俺と一花は鍵のかかった扉の前に立ち尽くしている。
まさか、こんなことになるなんて…。
優助「まさか鍵をかけられるなんてな」
一花「そうだね…」
優助「しょうがない、俺らがいないことに気付いたら助けに来てくれると思うし、それまでここで待ってるか」ゴソゴソ
そう言いながら、何か無いかとポケットに手を突っ込んでみる。
携帯はリュックに入れっぱなしだから無いし、何かないか…?
一花「ごめんね、私のせいで……。」
一花は申し訳なさそうに話す。
優助「気にしなくていいって、俺にも責任はあるから………。お、何かあった…!」
ポケットをあさっていくと、ズボンの右ポケットに何か入っていたので取り出してみる。
優助「おぉ~、ライターがあった!」
一花「何でライターなんか持ってるの?」
優助「俺、飯盒炊飯のご飯担当してたから…。よし、木はそこらじゅうにあるし火を起こして何とか寒さはしのげそうだな~」
俺は周りにある小さめの木を集める。
一花「ユースケくん」
優助「ん??」
俺が、集めてきた木をうまい具合に重ねていると一花が話しかけてきた。
一花は扉の右上の方を指差しながら……。
一花「あれって防犯センサーじゃない?」
一花の指差す方を見ると赤く点滅してる装置があった。
優助「おぉ本当だ!もしかしたら扉に衝撃を与えれば迎えがくるかも…」
一花「いや、多分警備員の人がくるんじゃないかな?」
優助「え~、それはちょっと嫌だな」
警報ならして警備員を呼べば、先生に怒られるに決まってる。それだけは勘弁だわ……。
ん、待てよ……?
優助「あれ解除して扉ぶっ壊せば抜け出せるんじゃないか?」
一花「えっ?」
よしっ、そうと分かれば……。やることは1つだけだな。
まさか、ユースケくんとこんなとこに閉じ込められるなんて…。
こんなこと、三玖にでも知られたら……。
優助「よし一花、センサー解除できるか見てくれ」
え?
いや明らかに高すぎない?
一花「あはは、身長が2メートルあったら見れるんだけどね~…。」
優助「いや、俺が肩車するから見てくれない?」
肩車……。センサー……。
私はそっと胸に手を当てる。
…平常心、平常心………。
こっちのセンサーも反応させちゃダメだから…。
一花「…うん、分かった…。けど、重いとか言わないでよ……?」
優助「りょーかい。……よいしょっと…!」
私は自分に平常心と言い聞かせながら、ゆっくりとユースケくんの肩に足をかける。
優助「どう?何とかなりそう???」
一花「ん~、鍵がないと、どうにもならなそうかな~」
そう言うと、ゆっくりと下ろしてくれた。
優助「しょうがない、火起こして暖とりながら待つか…。」
そう言って、ユースケくんは集めてきた木にライターで火をつける。
パチパチと音を立てて火があがる。
優助「よしっ、これでオッケー!」
そこにユースケくんは、ストンっと座る。
私も火を挟んで向かいに腰を下ろして、コートに手をかける。
これ以上着てたらユースケくんも風邪引くだろうし。
優助「あ、着てていいよ」
私がコートに手をかけるのとほぼ同時にユースケくんは、ボーッと火で暖をとりながらそう言ってきた。
一花「えっ…?まだ何も言ってないのに……。」
じっと火に向けていた視線を、私に向けて……。
優助「一花の言おうとしてることくらい、もう何となく分かるから。出会ってから結構経ってるし、色々とあったしね?」
そう言われると、確かにあっという間の期間に色々とあった気がする。ユースケくんとは隣の席で毎日顔を合わせていたわけだし……。
それから会話が途切れ少しの間が空く。
私は、さっき泣いてしまったことを思い出す。
ユースケくんに、“やっぱキャンプファイヤー踊るのやめる?”って言われたとき、何で泣いちゃったんだろう……。
