ダンジョンに、ダンジョンマスターが現れた!   作:ずぼらさん

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※異端児の悪夢その1

「なんだ!?」

 

(ダンジョン)の気配が変わった。

まるで、何かに塗り替えられたような…。

むむ?

今は何ともない?

気のせいだったかな?

おいらは、ペパ。

異端児(ゼノス)のメンバーの1人。

種族は、ゴブリンだ。

今は1階層にいて、3階層の隠れ里に向かう途中。

みんな元気かなー。

ちょっと野暮用で、単独行動していた。

早く会いたいなー。

特に、リドの兄貴。

人間に追いかけられて、死にそうだったおいらを、助けてくれた。

強くて、超カッコイイ蜥蜴人(リザードマン)

ペパって、名前を付けてくれたのも、リドの兄貴だ。

凄く嬉しかった!

おいらは弱い。

多分、メンバーの中で1番。

足手まといは嫌で、修行した!

我流だけど短剣の二刀流。

魔物と戦って、勝てるようになってきた。

逃げる事が多いのは、内緒だ。

冒険者とは戦わない。

いつか仲良くなれると、信じているから。

必ず、みんなと地上に行くんだ。

うっ!?

 

「うぐがああああっ!?」

 

あ、頭に、死んだゴブリン達の記憶が入ってくる!?

やめろ!

やめてくれ!

襲って、戦って、殺される。

何度も何度も。

嫌な声も聞こえた。

 

〝男ハ殺セ!〟

 

〝女ハ犯セ!〟

 

だ、誰だ!?

嫌なはずなのに、従ってしまいそうになる。

うぐぐ、おいらは負けない!

リドの兄貴のところに、みんなのところに帰るんだ!

歯を食いしばって走る。

 

「ぐうっ、また記憶が!うあっ、何匹死んでる!?」

 

死んだゴブリンの記憶が、次々に入ってくる。

あの声も、止まらない。

 

〝男ハ殺セ!男ハ殺セ!男ハ殺セ!〟

 

〝女ハ犯セ!女ハ犯セ!女ハ犯セ!〟

 

黙れ!黙れ!黙れ!

無駄だと分かっていても、耳を塞いだ。

おいらを惑わすな!

そんな事するものか!

 

「はあはあ、2階層に着いた。」

 

頭が痛い。

倒れそうだ。

あいつは、大丈夫かな?

異端児(ゼノス)には、俺以外のゴブリンもいる。

 

「…ちっ。」

 

ゴブリンの集団と鉢合わせてしまった。

こいつらは敵。

仲間じゃない。

その証拠に、俺を殺す気満々だ。

戦闘回避不可。

異端児(ゼノス)は、人間にも魔物にも襲われる。

リドの兄貴に会うまでは…。

どうして自分だけ嫌われるのか。

どうして仲間外れなのか。

泣いて苦悩した。

今は違う!

仲間達と笑い合って、夢に向かって進んでいる!

だから戦える。

 

「行くぞ!」

 

万全の調子じゃないが、斬って刺して倒していく。

 

「ぐううっ!?」

 

おいらが殺したゴブリンの記憶も入ってくる!?

心が、真っ黒に染まって…。

あああうううアウ!?

男ハ殺ス!女ハ犯セ!

 

「チ、違ウ!おイらハ…!」

 

頭を押さえて倒れたおいらに、ゴブリン達は攻撃しない。

そのまま去っていった。

なゼ?

駄目ダ、意識が、薄レテ、リドの兄貴ニ、ごめん。

 

「…キシシッ!男ハ殺ス!女ハ犯ス!」

 

 

 

 

 




リド「ペパっちのヤツ、遅いな…。」

レイ「大丈夫。すぐニ来ますヨ。」



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