テラ転生者掲示板へようこそ!   作:テキサス仮面

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今回は有機栽培茶様の『脇役になりたくないTS転生者』とのコラボ回、その前編です。時間軸は
『脇役になりたくないTS転生者』が51話、「捨て駒」の冒頭、フロストノヴァが現れる直前です。
「テラ転生者掲示板へようこそ!」が9章暴風眺望後~10章以前となっております。

「テラ転生者掲示板へようこそ!」における「チェルノボーグ事変」が世間にどう認識されているのか、本編で使う機会を失ったネタなどが中心ですが、実質主人公のアルハイムさんがこれ以上つらい目に合ってほしくない!と思って作った三次創作です。独自解釈によりキャラが異なっているかもしれませんがご了承ください。

本編更新については大陸版情報を集め調整していきたいのでしばらくお待ちください。


【コラボ】ご都合主義の夢物語【前編】

「例の源石、暴発させるだけで人間を呼び出せるだなんて、さすがの私でも引くわ。引くわよ。」

 

「なにを、言っている?ここに居るのは、ただの、感染者。保護した、一般的な、感染者、だよ?」

 

「あー、あぁもう!『保護した感染者』ね!わかったわよ!」

 

「いやあ、持つべきものは、まともな、権力者、だね」

 

「どの基準で言ってんだか」

 

 

 くぐもった人の声のようなものが聞こえる。まるで水中にいるように音がこもり不明瞭だが、確かに人の声だとわかるものだ。恐る恐る瞼を開く。弱い光が暗い色の天井から降り注いでいる。

 

(ここは……?)

 

 ぼんやりとした意識の中、なんとか体を動かそうとするが上手くいかない。痛覚はほとんど機能していないが、全身が踏み固められた雪の中に閉じ込められたかのように重くて仕方がない。なんとか動かすことのできた視界の端には、古めかしいデザインの椅子と点滴スタンドが映る。

 

 

(なんだここは?私は……なぜこんなところに?)

 

 どうやらベッドに寝かされているようだ。全身に深い傷を負ったループスは鈍く思考に響く痛みに耐えながら、記憶を掘り起こす。

 

 確か私はレユニオンを、家族を助けるために…

 

 

 

私が行かなければ、私が―――――

 

 

 

「(リターニア語)目が、覚めたかな?」

 

 

 唐突にかけられた声に反応して視線を動かすと、すぐそばに一人の男が立っていた。白髪交じりの長い髪を後ろでまとめている初老のキャプリニーは、眼鏡の奥にある赤い瞳を細めながらこちらを見下ろしている。その興味、関心、知的探究心のこもった視線を受け、中性的な容姿をしたループス、アルハイムは体を強張らせる。目の前の男から言いようのない恐怖を感じるのだ。好奇心で羽虫の羽をちぎり、アリの巣穴を水で満たすような、そんな目を。しかしそんな男を前にしても体は動かず、頭の中に疑問だけが浮かんでは消えていく。彼らは?レユニオンは?家族は?ここは龍門?ウルサス?なぜ?どうして?みんなはどうなった?

 混乱する頭を落ち着かせようと必死になっていると、男はゆっくり口を開いた。

 

「私の言葉、通じてる?」

 

 先ほどよりもはっきりとした発音でアルハイムに問う。…これは、リターニア語?言葉が通じるかどうか聞かれたことを理解し、動く範囲で首を縦に振る。すると彼は満足そうに微笑み、ベッドの横にあった椅子へと腰かけた。そしておもむろに手を伸ばしてくる。何をされるのか理解できず反射的に目を瞑ると、頭に暖かいものが触れた。優しく包み込むような感覚を与える。驚いて目を開けると男の手が頭の上に乗せられており、ポンポンと軽く動かしたのだ。

 

「状況は、わからないが、大変、だったね。」

 

 優しい声で労われる。その声音は子供をあやすように慈愛に満ちたものだった。

 

 


 

 

「ここは、リターニア北部で、異彩を放つ8つ目の月、ウォルモンドの、「天災観測所」。君は、天災に巻き込まれ、運良く、私に、救出された。」

 

