パタリロとプリティダービー   作:高千穂牧場のカフェオレ

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パタリロの提案の巻

 ここトレセン学園は日本全国の優秀なウマ娘達が集まり日々研鑽を積みレースに勝つことを目標としている。

 その為に必要な環境も機材もある。が、どうしても足りないものがある。

 

 それは人材

 

 優秀なウマ娘達を正しく指導するためのトレーナーが圧倒的に足りていないのがこのトレセン学園の弁慶の泣き所であった。

 質を高めると量が足りず、だからと言って質を落とすわけにもいかない。

 ましてやウマ娘界には一流を排出し続けた華族ともいえる程のご令嬢達もここトレセン学園にこぞって入学をしてくる。

 そんな彼女たちに言い方が悪いが質の悪いトレーナーがついてしまい怪我や病気にさせたら?

 そうでなくても蝶よ花よと育てられた彼女達を導くのに自分では役不足だと敬遠してしまっているのも問題の一つだ。

 これにより中高一貫のマンモス校のトレセン学園は在校生に対して圧倒的な人材不足となっている。

 

 なるほどとパタリロは秋川理事長からの説明を受け、腕を組み眉間に皺を寄せそんな安定しないこの学園の現状を外部の、ましてや今日訪れた自分に話すのは意図はなんなのか瞑目する。

 確かにどんな競技でも一流のアスリート達を導くには一流のトレーナーが必要不可欠で、天才を天才たらしめるには環境が第一なのだ。

 

「羞恥。今の学園は非常に不安定な天秤の上に成り立っている。あちらを立てればこちらが立たぬ状況。妥協すればと言われればそれで終わりだ。だが!それでも私は彼女達の才能と未来の可能性をこのままにしたくないのだ!」

 悲痛な面持ちで眉をひそめ拳を握りしめる彼女はそう吐露した。

 夢を追いかける少女達の為に日々身を粉にしていることが伝わってくる。

 

 日の目を浴びなかった娘がいる。

 結果を残せなかった娘がいる。

 怪我や病気で夢を諦めざるおえない娘がいる。

 そんな娘達を少しでも溢さない様にとその小さな体と掌を目一杯使い自らが受け皿となる彼女に僕は敬意を感じざる負えない。

 

「……秋川理事長、貴方の崇高な行為に尊敬しました。僕に何か出来ることはないでしょうか?こう見えても一国の国王です。微力ではありますがお力添えさせてもらえないでしょうか?」

 

 何よりあのメジロマックイーン嬢の悲しい顔を見たくない。

 キリリと真面目な顔つきをし、理事長をまっすぐ見据える。一度スイッチが入ったパタリロは基本的に止まることはない。特に恋愛関係となると尚更で、採算度外視だとしても自分がしたいことをするのがパタリロだ。

 そんな言葉と表情を受け本当かと聞き直すがパタリロの返事は変わらない。機材が足りないのなら機材を、場所がないなら場所を。そしてトレーナーがいないのなら…

 

「差し当たって秋川理事長。今現在人材不足に悩まれているのであればまずそれを解決しましょう。」

「驚愕!何か妙案があるのか!?」

「まずですね…」

「ほうほう…いや!それは!」

「殿下、確かにありがたいお話ですがそれは」

「ですがこれが一番手っ取り早くかつ安全です」

「うう…んむ…確かにそうか…?そうかも…?」

 

 ――――――――――――――――――――

 

 翌日

 

 トレセン学園在学中の少なくない生徒達が一同が体育館に所狭しと集まっていた。

 このように学年が変わらず集まるのは稀でざわざわと声と音が反響し体育館を響かせる。

 幾許かすると壇上に秋川理事長が登壇しそれに続く形でパタリロを筆頭に数10名の軍服の男性達が続く。

 彼らは皆全く同じ服装をし、巻きあげた髪の毛に眼鏡、そして◇の口をしており背格好から始まり皆同じ顔をしていた。

 

 ざわっ…

 

 そのあまりの異様な光景により一層ざわめきが大きくなる。このご時世多様性という言葉があるとはいうが顔、髪、服、ましてや背丈まで同じの人間が10人以上も並べはそうなるのは必然であった。

 

「静粛!本日これより新しく我が校に勤めることになったトレーナーたちを紹介する!」

 

 そう言って並ばれた中で一番小さく唯一見た目が違う子供が壇上に上がり、一礼をし話始めた。

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