うらめしや~な魔王(転生者)   作:恋に恋するコイキング

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2話目です。

よろしくー。


同族との出会い

僕が今住んでいる所は、ジュラの大森林というらしい。なんか暴風竜ヴェルドラの加護があるんだって。

 

実はこの間、通りすがりの冒険者に見つかってしまってな。

 

『透明者』の練習で透明化していない時に出会ってしまった。これぞ運命の出会い。

 

どうやら僕の種族<幽霊族>なるものは、かなり珍しいらしく、討伐対象としての価値がすごいらしい。

 

すごいラッキーだとか、さっさと倒してその金で飲もうぜ、だとか言っていたさ。

 

とりあえず、その辺の木の棒を適当に拾って魔素をまとわせ、殴ってみた。

 

 

 

一撃だ。そう、一撃。木の棒だぜ?

 

合計で4人ぐらいいたんだが、如何せん動きが遅すぎてな、

 

 

 

冒険者って弱っっ

 

 

などと思ってしまった。

 

 

 

______________

 

初めて自分以外の生物と相対してから数日経った今、俺は人化出来るようになっていた。

 

今まで匂いとか感じなかったんだけど、人化したら匂い感じる!!

 

 

ところで、僕の飯事情なんだが、人化するまではその辺の木の実を食べていた。

 

幽霊だから食中毒なんてならないし、そもそも味がわからんのだ。

 

 

しかぁし!さっき、人化したら匂いを感じると言っただろう。

 

どうやら味も感じれるようになったようだ。木の実はクソまずかった。二度と食べれん。

 

 

 

そこで、僕の手にあるのは、いくらかのお金!らしきもの。

 

この間の冒険者からのお恵みだ。

 

これで!僕は!人化して、人がたくさんいる所にいって、とびきり美味しいご飯を食べてくるんだ!

 

 

ぐふふふふ、楽しみだぜ

 

 

 

 

ちなみに俺は幽霊だからな、隠蔽は専門分野なのだ。

 

誰にも幽霊だってばれないようにするなんて簡単だし。

 

 

 

うはははは。

 

 

________________

 

僕は早速、『透明者』のスキル、すり抜けを使って扉を用意し、この間いた街の、路地裏らへんに出るように想像してみた。

 

もちろん成功だとも。この能力の強みは、行ったことないところにもある程度理想の位置に行けるのだ。ただしそこの環境にもよるがな。

 

 

とりあえず発見した適当な店に入った。

 

頼んだのはもちろん肉!なんの肉かわからんが、すごくうまいぞ。今度自分で倒した魔物食べてみよう。

 

 

そんなこんなで、特に何事もなく食事を終えて寝床に戻った、はずだ。

 

僕は、僕が国をでて10秒後にその国とその隣の国がまとめて消滅したなんて、知らないぞ。

 

きっと気のせいだ。気のせいと思っておこう。

 

 

_________________

 

 

それから半年ほど経った頃、僕はついに出会ったのだ。

 

僕と同じ、幽霊族に。

 

 

ちなみに声をかけられたのは僕の方だ。

 

「なあ、あんたってもしかして俺と同じ幽霊族?」

 

 

いやーそりゃもうびっくり。幽霊族って本当に少ないみたいだから、まさかこんなに早く会えるとは思ってなかった。

 

 

「びっっくりしたー。確かに僕も幽霊族だよ。でも同族は初めて会ったんだけど」

 

そしたら、急に真剣な顔つきになったので何事かと思えば、

 

「そりゃあ幽霊族は希少だからな。昔はもっとたくさんいたんだが、人間どもに皆殺されたのさ」

 

「でも、僕たちって物理攻撃とか効かないし、そんな簡単にやられるとは思わないんだけど。」

 

「人間どももそれをわかってるからな、あいつらは俺達の魂に直接攻撃してきたんだ。俺たち幽霊族は自由気ままだし、団結するなんてこともなかったからすぐにたくさん殺られていったのさ。おまけに彼奴等が使ったのは、魂の輪廻転生も許さないような技だ。揃いも揃って目障りな俺たちを殺したかったらしい。同胞はもう帰らないし、この世界に俺とお前以外であと何人生きているかもわからない」

 

「もしかして、君もそんな目に合ったの?」

 

「ああ、俺には結構親しくしてた奴がいたんだがな、そいつに庇われて今生きてるんだ。ちなみにそいつはもう死んじゃったけどな」

 

「そうなのか。でもさ、なんで急に人間は幽霊族を殺し始めたの?」

 

「そんなのも知らねえとは、お前生まれたばっかりだろ。人間からすれば、俺たち幽霊は気味が悪いんだと。確かに俺たちは悪戯好きだから人間をたくさん驚かしたりもしたけれど、無闇矢鱈と殺したりなんかしていない。なのに、そんな自分勝手な理由で、人間たちは俺たちを殺しに来たんだ。」

