遊戯王・ミソロジーテイル〈一章終了・一時更新停止〉   作:黒霧春也

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第9話・レッドデッキの真価

〈ターン3〉

 

〈光刃・ライトブレイカー〉の攻撃を上手く耐え切った赤城はデッキトップに手をかける。

 

「このターンで終わらせてあげるわ! アタシのターン!」

 

 カードを引いた赤城はニヤっと笑ってコチラを見た。

 

「ここまで引きがいいの嬉しいわ」

(このターンを耐え切れるか?)

 

 防御札は伏せているが相手の動き次第で詰む。なのでタイミングを逃さないように構える。

 

「恋歌様! このターンでソイツを倒してください!!」

「またシンクロ召喚お願いします!」

 

 1組の生徒達のテンションは最高潮で赤城は観客席の方に向かって手を振り、改めてコチラに振り向く。

 

「一気に行かせてもらうわ! アタシは〈レッド・シンクロン〉を召喚! そして効果で手札の〈レッド・スワン〉を特殊召喚!」

「ぐっ、チューナーと非チューナーが揃った……」

「確かにそうだけどまだよ! アタシは〈レッド・スワン〉の効果発動! 墓地の〈レッド・ドッグ〉を蘇生する。そして〈レッド・ドッグ〉の効果でデッキの〈レッド・グース〉を手札に加える」

「でた! 恋歌様のモンスターコンボ」

 

 フィールドには赤い服を消防服を着た戦士族モンスターである〈レッド・シンクロン〉に赤色の白鳥〈レッド・スワン〉が特殊召喚された。それだけでも厄介なのに〈レッド・スワン〉の効果で墓地の〈レッド・ドッグ〉まで蘇生してサーチ効果まで使われた。

 

 レッド・シンクロン(効果モンスター+チューナー)オリカ

 レベル4、戦士族、火属性(攻撃表示)

 ATK1400、DFF500

 効果、このカード名の①の効果は1ターンに一度しか発動できない。①このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、手札のレベル4以下の火属性モンスター1枚を特殊召喚できる。

 

 レッド・スワン(効果モンスター)オリカ

 レベル4、鳥獣族、火属性(攻撃表示)

 ATK1500、DFF1000

 効果、このカード名の①の効果は1ターンに一度しか使えない。①召喚・特殊召喚に成功した時、墓地に存在するレベル4以下の火属性モンスター1枚を特殊召喚する。

 

 レッド・ドッグ(効果モンスター)オリカ

 レベル4、獣族、火属性(攻撃表示)

 ATK1800、DFF500

 

 厄介なデッキだなと思いながらディスクから赤城の方に振り向く。すると彼女は可哀想な目でコチラを見ていた。

 

「そういえば、さっきから見ていたけど貴方のクラスメイトは他人を蹴落とす事しかしないのかしら?」

「人なんて大体そんな物ですよ」

(何を今更)

 

 人を見下したりマウントを取って優越感に浸る。しかもその方法が自分の能力を上げる為に努力するじゃなくて、他人を落としたり虚栄心で自分を大きくする。

 その事はデュエルにも反映していて、強いカードを使い相手を叩き潰して楽しんでいる奴らもいる。

 

「そう考えるとウチのクラスはマシなのね」

(おいおい、いきなりマウントを取り始めたぞ)

 

 デュエルをしているのに違う事で心に大きなダメージを受けた俺はイラッとしながら言葉を発する。

 

「あの、デュエルを続けてください」

「あら? 地雷だったかしら?」

「いえ、まだ決着がついてない事を伝えただけですよ」

(なるほど、俺を煽っているのか)

 

 気持ち悪い感情をなんとか抑えると同時にコイツは性格が悪いと思い渋い表情になりながらデュエルを続ける。

 

「そうね……なら、アタシはレベル4〈レッド・ドッグ〉にチューナーモンスター〈レッド・シンクロン〉をチューニング! 紅蓮の鎧を纏いし女戦士よ! その剣を使い愚鈍な敵を薙ぎ払え! シンクロ召喚! 現れろレベル8〈スカーレットレディ・ソルジャー〉!!」

 

 レベル4+レベル4=レベル8

 

 スカーレットレディ・ソルジャー(シンクロモンスター)オリカ

 レベル8、戦士族、火属性(攻撃表示)

 召喚条件、チューナー1体+チューナー以外のモンスター1枚以上

 ATK2800、DFF2000

 効果、このカード名の①、②の効果はいずれか一つしか発動できない。①自身の攻撃権を放棄してこのカードの元々の攻撃力の半分のダメージを相手に与える。②このカードが相手モンスターを破壊した場合、手札・デッキからレベル7以下の火属性モンスター1体を効果を無効にして特殊召喚できる。

 

「きたー! 歌恋様のエースモンスター!!」

「やっぱりカッコよくて美しいモンスターだよな」

「えぇ、このモンスターのダイレクトアタックを受けてみたいわ!」

 

