ガチャッ……。
優助「お、お邪魔します……」
五月「全く遅いですよ…って、どうしたんですか!?」
優助「いやー、昨日こいつ夜更かししたみたいでさ…」
五月「あなたも中々クマが凄いですが…?」
優助「まあ、気にしなくていいよ…」
五月「そうですか。では早く中へどうぞ、皆が待っています」
風太郎「…ん、ここはどこだ?」
優助「お、起きたか。五月たちの家だよ。お前を担いでここまで歩いてきたんだよ」
風太郎「悪い、昨夜のが結構体にきてるみたいだ…」
優助「俺もだよ…」
風太郎「そうだ五月」
五月「どうされました?」
風太郎「ほらよ、今回のテストの問題を予想した問題集だ」
五月「こんなに…」
五月「呆れました…。これのためにお2人とも夜更かしを?」
風太郎「お前たちだけやらせてもフェアじゃない…。俺がお手本にならなきゃな」
五月「お手本って…」
優助「そろそろ行かない?」
俺の一声でリビングへと3人で向かった。
風太郎「コイツら、また喧嘩してるのか……」
リビングに入ると二乃と三玖が言い合いをしていた。
どうやら2人とも見たい番組があり、お互いに譲れないらしい。
だがそんなこと、俺たちにとってはどうでもいい。なぜならこれから家庭教師の仕事でみんなにも勉強してもらうことになるからだ。
すると風太郎はテレビのところに行き主電源を切る。
風太郎「勉強中は消しまーす」
朝から二人ともご機嫌斜めのようだ……。
俺は一花のところにいく。
優助「前から思ってたんだけど、あの二人って仲悪いの…?」
一花「まあ、犬猿の仲ってやつなのかな?二乃はああ見えて繊細だから」
そう言うと、一花はみんなに勉強を始めるよう促す。
二乃が繊細というのは何となくわかる。五月が迷子になった時もかなり過敏になってたし。
すると一花はこちらの方を振り向いて……
一花「優助くんと風太郎くん、これから1週間よろしくね!」
風太郎「あぁ、リベンジマッチだ!」
優助「望むところよ!」
カリカリカリ……
意外と集中してやってくれてるな…。みんなも成長して変わってきたんだな〜。
二乃「ちょっとそれ私の消しゴム!」
三玖「借りただけ」
はあ、またか……
どうやら三玖が勝手に二乃の消しゴムを使ったらしい。
それに対して二乃は三玖の飲み物を手に取る。
三玖「それ私の飲み物」
二乃「借りるだけよ……ってマズ…!」
なんだ飲み物を借りるって…。
優助「てか五月、ここ間違ってるよ」
五月「そうなんですか?気づきませんでした…」
優助「ここは、この公式を使って…、ってなんだ?」
すると突然、風太郎が二乃と三玖を褒め始めた。
どうやら三玖と二乃の言い合いを止めるための作戦らしいのだが、見た感じ失敗したらしい。
二乃と三玖のことは風太郎に任せるか。
優助「それで五月、この公式と前に使った公式を応用することで答えを出せる」
五月「なるほどそうなのですね。ありがとうございます」
優助「うん。そして…」
俺は突然厳しく当たり始めた風太郎のとこに行く。
優助「そんなこと言うな風太郎。二乃もできてるみたいだし…、ってここテストの範囲外じゃん」
二乃「嘘っ!?」
三玖「二乃、真面目にやって…」
二乃「こんな退屈なこと真面目にやってられないわ!」
三玖の一言で、二乃のやる気が完全に切れてしまったらしい。
二乃「部屋でやるからほっといて!」
優助「あらら…」
風太郎「…ワンセット無駄になっちまった」
二乃が置いていった対策プリントの山を見ながら呟く風太郎。
五月「弱気にならないでください。お手本になるのでしょう?期待してますよ」
五月もなんだかんだ信用してくれてるんだな、風太郎のこと。
五月の一言で、風太郎は二乃の方を向く。
風太郎「待て二乃、もう少しだけ勉強していけよ。ただでさえお前は出遅れてるんだ、四人にしっかり追いつこうぜ」
二乃「うるさいわね…、何も知らないくせにとやかく言われる筋合いはないわ!アンタらなんかただの雇われ家庭教師、部外者だわ!」
三玖「これ、ユースケとフータローが私たちのために作ってくれた対策プリント……。受け取って」
そう言い、三玖は二乃にプリントを差し出す。
二乃「問題集作ったくらいで何だっていうのよ…、そんなもの要らないわ!」
二乃は三玖の差し出した手を払い除けると、三玖の持っていたプリントが床に落ちてしまった。
一花「ね、ねぇ、二人とも一旦落ち着こう?」
マズイと思ったのか、一花が二人を止めに入る。
風太郎「そうだ、お前たち一旦……」
三玖「二乃…、拾って」
この空気感ヤバいかも……。
二乃「こんな紙切れに騙されてんじゃないわよ!今日だって遅刻したじゃない…、いい加減なのよ!それで教えてるつもりなら大間違いだわ…!」
ビリビリッ…!
