封印悪霊物語(笑)   作:喪家の狗

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まるねずみポケモン

 

 

あっしはビッパでやんす。

 

ただのビッパ。

 

群れの下っ端ビッパでやんす。

 

 

人間さんたちが「209番道路」って言ってたところで生活してるんでやんす。

 

 

あっしらビッパは、近くの川にダムを作ったり、草むらでじゃれ合ったり、戦闘訓練したり。

 

楽しく生活してるんでやんすよ。

 

 

そんな群れの皆と楽しく過ごしてるある日のことでやんした。

 

 

 

 

 

___ソイツの気配を感じたのは。

 

 

 

 

異変に一早く気付いた群れのリーダー、ボス・ビダールさんに、下っ端であるあっしが見回りして来いって言われたんで住処の外に出たんでやんすよ。

 

 

悍ましいものを感じましたんでやんすよ。

 

 

ソイツのことはここ、209番道路に住み着く時から聞いていたんでやんす。

 

凄く危険なポケモン。

 

昔、悪さをして封印されていたはずのポケモン。

 

 

 

ソイツの危険性は知ってたんでやんす。

 

なので、直ぐに近くの人間さん、そこに居た女の子に危険を知らせたんでやんす。

 

 

あっしらは人間さんが大好きなんでやんす。

 

あっしらが川に木でダムを作っていると、人間さんたちは使わない木材や木の枝をくれたんでやんす。

 

 

そんな優しい人間さんにはアイツからの猛威に振るわれて欲しくないんでやんす。

 

 

だからあっしは人間さんに必死に呼びかけたんでやんす。

 

 

勿論人間さんとあっしらポケモンには言葉の壁がある。

 

そんなことわかっていても何かに気付いてほしかったんでやんす。

 

 

その時でやんす、

 

 

 

 

___ソイツが現れたのは。

 

 

 

 

日も暮れ始め、辺りが暗くなってるところにポツンと漂い光るその姿。

 

ああ、これは良くないものだ。見た瞬間思わされたんでやんす。

 

 

なのであっしは、ソイツの姿を見たとき、咄嗟の判断で女の子を庇おうとしました。

 

 

しかしそれは、そいつによって憚れたんでやんす。

 

 

ものすごいスピードでやんしたよ。

 

ソイツがあっしと女の子との間に入ったのは。

 

 

 

ソイツは凄いプレッシャーを放っていたんでやんす。

 

 

あっしは足が震え、思わず逃げたくなりました。

 

 

 

でも、

 

 

それでも。

 

 

あっしは迷わず決意しました。

 

この子を守る。

 

この悪霊から!

 

 

あっしは直ぐに技を繰り出したんでやんす。

 

『いかりのまえば』。

 

あっし取って置きの技でやんす。

 

 

群れの下っ端だからって、他の誰にも負けないように、他の誰よりも強く撃てるように何度も何度も練習してきたこの技なら!

 

 

...行ける!

 

 

出し方も、構えも、飛び掛かりも完璧でやんした。

 

今までの練習の日々のどの日よりもすごい技が出せた、そう思ったんでやんす。

 

 

 

しかし、

 

 

 

ソイツは動きませんでした。

 

 

 

最初は動けなかったんだと思いましたよ。

 

あっしの技が凄かったから。

 

 

でも違ったんでやんす。

 

 

『ゴーストタイプ』に『ノーマルタイプ』の技は効かない。

 

生まれたてのビッパでも知ってることでやんした。

 

 

あっしはそれを忘れてた。

 

 

 

いえ、目も前のことに集中しすぎてそんな当たり前な事も忘れるようじゃダメでやんすね。

 

 

これだから群れで一番弱いビッパでやんすよ。

 

 

 

ああ、コイツには敵わない。

 

そう心から思ったでやんす。

 

 

そんな弱いあっしを嘲笑うように、『さいみんじゅつ』を使ってきたんでやんすよ。

 

 

実際、ソイツは恐怖の笑みを浮かべていたんでやんす。

 

 

もっと強い技もあったんでしょうに。

 

もっと痛めつけることのできる技も持ってたでしょうに。

 

 

『あっし相手にはこれで十分だ』

 

 

そう言ってるように感じたんでやんすよ。

 

 

護れなかった、あの女の子を...。

 

 

ぐわんと、身体の力が抜け、地に着いた。

 

『さいみんじゅつ』が効き始めてきたんでやんす。

 

 

それでも諦めず、重い瞼を持ち上げるもその努力虚しく、悪霊が女の子に向かってるのを見たんでやんす。

 

 

意識も朦朧としてくる中、あっしは決意しました。

 

 

 

『あっしはもっと強くなって、コイツが何か悪さをする前に絶対に止める』

 

 

って。

 

 

 

そうしてあっしは意識を手放し、深い眠りについたんでやんす。

 

 

 

 

 

 

気づいた時には住処の中でやんした。

 

あっしの帰りが遅いから心配になった同じく下っ端の見回り仲間たちがあっしを探してくれて、ここまで連れてきたみたいでやんす。

 

 

仲間によると、あっしを見つけたときにはもう、女の子の姿はなかったそうなんでやんす。

 

 

 

 

悔しい。

 

 

悔しいでやんす!

 

情けないでやんす!

 

 

今まで人間さんたちに良くしてもらったあっしが、何もできず、ただ、眠っていただけだなんて。

 

 

 

負けない、

 

 

負けたくない!

 

 

次こそは絶対に、負けたくないんでやんす!

 

 

 

 

その為に、

 

 

もっと、

 

 

強くなりたいでやんす!

 

 

その旨を群れに伝えたところ皆、快く特訓に付き合ってくれるようになり、協力もするよう言ってくれたんでやんす。

 

群れの皆も人間さんが大好きで悔しいみたいでやんした。

 

 

 

 

特訓は直ぐに始まったんでやんす。

 

 

住み慣れた水辺の草むらを離れ、川を渡り、街を抜け、

 

 

強敵の犇めく大山、『テンガンざん』に足を踏み入れたんでやんす。

 

 

 





これ書いてる時、やけにスムーズに書けたんでやんすよ。

もしかしたらビッパが主人公なのかな?

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