ある決闘者の理想郷   作:ラムダエル

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TURN14 救助者と攻略者 Bパート

 

◇◆◇◆

 

第46地区海岸、午後3時19分

 

「私のメインフェイズ。その開始時に手札から魔法カード【大寒波】を発動!」

 

《次の自分のドローフェイズ時まで、お互いに魔法・罠カードの効果の使用および発動・セットはできない》

 

 リオールは驚きの声を上げた。デッキごとの個別レギュレーション制でも【大寒波】を採用できるデッキなんて見たことがなかった。

「いきなりなんてカードだ……!」

「そう、災害とは常に“いきなり”……肝心なのは備え」

 常盤(ときわ)は即座にモンスターを召喚した。

 

【災いの結界像】

《闇・岩石・効果・✪4》《ATK1500》

 

 象を模した像だが、表情や装飾が禍々しい。

「このモンスターの効果により、先ほど発動した墓地の【大寒波】と【災いの結界像】自身でオーバーレイ!」

 リオールの初めて見る戦術だった。

(『校正機能』なら使うのはやはり……)

「エクシーズ召喚!ランク4!【エンプティ継承名 寒波の結界像】!」

 

《水属性・恐竜族・X・ランク4》《ATK1000》《ORU×2》

 

 その像は頭部が失われており、手にした錫杖も折れ、雪が積もっていた。何かのご利益があるようには到底見えなかった。しかしこの不気味さはどこかレジェンド・カノンの使う継承名モンスターにも似ていた。

(継承名モンスター!常盤もブラッディ・ホイールと同様の亜種使いか!)

「さらにオーバーレイ・ユニットとなった【大寒波】を取り除き効果を発動」

 

《互いの手札を確認し、すべての魔法・罠カードをこのカードのORUとする》

 

「くっ、やはり強力な効果だね」

「この寒波は命に関わります。こちらへ避難してください」

 常盤の言葉に従うように、手札から魔法・罠カードが浮き出し、結界像の頭部……があった虚空へ吸い込まれていった。

 

《寒波の結界像 ORU1→6》

※以下ORU詳細

【災いの結界像】(常盤)

【トルネード】(常盤)

【疫病】(常盤)

【予想GUY】(リオール)

【融合】(リオール)

【不屈のマグネッツ】(リオール)

 

「まずは5名を『救助』完了。私はこれでターン終了」

 

《ロバート・J・常盤 LP8000》手札1枚

     

    

     

     

     

《リオール大河 LP8000》手札2枚

 

「僕のターン!」

(常盤の手札は通常モンスターの【ハリケル】1枚のみ、【結界像】は攻撃力1000だけど、さすがにまだ何か効果があるはず……)

 これまで確認されている継承名モンスターは一枚につき二つの効果を持っていた。ブラッディが使用した【マスカレード継承名】も、かつて『創造主』がリオールに使ったリンクモンスターもその基準に沿っていた。

(早くもあの時と似た展開か……いいさ、攻略し甲斐がある!)

「【プロト・マグネッツ】を召喚!」

 

《地属性・戦士族・効果・✪1》《ATK0》

 

 ほとんど骨格だけのサイボーグ戦士だ。ヘルメットでマグネッツの仲間だと分かる。

「その起動効果で、手札の【マグネッツ1号】と自身を融合!現れろ!【カルボナーラ戦士】!」

 紫の鎧に身を包んだ、イタリア系の剣士だ。

 

《地・戦士・効果・✪4》《ATK1500》

 

「【寒波の結界像】を攻撃!」

(攻撃宣言まではできた!じゃあ君の能力は何?カウンター系?耐性?それとも蘇生?)

 常盤が冷静に反応する。

「【寒波の結界像】は攻撃表示の時、モンスターとの戦闘では破壊されず、相手モンスター効果も受けない」

 

《常盤 LP8000→7500》

 

「でもダメージは通るみたいだね」

「安全に“絶対”はないんだよ」

 常盤は緊張感を保ってはいたが焦りはなかった。リオールは昔見たシティのドキュメンタリー番組で、取材を受けた常盤が同じ言葉を口にしていたのを思い出した。

(常盤自身の思想や信条が強く反映されたデッキ……一見すると手札に打開策がないにも関わらず、こいつには余裕を感じる……うん、読めてきた)

「“絶対”がないっていうのには同意見だ」

(不確定要素が少ないこのタイミングで揺さぶりをかける!)

