イャン's ライフ!   作:一般通過鳥竜種

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 初投稿です。宜しくお願いします。



目覚め

 ん……? 何かベッド堅くね……?

 

 最初に違和感があったのはそれだ。朝、微睡みから覚めるか覚めないかの、まだうとうととしている状態。そんな中でふと感じたそれを意識すると、違和感は次々と生じてくる。

 

 寝っ転がらずに身体を縮めた状態だし、辺りは真っ暗だし、何か窮屈だし……おまけに身体の感覚もおかしい。指が上手く動かないというか身体全体が自分の物じゃないみたいに動きが伝わりにくい。

 

 え、何? 非常事態? 俺は昨日普通に自宅のベッドの上で寝たよな?

 

 焦りから徐々に意識は覚醒してくる。何か薬でも使われて強制的に狭い場所に閉じ込められたのか? いったい誰に、何の目的で? 俺の部屋は遮光カーテンはあるが、目の前の物が何も見えないぐらい真っ暗になることはないし、手も伸ばせないほど狭い場所もない。こんな意味の分からない状況になっている心当たりはない。全くない。というか俺にこんな事をして何の得がある? 分からん、とりあえず昨日寝る前に俺は何をしていた……!?

 軽くパニックになりながら思い浮かべる。

 

 いつものように仕事を終え帰宅し、晩飯を食い、風呂も入って趣味であるゲームをして就寝。うん、独り身マンション住みゲーム好き一般社会人として何もおかしくない普通の生活のはずだ。それがどうしてこんな状況に!?

 

 

 ──さて、その後ひとしきり混乱していたが、大分落ち着いてきた。まあ落ち着かざるをえないというか。だって身体全然動かねぇしどうしようもないんだもん……。

 

 んでなんとかどうにかしようと動けないなりにもがいていると、頭は徐々に動けるようになってきた。もうこうなったら頭突きでも何でもして少しでも現状の打開を……! 今出来る渾身の一撃(弱い)をすぐ傍の壁に叩き付ける! セイッ!

 

 ガツッと鈍い音が()()()響いたかと思うと、なんと壁にヒビが入り、光が僅かに射し込んできた!

 良かった、壁は薄いみたいだ。そのまま更に数度頭を打ち付ける。

 そしてついに壁は崩れ、念願の外の光景が! 眩しさに目を細めながらも何とか目の前を確認すると、そこには、…………え……?

 

 黄色いデカい嘴。ピンク色の目立つ甲殻。大きな身体とそれに見合う翼。長い尻尾。全体的に鳥のようではあるが、それは立派なワイバーン──竜の姿をしていると言える。自分の何倍もの体長の竜がそこに……いや、もっと端的に言おう。モンスターハンターという大人気ゲームに登場する竜の一種、イャンクックがこちらをじっと見詰めていた。

 

「きゅああああああ!?

 ぎゃああああああ!?

 

 まずっ!? とっさに叫んじまったけどモンスターの前で叫ぶとか自殺するようなもんじゃねぇか! アイエエエエ! ナンデ!? 先生ナンデ!? ヤベぇ、ゲームでハンターと比較してみるよりクック先生超デカいんですけど! 顔だけで俺の身長よりあるぞ!? これは死ぬ! つか何か俺の声やたら可愛いんだけど!?

 

 予想だにしないものを目前にしてつい声が出、先程より更に混乱の最中にいる俺は、脳が処理落ちするかの如くフリーズし硬直している。そんな俺にイャンクックがゆっくりと顔を寄せてきた。思わず恐怖から目をギュッと閉じてしまう。

 

 アア、オワッタ……。駆け出し向けモンスターと言えど、人外の身体能力を持つハンターさんを返り討ちに出来るクック先生だ。しかもこの巨体。ただの一般人たる俺では一瞬でミンチにされるだろう。このまま何も分からないまま死ぬのか……まだやりたい事が色々あったんだがなぁ……。

 

「グゴゴゴゴ」

 

 ……なんて事を考えていると、巨大イャンクックは喉を鳴らして俺の顔にそのデカい顔を擦り寄せてきた。

 

 

 はい?

 

 




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