透き通る声に
珠の様な肌に
宝石の様な瞳に
絹の様な髪に
礼節をわきまえた淑女の所作に
僕が初めて恋をしたマデリーンによく似た彼女を一目見た瞬間
心を奪われた
「お初にお目にかかります。私、メジロマックイーンと申します。こうしてお会いするのは初めてですが、お噂はかねがね聞いております。パタリロ・ド・マリネール国王陛下」
「あ、あ、はい。パタ、パタリロと申します。」
顔を真っ赤にしドキドキと心臓が高らかに主張するのを止められず。普段滑らかに動く舌も全く回らない。
あわあわとしているそんな僕を見て何か気づいたテイオーがこれみよがしに突いてくる。
「おやおやおや〜?どうしたのさパタリロ〜?マックイーンと会ってから急〜にしどろもどろしちゃってさ〜?何?もしかしてマックイーンに恋、しちゃったのかな〜?アブァッ!!!」
「じゃかぁしいわこのガキゃぁ!!!!!」
どこから出したのかパタリロのハンマーにより叩きのめされボロ雑巾に成り果てたテイオーがそこにいた。
鬱陶しさもここまでくると逆に冷静になるので後遺症にならない程度にボコボコにしてしまったがルドルフも目を背けたので度が過ぎていたのであろう。
「あの…」
肩で息をしている僕に遠慮しがちに声を掛けてきたマックイーン嬢に向き直り一つ咳払いをし襟を正してから再び返答する。
「失礼しました。私はマリネラ国国王のパタリロ・ド・マリネール8世です。どうか気軽に殿下と呼んでいただけると幸いです」
ズタボロのテイオーを目の端にとらえ冷や汗をかきながらマックインーンは少し間をおき、ではパタリロ殿下と呼ばせていただきますとほほ笑んだ。
「この度はそこのテイオーにパタリロ殿下のご滞在までの間のお世話をしてもらえないかと連絡をいただきましてお目通りをさせていただきました。生徒会長様に比べ至らぬ点も多々あると思いますが、私でよろしけばパタリロ殿下のお世話をさせていただけないでしょうか?」
「マックイーンさんがよろしければこちらからも是非。ですがよろしいのですか?マックイーンさんも選手としてトレーニングやレースなどあるでしょう?」
そういうとばつが悪そうにし私はまだトレーナーがいないから平気ですと告げた。
「トレーナーがいない場合はレースへの登録もできませんし時間なら十分にありますのでご安心ください」
陰が落ちた笑顔に違和感を思っていると部屋の空気も重く感じふとルドルフや秋川理事長、駿川さんをみるとこちらは深刻そうな面持ちしていた。
「それでは失礼致します」
「パタリローまたねー」
そう言って二人は退室していったが部屋の空気は未だ重いままで不思議な緊張感が残る。
「パタリロ殿下、少し込み入った話になるが聞いていただけますか?」
秋川理事長はこれまでの快活とした態度は形を潜め、粛々とこのトレセン学園について話し始めた。