 

「そんな事があったのか。でも、つまりは現在進行系で君も僕も狙われているってことだろう?」

 

「そういうことだな」

 

「そしたら僕からお願いがあるんだけど。僕と一緒に暮らしてくれない?一人で退屈してたし、二人でいたほうが生存率も上がると思うんだ」

 

「ああ、いいぞ。俺も暇してたし、まさか同族に会えるとは思ってなかったからな。」

 

「これからよろしく!」

 

「そうだな」

 

 

 

こうして僕は彼と友達になったんだ。

 

 

 

それからは、とても楽しい日が続いた。

 

一人で暇することもない。

 

あれからまた半年経った頃、僕は彼に自分が転生者であることを話した。

 

僕の前世が人間だと知っても、彼は何も変わらなかった。

 

疑ったりせずに信じて、むしろ面白がっていろんなことを聞いてきた。

 

そんな彼も、もう死んでしまったという自分を庇ってくれた親しい者の話をしてくれた。

 

その子は男の子ですごく怖がりだったのだとか。今はもう吹っ切れているけれど、怖がりのあいつが勇気をだしたように俺も勇気の出せる男になりたいと豪語していた。

 

 

 

 

 

 

そんな中、僕たちが住んでいる所に大量の冒険者が来た。

 

僕が不意打ちを食らいそうになった時、彼は僕を庇った。

 

どうやら魂への直接攻撃だったようで、彼はもうここからいなくなりそうなんだ。

 

あまりにも、突然過ぎる。

 

 

「…俺も、ゆうき、だせ…た、だろう…?」

 

彼は微笑んで、僕にそういったんだ。それで、キラキラなんて在り来りな事が起きて、彼はいなくなった。

 

そこからはよくわからなかった。僕だって前世が人間なわけだから、必要最低限の殺ししかしないと決めていたのに。

 

もう遅い。僕の前世など関係ない。僕は幽霊族であって、たった今目の前で、僕の世界一の友を殺された。

 

 

 

 

そんな者共には、当然の報いとやらが必要だと思う。

 

《確認しました。ユニークスキル『報復者』獲得・・・成功しました》

 

『報復者』。今の僕にはピッタリかもしれない。

 

効果は、覇気、魂還

 

とりあえず、覇気、とやらを使ってみる。

 

このスキルは、目の前で生命が失われたら、効力が跳ね上がるようだ。つまり、僕が殺せば殺すほど強くなる。

 

覇気をやると、相手の足が震えだした。俺はその隙に、手に入れた剣で淡々と殺していく。しばらくすると、彼らは足の震えがひどく立っていられなくなったようだ。

 

その間にも、殺す、ころす、殺す。

 

時々例の攻撃を打ってくるやつもいたけど、すり抜けで、()()()()()()()()()彼らの仲間にあたるように調節。つまり同士討ちもさせた。

 

 

 

どうやら、全ての人間がいなくなったらしい。

 

 

 

 

次の日、援軍らしきものが来た。

 

その次の日も、次の日も。

 

 

それを繰り返していると、

 

《告。魔王への進化に必要な規定を満たしました。これより、魔王への進化(ハーベストフェスティバル)が開始されます》

 

どうやら知らぬうちに、魔王種へとなり、進化に必要な量の魂を手に入れたようだった。

 

 

 

 

ああ、たくさん殺したのか。別になんとも思わないが。

 

 

_________________

 

 

《告。魔王への進化(ハーベストフェスティバル)が開始されました。

 身体組成が再構成され、新たな種族へ進化します》

 

《確認しました。種族:幽霊族(ゴースト)から霊族(ファンタズマ)への転生…成功しました

 全ての身体能力が大幅に上昇しました。

 固有スキルは、『透過、無限再生、恐慌波』です。

 続けて、耐性の再獲得及び、新たな獲得を実行します・・・

 物理攻撃無効、自然影響無効、状態異常無効

 精神攻撃無効、聖魔攻撃耐性

 再構築され、以上の耐性を獲得しました。

 尚、常用スキルとして、

 『魔力感知』『熱源感知』『音波探知』『魔王覇気』

 が備わりました。》

 

《さらに、ユニークスキル『透明者』と『報復者』が、究極能力(アルティメットスキル)透徹之王(メジェド)』へと進化・・・成功しました》

 

《『透徹之王』のスキル、魂還より、進化エネルギーを利用して魂の帰還を命じます・・・成功しました。

 以上で、進化を完了します》

 

 

 

 

こうして、新たなる種族、霊族(ファンタズマ)と、それに伴い新たなる魔王が誕生したのだった。

 




前回、ディーノやダグリュールと同期になるとか言いましたが、古参の魔王になるかもです。

ちなみに、メジェドとは、『エジプトの死者の書』に書かれた神の名です。

死に深く関係している神だとか。




では、次話もよろしく
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