「僕は墓地の【プロト・マグネッツ】の誘発効果を発動!」

 

《【マグネッツ】またはEXモンスターが戦闘を行った場合、墓地からこのカードを特殊召喚できる》

《地・戦士・効果・✪1》《DEF0》

 

 再び、マグネッツの骨格が現れた。

「そしてメインフェイズ2に移行。実はさっき【マグネッツ2号】を引いてね。【プロト・マグネッツ】の効果でもう一度融合召喚を行う!」

 

【カルボナーラ戦士】

《地・戦士・融合・✪4》《ATK1500》

 

「さらに2体の【カルボナーラ戦士】でオーバーレイ!頼んだよ、ランク4!」

 

【ジェノベーゼ戦士】

《地・戦士・エクシーズ・ランク4》《ATK1500》《ORU×2》

 

 真っ白なイタリア風の剣士……ではなく拳士だ。身に着けた鎧、両腕を覆うガントレットに電磁コーティングが施されている。

「そのORUを一つ使い、起動効果!」

 

《自分のEXデッキをすべて墓地へ送り、その中のモンスターの種類の数まで、カード名を宣言する。》

 

「そして宣言したカードが相手のEXデッキに入っていれば、それらをあるだけ全部、僕のEXデッキに加える」

 常盤が初めて困惑した表情になった。

「私のEXデッキを君は知らないはず……」

「ああ。だからこれは賭けさ。でもね―」

 リオールは自分のEXデッキの残り12枚すべてを墓地に送った。【マグネッツ】デッキは昔より強化されており、かつてはテーマ内に5種類しかなかったEXモンスターも10種まで増えている。

「―勝てない賭けじゃない。一枚目の宣言は【エンプティ継承名 疫病の結界像】!」

「何っ……?!」

 常盤のデュエルデバイスが反応した。ホログラムのカードが1枚飛び出し、リオールのデュエルデバイスへと吸い込まれる。リオールはそのテキストを素早く確認した。

 

【エンプティ継承名 疫病の結界像】

《闇属性・アンデット族・エクシーズ・ランク4》《ATK1000/DEF1000》

《レベル4モンスターまたはランク4モンスター2体以上》

《①攻撃表示のこのカードは戦闘では破壊されず、フィールドの他のカードの効果を受けない》

《②このカードがエクシーズ素材としている【疫病】【細菌】【ウィルス】カードをすべて取り除いて発動できる……》

 

(思った通りだ。彼のデッキは、天災や感染症を模したカードで構成され、それらを対応する名前の【エンプティ継承名】の動力に変換するコントロールデッキ!この変わったエクシーズ素材の指定はおそらく、最初に使った【災いの結界像】とシナジーがあるはず)

「二枚目の宣言、【エンプティ継承名 竜巻の結界像】!」

 再び常盤のEXデッキからカードが一枚引き抜かれる。

(【ジェノベーゼ戦士】の効果は同名カードもすべて吸い取れるけど、1枚だけってことはレジェンド・カノンの【継承名】同様ハイランダー構築とみて間違いない)

 

【エンプティ継承名 竜巻の結界像】

《①攻撃表示のこのカードは戦闘では破壊されず、相手モンスターの効果を受けない》

《②このカードがエクシーズ素材としている【竜巻】【トルネード】カードをすべて取り除いて発動できる……》

 

「三枚目、【エンプティ継承名 暴風の結界像】!」

 また1枚、EXデッキの移動が起こった。

 

【エンプティ継承名 暴風の結界像】

《②このカードがエクシーズ素材としている【ハリケル】【ハリケーン】【嵐】……》

 

(おそらく常盤は次のターン、【寒波の結界像】の上に新たな【結界像】を重ねてエクシーズ召喚する策があったはず。エクシーズモンスターにその条件が記されていないから、【災いの結界像】にまだ使っていない効果があるのかな?いずれにせよ、今ORUになってる【疫病】と【トルネード】、彼の手札に残ってる【ハリケル】を動力にできる【エンプティ継承名】は吸い取った)

「ここから先はあてずっぽうだ、四枚目の宣言は【エンプティ継承名 突風の結界像】!」

 四度目のEXデッキの移動。

「五枚目、【エンプティ継承名 地震の結界像】……六枚目、【エンプティ継承名 落雷の結界像】……」

 リオールは地震、落雷、洪水、熱波、火災、津波の結界像を宣言し、このうち四枚が常盤のEXデッキに存在した。合計8枚のEXモンスター奪取となった。

「僕はこれでターン終了」

 常盤は驚きこそしていたが、狼狽えているようには見えなかった。

(こういうところはさすがに守護神と呼ばれるだけのことはある……さてどう来る?)