 少し落ち着いたところで私がどうしてここにいるのか尋ねると、キャプリニーの老人、アグヌス・マクシミリアンは途切れ途切れにだが、丁寧に説明してくれた。

 リターニア……リターニア??まって、リターニア??確かに彼はリターニア語使っているが、リターニアって言ったよね今!?えっ、ちょっと待って?私はなぜここにいるんです?そもそも天災に巻き込まれたとはどういうこと?記憶が確かなら、私は、アルハイムは、龍門でレユニオンを家族を生かすために救うために戦っていたはず。それなのに、なんでリターニアにいるんです???夢?チェルノボーグの惨劇も、ただ狩られるだけのレユニオンも、私に剣を向ける家族(妹)も、すべてが夢?しかし、今までの出来事が夢物語などではないと、失われた左腕が突き付けてくる。

 先ほどのように混乱している私を見て、マクシミリアンさんは苦笑しながら残されたほうの私の手をそっと握ってきた。

 

「混乱、するのは、当然、だね。でも、大丈夫。まずは、君の話を聞こう。ゆっくり、話してごらん。」

 

 ほとんど手の感覚など無くなっていたはずなのに、彼の手から伝わる温もりが心にまで染み渡っていくようで、不思議な安心感に包まれる。だが、同時に湧き上がるのはこの老人に対する不信感。この老人は信用できるのだろうか。何か企んでいるのではないか。彼のまっすぐな視線を受けるたび、そんな疑念が渦巻いてしまう。だが、感情は表に出さない。そうだ、落ち着いて考えろ。今はとにかく情報が欲しい。私は警戒心を悟られないよう、できるだけ平静を装いながら自分の身に起こった出来事をマクシミリアンへと説明した。

 

「仕事で、チェルノボーグへ行っていたら、レユニオンの暴動が起きて、巻き込まれた?それは大変、だったね。」

 

 嘘ではない。レユニオンの暴動に巻きこまれたのは事実。ただ、私がその暴動の当事者に加担したことなどは伏せておいた。さすがにそこまで言う必要はないでしょう。事情が何も分からない以上、こちらから語る言葉は必要最低限に――――

 

「それっておかしくないかしら?」

 

 非常に上品な口調で疑問が投げかけられた。

 暗がりから姿を現したのは、身なりのいい美丈夫。…サルカズでしょうか?キャプリニーにしては細く、エラフィアにしてはまっすぐな二本の角にとがった耳。彼は私を見るや否やその目を細め、まるで品定めをするかのように上から下までじっくりと見つめてくる。そして、その視線を今度は私の胸元へと向けてきました。そりゃもう、まじまじと。なんですか?セクハラですよ!?

 

「ああ、彼はジェレミー・ツー・デュヴァル。君の治療を、してもらっている。」

 

 治療?…確かに不思議な温かさを感じます。アーツ反応には敏感だったはずなのに言われるまで気がつきませんでした。タチアナさんの治療アーツに似ていますが、痛みらしい痛みを感じることはありません。どちらかというと、痒い。むずかゆいような、くすぐったいというか……。不思議ですね。こんな状況だというのに、なんだか眠くなってきてしまいそうです。あ、いけない。意識をしっかり保たなければ。

 

「おかしいとは?」

 

「チェルノボーグおよび龍門でレユニオンと名乗る感染者団体が暴動を起こした「チェルノボーグ事変」は半年以上前のことよ?」

 

 

 

 

 

 

 え?

 

 

 私はこの男が何故間違っていると指摘したのか理解できませんでした。いえ、正しく言えば、彼の言っていることがよくわからなかったのです。私たちの龍門での戦闘が、チェルノボーグ事変とよばれるものが半年も前に終わった?そんなはずがない!だって、まだ私はまだ救えていない!助けられていない!なのに、半年?なぜ、どうして。混乱しっぱなしの頭で必死になって考えますが、答えは出ません。私にとって、チェルノボーグのあの惨劇はついさっきの出来事のように鮮明に思い出せます。忘れるわけなんてない。忘れられる訳もない。それほどまでに強烈な記憶として、私の心に刻まれているんです。それが、半年前??

