ありふれた悪意で世界滅亡 連載版   作:fruit侍

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こちらもお久しぶりです。書いたはいいもののこんなんでいいのかな? というのがなかなか頭から離れず投稿できなくて。

これからは書きたいものを書くをモットーに行きたいと思っています。


ソノ悪意の名は『孤独』 前編

ミレディ・ライセンは解放者、別名神への反逆者である。

 

ミレディや仲間たちの生きるこの世界、トータスを自分の玩具のように扱い、好き勝手している自称神を、ミレディたち解放者は殺そうと目論んだ。

 

しかし、それは失敗に終わる。

 

敵は強大であり、神を倒すことはできなかった。この世界に生きる人々を操り、ミレディたちを追い詰め、最終的にミレディたちは大迷宮という希望を遺し、一人、また一人といなくなっていった。

 

解放者のリーダーであるミレディを除いて。

 

永い時を生きることのできない肉体は二度と使うこともないだろうが残し、ゴーレムの肉体に魂を憑依させた。

 

そんな彼女の目的はただ一つ。

 

クソッタレな自称神ことエヒトを滅ぼし、トータスに生きる人々を救うこと。

 

最後に関してはエヒトを殺すついでのようなものだが、実際にエヒトを殺せば、今までのような戦争も確実に少なくなる。

 

人と魔族の共存も現実的に有り得てくるだろう。全ての元凶は、人々を好き勝手に弄ぶエヒトなのだから。

 

ミレディはそうして何十年、何百年、何千年と暗い迷宮の中で待ち続けた。

 

いつか神代魔法を得て神に反逆せんとする者を向かい入れ、その試練となるために。

 

しかし、ミレディは一つだけ大きな誤算をしていた。

 

それは何者かが迷宮を訪れるまで、自身の精神がもつかどうかを計算に入れていなかったこと。

 

本来人間は何百年、何千年と生きることはできない。精々何十年、長くて百年辺りが限界だ。

 

しかし今のミレディは、ゴーレムという無機物。寿命という概念が存在しない。その気になれば、何万年、何億年と生きることができるだろう。

 

だが肉体が耐えられようと、精神が人間のままならどうなるだろうか?

 

人間の精神は、何百年、何千年ともつように作られていない。そして何より、孤独にとても弱いのである。仮に人間が一人で何百年、何千年と生きようとしたら、永遠の如き孤独に耐えきれず、精神が崩壊してしまうだろう。

 

それはミレディも例外ではなかった。しかも彼女の肉体は人間じゃないので、食事をすることも眠ることもできない。今までは仲間達との思い出を思い出したりすることで何とか精神を繋ぎ留めていたが、何千年という年月を一人で生きてきた彼女の精神は、既に崩壊寸前だった。

 

「……ぁぁ……ぁ……」

 

もう何年喋っていないのだろうか。声の出し方すら忘れかけている。出るのはうめき声のようなうわ言のみ。

 

ずっと動かしておらず埃を被った自身の体を見下ろしながら、ミレディは今後の自分について考える。

 

自分は、この場所で誰にも気付かれず、死ぬこともできずに永遠にこのままうわ言を呟き続けるしかないのか。

 

自分は反逆者のまま、あの憎きエヒトに好き勝手やらせたまま死んだも同然の廃人になってしまうのか。

 

自分と共に戦ってくれた仲間の歴史は、仲間の死は、そして自分のこれまでの努力は、無駄になってしまうのか。

 

 

いやだ

 

 

 

いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないしにたくないたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけてたすけて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何だよ、大迷宮って割には、何もなかったじゃんか。何もないまま最奥部っぽいとこに来ちゃったけど」

 

「途中罠っぽいのが沢山あったけど、一個も作動しないし、どうなってるんだろうね」

 

ミレディが声のした方向に顔を向けると、そこには六人の人の形をした機械のようなものを纏った人物が六人いた。

 

ライセン大迷宮のトラップは全て自分の手動のため、自分がここで物思いに耽っている間に、大迷宮に入ってここまで来てしまったのだろう。

 

しかしそんなことはどうでもいい。目の前には、紛れもない人がいる。何千年ぶりに見る人だ。ミレディは思ったように動かない体を無理やり動かし、藁にもすがる思いで声を発した。

 

 

 

 

()()……()……()……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ライセン大迷宮を何事もなく進んだハジメ達は、最奥部と思われる場所に足を踏み入れていた。

 

今までトラップらしきものがあちこちにあったが、それら全てが全く作動しなかった。目の前を歩いても、叩いてみても、反応が一切なかった。

 

おまけに魔物と思わしきものはおらず、強いて言うなら少し前に通った場所に、鎧騎士が大量に待機していたが、これまた動かず。

 

そして一つ前の場所では、あのヒュドラさえも上回るほど巨大な鎧ゴーレムがいたが、やっぱり動かず。

 

その結果、アークの導きに従って進んでいたハジメ達は、何事もなくここまで来てしまった。念のため変身しておいたがそれすらも必要がなく、これが大迷宮なら間違いなく最低難易度だろうとハジメは思った。

 

 

カチャリ

 

 

ロボットが動くような音がした。音がした方向に警戒しながら顔を向けると、そこには一体のゴーレムが手を伸ばしていた。

 

()()……()……()……!」

 

「!」

 

その声を聞くと、ハジメは変身解除しそのゴーレムに近づく。世界を滅亡させる決意をしたあとでも、やはり助けを求めるものは放っておけないのだ。

 