 【ジェノベーゼ戦士】の効果でEXデッキに加えたカードは次のリオールのターン終了時に常盤のEXデッキに戻る。しかし【ジェノベーゼ戦士】にはまだORUが一つ残っているため、奪取した【エンプティ継承名】8枚をコストにもう一度EXデッキ奪取を行える。なお、常盤の残りのEXデッキは最大でも6枚である。

「私のターンです」

 

◇◆◇◆

 

 エンドレスシティには貧困・犯罪はなく医療・福祉も完備されているが、災害や事故はゼロではない。AIによる天候や地殻変動や事故発生の予測、ドローンによる通信や救助のサポート、そしてそれらでも対処しきれない不測の事態に備えるのが災害救助隊。チェス(『受け継がれなかった命たち』)がシティを『構築』した段階ですでに、ロバート・J・常盤は救助隊の隊長であったが、彼には当初、自分がシティの『校正機能』であるという自覚はなかった。

《退避してください隊長!!!このままではあなたも危険だ!》

「まだこの子は助かるんだ!!!」

 それはシティの歴史に残るビル火災だった。遊覧飛行用の大型航空ドローンがバードクラッシュでエンジン停止。高層ビルの21階に突っ込む形で衝突し、火災が発生した。事故予測AIと緊急通信体制の連携で衝突前に乗客と職員の避難は完了していたが、1階で開催されていたデュエルイベントに参加していた15歳の少年が一人、想定外の形で24階に取り残されていた。少年は非常階段を使い面白半分で最上階まで上がろうとしたものの、改装中で行き止まりだった24階で断念し、立ち入り禁止の同フロア内で疲れ果てて居眠りしている間に事故が起きたのだ。保護者からの通報、ドローンのスキャニング、救助隊の編成と出動、すべてが最速だったにも関わらず、状況は手遅れというほかなかった。救助隊がパワードスーツを着て24階に突入した瞬間、床が抜けた。パワードスーツのホバリング機能がなければ全員死んでいただろう。ビルはすでにどこが崩れてもおかしくない状況であり、救助隊の全員が退避を判断した……が、常盤は残った。退避寸前、煙の中、ほんの数メートル先に、瓦礫に囲まれるように少年がうつ伏せで倒れているのを見つけたのだ。

「くそっ!あと少しなんだっ!!!」

 天井が崩れ始めていた。パワードスーツはバックドラフト現象の爆発にすら耐えるが、中の常盤が意識を保てなければ救助は不可能である。少年への接近はきわめて困難で、常盤の手助けに戻ろうとした部下たちもまた、落下した鉄骨をかわすのが精一杯で常盤の浮かんでいるところまで近づけなかった。サポートドローンは何体か居たが、あっという間に崩落に巻き込まれ視界から消えた。

(少年を運び出すことさえできれば、蘇生デュエルが可能なんだっ……!)

 常盤は賭けに出た。ホバリングしながら上昇、照準を定め、パワードスーツの腕からアンカーを射出した。狙いは天井か、壁か……そのどちらでもない。少年の肩だった。アンカーの先端は鋭利で、少年の肩にたやすく食い込んだ。

(よし!!!)

 常盤はアンカーを巻き取りながら少年の体を抱え上げる。

「少年を救助できた!全員外へ!」

 通信で叫びながら少年の状態を確認する。

「……っ!」

 少年はすでに息絶えていた。落下した瓦礫に当たったのか、首が折れていた。資料でしかみたことのない、犠牲者の姿だった。

(こんなことが……こんな悲劇が、あっていいはずがない!!!)

 時が止まったような感覚がした。もしかすると本当に時が止まっていたのかもしれない。どこからともなく、少女の声が聞こえた気がした。

「その通りだ、『校正』しなくてはな」

 常盤は次の瞬間には、どうすればいいかを理解していた。自分が『校正機能』であることを理解していた。少年を抱く両腕から灰色の液体が流れ出し、力尽きた肉体を覆っていく。少年の内側で、命のフリをした何かが動き出すのが常盤には分かった……

 こうしてロバート・J・常盤は英雄になった。『救助』された少年は後遺症で記憶の大部分を失ったが、医療と福祉の手厚い支援により生活を取り戻し、六年経った今では、災害救助隊の一員として働いている。彼は救助隊として目覚ましい活躍を続け、“次の守護神”と噂されるほどだ。そして当然のことだが、救助隊が関わった事故・災害の現場において、“死者は一人も出ていない”。

 

◇◆◇◆

 

《常盤 LP7500》手札2 EX最大6

     

    

     

    

     

《リオール LP8000》手札0 EX8

 

 常盤はドローしたカードを見つめながら言った。

「どれほど状況が深刻でも、私は『救助』を諦めない……『悲劇』はあってはならない……」

 淡々とした物言いだったが、リオールは彼の信念を感じた。

(歪んだ信念……『創造主』もひょっとしたら、この『世界』をこんな気持ちで維持しようとしてるのかも……)

「このドローフェイズで、【大寒波】の効果が終了。そしてメインフェイズ、手札から永続魔法【燃え盛る大地】を発動!」

(よし!【火災の結界像】は吸い取ってある!)

