ダンジョンに、ダンジョンマスターが現れた!   作:ずぼらさん

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※運命が変わった冒険者達の話その5「陽の花」

皆様、お久しぶりです。

初めての人は、こんにちわ!

冒険者…もとい聖典(BL本)の描き手、ゼーリエです。

私は今日も、精力的に制作活動をしています。

2か月前、ダンジョンから魔物達の侵攻がありました。

ギルドの尽力もあり、かなり復興は進みました。

しかし、心の傷は簡単に癒せません。

何かしたい。

人々の笑顔が取り戻せるように。

1人で考え、仲間達と考え、主神様と考え。

出た結論は…聖典(BL本)を1つでも多く描くこと!

この素晴らしい真実の愛で、元気になって欲しいのです!

ただ、問題も1つ。

今だに見つかると捕まってしまいます(無断使用した推し達に)

世間に認められるまで、引き続き暗躍するしかありません。

 

「ゼーリエ!メイド服が手に入ったよ!」

 

「本当ですか!」

 

「ええっ!推しが着ていたのと、まったく同じ物よ!」

 

「ひゃほーい!」

 

…コホン。

お見苦しいものを、お見せしました。

魔物討伐・救出作戦の際、推しが…王者(オッタル)が着ていたのです。

メイド服を!

私の所属するファミリアに、激震が走りました。

誰のメイドになったの!?と。

本人に聞くわけにも行かず…真相は謎のまま。

でも、作戦に参加した冒険者から、貴重の情報を入手しました。

王者(メイド)を労う勇者(御主人様)の姿を。

ああああああああああああああああああああああああああっ!

妄想が止まりません!

最高の萌えです!

団員達も鼻血と涎が止まらず、大変な有様でした。

心を落ちつかせる為、私は不眠不休で、聖典(BL本)を仕上げました。

タイトルは『僕の可愛いメイドは猪耳』。

上巻・中巻・下巻と、3部構成の大作です!

最高の聖典(BL本)に、主神様も褒めてくれました。

………まあ3日後に回収され、本人(オッタル)の手で破り捨てられましたけど。

私の産んだ我が子(描いたBL本)が!

挫けません。

続編の『猪耳メイドにお仕置きを~御主人様はドS~』を鋭意制作中です!

メイド服は、次の聖典の資料となります。

 

「出掛けるので、大切に保管して下さい」

 

「了解!」

 

大半の人々が寝静まった深夜。

黒いローブを身に纏い、仮面で顔を隠し、裏道を移動します。

向かう先は…聞いて驚かないで下さい。

資金援助してくれる方の所です。

なんと私達に、スポンサー様が付きました!

隠れ家も複数提供してくれます。

感謝の言葉しかありません。

見返りは、スポンサー様の望む聖典(BL本)を描くこと。

お安い御用です!

 

「周囲に…人は居ませんね。」

 

何事もなく、無事に到着しました。

ふうー。

スポンサー様の正体は、絶対の秘密。

細心の注意を払わないと。

 

「待ちかねたぞ。」

 

「遅くなって、申し訳ありません。」

 

目の前にいるのは…。

先週、戦争遊戯(ウォーゲーム)に敗北した男神。

アポロン様です。

以前の拠点は、女神ヘスティア様に奪われたので、新しい拠点を建設中とか。

ファミリアの方々は、必死に金策しているようです。

 

「ああ、本で我慢するしかないとは!」

 

想い人に会いたいアポロン様。

ちなみに想い人とは、ヘスティア・ファミリアの団長ベル・クラネルさん。

白髪に赤い瞳で、兎っぽい可愛い少年です。

敗北の条件の1つに、今後彼に近づかない事が含まれています。

破った場合は、高額な罰金です。

既に3回罰金となり、大きな痛手になっているとか。

御愁傷様です。

アポロン様でなく、ファミリアの方々が…。

もう近づかないで下さい!と、眷属達に懇願されて、聖典(BL本)に手を出したそうです。

 

