TSしたら足が動かなくて親友が過保護になったけど、優しくされると惚れちゃいそうなので乱暴に扱って欲しい。 作:貯水庫
先に風呂を上がった俺はどうにか1人で体を拭き、髪をそのままにしとくのもいけないと思って、気休め程度だがブラシでささっと梳かした。そして適当な台を経由して車椅子に乗り、どうにか頑張ってぶかぶかのパジャマを着た。
歯磨きなどをしながらしばらく待っていると中島がようやく出てきたので、俺の身長を測ってもらおうと思う。
さっそく床に寝転がると、中島は腕を大きく広げてメジャーを引っ張り、俺の体に合わせた。
「......148cmだ」
「ちっちゃ!?」
「軽いわけだな」
まじかよ。10cm以上小さくなってるぞ。もともとクラスの男子の中では一番小さかったけど、これだと女子の中でも一番下なんじゃないか?ずっと座ってるからバレにくいとは思うけど。
これにはさすがにショックを受けたが、今日は朝から色々なことがあって疲れた。いつまでも中島を付き合わせるのも悪いので、髪が乾くまで適当に時間を潰したら今日は早めに寝ることにする。
中島にベッドまで運んでもらう前に、家の合鍵を渡しておく。俺は鍵を閉められないし、鍵を渡しておけば明日以降ベランダに登ってもらうことは無くなる。
「じゃあ、車椅子はここに置いとくぞ」
「ふぁい」
ベッドまで運んでもらっている間に寝かけてしまったが、意識をかき集めて返事をする。
「じゃあな清水、明日また来る」
「あい〜」
うとうとしながらなんとか声を出すと、電気が消え、意識が落ちていった。
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翌朝。
起きたら元に戻っていた。というのを少しだけ期待していたが全然そんなことはなかった。
既に来ていた中島に1階まで下ろしてもらい、いろいろ支度をする。
「中島、さすがに申し訳ないから今日は学校行ってくれ」
「何言ってんだ。今日は買い物するんだろ?どうやって家を出入りすんだよ」
「スロープを最初に買ってなんとかするよ」
最初だけ中島に出してもらって、スロープを設置する。スロープがあっても段差を登れるかは不明だけど、最悪道行く人にお願いすればいい。持ち運びは袋を車椅子の持ち手に引っ掛ければなんとかなるはずだ。
「......お前、腕ムキムキになりたいのか?」
一瞬中島が何を言っているかわからなかったが、なるほど。いろいろ買い物するならかなりの走行距離になるから腕に筋肉が付いてしまうと。
儚げな容姿の女の子が、腕だけムキムキ。
うっ。なんかいけない気がする。このやたらと柔らかい腕が失われてしまうのも勿体ない。
そもそもこの体に長距離を移動できる体力があるのか不明だし、やっぱり中島に頼るのが間違いないか......