「大地が燃える……それは必ずしも火災のことだけではない」

 リオールはドキリとした。思考を読まれたから、だけではなかった。

(まさか……)

「【災いの結界像】の効果は、自身をORUとしたモンスターに引き継がれている。よって、このターンに発動した【燃え盛る大地】と【寒波の結界像】でオーバーレイ!」

 2枚のカードが銀河の光に包まれ、そこから爆炎が吹き出す。

「ランク4!【エンプティ継承名 噴火の結界像】!」

 この結界像にも頭部はなかった。胴体は人のようでも獣のようでもあり、冷えて固まった溶岩に覆われている。

 

《炎属性・岩石族・エクシーズ・ランク4》《ATK1000》《ORU×8》

 

「困ったね、それORUを引き継げるのか……」

 直接重ねるランクアップなどとは異なり、エクシーズモンスターをエクシーズ素材にする場合はリンク素材、融合素材の場合と同様に所持していたORUは墓地に送られるのだが……

「一度『救助』した者達を放り出したりはしない」

 常盤は当然のように言う。

「さらに【噴火の結界像】1体でオーバーレイネットワークを再構築」

「なっ!?」

「エクシーズチェンジ!ランク5!【エンプティ継承名 地殻変動の結界像】!」

 これまでより明らかに大きい結界像だった。脚部には噴火、胴体には地震、両腕には津波を思わせるデザインが施され、これまでの結界像より上位の存在だとわかる。しかし頭部だけは相変わらず欠けている。

 

《地属性・幻竜族・エクシーズ・ランク5》《ATK1000》《ORU×9》

 

「先に説明しておこう。攻撃表示の【地殻変動の結界像】は、ORU内のすべての【結界像】の永続効果を受け継ぐ。この場合は【噴火】と【寒波】だ」

 

《①攻撃表示のこのカードは戦闘では破壊されず、相手モンスターの効果を受けない》(寒波)

《①攻撃表示のこのカードは戦闘では破壊されず、その発生する戦闘ダメージは同じ数値のライフを回復する効果となる》(噴火)

 

「そしてこのモンスターは『救助』の代わりに、災害を操る力を持つ。ORUとした【燃え盛る大地】を取り除き、起動効果を発動!」

 結界像の失われた頭部が異空間になった。そこから火山弾が飛び出し、溶岩が噴き出す。

 

《このモンスターが存在する限り、エンドフェイズ毎にお互いは500のダメージを受ける》

 

「ただし、【結界像】モンスターをコントロールしているプレイヤーにはダメージが及ばない」

 結界像から流れ出す溶岩は海岸を火の海に変えた。その一部は海に流れ込み、急速に冷やされつつ蒸気を上げている。

「僕のライフをこれで削り切るつもりなら、ちょっと火力不足じゃないかな」

 軽口を叩いたが、リオールはある可能性を案じていた。

(彼はデュエリストというより救助隊の思考をする……『救助』に使えるものはなんでも使うはず……となると……)

「私はターンを終了。同時に、君に500ポイントのダメージだ」

 リオールの足元で溶岩がグツグツいっているが、熱さは感じなかった。精神エネルギーによる実体化は起きていないようだ。

 

《リオール LP8000→7500》

 

 しかし、デバイスから表示されるガイドはそれだけではなかった。

 

《バトルロイヤルモード!【乱入】スキルが発動しました!》

《次は乱入者のターンに移ります》

 

 リオールの背後にいた、【ガーディアン・トライス】のアバターがデュエルデバイスを構えている。

 

《LP8000→4000》《手札5→3》(乱入ペナルティ)

 

(来たか、【乱入】!)

