封印悪霊物語(笑)   作:喪家の狗

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感想を貰えると凄く嬉しい。

通知が来たときは、「アンチコメだったらどうしよ...」「見るの怖いな」なんて思ったりしてなかったり。

でもまあ、毎回励みになる感想なので皆様の優しさをヒシヒシ感じるっす。


何が言いたいかと言うと、


いつもありがとうございます。



きとうしの マツリ

 

門を見たときからおかしいと思っていたんだよう。

 

 

明らかに大きすぎる、和を感じる門構え。

 

重厚な門。敷地を囲む壁。

 

門をくぐり、中に入ると家まで続く絶妙に長い道には石煉瓦が綺麗に配置、設置され整備が行き届いているのが分かる。

 

神社かどこかなのか。

 

道の脇に等間隔で設置され、中の炎が静かに道を照らしてる灯篭。

 

その光で僅かに見える庭の池。

 

あ、今コイキング跳ねた。

 

家の敷地内観察もほどほどに熱中していると、歩く少女は家の玄関前に到着した。

 

 

いやデカすぎんだろ、この家。

 

もう家じゃねえじゃん、お屋敷じゃん。

 

なんで俺こんなとこ来ちゃったの?

 

 

少女に抱えられ連れてこられたのはこの子の住まう家。

 

遠くから見た時点でもう知ってたけど、家と呼ぶにはあまりに大きすぎる最早豪邸、御屋敷。

 

 

「おかーさーん、ただいまー」

 

 

『かなめいし』なんかを抱えてるせいか、自分では扉を開けることのできない少女。

 

少女がそう声をあげ暫くすると、建物の玄関から、

 

 

「マツリ!? アンタこんな時間までどこ行ってたの!? 心配したじゃな......え、なに、その石」

 

 

ガラガラと引き戸を開け、和服を着た母親と思われる女性が出てきた。

 

 

 

 

「アンタったらまーたこんな大きな石ころ拾って来て! 捨ててきなさい!」

 

 

おいおいこらこら、こんなとはなんじゃい。こちとら成りたくてこの姿になったんじゃねんだぞ。

 

こっちの身にもなって考えろよ。

 

ユラーーッ! って『おんみょ~ん』してやろうか?

 

 

あ、俺今、石の中に隠れてます。

 

決して、外にいる人間たちが怖いんじゃなく、俺を易々と持ち上げてしまう少女が怖いんでもなく、急に俺の姿を見たら皆びっくりしておしっこ漏らしちゃうかなー。って俺なりの気遣いだよ。ほら、夜に1人でトイレいけなくなっちゃ嫌でしょ? ありがたく受け取っときなさいな。

 

 

「いしころじゃないもん! まもりがみさまだもん!」

 

「護り神様ならもっとダメじゃない! これじゃあウチしか護りの対象にならないじゃない! 嫌よ、なんかウチが欲張りしたみたいで! 明日にでも元あった場所に返してきなさい!」

 

 

お母様、最もなご意見を......。

 

 

「むーー!」

 

 

▽少女は ご自慢の プニプニほっぺを膨らませ 可愛らしく唸った!

 

 

むーー、じゃない。

 

 

「むーー、じゃありません!」

 

 

▽しかし なにも おこらなかった!

 

 

「おや、マツリちゃん」

 

 

玄関先で、未だ少女を迎え入れようとしない母と重い石ころを何時までも抱えてる娘が言い争っていると、これまた和服の似合う女性が現れた。

 

 

「ただいま! おばあちゃん!」

 

 

御婆様らしい。

 

 

「はい、お帰りなさい。それで、どうでした? 試練は成功しましたか?」

 

「...お義母さん、この子を夜に1人で出歩かせるのはやめてください。この子にもしもの事があったらどうするんですか」

 

「大丈夫ですよ。この子には祈祷師の才がありますからね。

どんな厄からもこの子を救ってくれるでしょう」

 

 

いや、この子が『厄』そのものを持ってきたんですけどね?

 

文字通り。

 

 

「また訳の分からないことを...」

 

 

...何やら訳有りそうな家に来てしまったようだな。

 

もう帰りたいぜ!

 

 

「えっとね、おばあちゃん...。そのあくりょうポケモンはいなかったんだけど...」

 

 

少し気まずそうに(あくりょう)を持ち上げ、おばあちゃんと呼ばれた女性に見せる。

 

...おいおい、お前ってばホントに力持ちだな。

 

 

「おや、これはまた懐かしいものを...。

この石はどうしたんだい?」

 

 

少女の持ち上げた石ころをマジマジと見つめ、石の中にいる何かと目を合わせようとする。いや実際今目が合ってる。

 

 

なんだろ、このお婆さ...女性。

 

女性に覗き込まれるとなんだか懐かしい感じと言いますか、敵対を感じるような不思議な感じに...。

 

 

 

 

___瞬間、何故か察せた。

 

この人、『悪霊(俺たち)』のことを祓う人だ。

 

 

悪霊なりの本能だろうか、新特性:『きけんよち』だろうか。

 

とりあえずこの人、更に言えばこの敷地内に居てはいけないと。

 

 

道理でこの家に入ってから肌(?)がピリピリ嫌な感じがしてるわけだ。

 

え、庭を眺めてる時終始和やかだった?