二乃はそのままプリントを破いてしまった。
すると横の五月が動き始めた。
優助「マズイ…、五月俺たちは大丈夫だから……!」
そう言い五月の手を掴もうとしたが間に合わなかった。
パシンッ!
五月「二乃、謝ってください」。
最悪の事態が起きてしまった…。
五月は二乃の頬を叩いてしまったのだ
パシンッ!
二乃も五月のことを叩き返す。
五月「彼らに、謝罪を…!」
俺は五月のところに駆け寄る。
優助「俺たちは気にしてないからお前たち一旦少し落ち着け…」
五月「ただのプリントではありません、彼らは私たち一人一人のプリントを手書きで作ってくれていたのです!だから私たちも真剣に取り組むべきです!彼らにも負けないように…」
二乃「そう…、アンタ達は私よりコイツらを選ぶってわけね…。いいわ、こんな家出てってやる!」
優助「ちょっ、ちょっと落ち着けって二乃…!」
二乃「前から考えてたことだわ!この家は私を腐らせる!」
五月「待ってください二乃!こんなのお母さんが悲しみます…」
二乃「未練がましく母親の代わりを演じるのはやめなさいよ!」
四葉「二乃、早まらないで!」
一花「そうだよ、一旦話し合おうよ!」
二乃「先に手を出してきたのはあっちよ!あんなドメスティックバイオレンス肉まんお化けとは一緒に居られないわ!」
五月「そ、そんなにお邪魔なようなら私が出ていきます!」
その後、一花から二人とも家を出ていってしまったことを聞いた。
〜翌日〜
三玖と風太郎と俺は、今出ていった二人を探そうと街に来ている。
あちこち回ってみたのだが手がかりなし。
三玖「つ、疲れた……」
風太郎「優助、少し…、休まないか……?」
全く、この体力無しコンビは…。
しかし、三玖から聞いたところ姉妹同士の衝突は今までもあったものの、出ていったのは初めてらしい。一花と四葉も用事があるようで今日は来てない。
まさかここまでの非常事態が起きるなんて…。
優助「ん?三玖はどこに?」
風太郎「三玖ならそこにいるぞ」
風太郎の指差す方を見る。
三玖「この顔に見覚えありませんか?」
風太郎「五つ子って意外と便利なんだな」
すると目撃情報があったようなので、その情報を頼りに俺たちは二乃のいるホテルへと向かった。
ガチャ
「「「お邪魔します」」」
二乃「なっ、なんでアンタ達…ってか鍵は!?」
三玖「部屋に鍵を忘れたって言ったら開けてくれた」
二乃「ここガバガバセキュリティすぎるわ!」
三玖「二乃、昨日のことは…」
二乃「出てって!アタシたちはもう、赤の他人よ!」
そう言い二乃は俺たちを押し出し、扉を閉めようとする。
俺は閉めようとする扉をなんとか止める。
風太郎「待てよ二乃!お前は誰よりも姉妹が好きで、あの家が好きだったはずだ!」
優助「そうだ!一旦冷静になって考え直してみろ」
二乃「だから知ったような口聞くんじゃないわよ!こうなったのも全部アンタらのせい…!アンタらなんか来なきゃ良かったのに!!」
ガシャン!
優助「…!」
気が緩んだところで押し切られてしまった。
風太郎「しょうがない、今日のところは一旦帰るしかない…。また作戦を考えて……、って優助行くぞ」
優助「…あ、あぁ分かった……」
家に着いた時には風太郎からのメールが入っていた。何故かは分からないが五月は風太郎の家にいるらしい。
三玖も五月は財布を家に忘れてしまっていたようなので行く宛てもなく風太郎の家に行ったのだろう。
明日は学校か…。
とりあえず、風太郎が諦めない限り俺も諦める訳には行かない。
翌日の放課後
四葉は、また人助けで陸上部に行っているらしい。
一花と風太郎からは二乃と五月も学校に来ているということは聞いているので安心ではある。やはりお互い家に帰らないという意志は曲げないらしい。
そういえば今日の学校一瞬だったな…。
はぁ〜…
俺は今、池を眺めながら思いにふけっている。
“アンタらなんか来なきゃ良かったのに!”
確かにそうなのかもしれないな。無駄にアイツらに関わりすぎたのかもしれない。家庭教師、友人として五つ子の家族の話にまで深入りしすぎたせいで、あんなことが起きてしまった。俺が、家庭教師にならなければ、あんなことには……
優助「!?」
ふと気配がしたので、横を見るとそこに居たのは、京都で風太郎を探している時に出会った、あの女の子がいた…………。
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推しの子ルートはありですか?
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あり。優助、役者の道へ……。兄妹ルート
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あり。優助、役者の道へ……。五つ子ルート
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なし。優助に役者の才能なし。兄妹ルート
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なし。優助に役者の才能なし。五つ子ルート