「アーク、状態は?」

 

(身体的損傷は一切ないが、精神的損傷が著しい。放っておけば、精神が崩壊するのは間違いないだろう)

 

「治せるか?」

 

(此奴の精神を覆う悪意を取り除くことならできる。しかしいいのか? 此奴はミレディ・ライセン。今はゴーレムのような器に魂を移しているとはいえ、人間だぞ)

 

「……苦しんでるから、放っておけない」

 

(愚かだな。その愚かさが貴様を滅ぼさないことを祈ろう。此奴の頭に触れろ)

 

そう言ってしまうと、アークは喋らなくなる。ハジメがゴーレムの頭らしき場所に触れると、腕を伝ってハジメに悪意が流れ込んでくる。常人なら精神が崩壊するどころか、廃人になっているレベルの悪意だ。それをこのゴーレム、いやミレディは溜め込み続けていたのか。

 

少し経つと、アークが喋りだす。

 

(……人間が常時抱いている悪意の量程度には収めておいた)

 

「全部は吸収しなかったのか」

 

(善意だけで生きる人間など、我々の邪魔にしかならない)

 

ハジメとアークが話していると、ミレディが目を覚ました。

 

「……き……君達は……?」

 

そしてハジメ達を見て、誰か聞いてきた。ハジメは一番最初に自己紹介する。

 

「初めましてミレディ・ライセン。僕は南雲ハジメ。この世界を滅亡させる破滅の使者さ」

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

ミレディが正気を取り戻し、ハジメ達は自己紹介をした後、自分達のことについて話した。

 

ハジメは別の世界からやって来た人間で、神によっていきなり呼び出されたこと。

 

ハジメには戦う力がなく、知識で補おうとしたがその努力もむなしく最後は裏切られ、オルクス大迷宮の奈落に落とされたこと。

 

そこでアークと出会い、自分が苦しめられ続けることに強い憎しみを抱いたことからアークの力を借り、生き残ったこと。

 

その結果オルクス大迷宮を攻略し、最初の攻略者でありアークの産みの親であるアズと出会ったこと。

 

そしてアズにこの世界の真実を知らされ、自分達が呼び出された本当の理由に激怒し、この世界を滅亡させようとしていること。

 

解放者であるミレディは反対するかと思ったが、意外と反応は薄かった。

 

「そっか……」

 

ただその一言だけだった。それもそのはず、精神状態が話せる程度には治ったとはいえ、現在のミレディは精神的に酷く疲れていた。もはやそれを止める気力すらなかったのである。

 

「それじゃあ僕達は行くよ。どうか君達解放者に、素晴らしい来世がありますように」

 

ハジメはやることはやったと、引き返そうとする。

 

「待って!」

 

しかしそれを、ミレディが止めた。正確には、抱き着いて止めた。

 

「……どういうつもり?」

 

「……嫌……一人は嫌……」

 

『一人は嫌』と機械のように繰り返すミレディ。

 

「……アーク、確かにさっき治したよね?」

 

(此奴の精神を追い詰めている悪意を取り込んだだけで、此奴の精神が崩壊寸前なのに変わりはない)

 

記憶を覗いたアークによると、ミレディは戦乱を生きてきた上にもう何千年も人と会っていない。しかも解放者のリーダーであったため、頼ることも甘えることもろくにできていなかった。それ故に、今のミレディは『助けてくれた』ハジメに依存している。

 

ここでミレディを置いて行ってしまえば、『見捨てられた』ことに対するショックで精神が崩壊するのは間違いないとのことだ。

 

(お前が助けたいと言ったのだ。責任は取れ)

 

アークにもそう言われ、面倒なことになったな、とハジメは頭を掻く。

 

両親以外の人との関わりは一切と言っていいほどない。そのためこの状況ではどうするのが正解なのか分からない。

 

いろいろな対応案を考えた結果、以前ハジメがアズにやってもらったように、優しく抱き締めてみることにした。それなら自分と同じような人間でも、安心させることはできるんじゃないかと考えた。それに、ハジメにはもう一つの狙いがあった。

 

(一人は嫌、って言ってるから、この際仲間に引き込むのもありかもね。世界を滅ぼすのに仲間は一人でも多くいた方がいいだろうし)

 

そしてその際にかける言葉も決め、ハジメは行動に移した。

 

「大丈夫だ。僕がいるから。そばに僕がいてやるから。何百年、何千年もずっと一人で、寂しかったんだろう? 安心して。もう一人にはしない。一人でいた分、僕が埋め合わせてやるから。だから、もう大丈夫」

 

ミレディが肉体としているゴーレムは、ハジメの腰ぐらいの高さしかない。ハジメはしゃがんで背中をさすりながら、優しく抱き締めて声をかけていった。

 

「……行かない? どこにも行かない?」

 

その声にミレディが反応する。

 

「勿論だとも。君が望む限り、いくらでもそばにいてあげる」

 

その言葉を聞いて安心したのか、ミレディが落ち着いてくる。

 

「……しばらく、このままでいさせて」

 

言われた通り、ハジメはミレディがいいと言うまで抱き締め続けた。




ミレディに関しては完全にご都合主義展開です。ミレディを仲間にするとなるとこういう闇落ちから引っ張り出すくらいしか案が思い浮かばない……。

サブヒロインの方々が変身するライダー

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