 

バカ、んな訳ねえよ。

 

怯えっぱなしだよ。

 

情けねえよ。

 

 

......っは!

 

 

この時、俺の脳内(?)に電撃が迸り、運悪く低確率を引いてしまい『まひじょうたい』に......じゃなくて、1つの仮説に辿り着いた。

 

 

まさか、コイツ(この少女)...。俺が渦中の悪霊だと知ってここまで連れて来て...

 

 

「ねえ、おばあちゃん。このいしね、まもりがみさまなんだよ!」

 

 

ピュア!

 

 

ピュアっピュアのピュア!

 

 

穢れとか知らなそう。

 

何ーこの子ー、ちょっと今ときめいちゃったよー...。

 

 

あー、良かった。俺がエ〇ゲタイプの幼女を〇すような悪霊じゃなくて。

 

 

「...? 違いますよ?

この石にはね、ミカルゲと言う悪いポケモンが...」

 

 

そんな純粋無垢(ピュアの化身)ちゃんに真実を伝えようとする女性と、

 

 

「え? え?」

 

 

全然理解できてねえ我らがピュア。

 

 

「ち、ちがうよ? まもりがみさまだよ。だって、わたしをやせいのポケモンから、まもってくれたんだよ」

 

 

...なあ、俺が言うのもなんだけど、この子『きとうし』向いてないんじゃないの?

 

祈祷師の才かなんか知らないけど、今回みたいに(自称)無害な悪霊ばかりじゃないからさ。

 

たった一度の気まぐれだけで俺を信じてるようじゃダメだよ。

 

潔く諦めて、将来も安定が確定してる公務員とか、ジョーイさんとかに成れば...

 

 

「まあ、そうなんですね。

......それなら、貴方が祈祷師になるところを、護り神様に見てもらいましょうね?」

 

 

ゆったりとした口調で女性はそういった。

 

 

うん、中々に怖い。

 

 

 

 

...って、え? どういうことに落ち着いたの?

 

 

「そうなの!? まもりがみさま、れんしゅうてつだってくれるの!?」

 

「ええ、手伝って下さるようですよ」

 

 

え、何々々!?

 

ごめん、聞いてなかった!

 

 

俺ってば何されちゃうの!?

 

 

慌てふためこうとした時、

 

 

くぅー...

 

 

と、可愛らしく少女のお腹が鳴り、

 

 

「おや、お腹がすきましたか? ご飯は出来てますからね。さあ、ご飯を食べるならその服は着替えてらっしゃい。大事な服が汚れたら困るでしょう?」

 

 

女性が着替えに行くよう促してしまった。

 

 

少女は「うん!」と元気よく返事をし、足元に俺を置いて何処か恐らく少女の部屋に駆けて行ってしまった。

 

 

いや、道端に置くなよ。も少し考えて? 俺これだと家の玄関しか見えないんだけど。

 

 

少女が部屋に戻るのを見計らって、お婆さ...お姉さんが静かに話しかけてきた。

 

 

「お久しぶりですね、『かなめいし』さん。前回からどのくらい時間が経ったで...。

おや? 前回とは随分雰囲気が違いますね。主を担当する魂が変わったんでしょうか? 性格がまるで違うような...。

そう、まるで『ゆうかん』だった性格が、『れいせい』になったと言いましょうか...」

 

 

なんか色々重要そうなこと言ってる気がするけど、正直怖すぎて全然頭に入ってこない。

 

だって逆光でお姉さんのお顔が見えなくて、シルエットだけが見えてる状況なんだもん。

 

そういう演出なのかな、怖いっ。

 

 

「...ところで、『かなめいし』さん、申し訳ないですが、あの子が一人前の『きとうし』になるまでどうか手伝いをしていただけませんか?」

 

 

良いですよ。どうせやることもなかったですし。

 

「おんみょ~ん」

 

 

俺は迷うことなくそれを了承した。

 

この人にこれが聞こえてるかは知らないけど、なんとなくわかる気がした。

 

 

...だってさ? 本能的にこのおばあ様......お姉さんは只物じゃないと警戒音がなりっぱなしなのですよ。

 

少しでも怪しい動き、この方にとって不快な動きをしてしまった日にはきっと......

 

 

 

 

『みたまのとう(おうち)』に強制送還されて、再度封印されてしまうだろう。

 

いや、別に俺はそれでも困らないけど...。

 

 

でもね、折角封印も解けたんだ。

 

せめて自由に生きてから、死に(?)たいよね。

 

 

 

 

結局この日は、特にこれといった不具合は起きず、念願だった池の周りに設置させてもらい、静かな夜を過ごした。

 

 

「...元気?」

 

「......」(お口をパクパクしてる鯉王)

 

「...そっか」

 

 

そうそう! お友達もできましたよ!

 

 

▽コイキングは はねるを くりだした!

 

 

 




 
さっき、スマホ見たら知らないアプリが入ってました。

怖いです。


よく考えたら昨日寝る前に入れたアプリでした。

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