ダンジョンに、ダンジョンマスターが現れた!   作:ずぼらさん

10 / 40
※ギルド職員の先輩と後輩その2

「し、調べ終わりました…。」

 

「疲れた~。」

 

「…先輩、次はどうしたら?」

 

後輩達は力尽きて、机に突っ伏していた。

休めと言っても、頑固に仕事を続けたゼクス。

応援として回され、大変な目に遭ったミィシャ。

そして、そんな2人を手伝ってあげたエイナ。

 

「3人とも、お疲れ様。」

 

机や床に、山積みとなった資料。

頑張ったわね。

用意した紅茶とサンドイッチを置く。

時間は午後1時過ぎ。

昼ご飯を食べていない様子だったから持って来た。

 

「「「ありがとうございます!テリア先輩!」」」

 

「いいのいいの、気にしないで。」

 

ギルドは今、大忙しだからね。

数日前から発生しているダンジョンの異常事態。

3人が調べていたのは、最弱の魔物(・・・・・)ゴブリンについて。

うーん。

だったというべきかしら。

ゴブリンに殺され、連れ去られた冒険者が増え始めていた。

脅威の魔物になりつつある。

だからこそ、事は一刻を争う。

 

「該当…無しか。」

 

でも、調べた結果は無慈悲ね。

過去に類似したダンジョンの異常状態は、一切無かった。

つまり、今回が初めてとなる。

勘なんて信じたくないけど…。

嫌な予感がするなー。

連れ去られた冒険者達も心配。

全員女性には、何か意味がある?

神々の報告だと、授けた恩恵が切れてないらしい。

生きている証拠だ。

どうか無事で!

 

「先輩の方は、何か分かりましたか?」

 

「いいえ。」

 

ゼクスの質問に、溜息を吐きながら答えた。

私の方も、さっぱりだった。

石が張り付く現象、謎の爆発、落とし穴、桃色の霧。

原因は不明。

こちらも過去の資料に該当無し。

ただ…。

冒険者達から気になる情報を、いくつか聞いた。

謎の爆発が起きる前、ダンゴ虫を見た。

桃色の霧の中にいると、性的に興奮する。

石が張り付く現象は、なる前に魔力の流れを感じた。

等々である。

資料を作って、調査依頼している冒険者達に、渡しておくべきね。

注意しとけば、新しい発見があるかもだし。

 

「そういえば、あれって本当ですか?」

 

ミィシャが、サンドイッチを頬張りながら質問した。

あれって何?

 

「集団だと、ゴブリンは強くなるっていう噂です。」

 

んー、その件か。

確かに冒険者達から、その情報は届いている。

他には、落とし穴や謎の爆発の位置を、知っている可能性がある情報も。

これも調べてもらっている途中。

困ったわね。

どう答えたものか。

大丈夫とは思うけど、未確認の情報が流れたら大問題になる。

迂闊な事は言えないわね。

 

「ぐはっ!?」

 

「「「っ!?」」」

 

何事!?

物凄い音と悲鳴が聞こえたわよ!?

 

「いつつ、すみません。」

 

悲鳴の主は、赤く腫れた額を擦っていた。

あー、なるほど。

状況を理解した。

私が何度も注意したのに、休まなかった馬鹿(ゼクス)

サンドイッチと紅茶で腹が満たされ、溜まりに溜まった睡魔に敗北。

姿勢が崩れて、額を机にぶつけたのね。

怒ってばかりだと、やる気を無くすかなーと思ったけど…間違いだった!

 

「ゼクス、仮眠室に行くわよ。」

 

「だ、大丈夫です!それにまだ、片付けと報告が残ってますから。」

 

ふーん、口答えするか。

いい度胸ね。

また子犬のように、しょんぼりさせてあげる!

 

「ミィシャ、エイナ。」

 

「「は、はい!」」

 

「片付けと報告を、お願いしてもいいかな?」

 

「「任せて下さい!」」

 

席を立つと、ゼクスの腕を掴んで歩く。

普段なら力負けするでしょうけど、フラフラの人には勝てる。

 

「先輩!?2人とも助けてーーーっ!」

 

あとは私とエイナがするから(いいから、さっさと行け)。」

 

気にしないで、ゆっくり休んで(先輩が目が、凄く怖いから)。」

 

ほらほら、諦めなさい。

味方なんて、1人もいないわよ。

まったく!

ちょっと前まで、怒られたら子犬みたいに、しょぼんりしていたのに。

たった数日で、仕事中毒者になって!

仮眠室に着くと、ベッドに寝っ転がし、布団を投げつけた。

 

「ほらほら、早く寝なさい。」

 

「ううっ、1人だけ休むわけには…。」

 

まだ無駄な抵抗をするわけ?

仕方ないわね。

最終手段よ。

この手を使わせた事を、後悔しなさい!

 

………………………………(真っ赤になって、ぷるぷるしている)。」

 

膝枕してやった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。