 リオールを囲んでいた勇者や傀儡が、いつでも乱入できるようデバイスを構えていた。

「……3、4、5……15人以上は確実にいるね。全員順番に乱入させて、僕にターンを回さない作戦か」

「その通り。エンドフェイズをあと15回経過すれば、君のライフが尽きる。そして……」

 ガーディアン・トライスがターンを始めた。

「魔法カード【サンダー・ボルト】!」

 

《相手モンスターをすべて破壊する》

 

 リオールのジェノベーゼ戦士が雷撃を受け破壊された。バトルロイヤルモードの乱入仕様により【相手フィールド】の範囲を指定できるため、【地殻変動の結界像】は無事だ。

「このように、災害が長引けば被害は増えるばかりだ。すぐにでも私の『救助』を受け入れなさい」

 明らかに脅し文句なのにも関わらず常盤の口調からはそのニュアンスは一切なく、むしろ善意から出たものだと分かる。リオールは思わず苦笑いした。

(やれやれ……囲まれた時点で乱入戦術は予想してたけど、そう来るか)

 【乱入】スキルは本来、傀儡とのデュエルで苦戦する勇者プレイヤーを他の勇者プレイヤーが助太刀できるように導入された。【強制デュエル】以上に強い制約が課され、乱入者は手札とライフを大幅に失い、そのデュエル中に他のスキルを使用できず、敗北時はイベントにおける行動決定権を強制的に勝者に奪われる。また、自動的にバトルロイヤルモードに移行するため、乱入したプレイヤーは最初のターンに攻撃できなくなる。

(ゲシル君に教えた『ルールを悪用してターンを稼ぐ』戦術を、まさか使われる側になるなんて皮肉が過ぎるね……)

 リオールはため息をついた。

(まあいいか、少し予定より早いけど……第三実験開始だ……)

 

TURN15へ続く。

 




~オリカ解説~

【災いの結界像】《闇・岩石・効果・✪4》《ATK1500/DEF0》
①の効果で、このターンに使用した災害・感染症系のカードをレベル4モンスター扱いにして自身に重ねながらエクシーズ召喚を行える。②はこのカードをエクシーズ素材に持っているモンスターに①の効果を付与する。常盤のデッキの核となるモンスターだ!

【E継承名 寒波の結界像】《水・恐竜・Ⅹ・ランク4》《ATK1000/DEF1000》
レベルまたはランク4のモンスター2体以上
①は攻撃表示の間、自身に戦闘破壊と相手モンスター効果への耐性を付与。②はⅩ素材から大寒波や大寒気といった災害系カードをすべて取り除くことで、お互いの手札から凍えている魔法・罠カードたちを救助するのだ。

【E継承名 噴火の結界像】《炎・岩石・Ⅹ・ランク4》《ATK1000/DEF1000》
素材は寒波と同じ
①は攻撃表示の間、自身に戦闘破壊耐性付与、戦闘ダメージの回復効果への変換。②の効果は噴火系の災害カードを素材からすべて取り除くことで、このターンに破壊されたカードと場の他のカードすべてを救助するぞ。

【E継承名 地殻変動の結界像】《炎・幻竜・Ⅹ・ランク5》《ATK1000/DEF1000》
素材指定は『レベルまたはランク5のモンスター2体以上』だが、E継承名の上に重ねてエクシーズ召喚するのが基本だ。
①は下に重ねてあるすべてのE継承名の攻撃表示の時の効果をコピーする永続効果、②はⅩ素材・手札・場から地殻変動や地震や噴火系のカードを任意の枚数取り除くか墓地へ送り、その数まで以下の選択効果を適用。
●E継承名のコントローラー以外はエンドフェイズ毎に500ダメージを受ける。
●場の他のカードをすべて破壊。
●メインモンスターゾーンと魔法・罠ゾーンをそれぞれ3か所まで使用不能。

※OCGで猛威を振るった結界像モンスターはこの『世界』には存在しません。してたまるか。

【プロト・マグネッツ】《地・戦士・効果・✪1》《ATK0/DEF0》
①は場のこのカードをマグネッツ1号か2号の代わりにして融合召喚を行う起動効果。回数に制限はないぞ!②はマグネッツかその関連モンスターが戦闘を行うと墓地から戻ってくる効果だ!使いまわそう!

【ジェノベーゼ戦士】《地・戦士・Ⅹ・ランク4》《ATK1500/DEF1200》
レベル4モンスター×2
①は永続効果で、【カルボナーラ戦士】を素材にしていると戦闘破壊されず、戦闘ダメージは相手に反射、さらに2回攻撃できる!②は素材を1つ使い自分のEXデッキをすべて墓地へ送り発動、その中のカードの種類の数だけカード名を宣言し、宣言したカードが相手のEXデッキ内にあれば次の自分のターンの終わりまでそれを自分のEXデッキに加える……マグネッツデッキじゃなければ到底許されない効果だ!TURN0の前日譚でも活躍したぞ!
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