遊戯王・ミソロジーテイル〈一章終了・一時更新停止〉   作:黒霧春也

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第1話・ことの始まり

 人生とは苦痛と理不尽しか存在しない。何故か、それは上位階級の人達は勝ち組で他の人達が負け組となる。そうなると生まれが低い人は上の人達の為にブラックな環境で働かないといけない。そんな闇を解消するのがデュエルモンスターズだが、それも勝ち組が金に物を言わせたデッキを作り圧倒するので勝ち目がほぼゼロ。その為、人生は生まれガチャと言われる。

 

 この後も恨みつらみの内容を書かれた作文が書かれる。

 

〈早付市、大月学園〉

 

 大都市・早付市の中心部にある広大な敷地を持つ学園。その設備には多大なお金がかかっており、大きなデュエルコートやライディングデュエルができるサーキットなどが存在しており生徒達はデュエルを楽しんでいた。しかし、その中で青春とは真逆の考えを持つ少年がいた。その少年の名前は風見颯汰。現在、彼は今現在担任教師に捕まって生徒指導室に連れてこられていた。

 

 ーー

 

 今現在、目の前にいる担任教師の威圧を半ば受け流してお茶を飲む。

 

「……おい風見。お前は私の話を聞いているのか?」

「えっと、学食を奢ってくれる事ですか?」

「違うわ馬鹿者! 私が言っているのはこの作文だ!!」

 

 目の前にいる黒髪ロングの女性教師であり、高等部1年3組の担任である松永先生は目つきを鋭くして俺に向かってギロリと睨んだ。

 

「私が出した課題を覚えているか?」

「えぇ、世の中とは何かですよね」

「そうだ! それで提出された作文を読んだが真っ黒な闇しかなかったぞ」

「でしょうね」

「でしょうね……じゃない! お前はこの世の中をどう思っているんだ?」

「醜い争いの連鎖と闇しかない現実」

「そこまでストレートに言うか」

 

 正直、ブラック企業は長時間残業に給料未払い。人達は自慢やマウントの取り合いで周りが見えてない。この現実をつらつら書いたが松永先生はお気に召さなかったようだ。

 

「あの、逆に嘘の明るい話を書いて楽しめますか?」

「明るい話を嘘と言えるお前はズレてないか」

 

 明るい話を嘘と言い切った俺に松永先生は可哀想な人を見る目になった。

 

「確かに周りとはズレているとは思います」

「それなら何故周りと合わせないんだ?」

「正直、自分が爪弾き物になるのは目に見えているので空気を読まずに壊しました」

 

 ハッキリ言って友情や努力は嫌いだ。理由はいくつかあるが、簡単に言えば裏切るところだけを強く思い浮かべる。

 

「高校が始まって2週間。私のクラスでこんな問題児がいるとは思わなかったぞ」

 

 問題児……昔から言われてきた言葉にイラッとして歯を噛み締める。

 

「おっ、目つきが変わったな」

「えぇ。正直、この話は聞いても意味がないと思いました」

「そうか……私も同じ事を思ったぞ」

 

 松永先生は立ち上がって懐からある物を取り出す。

 

「この話はデュエルで決着つけるぞ!」

 

 彼女が取り出したのはデュエルディスク。タイプはデッキを装着するとプレートが出現する主力モデル。それを見た俺も立ち上がって言葉を発する。

 

「ここは狭いので移動しましょう」

 

 決して広くない部屋なので場所のチェンジを申し上げる。

 

「あぁ、そうだな」

 

 周りを見た松永先生も頷き、俺達は生徒指導室から出る。

 

〈大月学園・デュエルエリア〉

 

 高等部の区画からデュエルができる場所に移動。この場所は天井が付いているドームや外の区画もあり、設備が充実している。そして、生徒達は自分達の仲間と集まって対戦を楽しんでいるみたいだ。

 俺はその光景を見てため息を吐くが、松永先生はコチラをガン見していた。

 

「風見、お前はこの風景を見ても作文の内容を肯定できるのか?」

「できますよ」

「なるほど、それなら私が教えないといけないか」

 

 デュエルリンクに立った松永先生はコチラをしっかり見て喋る。

 

「この世界は明るい事にあふれているとな」

「……」

「無言か、なら一つ賭けをしないか?」

「賭けですか?」

「あぁ! お前が勝ったら私が出来る事ならなんでも言う事を聞いてやる」

「ふむふむ、なら先生が勝った場合は?」

「それはある部活に入ってもらう」

「嫌な予感がしますがやりますね」

 

 俺は自分の左腕にデュエルディスクをセッティング。松永先生は笑って距離をとった。

 

「約束は忘れるなよ!」

「えぇ、当たり前ですよ」

 

