遊戯王・ミソロジーテイル〈一章終了・一時更新停止〉   作:黒霧春也

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第16話・鉄鬼(テッキ)デッキのエース

 俺のフィールドには攻撃力2800の〈光刃・ライトブレイカー〉が存在している。対する相手のフィールドには攻撃力2700の〈鉄鬼・ブラック〉がいる。

 

「ここは臆さず攻める! 俺は〈光刃・ライトブレイカー〉で〈鉄鬼・ブラック〉を攻撃(ホーリーエンド)!!」

「ここでは終わらない! リバースカードオープン〈鉄鬼・訓練〉。エンドフェイズまで全てのモンスターは戦闘では破壊されない」

 

 ここで手札にある〈光刃・ムーン〉の効果を使って攻撃力を上げる事はできるが……。

 

 光刃・ライトブレイカーATK2800

 VS

 鉄鬼・ブラックATK2700

 2800−2700=100、ダメージ100

 村山LP2300−100=2200

 

「お前、手札のカードを使わなかったな」

「次の事を考えると使わない方がいいと思っただけだ」

 

 罠カードの効果で守られた〈鉄鬼・ブラック〉に切りかかり僅かな衝撃を起こして村山にダメージを与えた。しかし、彼女は余裕そうな表情を崩さなかった。

 

「その後悔がない事を祈ってやるよ」

「それはありがたいな! 俺はカードを1枚伏せてターンエンド」

 

 風見LP2800手札3枚

 フィールド

 光刃・ライトブレイカー

 魔法・罠

 光刃・天空の城塞

 伏せカード1枚

 

 煽るつもりで言うと村山の表情が微妙になり地面に向かって唾を吐き捨てた。

 

「……やっぱりお前もオレが生きているのが迷惑なだけだろ」

「はい? いきなりなんだ?」

(地雷を踏んだか?)

 

 直感的にそう思ったので少し心理フェイズに入る。

 

「いきなりキレられても意味がわからないんだが」

「そうか……なら説明してやるよ!」

 

 ここで一旦デュエルを中断して村山の言葉に耳を傾ける。すると彼女は拳を強く握りしめて言葉を発した。

 

「オレの親は共働きで家には誰もいない。たまに会っても冷たく見放される! それで友達とかと遊びたいが、周りは上っ面はニコニコしているけど裏で陰口を言う集団が多い奴ら。こんな闇しかない世の中で生きていけと!」

「それはただの八つ当たりだろ。正直、お前の闇なんて浅いんだよ!!」

「なんだと! お前にオレの辛い気持ちがわかるのかよ!!」

「そんなの本人しかわかるわけないだろ! そもそも自分が変わる気がないのに好き勝手言いやがって!! 本気で自分や周りを変えたいなら行動しやがれ馬鹿野郎!!!」

「そんなの既にやっているんだよ! でも無駄でしかない!!」

「確かに努力が実るなんて綺麗事だ。だが、努力しないと何も進まないぞ!」

 

 昔自分が言われた事を言う日が来るとは思ってなかったが、このままだと締まらないので最後まで話す。

 

「ハッキリ言うが、この世の中は闇だらけだ! だがな……それでも頑張って生きている人達がたくさんいるんだ! それで簡単に諦めるのは早いだろ!!」

「ぐっ、ならオレには何があるだよ」

 

 ポロポロと泣き出した村山に向かって俺は一言。

 

「なら周りを頼ってみろよ」

「ま、周り? オレは一人ぼっちだが……」

「ほう、お前は目の前にいる人物すら目に入らないのか?」

「お前とは今日会ったばかりだぞ」

「……人を頼るのに日にちはあんまり関係ないだろ」

(本当に困った事なら信じられる人の方がいいが)

 

 まぁ、俺もあんまり人に頼ってないなと思いながら村山の方に近づく。そして右手を彼女に向ける。

 

「俺は逃げも隠れもする卑怯者だが人を裏切る事はしないつもりだ」

「……信じていいのか?」

「それはお前次第だろ」

「!? なら信じてやるよ!」

 

 俺の差し出した手を握った村山の顔は今までで1番いい顔だった。そして、コレで閉幕……しなかった。

 

「そういえば、デュエルの決着がついてないな」

「あぁそうだな」

 

 握手した手を離して俺は元の場所に戻りデュエルを再開する。たが、さっきと違うのは村山の表情だ。

 

「このデュエルに勝ってお前……いや、アニキを手に入れてやるぜ!」

「そうか、やってみろ!」

「あぁ! オレのターン!!」

 

〈ターン4〉

 

 今までよりも勢いよくカードを引いた村山はニカッと笑った。

 

「きた! オレは魔法カード〈鉄鬼・再出撃〉を発動! 名前の異なる〈鉄鬼〉モンスター2体を墓地から効果を無効にして特殊召喚する!」

「ここで蘇生カードか!」

 

 鉄鬼・再出撃(通常魔法)オリカ

 効果、このカードは1ターンに1枚しか発動できない。①墓地に存在する〈鉄鬼〉モンスター2体を表側守備表示で特殊召喚する。(同名は1枚まで)