 

「アナタが嘘をついているとしても、ウルサスが伏せた事実を言い当てるのは変だし、当事者だとしても今言うのはちょーっとおかしいんじゃない?。というかなんでこんな状態で生きているのか不思議なんだけど?しかもアナタの左腕、そのお顔みたいにとっても綺麗な断面だったわよ?しかもそう時間が経ってない。ほんとアナタいったい何やらかしたのよこれ?」

 

 彼の言葉の意味が理解できているはずなのに、私の脳はそれを受け付けようとしません。

 

 

 終わった?

 

 

 半年前に?

 

 

 じゃあ、家族は? レユニオンは?誰を守るために戦ったの? 何を思って戦場に立っていたの? 全部無駄?何もかも無意味??????

 

 

 

 

もう、

 

どうすればいいのかわからない。

 

 

 

 

「ねえアナタ、聞こえてるんでしょ?なにかいいなさ―――

 

「やめなさい。」

 

 私に問い詰めるジェレミーさんに対し、マクシミリアンさんが口をはさみます。

 

「君が、何をしたのか、何に巻き込まれたのか、何者であるかなど、関係は、無い。興味も、無い。ただの、身寄りのない、鉱石病に侵された、人間だ。詮索など、高塔に媚びへつらう、術師気取りの愚者にでも、やらしておけばいい。」

 

「何アタシ見ながら言ってんのよ。第五次リターニア窓外放出事件起こしちゃうわよ?」

 

 そう言いながらも、彼…彼女?はそれ以上何かするつもりはないようです。

 ですが私は混乱したままでした。だって、ついこさっきまで、家族を一人でも生かすため、戦っていたんですから。それが、いつの間にか終わっていて、私だけが取り残されているなんて、そんなこと信じたくありません。

 

「きっと、つらい目に合って、記憶が混濁しているのだろう。今はゆっくり、休みなさい。ここなら、安全だよ。」

 

 そういうと、マクシミリアンは私の肩に手を置きました。

 

『君は、天災に巻き込まれ、運良く、私に救出された』。それで、いいんだ。」

 

 私はまだ納得できていません。でも命を救われた以上、この人たちには恩がある。だから何も言えませんでした。

 それにしても、なんでしょう。とても、眠いのです。疲れ切った体と心は休息を求めているのでしょうか?それとも、もう、死んでしまいたいと思っているから、こんなにも、体が重いのですか?あぁ、もう、ダメだ。意識を保っていられません。視界もぼやけてきます。声も聞こえなくなってきて―――――

 

 ガシリ!と強く両肩を掴まれました。

 

「ところで、君はどんなアーツが、使えるんだい?過去とか、君がしでかしたこととか、どうでもいいから、それだけ教えてよ?ねえ、寝るのはそのあとでいいからさ、ねえ?ねえ、ねえ、ねえ?ねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえ?」

 

 鬼ですかあなたは。

 

 


 

 

「源石の直接干渉?いいねいいね。増殖も、排除も思いのまま??いいじゃんいいじゃん。リターニアっぽい、ねぇ。活性源石粉塵の発生も抑制できるのかな?うんうん固体化源石結晶への干渉も将来性があるねうんうん。発動条件は直接触れた源石か、長時間触った源石であること?ほー、長時間とはいったいどれくらいの時間だい?ん?よくわからない?そうか、じゃあ後で正確に測ろうね。鉱石病を、消せる?何を、言っているんだい?君一人で、この地上すべての鉱石病を、治していけるのかな?そのアーツを、他者に使えるものに、落とし込んだの、かい?サンクタを、ラテラーノの、宗教を、見てみなさい。あれが救えるのは「サンクタ」だけ。君が生涯救えるのも、君一人だけ。みんなが、そのアーツを使えるようになるか、源石を駆逐できるなら、別だけども。で、これだけ?ほかのアーツ適正は?……………………………………………………………………………………皆無?ふうん、へえ………。皆無?…………………………………………………マジ?……………………………………………………………………………………………………そっかぁ。それは、ちょっと……………………残念。まぁ、固体化源石加工職人は、数少ないし、いい顧客見つければ、安泰だから。ちゃんと、リターニア語、使えるようになれば、の話だけども。今?一般的な、会話が可能?リターニアの貴族、顧客にしたいなら、今のレベルじゃ、ダメだよ。シラクーザ寄りの訛りも、田舎臭いって馬鹿にされるし、君、ウルサス在住歴、長いでしょ?なら、もっとダメ。ウルサス好きなリターニアの民、いないもん。獣くさいって、言われちゃう。というか、筆記体、読める?書ける?…ダメそうだなぁ、これ。まずいなぁ、やだなぁ。そこから、だなぁ。」

