミックか!
「二速!」
【ガチャーン!レベルアップ!】
【爆走!独走!激走!暴走!爆走バイク!】
俺は急いでレーザーに変身して、その場から離れようとした、当然だあんなのに敵うわけがない、勝ち目がないなら撤退して応援を要請する、それも一つの手だ。
「よし、行くぞ・・・」
だがその時、入試前に圭真君の家に集まり、試験勉強をしてた時の事が頭を過った。
「天哉さ、このまま仮面ライダーの力を使って入試に挑むのは少し卑怯じゃないかっておもってるだろ?」
その時の僕は、その言葉に否定する事が出来なかった、だってそうだろう?他の皆は自身の個性だけで己の出来る限りを尽くして挑もうとしている、それなのに無個性だった出久君はまだしも、個性を所持している僕が友人とは言え他人の個性を借りて挑む訳にはいかないだろう?
「天哉、お前は考え過ぎなんだよ、この世の中はそう言った卑怯や理不尽だらけだ、敵が正々堂々と襲撃するぞ!なんて言わないだろ?大抵は卑怯な手を使ってくる、そうやって命を落とす民間人やヒーローもいる、だけど自然災害や事故なんかでもそう言った事があるんだ、俺達は毎日そんな世界の卑怯や理不尽と隣合わせで生きてる、平和な世界なんて人間様の力だけじゃ実現なんて出来ないのさ」
圭真君は時々こんな風に、本当に僕と同年代なのか疑いたくなる位に達観してると言うか、凄く大人と言う表現が合っていた、それこそオールマイトの様に幾度となく皆を救って来たヒーローの様な貫禄が垣間見える。
「確かにお前の仮面ライダーの力は、俺の個性から産み出した物だけど、今その力を使ってるのはお前だろ?だったら例え借り物だろうと、その力はもう俺のじゃない、天哉、お前の個性だ」
「っ!」
「だったら気にする必要もないだろ?こう言う時は、『ノリ』にノってれば良いんだよ」
やはり圭真君は凄い、こう言う人間が良いヒーローになるんだろうな・・・僕は兄、インゲニウムのような真っ当なヒーローに成りたいと思い、日々鍛錬を積んできた、あの後兄にも同じ様な質問をした、そしたらあの人は・・・
「他人に別の個性を与えられたらその力を使うのは卑怯かって?おい、そいつは間違ってるぞ、ヒーローとして出来る事が増える、そしたらもっと沢山の人達も救う事ができる、それの何が卑怯なんだ?」
などと返されたよ、僕は中学の同級生にもよく真面目だの頭が硬いなどと言われたものだ、勿論僕はそれを貫いた、真面目で何が悪いのかと度々思ってきたが圭真君達に出会い、今日まで過ごしてきた事でよく分かった、時にはそう言う『ノリ』と言う奴に従うのも悪くないのだと・・・
「ならば、もう考えるのは止めよう、これからノリノリでノって行こうじゃないか!」
俺は即座にUターンしてギミックに向かって行った、行けると思えたならそのまま突き進むのみだ!
「なんだありゃ!バイク!?」
「えってか無人じゃね!?自立して動いてんのか!?」
周りがそう言う、確かに冷静になって考えて見れば、無人機のバイクが自立走行を成し遂げているのはかなり妙なのでは?
「ってのわ!?」
くっ、考える事を止めると言ったばかりなのに考えてしまい走る事への意識が逸れてしまった、お陰で転倒してレベル1に戻ってしまった・・・
「しかし、ただのバイク・・・ではないのだが、単身でアレを倒すのは至難だろうな、何とかならないだろうか・・・おや?そう言えば圭真君からガシャットを貰っていたな、もしかしたら使えるかもしれないな」
僕は黒色のガシャットを取り出し、起動させた。
【ギリギリチャンバラ】
「バイクにチャンバラ?よく分からんが、こう言う時こそノリだな!」
僕はこのギリギリチャンバラをゲーマードライバーに差し込んだ。
「三速!」
【ガチャーン!レベルアップ!】
【爆走!独走!激走!暴走!爆走バイク!】
【アガッチャ!】
【ギリ・ギリ・ギリ・ギリ!チャンバラ!】
出て来たチャンバラゲーマと合体した僕は、仮面ライダーレーザーチャンバラバイクゲーマーレベル3となった・・・取り敢えず一つ言わせてくれ。
「漸く人型になれたぁぁぁ!!!」
ふぅ、言いたい事は言えたぞ!
