ダンジョンに、ダンジョンマスターが現れた! 作:ずぼらさん
【???パート】
誰か教えてくれ。
起きたら、いつもの部屋じゃなかった。
窓や扉が無いのは同じ。
でも天井と壁と床が、真っ白だった。
なんで!?
おまけに、ベッドで寝ていたはずが…
目の前には
し、信じられない。
1人は、よく知っている眼帯をした美女。
知っていると言っても、小説の登場人物だが…。
魔神オティヌス。
外見だけ似ている
態度というか、佇まいというか。
とにかく本物だと確信できた。
もう1人は50代前半くらいで、眼帯をしたイケメンおじさん。
オティヌスと会話しているけど、耳がおかしくなったか?
全然2人の声が聞こえない。
読唇術でも覚えていれば、分かったかもしれないが…。
しかし、何者だ。
イケメンおじさんは?
小説・漫画・アニメで、見た事がない。
あっ、俺に気がついたようだ。
話しかけてくるが、やっぱり声が聞こえない。
というか、喋ってみたら…声が出なかった。
出しているつもりなのだが、一切聞こえない。
困ったな。
うん?
オティヌスが、手を差し出してきた。
イケメンおじさんもだ。
握手しようって事か?
別にいいけど。
右手で、オティヌスと握手。
左手で、イケメンおじさんと握手。
ぎゃにゃああああぁっ!?
両手に痛みが走った。
熱い液体を流し込まれた感じだ。
「何するんだよ!」
えっ?
こ、声が出たぞ!?
「契約は成立だ。」
「最初の契約が終わってから、我らとの契約を果たしてくれ。」
いや、ちょっと待て。
オティヌスさん、契約って何!?
勝手に成立させないで!?
イケメンおじさんが言った最初の契約…アクマとの契約だよな。
「死なない様に、精々足掻け。」
「報酬の半分は前払いしておいた。異世界人よ、頑張るがいい。」
いやいや、ほんと待って。
2人の会話は聞こえてなかったから。
ちゅーか、俺に何も話してないよね?
最初から教えて。
報酬についても詳しく!
口を開いた瞬間、視界が大きく歪んだ。
なっ!?
この感じは…。
【アクマと会話パート・序盤】
やっぱりな。
目が覚めると、ベッドで寝ていた。
夢オチかよ!?
と思ったけど…両手に痛みが残っている。
夢じゃない?
むっ?
枕元に、ビー玉っぽいモノが落ちていた。
なんだこりゃ?
〝やっと起きましたカ〟
おはよう、アクマ。
2日眠るのは、俺のせいじゃないだろ?
〝いいエ、今回は2カ月も寝ていましたヨ〟
はあああああああぁっ!?
そんなに!?
どうしてだよ!?
〝こっちが知りたいでス!〟
〝成功しましたガ…冒険者達の反撃を受けテ、ゴブリンの巣が崩壊しましタ〟
マジで!?
侵攻したゴブリン達の全滅は、覚悟していたが…。
それ以上の損害だ。
ゴブリンキングは?
〝死亡しましタ〟
な、なんてこった。
ちょっとログフォルダで、詳しい結果を確認する。
どれどれ。
………なるほど。
苗床の大量確保も、一般市民達の殺戮も、確かに成功している。
問題があったとすれば、冒険者達の対応の速さだ。
次の日に、反撃されるとは。
〝
うわー、納得だ。
計算高さと大胆さにおいて、
6階層を目指していたって事は…。
ゴブリンの巣の場所を、特定していたわけか。
〝ゴブリンキングを倒したのモ、彼ですネ〟
現時点では
苗床は…。
〝全て奪還されましタ〟
だよねー。
ゴブリンの戦力増加。
絶望で貯まるデビルエネルギー。
両方とも失ったか。
〝残念ながラ〟
そういえば、何か大切な事を忘れているような…。
なんだっけ?
うーん。
………人造迷宮クノッソスだ!
や、や、やばい!
2ヵ月も経っている。
ロキ・ファミリアに見つかった!?
〝落ちついて下さイ、まだ見つかっていませン〟
見つかってない?
おかしい。
物語の流れだと、イシュタル・ファミリアの消滅まで。
いや、もっと進んでいるはずだ。
〝オラリオが復興中だった為、歴史に狂いが生じましタ〟
そうか。
小鬼の祭典が影響して…。
〝1週間前ニ、ヘスティアとアポロンの
ロキ・ファミリアは?
〝メレン港デ、カーリー・ファミリアと交戦中でス〟
春姫の儀式に必要な殺生石は?
〝何者かに盗まれテ、儀式は行われていませン〟
本当に、歴史が狂い始めている。
原因は…まあ俺か。
〝ですネ!そうそウ、もう1つ違いが発生していまス〟
うへー。
まだあるのかよ。
〝アポロン・ファミリアが健在でス〟
なんだと?