自分には分からない感情が出てきて、涙が溢れてきてしまった。
一花「………私さ、学校やめるかも…。」
さっきのことを思い出していたら、ふと呟いてしまった。
優助「……えっ…!?」
驚いたようすでユースケくんがこっちを見る。
一花「休学って形だけどね。お陰様で映画の撮影とかしてるんだけどさ、新しい仕事の話も貰えるようになってきたの…。他の子達は留年覚悟で仕事したり、融通のきく学校に通ったりしてるんだ。私は学業の方は絶望的だからさ、高校に未練はないかなーって…」
それに、私がいなければ三玖も……。
優助「良かったな、やりたいことが見つかって」
一花「え?」
思ってもいない返事が返ってきたので少し驚いた。
優助「俺は応援するよ。多分風太郎もそう言うと思う」
一花「応援してくれるんだ…。正直止められるかと思ってた」
優助「
一花「ただ…?」
優助「一花がいなくなったら、俺も学校の楽しみが少なくなるなって」
その言葉に心臓がバクンと鳴る。
優助「まあ、それは俺だけじゃなくて風太郎もだと思うし、あの四人はもっと寂しがるかもな」
私はただ、ジッと目の前の火を見つめる。
優助「俺たちは皆、お前が本気でやりたいと思ったことなら絶対に応援する」
火にあたっていたこともあると思うけど、ユースケくんの話を聞いて心も暖まって来た気がする。
また、少し間が空く。
よし、落ち着いてきたし私も決めた。
一花「いいよ。キャンプファイヤーのダンス…、あの約束は無かったってことで。その代わり……」
優助「…?」
私は途中で話を区切り、立ち上がる。
一花「今踊ろう…!今夜は二人だけのキャンプファイヤーだよ?」
優助「そうだな、ここで踊っても嘘にはならないしな…。」
一花「ホント!?やったー、やっぱ恥ずかしかったんだ~?」
優助「まあ、多少はね…?」
私はもう一度胸に手を当ててみる。
…センサーには問題なし。これなら大丈夫…!
優助「伝説なんてものもあるから周りの目も気になるし…」
一花「…?伝説って……??」
伝説?何のことだろう…。
優助「あれ?一花知らなかったのか?四葉が言ってたんだけど、キャンプファイヤーで踊った二人は、生涯結ばれるっていう…。」
一花「えっ……」
もしかして…、三玖は………。
一花「……それって三玖も知ってるの…?」
優助「知ってると思う。四葉から聞いたとき一緒に聞いたからな」
一花「そんなつもりじゃ……」
三玖にとってキャンプファイヤーは………、それなのに私は…。
一花「ユースケくん……!」
ガタッ!
優助「あっ、一花!危ないっ!!!」
後ろの丸太に足をぶつけてしまい、丸太がこちらに倒れてきた。
突然のことに驚き、私は目を瞑る。
ギュッ…!
ガッシャーン!!!
丸太が倒れてくる直前に体を抱き寄せられ、何とか無事であったのだが……。
優助「…危なかった…!一花、お前ってさ」
『意外とドジなんだな』
ビーッ、ビーッ、ビー…
その時、私の心の中を表すかのように部屋中に警報が鳴り響きだした……。
突然のことに思考が停止してしまう。
優助「あっ、まずい……。」
『衝撃を感知しました。30秒以内にアンロックしてください。解除されない場合直ちに警備員が駆けつけます』
ユースケくんが、パッと手を離したとたん上から水が降りかかってきた。
優助「スプリンクラーあったのか…!?」
一花「どうしよう…!?鍵ないよ!?」
上から降ってくる水で私たちはすでにびしょ濡れになっていた。
優助「どうすれば…!」
五月「鍵ならここにありますよ」
その声とともに、ブザーとスプリンクラーが止まる。
扉が開き、そこには五月ちゃんと三玖がいた。
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