 

 鉄鬼・イエロー(効果モンスター)オリカ

 レベル4、獣戦士族、地属性

 ATK1800、DFF500(守備表示)

 

 鉄鬼・ブラウン(効果モンスター)オリカ

 レベル4、獣戦士族、地属性

 ATK1600、DFF500(守備表示)

 

 1番引かれたくないカードを引かれたので、俺は渋い顔になりながら相手の動きを見る。

 

「この効果で墓地から〈鉄鬼・イエロー〉と〈鉄鬼・ブラウン〉を守備表示で特殊召喚する」

「ここでリリース要因が揃ったか!」

「あぁ、一気に行くぜ! オレは〈鉄鬼・イエロー〉と〈鉄鬼・ブラウン〉をリリースしてアドバンス召喚! 現れろレベル8〈鉄鬼・ゴールド〉!!」

 

 鉄鬼・ゴールド(効果モンスター)

 レベル8、獣戦士族、地属性

 ATK2700、DFF500(攻撃表示)

 効果、このカード名の①、②、③の効果はそれぞれ1ターンに一度しか発動できない。①フィールドの〈鉄鬼〉モンスター2体をリリースしてこのカードは特殊召喚できる。②墓地に存在する〈鉄鬼〉モンスター1体をデッキに戻して、エンドフェイズまでこのカードの攻撃力を戻した〈鉄鬼〉モンスターのレベル×200ポイントアップさせる。③このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した場合、デッキから〈鉄鬼・ゴールド〉以外の〈鉄鬼〉モンスター1体を手札に加える。

 

 鉄鬼・ゴールドATK2700→3100

 

 2体の〈鉄鬼〉モンスターをリリースして現れたのは〈鉄鬼・ブラック〉よりも大きなガタイをした鬼。しかも装備は黒色の棍棒じゃなくて背丈に届く程の大きな金色の大剣だった。

 

「どうだ! コレがオレのエースモンスターだ」

「あぁ、いいモンスターだな」

「へへっ!」

 

 さっきよりも楽しそうな表情になったのでコチラも嬉しくなった。だが、ここで大型モンスターの出現はかなりやばい。

 

「さてと、まずは墓地に送られた〈鉄鬼〉モンスター2体の効果発動! デッキから〈鉄鬼・レッド〉を2枚手札に加える」

「マジかよ!」

(攻撃力アップ2枚持ちかよ)

 

 正直かなりヤバイ状態なので冷や汗が流れてくる。しかも、相手の手は止まる気がしない。

 

「バトルの前に〈鉄鬼・ゴールド〉の効果発動! 墓地の〈鉄鬼・レッド〉をデッキに戻して攻撃力を戻した〈鉄鬼〉モンスター×200ポイントアップさせる」

「〈鉄鬼・レッド〉のレベルは3。つまりは攻撃力が600ポイントアップするのか!」

「当たりだ。コレで〈鉄鬼・ゴールド〉の攻撃力は3700だ」

 

〈鉄鬼・ゴールド〉の金色の剣に赤いオーラが纏い攻撃力がアップ。この姿を見て熱いなと思う。

 

「さあこい!」

「あぁ! バトル〈鉄鬼・ゴールド〉で〈光刃・ライトブレイカー〉を攻撃!」

「その瞬間、俺は手札に存在する〈光刃・ムーン〉の効果発動! フィールドに存在している〈光刃・ライトブレイカー〉の攻撃力を1500ポイントアップさせる!」

「そうくると思ったぜ! オレも手札にある〈鉄鬼・レッド〉の効果発動! このカードを2枚捨てて〈鉄鬼・ゴールド〉の攻撃力を合計2800ポイントアップさせる!」

「ぐっ! リバースカードオープン〈光刃・光の城壁〉を発動! このターン、光属性モンスターは戦闘・効果では破壊されない!!」

「なっ!!」

 

 苦し紛れの罠カード〈光刃・光の城壁〉だが、ライフ的にはなんとか耐えられる。

 

 鉄鬼・ゴールドATK3700→6500

 VS

 光刃・ライトブレイカーATK2800→4300

 6500−4300=2200、ダメージ2200

 風見LP2800−2200=600

 

 赤いオーラを纏った〈鉄鬼・ゴールド〉の大剣が〈光刃・ライトブレイカー〉に直撃する寸前、光のバリアが現れて破壊を防いだ。でも、発生したダメージは大きく俺は後ろに吹き飛ぶ。

 

「ぐっ、あぁ!」

 

 ゴロゴロと地面を転がるが歯を食いしばって痛みに耐え、なんとか止まったのでフラフラになりながら立ち上がる。

 

「ま、まだ終わってないぞ!」

「……〈鉄鬼・ブラック〉では勝てないか! なら守備表示にしてターンエンド!!」

 

 鉄鬼・ブラック(攻撃表示→守備表示)

 ATK2700→DFF500

 鉄鬼・ゴールドATK6500→3100

 

〈鉄鬼・ブラック〉が守備表示に変更され、相手は守備を固めた。それを見た俺は次のターンで決めれる事を願う。

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