 俺と松永先生は一定の距離をとった後、デュエル開始の合図をする。

 

「「デュエル!」」

『ARビジョン、リンク完了』

 

 デュエル開始と同時にARビジョンがリンクされ、フィールドの中心からデジタルな数字が周りを巡った。

 

 風見LP4000VS松永LP4000

 

 先行は松永先生なので相手の動きを観察する。

 

〈ターン1〉

 

「私のターン! 私はフィールド魔法〈竜の渓谷〉を発動! このカードの効果で手札の〈ラビードラゴン〉を捨て、デッキから〈トライホーン・ドラゴン〉を墓地に送る」

「なるほど、ドラゴン族デッキ」

 

 竜の渓谷〈フィールド魔法〉

 

 高火力モンスターが揃っているドラゴン族デッキはかなり厄介。でも、コチラも手札がいいので安心して相手を見る。すると松永先生はその大きな胸を張りながら自慢してきた。

 

「給料を使って作った大人のデッキだ! コレでお前に負けたら私は泣くぞ!!」

「その現実は知りたくなかったですよ!」

 

 大人のメンタル問題。松永先生の発言に呆れながらデュエルの続きを見る。

 

「デュエルに戻って、私は魔法カード〈おろかな埋葬〉を発動! デッキから〈アークブレイブ・ドラゴン〉を墓地に送る! そして速攻魔法〈銀龍の轟咆〉を発動! 墓地の通常モンスターである〈ラビードラゴン〉を蘇生させる!」

 

 おろかな埋葬〈通常魔法〉

 銀龍の轟咆〈速攻魔法〉

 ラビードラゴン(通常モンスター)

 レベル8、ドラゴン族、光属性(攻撃表示)

 ATK2950、DFF2900

 

 目まぐるしく動く展開の結果、松永先生の前には白色と黄色が混ざった大型モンスターである〈ラビードラゴン〉が特殊召喚された。そのモンスターは特殊召喚された時に大きな咆哮をして周りの生徒の注目を集めた。

 

「おお、スゲェ!」

「あの先生、大型モンスターを特殊召喚したぞ」

「あの対戦相手の黒髪、最初から〈ラビードラゴン〉を相手しないといけないのか」

 

 この世界のデュエルは大型モンスターを出したら有利。つまりはステータス至上主義の人達が多い。

 

「あの、いきなり大型モンスターを召喚してもよかったのですか?」

「なんだ、ビビってサレンダーの申し出か?」

 

 質問しただけなのにビビっていると勘違いした松永先生の言葉。それを聞いた俺は首を横に振って言葉を続ける。

 

「〈銀龍の轟咆〉はこのタイミングで使うよりも俺のターンで使った方がいいと思っただけですよ」

「何を言っているんだ? 大型モンスターはカッコよく出すもんだぞ」

 

 コチラの意図が伝わってないみたいで相手に否定された。俺はこれ以上は説明するのは難しいと思って黙る。

 

「結果的にあいつは何を言いたかったんだ?」

「〈ラビードラゴン〉にビビっているだけだろ」

「ひ弱そうよね」

 

 周りの生徒達の視線は松永先生の〈ラビードラゴン〉に注がれている。この状況は少しマズイと思い言葉を話す。

 

「松永先生、デュエルを続けてください」

 

 コチラの言葉に相手は頷き、デュエルを再開した。

 

「私は手札から〈アレキサンドライドラゴン〉を召喚!」

 

 アレキサンドライドラゴン(通常モンスター)

 レベル4、ドラゴン族、光属性(攻撃表示)

 ATK2000、DFF100

 

 今度は黒い皮膚を持ったドラゴン〈アレキサンドライドラゴン〉を召喚。周りの生徒達は松永先生のドラゴンに目をキラキラさせていた。

 

「ここまでかっこいいドラゴンが揃うなんてな」

「アイツに勝ち目はないし、このまま写メを撮ろうぜ」

「そうね!」

 

 周りの声に松永先生は笑って拳を天にあげていた。

 

「私はコレでターンエンド! さてと、お前は無様に負けるかこのドラゴンモンスターに蹂躙されるかだな」

 

 松永LP4000、手札0枚

〈フィールド〉

 ラビードラゴン(攻撃表示)

 アレキサンドライドラゴン(攻撃表示)

〈魔法・罠〉

 竜の渓谷(フィールド魔法)

 

 この言葉にため息を吐きつつ俺は冷静に言葉を返す。

 

「それは嫌なので足掻かせていただきますよ」

 

 俺はこの状況から逆転する為にデッキトップに手を置く。

 

「俺のターン、ドロー!」

 

 引いたカードと今手札にあるカードを組み立て俺は進み始めた。

 

 

 

 

 

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