戦争遊戯に負けたんだろ?
〝詳しい情報を送りまス〟
ぬおっ!?
頭に情報が入ってくるのは…やっぱ慣れないな。
んーと。
ここでも小鬼の祭典の影響か。
中堅ファミリアに消えて欲しくないから、ギルドが介入。
説得の末、アポロンの
ここは歴史通りだな。
あとは…。
ベル・クラネルにアポロンが近づいたら、罰金になると。
たとえ故意でなくても。
〝団員達ハ、かなり苦労しているようでス〟
新しい本拠地の為の資金。
何度言っても聞かないアポロンの罰金。
迷惑な主神を持つと、大変だな…。
〝アポロンがオラリオに健在な為、人材の流れも変化していますネ〟
ダフネとカサンドラか。
これが
〝しばらくハ、様子見ですネ〟
そうだな。
〝ところデ…2ヵ月も寝ていたのニ、心当たりはありますカ?〟
あると言えばある。
夢かと思ったけど、現実だったと思うし。
〝頭を打ちましたカ?〟
うおーいっ!
〝変な物を拾って食べましたカ?〟
さっきより酷い!?
〝冗談でス、話を進めて下さイ〟
まったく、こいつは…。
最後まで話を聞けよ。
不思議な体験をした。
あやふやところもあるが、2人の人物に会ったよ。
本物の魔神オティヌスと眼帯をしたイケメンおじさんに。
〝ッ!?〟
とりあえず、契約が成立したっぽい。
〝何の契約ですカ!〟
ア、アクマ?
〝詳しク!覚えている事を全部!早ク!〟
お、落ちつけ!
最初は全然聞こえなくて、どんな契約か分からないんだ。
分かっている事は、最初の契約が終わってから、次の契約が始まる。
〝終わってかラ?〟
ああ、そうだ。
〝なら問題ありませン〟
俺的には、大問題だけどな。
契約内容を知りたかった。
〝怒鳴るように聞いテ、申し訳ありませン〟
いいさ、気にしてないよ。
吃驚はしたけど。
〝契約が果たされた後なラ、貴方がどうなってもいいのデ〟
悪魔か、お前は!
…アクマだったわ。
〝くくク〟
なあ、ビー玉っぽいモノがあるんだけど。
何コレ?
〝デビルクリスタルですネ〟
また、ネーミングセンス最悪だな。
〝ほっといて下さイ〟
ぱっと見は、黒色のビー玉。
数は4つある。
デビルねぇ。
もしかして、デビルエネルギーが結晶化したモノ?
〝正解でス!よく分かりましたネ!100%になるト、クリスタルになりまス〟
ネーミングで、そうだと思ったよ。
100%で1個か。
つまり、デビルエネルギーが400%貯まっているわけだ。
400%?
凄い貯まっている!?
〝神を天界へ強制送還した成果でス〟
したのか!?
ログの確認を…うおっ…3柱も。
って、ソーマ!?
時期的にリリルカ・アーデは、ソーマ・ファミリアのはず。
主神を失えば、
どうなった?
〝ゴブリンに囲まれていましたガ、救出れさましタ〟
ちっ、無事か。
彼女が居なくなったら、ヘスティア・ファミリアは、大きな痛手を受けたのに。
運が良かったか。
歴史の流れが、それだけは許さなかったか。
〝ちなみに1柱の送還で、100%貯まりましタ〟
俺の予想通りか。
3柱で300%。
残りの100%は、オラリオの一般市民達と冒険者達か。
〝沢山死ニ、大勢が絶望した結果でス〟
ゴブリンキング、苗床産ゴブリン、ゴブリンの巣。
多くを失ったゴブリン達だが…頑張ったな!
400%あれば、やりたい放題だ。
〝正確には今、461%貯まっていまス〟
OK!
早速、ダンジョンの支配階層を増や…んー。
〝何かありましたカ?〟
聞いてなかったが、俺とアクマの契約。
デビルエネルギーを貯める事だが、どれだけ貯めればいい?
丁度良い機会だ。
教えてくれ。
〝言っていませんでしたネ…デビルクリスタル10個でス〟
1000%か。
思っていたより少ない。
〝くくク、どのくらいと思っていましたカ?〟
デビルクリスタル100個ぐらい?
〝色々と使うのデ、10個でも困難ですヨ〟
確かに…。
小鬼の祭典の成果は、初の魔物侵攻が大きい。
次があっとして、成功すると限らないし。
対策を取られていると思う。
デビルエネルギーを貯めるのは、今まで通りになるか。
よし!
ダンジョンを、もっともっと強化するぞ!