「こんな豪華な一軒家に僕一人で住んでいいのかな……?」
アメリカへと旅立って行った誠心はロサンゼルス空港に着陸し、兵藤夫妻から指定された家に向かっていた。
兵藤夫妻によると誠心が見ている一軒家は兵藤夫妻の共通の知り合いがアメリカで片手間で不動産を扱っている為、それをタダ同然で譲り受けたということらしい。
誠心は家の中に入ると荷物を書斎に置いて、捨ててしまった試験管の代わりに家に入る前に買っておいた長方形のタバコケースのような鉄でできた箱の中に月霊髄液をしまった。
「さて、今日のガチャは何が当たるかな?月霊髄液みたいな攻撃を自動でやってくれるやつか、お世話係みたいな人でもいいんだけど……」
誠心のお世話係みたいな人でも……という言葉に疑問を持つ人もいるだろう。アイテム、能力だけでは無いのか?そう思っているだろうが実際は違う。
誠心の特典で出てくるものの例が、そして確率が株式会社テンセイのLINEのところに書いてあったのだ。
出てくるものの内訳はアイテム(人、武器、建物、乗り物、日用品、お金等も)、能力(血統等も)だったらしく、当たりが出る確率は10パーセント、ハズレは90パーセントだった。
ちなみに度々出てきていたお金は一応当たりに入っていたが、説明することもないのでテンセイのLINEに通知が送られなかったということらしい。そう考えると結構誠心は運がいいことになる。
そんなガチャの内容のことは置いておき、誠心はガチャを回した。ガチャを回す時はガチャをしたいと思うだけで景品が1日1個世界の何処かから飛んでくる。
するとそこには、2重の握りがが存在し、鍔の部分に銃口が着いた剣のグリップのようなものがあった。
そして誠心がスマホを見るとそこに書いてあったのは《ライトセーバー・ブラスター》。詳細を見てみれば、昔誠心が転生する前にテレビでやっていた《スターウォーズ》のアニメ版、《スターウォーズ・反逆者たち》という話に出てくる、主人公エズラ・ブリッチャーが最初に使うライトセーバーだ。
「……またマイナーな……というか僕は原作に参加しないから!それにジェダイじゃないから使えないからね!」
『ジェダイでなくとも使えます。フォースは使えませんが』
「……ちょい待て、フォース使えないならジェダイじゃねぇ……え、何?僕はグリーヴァスにならないといけないの?人間なのに?」
誠心は一応当たったライトセーバーを月霊髄液とともに腰に巻き付けてあるバッグの中に入れるとお金を持って近所のスーパーへと今夜の夕食の材料を買いに行った。
誠心はスーパーで今夜の夕食としてパスタを作ろうとパスタの材料を買って、スマホで近道を調べて早めに家に戻ろうとした。
スマホのマップを見て路地裏を歩いていると、小さな声が聞こえてきた。
「うめぇな……人間の肉はうめぇ……やめられねぇよ……」
「?なんか聞こえんな……」
「また人間の匂いだァ……デザートかなァ?」
不気味な声が聞こえ、誠心はその言葉を聞いてここがハイスクールDxDの世界であることを再認識する。
「はぐれか!」
装備はライトセーバー、月霊髄液。どちらを使うか悩むが、剣を使ったことがないために月霊髄液を選んで地面に垂らす。
そして月霊髄液を起動する言葉を詠唱する。
「
その言葉により月霊髄液は行動を開始し、誠心は月霊髄液に魔力を流し込む。そして不気味な声を発したはぐれ悪魔が接近するのを感じ取り、月霊髄液に命令を下す。
「Scalp!」
その言葉を聞いた月霊髄液は重金属たる水銀が高圧により高速駆動し、衝突の瞬間に鋭利な刃へと変化する。そして接近するはぐれ悪魔の肩を鋭利な銀の刃が貫いた。
「そういや銃もあったな!」
今日当たったライトセーバーにはブラスター機能も着いていたことを思い出してはぐれ悪魔に向かって銃口を向け、エネルギー弾を放つ。効果はスタン。相手を痺れさせる攻撃だ。
「Captis!」
その言葉を聞いた月霊髄液は痺れたはぐれ悪魔を鞭状の身体で捕らえる。そして誠心はライトセーバーを起動して青い刃を放出してはぐれ悪魔の心臓と首を突き刺したのだった。
誠心は容易く人を殺せる武器を持っていることを再度認識し、はぐれ悪魔に黙祷を捧げてから月霊髄液を仕舞おうと鉄のケースを取り出そうとバッグに手を突っ込むと、
紅い槍が誠心の真横に勢いよく突き刺さった。
「Automatoportum defensio:Automatoportum quaerere:Dilectus incrisio!」
まだ敵がいるということを認識し、月霊髄液に魔力をさらに流し込んで防御させながら索敵させる。そして誠心はライトセーバーの刃を収束させてスタン弾を何時でも放てるようにする。
「ふふっ……さすがは我が友の息子と言うわけかな?初の戦闘において水銀と光剣を用い、そして我が至高の槍に臆することも無く攻撃を行おうとするとは……なぁコア、サクヤ?」
「私に聞かれても困りますが……あの銀色の液体金属にあの光剣……どれも我々悪魔に対して天敵と言っても過言ではないでしょう……練度はどうか知りませんが」
「えぇお嬢様、流石あの2人の息子と言っても良いでしょう。お嬢様から聞いた話では兵藤誠心でしたか?あの2人によく似ておられます……あの子を新しい眷属へと向かい入れるのですか?」
「さて、どうするかな……」
紅い槍を放った小柄な女の子が攻撃を行う月霊髄液を軽く捌きながらその両隣にいる銀髪のメイドと赤い髪の小さな羽の生えた女の子と空で話していたのだった。