結局、今日も中島に学校を休んでもらって1日介助してもらうことにした。
いろいろ支度したら、まず初めにホームセンターに来た。
服は昨日と同じぶかぶかなパーカーとズボンだ。結局洗濯物を乾かすのは乾燥機に頼ることにした。さっき洗濯乾燥機にかけたばかりなので、ポカポカだ。
ホームセンターでは適当なスロープと風呂用の寝椅子を見繕い、購入する。
「多いな......」
が、思ったより箱が多くて持ち運びが大変そうだ。車椅子の持ち手にいくつか引っ掛けて、膝の上にも1つ置いて、残りを中島に積み上げて、ようやく全て持ち運べる。
「車椅子押せなそうだが、大丈夫か?」
「ああ、さすがに家までなら大丈夫だろ」
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「う、腕が......」
なんて思っていた時期もありました。なんとか家までは来れたが、もう腕が限界である。
最初は普通に動かせたけど、1分もする頃にはもう腕に力が入らなくなり始めていて嫌な汗が出た。
そして、とにかく上り坂が辛いのなんの。足に力が入らなくて踏ん張れないので前屈みになれないし、荷物は重いし、後ろに落ちていかないように腕の力だけで支えながら進むのはめちゃくちゃキツかった。
それでも中島に重いものを持たせているので、強がって休まずに15分頑張った結果、これである。
もう腕がぷるぷるして全然力がでない。この体貧弱すぎないか?こんなのを続けてたら本当に腕がムキムキになりそうだ。中島が休んでくれてよかった。
気を取り直して、さっそく段差にスロープを設置する。
玄関前は駐車場の分のスペースがあるので、スロープをいくつか連結して勾配を緩めに設置する。おそらく、こちらは頑張れば1人でも上り下りできるはずだ。
一方、玄関の段差はスペースが狭い関係でなかなか急勾配になってしまった。腕が回復してから一度試してみたが、下りられはしたが自力で上ることはできなかった。
でも、スロープを使わずに、車椅子から降りる要領で段差を越え、そこから車椅子を引っ張り上げればなんとか家に入ることが出来た。これであれば一応1人で出掛けることができそうだ。
お風呂には寝椅子を設置した。結構場所を取ったが、うちには俺しかいないのでずっとこのままでいい。
1人で乗れるか試してみたところ、少々みっともないが、這う要領でなんとか乗ることができた。
そんなことをしていたらいつの間にかお昼時になっていたので、ファミレスでたらこスパゲッティを食べ、それから学生服専門店に行った。ここで女子制服を買う。
幸い、うちの高校の制服の在庫があったようなので、俺はとりあえず一番小さいサイズを試着してみることにした。
中島と一緒に試着室に入り、着替えを手伝ってもらう。
俺が手に持つは、白のブラウスと紺のブレザー、ピンクのリボン、そして、薄紫チェック柄のスカート。
スカート。スカートか......
やはり、スカートは女しか穿かないものというイメージがあって、俺が穿くのは少し抵抗がある。
ていうかこれどうやって穿くんだ?どこが前だ?これポケットだよな?だったら、こっちか......?
なんていろいろ四苦八苦しながら、中島の介助の元女子制服一式を着た。
中島に後ろから抱き上げられて試着室の姿見に映っているのは、うちの制服を着た女の子。
ピンクのリボンと短めのスカートは儚げな容姿とは裏腹にあざとい雰囲気があり、アニメキャラのような可憐さが出ている。
「うぅ......」
これが俺じゃなければ素直に可愛いと思えた。しかし俺が女子制服を着ているということと、それがかなり似合っているということがたまらなく恥ずかしい。
そして中島に抱き上げられる俺のシルエットの本当に小さいこと。制服もこの一番小さいサイズでぴったりだった。非常に遺憾だが、これを買うことにする。
「ていうかお前はなんで勃ってるんだよぉ」
「お、お前がぶかぶかな下着のまま腕上げるからだよ......お前、ブラジャーとかは付けないのか?」
「うっ......やっぱ、付けなきゃ駄目だと思うか?」
「......まあ」
まじかよ。
確かに、胸のある女性は全員付けてるイメージがあるけど......俺が付けるのか?あれを?
ブラジャーってのは女の子の胸を守る最終防衛ラインで、かつ見られて恥ずかしいものでもあり、男はそういうところにエロスを感じて楽しんだりするものだ。自分が付けるのは、絶対に違うだろう。
でも守るべきものは確かに俺にも存在しているわけだし......うぅ、しょうがない。後で買いに行くか。
服飾類は他にも自分に合うものをいろいろ買わなきゃいけないだろう。
学校に行くならうちの高校指定のジャージも必要だが、うちのジャージは名前の刺繍が入るタイプだし、ジャージなら男女一緒だから以前のものを腕まくりとかして着ても多分大丈夫だろう。
しかし靴は以前のものを穿くわけにはいかないので、これから新しいものを買いに行く。