封印悪霊物語(笑)   作:喪家の狗

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こわれた いしのとうが ある......

 

 

この先の事や、自分の過去の事を考えるのに飽きてしまった俺は、石から体を出す遊びを繰り返していた。

 

 

うん、これ楽しいからね。

 

なんか石から魂を出すの楽しいんだよ。

 

なんというか石の隙間から魂を出すときの感覚? ボコボコしたものが出たり入ったり......言い方悪いな。

 

 

それと、考えるのは苦手だからとりあえず悪の組織とかは成り行きでだな。

 

 

後先や、今日のご飯のことも考えずに遊んでいると、

 

 

......おみょ、誰か来るな。

 

 

石に挟まれ封印されてる間、わずかに聞こえて来ていた声の主たちが近づいるのが何故か分かった。

 

 

そいつらが何者なのか、一切分からないが何をしに来てるかだけは確実に分かる。

 

確かに彼らによって蘇ったから、恩人という見方もできるかもしれない。

 

お礼の1つでも言うべきかもね。

 

 

だがしかし! 俺は1人の男(?)である前に1匹のポケモンだ!

 

 

俺は自由を手に入れた! ならばこれは俺のために使うべきだ!

 

 

トレーナーに捕まる未来なんてクソ食らえ!

 

 

お前らを恩人として忘れることは無いが、お前らの配下には加わらない!

 

なのでここから逃げてやる!

 

 

 

 

具体的に言うと、戦って勝てる気がしない!

 

 

だって戦闘経験ゼロだもん。

 

 

なのでもう一度、塔の石たちの仲間入りを果たし、周りの石と同化する。

 

 

それだけじゃすぐ見つかる?

 

案ずるな。

 

さっきまでは石の顔が表から見えるように配置されていたので、今度は石の後ろが見えるように入り込んでやったぜ。

 

 

これにより、バレる可能性が少しは減っただろうけど、直接外の様子が見えないのはちょっと難点。

 

気配を......感じるしかないな...。

 

 

暫くして彼らが戻ってきた。

 

 

「どうだ!? 成功したか!?」

 

 

初手失敗フラグは基本。

 

 

「ああ、多分な。ちゃんと地下通路で拾った『かなめいし』は置いたし、俺たちで地下通路で32回、挨拶しただろ?」

 

 

ああ。あの時の声はそれだったか。

 

確かにミカルゲ出す条件ってそんな感じだったね。

 

 

「...それで、そいつはどこだ?」

 

 

お? おー、おー。感じる感じるよ。

 

虫取り網を持った少年とそれに付いていく短パンを履いた小僧の気配を感じます。

 

 

「出てきてないか? 【封印されし戒めの石に♰封じられし悪霊の魂】」

 

 

ちょっとまてこら、俺をそんな痛々しく呼ぶんじゃない!

 

110の魂になってやろうか?

 

 

それで俺ってばどれだけ封印されてんだよ!

 

封じられすぎだろ。

 

 

その後もブツブツ言ってる2人から、俺を探すように塔を無礼にジロジロ見つめている視線を感じます...。

 

 

その後も諦めず、『みたまのとう』の周りをぐるぐる回り、時には中を覗き込み、落ちそうになり、近くの川を探したり、その川に足を付けだしたかと思えば突然遊び始めたり、2人してずぶ濡れになるまで遊び耽ったり、一旦近くの人に聞きに行ったり、自転車に乗り出して転んだり、子供らしい様々な事をしていた。

 

 

しばらくすると、

 

 

「なあ、暗くなってきたし、もう行こうぜ?

きっと他の誰かがもう取って行ったんだろ?」

 

 

もう既に探していないことを思い出したかのように、どっちかの少年がそう提案した。

 

 

おいおい。コイツらが捜し始めたころはあんなにやる気だったのに、途中でもう諦めて遊んでただろ。

 

飽きたんならとっとと帰ってくれよ。

 

こちとら暇じゃないんだ。

 

 

「畜生、ルール違反じゃんか、人のポケモン横取りなんて! ミカルゲ連れてるトレーナー居たらぶっ叩いてやる!」

 

 

相方の少年も目的を思い出したかのように取って付けたような感情で怒りだした。

 

 

「まあまあ、落ち着けって...」

 

 

そう言うと、イライラした様子で塔から離れ、近くに停めてある自転車を取りに行った。

 

 

よーし、良いぞー。お子様はとっととご帰宅しろー!

 

 

自転車にまたがり、離れていく間際少年たちの会話が聞こえた。

 

 

「でも、なんでそのミカルゲってのが欲しかったんだ?」

 

「だってアイツって珍しいポケモンなんだぞ。ソイツ捕まえればクラスの奴らに自慢できるだろ?」

 

「それもそっか」

 

 

 

 

...行ったか。

 

 

しかも捕まえたい理由がただのエゴじゃねえか。

 

 

2人の気配が無くなるのを感じ、何故か落ち着く塔から離れる。

 

意外と悪くない住処なのか?

 

 

後退し塔から抜け、はあ。とため息をつき、これからどうしようかと考え

 

 

「ああ! いしがうごいた!?」

 

 

 

 

 

 

 

畜生、誰かに見つかってしまいました。

 

 

もう少しそこに居れば良かったと後悔をした。

 

 





見てくれてありがとうございました。


基本的に不定期更新。内容薄味、毎回短めです。


良ければこれからもお付き合いください。

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