「さあ!敵退治と行こうじゃないか!」
【ガシャコンスパロー】
弓矢が出てきた、使い方も瞬時に理解出来た、こいつは鎌にもなるのか?だがこの巨体なら弓で良いだろう。
「せめて皆が逃げ切るまでの時間を稼ぐ!」
ギリギリチャンバラをガシャコンスパローに差し込んだ、これでキメワザが使える。
【GIRIGIRI CRITICAL FINISH】
僕はガシャコンスパローから複数の矢を放った。
「おい!アイツどこ狙ってんだよ!?」
周りからそんな声が聞こえる、確かに僕は普通の矢ならまず敵に当たりすらしない方向へ飛ばしているからな、そう・・・
「ハッ!」
僕は目の前に何も無いのに回し蹴りを放つ、すると明後日の方向と言うのかな?確か圭真君が外れて飛んで行く勝己君の攻撃にそんな事を言っていた気がするが、兎に角その方向に飛んでいた矢が一斉にギミックに方向を変え降り注いだ。
「試験終了〜〜〜!!!」
終了のアナウンスが響くと同時にギミックがそのまま音を立てながら崩れていった。
「時間稼ぎどころか、倒せてしまったな・・・」
僕は改めて仮面ライダーの力が凄い物なのだと実感したよ。
さてと、無事に試験も終わって皆の家でそれぞれの反省点でも洗おうと思っていたが、圭真君はエンデヴァーに呼ばれているそうで帰ってしまったし、勝己君と出久君はご両親と食事をするそうだ、なので僕は一人で帰路についていた所だ。
「あの、飯田さん!」
ん?誰かに呼ばれて後ろを振り向くと、そこには見知った顔の人がいた。
「おお!八百万君ではないか!どうしてここに?」
「応援に来たのです、ちゃんと先生方と許可は取っておりますわ」
彼女は八百万百君、少し前に彼女が敵に誘拐される所を目撃して助けた事があり、それ以来会って居なかったが。
「勿論私だけではなく、同じ推薦入試の轟さんと言う方も来ておりまして、彼女はどなたかは存じませんがご友人との予定がお有りだったそうで・・・」
「焦凍君も来ていたのか?」
おや?八百万君の体が一瞬固まった様に見えたな、しかしそうか、焦凍君が来ていたと言う事は、おそらく圭真君を迎えに来ていたのだろう、勝己君も「早く付き合えや焦ってぇ!」と言っているが僕もそれに同意する程にあの二人は仲が良いからな。
「いっ飯田さんは、轟さんの事をご存知で?」
「ん?あぁ良き友人だよ、丁度去年からになるな」
「そっそうなんですね、そうでございましたの・・・ホッ」
ん?何やら安堵の息を吐いた様に見えたが、どうしたのだろうか?
「とっ所で飯田さん、この後のご予定は・・・」
「特に無いな、友人と先程の試験の反省点などを洗う為に集まろうと思ったんだが、皆それぞれに予定があったそうでな」
「でしたら!是非我が家へお越し頂きませんか!あっいえ別に他意は無いのですがお父様が改めてあの時のお礼をしたいとおっしゃってるので美味しい紅茶やお菓子などもございますので飯田さんが宜しければなのですが・・・」
よく息を吐かずに言えるものだな、だがお礼と言われてもヒーローを志す者として当然の事をしたまでのこと、礼を言われる程の事ではないが、折角の感謝を無碍にするのはヒーロー以前に人としてどうだろうか・・・
「・・・そうだな、ではお言葉に甘えよう」
「っ!はい!では今すぐ参りましょう!既に迎えの車も手配しておりますので!」
おや、なんだかご機嫌だな、何か良い事でもあったのだろうか?
(やりましたわ!飯田さんをお誘い出来ましたわ!クラスメイトの方は、この後既成事実?と言うのを作れば良いとおっしゃってましたわね、どう言ったものなのかは存じませんが、飯田さんとの仲を縮める絶好の機会!不詳ながらこの八百万百、この千載一遇のチャンスを絶対無駄にはさせませんわ!)
余談であるが、この後ただ本当に百の両親から礼を言われ、普通に紅茶や菓子を頂き、そのまま何も無く天哉は八百万邸を後にしたのだ、当の本人は満足気な顔をしているが、百にあれこれを吹き込んだ学友達は頭を抱えたのだと言う。