アメリカに留学することを両親に話してから少し経ち、誠心の弟である一誠が誠心にアメリカに留学するのは本当か聞いてきた。
「兄貴、アメリカに行くって本当!?」
「え、ああ。母さんから聞いたのか?」
「ああ!」
誠心がアメリカに留学することはもう中学の先生にも話してあり、一誠にも話されていなければ可笑しいのだから当然といえば当然なのだが。
「で、それがどうしたんだ?まさかお前もアメリカに行きたいなんてことは無いよな?」
「いや違うんだ!聞いてくれ兄貴!」
「お、おう」
一誠もアメリカに留学したいのかと誠心は思ったがどうやら違うようで、一誠の言葉を待つ誠心。一誠の口から出た言葉は……
「あっちの可愛い子の写真、定期的に送ってくれ!出来ればおっぱいがでかい子がいいな!」
「……お前らしいな」
兵藤一誠らしい発言に先程どんな言葉が来るのか待ち望んでいた自分が馬鹿らしくなった誠心。
一誠の助平を誠心は直せなかった。というより、勉強していたらいきなり一誠がおっぱい大好き人間になってしまい、家でも学校でも性に対してオープンになってしまったのだ。
何度か矯正しようとしたが、一誠の度重なるおっぱい最高発言についに誠心や彼らの両親も折れてしまい、問題は起こすなよときつく言ってあとは時の流れに任せることにしてしまったのだ。
「(原作イッセーと変わらないな……まぁ仕方ないか)……出来れば送っておくよ、僕もモテるほうではないから送れるか分からないけどね」
「あぁ!期待して待ってるぜ!」
「(多分送れないな……モテないし)」
一誠が期待している中、兄として弟の願いを叶えてやりたいが生まれてこの方成績は良くてもモテたことは一切ないために誠心は一誠の願いが叶わぬものと考えていた。
誠心はアメリカに持っていく荷物を纏めた後、ご近所さんに挨拶に回り、夜いつも通り部屋に戻って能力を使用する。
「いつもゴミばかり出るけど……アメリカに留学する記念にいいものでないかな〜……まぁ出るわけないか」
ピコン!
「ん?LINEに通知か?こんな時間に送るヤツいないのに……」
誠心がLINEを見てみると今まで追加したことの無い、《株式会社テンセイ》と書かれた、誠心を転生させた会社のLINEが追加されていた。
「……なになに……」
株式会社テンセイから送られてきたLINEにはこう書かれていた。
『おめでとうございます!この能力得て以来の初めての当たりです!』
「……え?まじ?」
当たりという言葉に呆然としてしまう誠心。今まで酷い時は消しゴムのカスが送られてきていたのにいきなり、アメリカに留学することになってから当たりが当たったのだ。当たったのが何か見てみるとそこには、
『当たり:
銀色の液体が入った試験管が落ちていた。
「ヴォ、月霊髄液?なんだっけなぁ?Fateってことは礼装かな?調べてみるか……」
誠心は月霊髄液について前世のサイトにもアクセル可能なスマホを見る。そこには月霊髄液についての詳細な情報が書いてあった。
「月霊髄液……ケイネス・エルメロイ・アーチボルトの魔術礼装ね……」
誠心は月霊髄液について調べた後、LINEにまた通知が来たのでそれを確認するとそこには月霊髄液の仕組みや使い方が書いてあった。
『本社の月霊髄液は魔力を通すことで使うことが出来、兵藤 誠心には魔力が兵藤一誠と異なり多大に存在するため長い時間使うことができます。使う時は命令を下せば自動で攻撃・探査を行います』
説明書的なものを読んだ後誠心は一言こう呟いた。
「タワシとは違うんだ……やっと1個当たりと言える当たりが当たった……」
当たり前のことを呟いてそのままベッドの中で眠りについたのだった。
アメリカに向かう時、誠心は月霊髄液をどうアメリカに持っていこうか空港にて悩んでいた。水銀を飛行機に載せる方法をだ。
「せっかく手に入れた武装なんだ……持っていかないと損だろ……」
そして思いついた方法が、1回試験管から月霊髄液を外に出して先に空港の中に入ってもらい、誠心はそのまま空港のチェックを受けてその中に入り込み、月霊髄液をトイレで回収、そのまま飛行機の中に入って行ったのだ。
「完璧な作戦だな……試験管じゃなくてペットボトルにしまったのがあまり良くないが」
試験管は捨ててきた。何故なら試験管1本持って行って引っかかったら怪しまれてしまうからだ。誠心はそのまま飛行機に乗り込み、アメリカへと旅立って行ったのだった。