 シンクロ召喚の演出後、光の中から出てきたのは赤髪ロングの美人で装備は赤い西洋鎧にロングソード。その姿はまさしく戦う者の姿に見えた。

 

「また厄介なカードが出てきましたね」

「えぇ、アタシのエースだから当たり前よ!」

「でしょうね。デュエルディスクで効果を読みましたが、強力な効果に召喚条件の縛りがないのは強いと思いました」

 

 このモンスターだけでも厄介なのに赤城のフィールドにはレベル6のシンクロモンスター〈レッドソード・ワイバーン〉まで残っている。そうなると今伏せているカードだけではキツイかもしれない。

 

「そう言ってくれるのはありがたいけど、まだアタシのエンジンは回り切ってないわよ」

 

 赤城はそう言って勢いよくカードをプレートに置いた。

 

「アタシは魔法カード〈シンクロギフト〉を発動! 自分フィールドにシンクロモンスターが2体以上存在する場合、デッキから2枚ドローする。そして、手札の〈レッド・グース〉はレベル8のシンクロモンスターである〈スカーレットレディ・ソルジャー〉が存在するから特殊召喚できる!」

「!?〈レッド・グース〉はチューナーモンスターですか!」

「ええ、そうよ!」

 

 シンクロ・ギフト(通常魔法)オリカ

 同名カードは1ターンに一枚しか発動出来ない。①自分フィールドにシンクロモンスターが2体以上存在する場合に発動できる。自分はデッキから2枚ドローできる。

 

 レッド・グース(効果モンスター+チューナー)オリカ

 レベル1、獣族、火属性(守備表示)

 ATK500、DFF100

 このカード名の①、②の効果はそれぞれ1ターンに一度しか発動出来ない。①自分フィールドにレベル6以上のシンクロモンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。②このカードがシンクロ素材になった時、自分はデッキから1枚ドローできる。

 

〈シンクロ・ギフト〉の効果で手札補充した後に〈レッド・ドッグ〉でサーチしたチューナーモンスターである小さなネズミみたいな見た目の〈レッド・グース〉を特殊召喚。この場で考えるとまたシンクロ召喚される。

 

「先にシンクロ召喚をしようと思ったけどコッチが先ね。アタシは魔法カード〈ナイトショット〉を発動! 貴方の右側に伏せられているカードを破壊するわ」

「!? リバースカードオープン〈光刃・逆転の盾〉を発動! 手札の光属性モンスターである〈光刃・メルナ〉を墓地に送り、相手が発動した魔法・罠の効果を無効にして墓地に送る!」

 

 ナイトショット(通常魔法)

 光刃・逆転の盾(カウンター罠)

 効果、このカード名の②の効果は1ターンに一度しか発動できない。①相手が魔法・罠を発動した場合、手札の光属性モンスター1枚を墓地に送りその効果を無効にして墓地に送る。②このカードを墓地から除外して発動できる。墓地に存在するレベル4以下の〈光刃〉モンスター1体を表側守備表示で特殊召喚できる。この効果は相手ターンでも使用できる。

 

〈ナイトショット〉は対象としたカードは発動出来ないので、選ばれなかった罠カードである〈光刃・逆転の盾〉で無効にして墓地に送る。ただ、この動きを見て赤城はニャっと笑った。

 

「その伏せカードが貴方の防御札なのが分かったわ」

「それはどうかな?」

(思いっきりバレてそうだな)

 

 表向きはポーカーフェイス?で誤魔化したつもりだが、赤城のニャっとした表情は変わらなかった。

 

「なるほどね。ただ、貴方はこの状況でも自分を偽ってデュエルしているわね」

「……」

「図星かしら?」

 

 ここで肯定したら過去の連鎖が進むし、否定してもバレるのは見えているので無言で返す。

 

「まぁ、いいわ! このモンスターで貴方の仮面を外してあげるわ!」

「来ますか!」

「アタシはレベル4〈レッド・スワン〉にレベル1〈レッド・グース〉をチューニング! 赤い炎を拳に宿した闘士よ! その拳撃で高みに登れ! シンクロ召喚! レベル5〈レッドガール・ウォーリア〉!!」

 

 レベル4+レベル1=レベル5

 

 レッドガール・ウォーリア(シンクロモンスター)オリカ

 レベル5、火属性、戦士族

 召喚条件、チューナー1体+チューナー以外のモンスター1体以上

 ATK2300、DFF1200

 効果、このカード名の②の効果は1ターンに一度しか発動できない。①自分の墓地に存在する火属性モンスター×200ポイント、このモンスターの攻撃力をアップさせる。②このカードを墓地から除外して墓地のレベル4以下の火属性モンスター1体を特殊召喚できる。

 

 シンクロ召喚の演出後、赤城のフィールドに現れたのは赤いガンドレットに赤い皮の鎧を着た赤髪の少女。

 

「このモンスターで貴方を砕くわ!」

 

 この言葉で自分が脇役だと強く思った俺は、予想される災難に向かってディスクを構え直す。

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