ダンジョンに、ダンジョンマスターが現れた! 作:ずぼらさん
「し、調べ終わりました…。」
「疲れた~。」
「…先輩、次はどうしたら?」
後輩達は力尽きて、机に突っ伏していた。
休めと言っても、頑固に仕事を続けたゼクス。
応援として回され、大変な目に遭ったミィシャ。
そして、そんな2人を手伝ってあげたエイナ。
「3人とも、お疲れ様。」
机や床に、山積みとなった資料。
頑張ったわね。
用意した紅茶とサンドイッチを置く。
時間は午後1時過ぎ。
昼ご飯を食べていない様子だったから持って来た。
「「「ありがとうございます!テリア先輩!」」」
「いいのいいの、気にしないで。」
ギルドは今、大忙しだからね。
数日前から発生しているダンジョンの異常事態。
3人が調べていたのは、
うーん。
だったというべきかしら。
ゴブリンに殺され、連れ去られた冒険者が増え始めていた。
脅威の魔物になりつつある。
だからこそ、事は一刻を争う。
「該当…無しか。」
でも、調べた結果は無慈悲ね。
過去に類似したダンジョンの異常状態は、一切無かった。
つまり、今回が初めてとなる。
勘なんて信じたくないけど…。
嫌な予感がするなー。
連れ去られた冒険者達も心配。
全員女性には、何か意味がある?
神々の報告だと、授けた恩恵が切れてないらしい。
生きている証拠だ。
どうか無事で!
「先輩の方は、何か分かりましたか?」
「いいえ。」
ゼクスの質問に、溜息を吐きながら答えた。
私の方も、さっぱりだった。
石が張り付く現象、謎の爆発、落とし穴、桃色の霧。
原因は不明。
こちらも過去の資料に該当無し。
ただ…。
冒険者達から気になる情報を、いくつか聞いた。
謎の爆発が起きる前、ダンゴ虫を見た。
桃色の霧の中にいると、性的に興奮する。
石が張り付く現象は、なる前に魔力の流れを感じた。
等々である。
資料を作って、調査依頼している冒険者達に、渡しておくべきね。
注意しとけば、新しい発見があるかもだし。
「そういえば、あれって本当ですか?」
ミィシャが、サンドイッチを頬張りながら質問した。
あれって何?
「集団だと、ゴブリンは強くなるっていう噂です。」
んー、その件か。
確かに冒険者達から、その情報は届いている。
他には、落とし穴や謎の爆発の位置を、知っている可能性がある情報も。
これも調べてもらっている途中。
困ったわね。
どう答えたものか。
大丈夫とは思うけど、未確認の情報が流れたら大問題になる。
迂闊な事は言えないわね。
「ぐはっ!?」
「「「っ!?」」」
何事!?
物凄い音と悲鳴が聞こえたわよ!?
「いつつ、すみません。」
悲鳴の主は、赤く腫れた額を擦っていた。
あー、なるほど。
状況を理解した。
私が何度も注意したのに、休まなかった
サンドイッチと紅茶で腹が満たされ、溜まりに溜まった睡魔に敗北。
姿勢が崩れて、額を机にぶつけたのね。
怒ってばかりだと、やる気を無くすかなーと思ったけど…間違いだった!
「ゼクス、仮眠室に行くわよ。」
「だ、大丈夫です!それにまだ、片付けと報告が残ってますから。」
ふーん、口答えするか。
いい度胸ね。
また子犬のように、しょんぼりさせてあげる!
「ミィシャ、エイナ。」
「「は、はい!」」
「片付けと報告を、お願いしてもいいかな?」
「「任せて下さい!」」
席を立つと、ゼクスの腕を掴んで歩く。
普段なら力負けするでしょうけど、フラフラの人には勝てる。
「先輩!?2人とも助けてーーーっ!」
「
「
ほらほら、諦めなさい。
味方なんて、1人もいないわよ。
まったく!
ちょっと前まで、怒られたら子犬みたいに、しょぼんりしていたのに。
たった数日で、仕事中毒者になって!
仮眠室に着くと、ベッドに寝っ転がし、布団を投げつけた。
「ほらほら、早く寝なさい。」
「ううっ、1人だけ休むわけには…。」
まだ無駄な抵抗をするわけ?
仕方ないわね。
最終手段よ。
この手を使わせた事を、後悔しなさい!
「
膝枕してやった。