「こちらが頼まれた『兎は太陽の甘い熱で、ドロドロに溶かされる』です。」

 

「ふぉおーーーーーーーっ!」

 

奇声を上げて歓喜するアポロン様。

頑張った甲斐があります。

 

「ゼ、ゼーリエさん、お菓子と紅茶です。ど、どうぞ。」

 

「ありがとうございます。」

 

少しオドオドしながら、歓待(おもてなし)してくれたのは、カサンドラさん。

アポロン・ファミリアの治療師(ヒーラー)です。

アポロン様と私を繋ぐ、パイプ役(連絡要員)でもあります。

何より彼女は、大切な同志(・・)です。

 

「あの…また聖書(BLライトノベル)を…書きました。」

 

「拝見しますね。………ああっ、さすがです!」

 

文章だけで、ここまで真実の愛を表現するなんて!

カサンドラさんは、間違いなく天才です。

仲間達も絶賛していました。

 

「戻ったら、早速聖典(BL本)にしますね。」

 

「お、お願いします。」

 

私の描いた聖典(BL本)を読んで、彼女は才能を開花させました。

1度読み始めると、終わるまで止まらない仕上がり。

まさに、聖書(BLライトノベル)の未来を担う者。

感動した仲間達は挙って、挿絵を担当したいと言います。

駄目です、却下です、諦めて下さい。

描くのは私です!

 

「その、思ったのですが…アポロン様×小兎さん(ベル・クラネル)を、反対に…。」

 

「攻めと受けを、反対って事ですか?」

 

「は、はい…普段は可愛い兎さんだけど…ほ、本当は猛獣という設定に。」

 

「なっ!?」

 

制作中の続編に似ていますが、大きな違いがあります。

登場人物の性格(キャラの属性)です!

私は勇者(フィン)を、爽やか腹黒と思っています。

勝手なイメージですし、人によっては異なるでしょう。

ベル・クラネルさんが…草食動物ではなく、実は肉食動物。

良い!

凄く良いです!

 

「私が攻められるだと!?」

 

「「っ!?」」

 

アポロン様が、凄い形相で叫びました。

カサンドラさんと抱き合って震えます。

怒らせてしまった!?

攻めじゃないと駄目でしたか!?

 

「ベルきゅんに、メチャクチャにされる…素晴らしいぞ!」

 

あっ、OKのようでした。

愛するばかりで、愛されるのに飢えていたのかもしれません。

 

「ゼーリエ!」

 

「は、はい!」

 

「ベルきゅんに攻められる本を描いて欲しい!」

 

「カサンドラ!」

 

「ひゃ、ひゃい!」

 

「よくぞ思いついてくれた!」

 

新しい聖典(BL本)の依頼を頼まれました。

お任せ下さい!

新しい萌えに、妄想が止まりません。

上機嫌のアポロン様と恐縮しているカサンドラさん。

2人に会釈して、急いで帰ります。

描きかけの聖典(BL本)が1冊、頼まれた聖典(BL本)が1冊、描きたい聖典(BL本)が1冊。

忙しくなりますが、ちっとも苦になりません。

喜びすら感じます。

全ては、下界に聖典(BL本)を広める為に!

 

 

 

 

 

 




【アポロン】
本来は、本拠地及び全財産没収。
オラリオから追放されてしまう。
しかし、小鬼の祭典の影響で、追放を免れた。
ベル・クラネルに近づくと罰金の為、BL本という禁書に手を出す。
ゼーリエ達のスポンサー。

【カサンドラ・イリオン】
本来は、アポロン・ファミリア解散後、ミアハ・ファミリアに改宗。
だが、アポロン・ファミリアが継続した為、改宗しなかった。
ゼーリエと出会い、腐女子にレベルアップ!
更に、BLライトノベルの才能を開花させた。
最近はBL関係で、アポロンに褒められまくっている。
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