苦手な方、両原作のイメージを崩したくない方はスルーしてください。
ふと思いついた出だしだけ書き出した物なので
時間に余裕がある方はどうぞよろしくお願いします。
ギャグの文体化ってとんでもなく難しい
一応原作を「ウマ娘」に指定していますが…問題あったらあれします
常春の国マリネラ
その国はバミューダトライアングルの真ん中に存在し、宝飾ダイヤモンド産業を主軸とした世襲制の国で現当主であるパタリロ・ド・マリネールは数えて8代目となる。
現当主パタリロは国民から愛され、尊敬され、見るもの全てを魅了するほどの美貌を持ち、その上天才科学者として世に名を知らしめる誰もが羨む完璧超人であーーーーーーー
「嘘はやめんかこの潰れ肉まんが」
ぐしゃぐしゃと書き記している途中の紙を取り上げ丸め、ぐりぐりと少年を足蹴にするのは切長の瞳に長い黒髪、天然のアイシャドウが特徴の美青年。
MI6所属のエージェント
ジャック・バンコラン
「貴様ー!何が嘘だ何が!どこからどう読んでも真実しか書いておらんじゃないか!!」
「どうやら唯一の取り柄の頭も使えなくなったらしいな…」
そして踏まれた事により凹みができた後頭部を耳抜きをする様に膨らませ形を整える奇々怪界な事を平然と行うのはマリネラ王国8代目国王パタリロ・ド・マリネールである。
「それで?一体なんの用だバンコラン。どうせまた歩いてる美少年に唾つけてマライヒにバレて追い出された口だろう」
「ふざけるな!私はそんな節操のない事はせん!」
「ほんとは?」
「突然向こうが体調を崩して、介抱するために仕方なくホテルに入っただけだ」
「物はいいようだな」
私は断じてやましい事をしようとしたわけではないと口では言っているが、事美少年にかけては何一つ信頼を置けないのがこのバンコランである。
葉巻に火をつけ暫く滞在するので宿の手配を頼むと煙を吐き出しながら要望を伝えるバンコランになぜ僕がそこまでせにゃならんのだと抗議をするが、チャリンと小銭を数枚机に落とすとぴたりと止まる。
「おっと落としてしまった」と言って、続けて小銭を落とすと腰を低くし「なにをしているタマネギー!!こちらの方に部屋を用意をしろーー!!」
先程とは打って変わる露骨な態度に多少の感服を覚えるバンコランであった。
しかし待てど暮らせど、呼べばすぐに来るはずのパタリロ直属部隊のタマネギ達が一向に来ない事にお互い顔を合わせる。
「なんだパタリロ。部下達に有休でもあてがったのか?」
「いやそんな事はしないが。おーーい!」
やはりタマネギ達は来ない
「いけー!テイオー!」
「頑張れーー!」
「ブルボーン!」
「いけいけ!タキオン!いけ!!」
わーわーと大声でテレビに向かい応援をするタマネギ達がおりそれを見つつ後ろからおーいと声をかけるが全員気づく素振りもない。
またおーいと声をかけるがやはり誰も気づかない。
やがて米神に青筋を立てどこから取り出したのか最早メガホンと言っていいのか解らないほど巨大な物体で
「おおおおおーーーーーーい!!!!!」
音の衝撃で宮殿全体が揺れ、ヒビが入り、タマネギ達は吹き飛ばされ次々と壁にめり込んでゆく。
「貴様らーー!!!僕が呼んだら2秒以内に片膝をつけて要件を賜らんか!!!そもそも社会人として上司が呼びつけたらすぐに来るのが普通だろうが!!それなのにお前らは何故全員集まって仕事中テレビにかじりついて○○の真似事をしている女の子を見て大声で……ん?」
はたと何か違和感を覚えた。
今自分は言おうとしたがソレの発音ができなかった。先程までタマネギ達が見ていたテレビには○○のように芝の上を競い合うように走っている少女達が映っている。
容姿端麗で全員とてもではないが人間が全力で走り続けるには到底無理な距離を走り、その上スピードも出ているのがわかる。
それに加えて特徴的な耳と尻尾
「なんだこれは…?」
「? 殿下、ウマ娘達を知らないんですか?」
「ウマ娘〜?」
よろよろと立ち上がりテレビに映る少女達についてタマネギは意気揚々と語り始めた。
ウマ娘とは
それは別世界に存在する名バの名と魂を受け継ぐ少女達で、彼女達には耳があり、尾があり、超人的な脚がある。
時に数奇で、時に輝かしい運命を辿る神秘的な存在である。
そして今タマネギ達は日本で行われているレースに出場する予定の少女達を見て応援をしていたらしい。
ふむと顎に手をやりタマネギ達からの説明を聞くが自分の知らない存在であった。
パタリロとて全てを知っているわけではないが○○の事は少しは理解している。しかし今なお起きている異変に誰も気づかず、気にする様子もない事にやけに意識を引っ張る。
意味として理解はしているが先程から○○の言葉も文字も思考の中でさえ表現ができない。競は表現も発音も可能だが、なぜが○だけができず、○は全て「バ」に変換され○○と続けて発音も文字に表せない。
まぁいいかとその場は流しちゃんと仕事をしろよと後にした。
それから暫く経ち
「おーいタマネギー」
今日も虚しく僕の声が王宮に響く。
床の大理石は曇り、綿埃が舞い、蜘蛛の巣がはり、至る所にヒビが入り草が生える始末。
食堂に行けば今日の分と紙が貼られた即席麺だけが置かれており、ズルズルと即席麺で食事を済ましていると遠くからまたワーワーと聞こえる。
「ルドルフー!!」
「シービー!!シービー!!」
「まけるなーー!!」
相変わらずタマネギ達は日本のウマ娘達にハマって僕の世話をするどころか仕事すらしなくなった。
僕もここ最近自分の身の回りをするのが上手くなったものだ。自分の部屋の掃除、料理に洗濯、前まではどうサボろうかとすら考えてた仕事にも真面目に取り組んでいる。
タマネギ達のようにはなるまいと今日も溜まった仕事を進め……
「こんなことしとる場合かーーーー!!!」
広げていた仕事の書類を吹き飛ばし両手を上げバタバタと部屋を駆けずり回る。
「ああいかん!危ない!!こんなの僕じゃないぞ!!!!」
頭を抱え込みパタリロは今回の異変について調べるべく自作したスーパーコンピューターに回答を求めたが、求めている答えは得られなかった。
しかし今回の自分1人だけが○○を意識する事ができ、かつ何かがおかしいと認識できている異変。つまり自分はパラレルワールドに紛れ込んだのではないかという可能性。パタリロは蜘蛛の糸のように細い一つの可能性を頼りに決断する。
「日本に行くぞ!」
かくしてパタリロはこの異変を解決するべく日本へと向かった…
「り、り、理事長!大変です!」
「どうしたたづな血相を変えて」
日本のとあるトレーニングセンターの一室で緑の事務服を見に纏った女性が顔を白くさせながら部屋へと入ってくる。
頭に猫を乗せた少女は扇子を開きパタパタと仰ぎ、事務員の女性に落ち着けと言って要件を聞き出す。
すーはーと深呼吸をしやや落ち着きを取り戻した事務員はキッと視線を固定し理事長と呼ばれた少女に意を決して話し始めた。
「マリネラ王国の現国王パタリロ・ド・マリネール8世がこのトレセン学園に来ます」
部屋に静寂が訪れ
「な、な、な…」
わなわなと震え始め
「なんだとーーーー!!!???」
学園に少女の絶叫が響いた。