TS天之川は異世界経験者である   作:ありふれたTS

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TS天之河(異世界経験者)はオリ主では???


プロローグ

 天之河光は有名人である。

 その類稀なる美貌にスレンダーでありながらも女性らしいところが出ている肉体は芸術品を思わせる。また、性格も評判がいい。

 まあ、そこが有名である所以ではないが。

 

「光ちゃん、おはよう!」

 

「おはよう、光」

 

「おはよう、二人とも」

 

 話しかけてきたのは彼女の幼馴染である二人の少女、白崎香織と八重樫雫。二人とも見てくれが良く光と並んで学校では三大女神と称されるほど。

 そんな三人が集まっているのだから周りの視線は自然と集まってくる。良い意味で言えば周りからの評判を気にしない、悪い意味だと鈍感な香織はその視線に気づかないが、光と雫は流石に気付く。とはいえ、日常茶飯事であるためそんなことに目を尖らせたりはしない。その視線に下卑たものが入っていようともだ。

 そのまま三人はガールズトークに花を咲かせながら学校へ向かっていった。

 

 

「よぉ、キモオタ! また徹夜でゲームか? どうせエロゲでもしてたんだろ?」

 

「うわっ、キモ~。エロゲで徹夜とかマジキモイじゃん~」

 

 早めに教室に着き雫と話しながら授業の予習の確認をしていると一人の男子学生が入ってくる。それに合わせ数人の男子生徒、檜山大介を中心とした不良グループが小馬鹿にするように声を上げる。

 しかしながら、オタクというだけであればここまで嫌われてない。

 

「南雲くん、おはよう! 今日もギリギリだね。もっと早く来ようよ」

 

 そんな渦中の人物、南雲ハジメに話しかけたのは香織だった。

 嫌われる原因はここにある。

 ようは可愛く器量の良い香織に構われているハジメに対する嫉妬なのだ。光に対して香織とハジメを引き離すよう要請されるほどその嫉妬は酷い。

 しかし、光はその要請に応えるつもりはない。そもそも彼女の中で南雲ハジメの評価は高い。男性陣だけで言うと幼馴染の坂上竜太郎と並ぶかそれより少しの上の位置ぐらいだ。授業中居眠りをしたりするのはいただけないが、身だしなみはきちんと整えているし他の人の悪口をほとんど言わない。光からすれば物静かな文学少年というイメージしかない。

 

(それに馬に蹴られたくないしね)

 

 どういう出来事があったかわからない、もしかしたら一目惚れかもしれないが、香織はハジメに恋をしている。冷静になってみればすぐわかる事実だが、三大女神である香織がオタクのハジメを好きになるなんてあり得ないとバイアスがかかっている他生徒には理解ができない。光ももし幼馴染じゃなかったら、はたまた性別が違っていたら分かっていなかったかもしれない。そう思うと光もなかなか周りを責めることができない。

 

「南雲くん、おはよう。毎日大変ね」

 

「おはよう、南雲くん。ほら、香織もそろそろ先生くるしそこら辺にしときなさい」

 

 そして、光は気づかない、原因が香織だけでなく光自身にもあることを。

 

「おはよう、八重樫さん、天之河さん」

 

 挨拶を返しただけだがハジメは冷や汗が止まらない。何しろ背後からの殺気がすごいのだ。香織だけでもすごかったのに、そこに雫と光まで揃い三大女神コンプリート、もはやハジメは生きた心地がしなかった。

 結局授業が始まるまで光と雫、香織と話すことになりハジメは徹夜以上の疲れを得ることになった。

 

 ◇◆◇◆

 

「光、昼ごはん食べましょう」

 

「いいよ」

 

 長い授業が終わりようやく昼休み。机を引っ付け弁当を広げる。いつもは雫の他に香織もいるのだが今回はいない。原因は朝同様ハジメだ。

 

「南雲くん。珍しいね、教室にいるの。お弁当? よかったら一緒にどうかな?」

 

 いつもは昼休みになるとすぐ教室から出てどこかに行ってしまうため、ハジメが教室に残っているのは珍しい。光と雫からしたら逃げ遅れたんだな可哀想に、という感想しか抱かない。

 実際その通りである。土日ぶっ続けの徹夜に加えて朝の香織や光たちの会話によって発生したやっかみによる疲労、それは授業中の仮眠だけで取れるほどやわなものではなかった。そのせいで寝ぼけて逃げ遅れたのだ。

 

「ダメだよ、ちゃんと食べないと! 私のお弁当、分けてあげるね!」

 

 ハジメは昼ごはんを終えているため光たちと食べるよう提案したが、ゼリー飲料のみで済ませたところを把握すると自分の手作り弁当を分けようとする。

 そろそろ止めなくてはハジメが心労で倒れてしまう、そう思い光は立ち上がろうとすると同時に気づいた、いや、気づいてしまった、自分の足元で白く輝く魔法陣。

 

「逃げて!」

 

「みんな、教室から出て!」

 

 光と教室に残っていた社会科教師、畑山愛子の声でクラスの全員が動こうとするが、それよりも魔法陣が早かった。魔法陣がカッと光り教室を白く染めた。そして、その数秒後、教室には誰もいなかった、食べかけの弁当箱や飲みかけのペットボトルなど確かに人がいた証を残して。

 

 この事件は白昼に起きた集団神隠し事件としてしばらくの間世間を騒がせることになる。

 ああ、そういえば数年前にもこのような事件はあったはずだ。自室にいたはずの少女が忽然と姿を消した事件。

 そのときの被害者は──天之河光。

 そんな名前だったはずだ。




TS天之河「異世界二度目とか聞いてない」


主人公紹介
天之河 光(あまのがわ ひかり)
年齢:17
性別:女性
概要
TS天之河光輝。元々性善説を信じ人の言葉を疑わない愚直な性格であったが、一度異世界を経験したことにより考え方がだいぶ変わっている。つよい
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