 

 親切な人だと思いかけていたマクシミリアンさんの拷問同然の質問攻め(ディスられてる気がする)によって、満身創痍の私のSAN値はゴリゴリ削られていきました。うっわ、面倒くさい。というか、このテンションについていけない。なんでここまでしつこく聞いてくるんですか?正直、怖いんですけど?リターニアなんてシラクーザからウルサスに向かう際に数日間滞在した程度なんですけど??明らかに専門用語とか高度な言い回し混ぜてきましたよね??話聞いてもらう気あるんですか??というか、話してないのに何でウルサス歴長いってわかるんですか??助けを求めてデュヴァルさんに視線を向けますが、彼は肩をすくめて首を横に振り、諦めろと伝えてきます。ひどいです。こんなのあんまりですよ。というかそのしゃべり方なんですか???テンションが上がると早口になるんですか???あなた、キャラ違いません??なんかさっきまでと雰囲気違くありません??

 マクシミリアンさんは散々私を精神的に甚振ったのに、何事もなかったかのように立ち上がり腕時計に視線を向けてから顔を上げました。

 

「では、彼の治療と指導、頼んだよ」

 

「女の子よ。」

 

 デュヴァルさんのツッコミに、マクシミリアンさんが怪訝な顔をします。いや、ほんとよく間違われるんですけどね、なぜか。

 

「何よその顔。間違いないわよ。アタシの美少女センサー、もうビンビンなんだから。」

 

 そう言いながらデュヴァルさんはやけにセクシーに腕を組みました。美少女センサーって何ですか?

 

「そんなこと、言ってるから、飛ばされたんだよ。」

 

「そうねぇ、こんな小さな辺境に飛ばされるだなんてアタシもツイてないわー」

 

「…巫王がかつてこの国を隷属しようとした横暴で無能なガリアの小間使いを洗礼されたそのリターニア史上最高峰のアーツによってテラ有数の芸術作品へと作り直したかの伝説を今ここに再現してみようそうしよういい機会だうんうんうんうんうん」

 

「ウォルモンドはリターニアで最も素晴らしい移動都市よ!すばらしいわーうつくしいわー!リターニアバンザイ!」

 

 …一体何を見せられているんでしょうか?疲弊しきった私にお構いなく、漫才が繰り広げられています。あぁ、頭が痛くなってきます。

 

「よろしい。では、アルハイムちゃんを、頼んだよ。君も、安静にするんだよ。何かあったら、彼に言いなさい。」

 

 マクシミリアンさんは満足げに笑うと、私に軽く会釈をし、部屋から出て行ってしまいました。……えぇ……。

 デュヴァルさんは思いっきりため息をつき、マクシミリアンさんの座っていた椅子に、ようするに私の横に座りました。

 

 沈黙。気まずいです。とても気まずいです。あの優しいんだか鬼なのかよくわからないマクシミリアンさんが居なくなったことにより、得体のしれない重圧感からは解放されました。しかしこめかみを指でぐりぐりしながら眉間に皺を寄せるデュヴァルさんが口を開いたのはかなり後で、申し訳なさそうな顔をしながらこう言ったのです。

 

「(ウルサス語)ごめんね」、と。

 

「アタシ達は立場上、あなたの正体を把握しておく必要があるの。上に報告するかどうかは別にしてね。」

 

 デュヴァルさんは聴き慣れたウルサス語に切り替えてくれました。これは正直かなりありがたい。

 彼…?の発言は当然でしょう。半年前の終わったはずの出来事に巻き込まれたなどど言い出す身元不明者。そんな人間の言葉をだれが信じるというのだろうか?なら、私は元CiRFリーダーフェイスレス。家族を裏切り、感染者に希望を与えた感染者の英雄、顔なき先導者、とでもいえばいいんでしょうか?

