イャン's ライフ! 作:一般通過鳥竜種
……結論から言おう。どうやら俺はイャンクックに転生してしまったらしい。
いや、自分でもおかしな事を言っている自覚はある。でもこれが純然たる事実なんだ……。
まず少し過去を振り返ってみよう。
俺は
そんな俺がこの身体になる前……主観では昨日の事だが、いつものように仕事を終えマンションに帰宅し、飯と風呂を済ませて趣味のゲームをして就寝。うん、自分が死んだという認識は全くない。いたって普通の生活だったはずだ。
最近はモンハンライズをプレイしていたが、なんとなく懐かしくなってワールドでもなく
特に病気もない俺は寝てる間に死んだという線も薄い。いや、寝てる間に火事が発生したとかガス爆発があったとか隕石が落ちたとか、極めて低いが確率は0ではないか。まあそんな事を言っていたらキリがないが……。
憑依なんてパターンもあるが、今の俺は産まれたての幼体である。転生の可能性の方が高い。珍しいパターンでいくと、別に俺は死んでなく、魂だけなんらかの手段でコピーされ、こちらの世界に来たとかな。この場合本体の俺は今頃いつも通り仕事に励んでいる事だろう。
まあ、そんな事はどうでもいいんだ。全部まるっと放り投げておく。
俺がイャンクックになってしまったという事実こそが重要なんだ。考えてもどうにもならん事をいつまでもウジウジ悩んでいても仕方ないので切り替える。……しばらく呆然としていたのを親クックに心配されはしたけどな。
話を戻すか。
俺が目を覚まし、頑張って壊した壁だと思っていた物は俺を覆う卵の殻だったという事だ。
そこから顔だけ出して産声を上げ、動かなくなった我が子を心配と応援の籠った目で見つめ、顔を寄せ応援する親クック。
混乱の中、殺されない事がなんとか分かり、おっかなびっくり殻を更に壊して出る。
ここで視界に見た事のない樹海や、自分の嘴と翼が映り、転生した事に気付く。
巨大クックだと思っていたが、俺が赤ん坊サイズなだけだった。
……そろそろ現実逃避は止めよう。ここまでの思考は振り返りもあるが大半はそうだったんだ。
卵から無事孵った大切な我が子。殻から出てきたはいいが動きがおかしい子がすくすくと育つよう、栄養ある食べやすい食事を与えなければいけない。そう、親クックが持ってきた俺のエサが目の前にあるのだ。
いやぁ、硬いクンチュウではなく、身体が壊れやすいオルタロスの柔らかい腹をズタズタにしないよう持ってきたところに親の心が感じ取れますね。これなら赤ん坊でも安心して食べられます。
うん。
これ食うのぉ……?