 

「何か言いにくいことがあるなら、最近ここらによく来る「迷い人」ってとこの修道士さんにでも聞いてもらう?」

 

 罪の告解や懺悔でもしろと?こんな中途半端な人形の話を聞いてくれる神様なんているとは思えませんけどね。…しかし引っかかる点があります。先ほどデュヴァルさんは、私の説明した内容に対し、「ウルサスが伏せた」と言いました。あの糞帝国はクレアスノダール事変のように、事件そのものの存在をもみ消したんでしょうか?だとすれば、そんな情報を知っている彼は一体何者なのでしょう。そもそも、「チェルノボーグ事変」はどのような幕切れだったのか。私にはわかりませんし、知る由もない。そして、私が知りたいのはその先。チェルノボーグに居たであろうレユニオンのその後。彼らの結末を私は知らない。だから―――

 

「クレアスノダール事変をご存じでしょうか?」

 

 ウルサスの隠ぺいした情報を知っているという話が本当なら、あの事件の実像すら掴んでいるのかもしれない。だとすれば、逆に事実を伏せて話すほうが不信感を与えるかもしれない。なのであえて尋ねてみたのです。返答次第によっては今後の立ち回り方を考える必要があると考えて。

 するとデュヴァルさんは眉をひそめ、

 

「クレアスノダール?ウルサスの?あそこで何かあったの?アタシ、二か月前寄ったばかりなんだけど?」

 

 

 

 

 

 

 …はい?

 




◆唐突に現れたオリキャラ
・ジェレミー・ツー・デュヴァル
種族:サルカズ(ブラッドブルード)
常識人枠。リターニアの貴族。デュヴァル家の子息であり、個人でも子爵の地位を持つ。人脈と外交を重視しており、アーツの才に欠ける者たちに他国の言語を習得させ、リターニアと外国諸国をつなぐ人材育成にいそしんでいる。当人のアーツの才も貴族の中では劣っており、発動に準備と機器を要するので基本最前線に出ず拠点防衛に徹す。本作品においてアーツ至上主義と化したリターニアではてアーツの才は必要不可欠と言っていいほど。彼はアーツの才を持たない人間でも必要とされる仕事を作り出すことを信念に持っている。そのためか他の貴族にはあまりいい顔をされず、厄介払いとして辺境のウォルモンドに押しやられた経緯を持つ。本作品において10章で登場予定だった。カメリアコンプレックス気味。ヅダには乗らない。

◆唐突なオリ設定
・第五次リターニア窓外放出事件
過去に不満を持った市民が位の高い貴族を高塔の窓から投げだし殺害した事件が四度あり、論争や喧嘩が勃発すると「窓から投げ出してやる」「殺してやる」といった意味合いで使われるリターニアスラング。教養がないと伝わらないのがミソ。

・デュヴァル家
旧ガリア地区の多くを領地に持つ有角のブラッドブルードの貴族の一族。
本作品のリターニアのアーツ至上主義の元凶。
戦が絶えることのないカズデルを見限った当主がウィンディゴとほぼ同時期に他国に移住。巧みな話術とサルカズ離れした価値観で巧みにリターニアに取り入り、巫王に気に入られたことによって今の地位を手に入れた。四皇会戦で多大な功績をあげ、「種族よりもアーツのほうが重要である」という概念を植え付けることに成功。以降リターニアのアーツ至上主義は加速し、現在ではリターニア内での感染者差別およびサルカズ差別の排除に成功した代わりに、畏怖されていたはずの巫王の神格化が始まってしまった。自分たちが生きていける環境にするため国そのものの行く先を歪めてしまったが、それを気にするものはほとんどいない。

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