負けてたまるか!   作:適当な観察者

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原作の世界観とキャラクターが異なる場合があります。

オリジナル設定。演出表現上閲覧注意の箇所あり




理不尽に負けてたまるか!(後編)

ブロッサムヒルに到着したアンスリウムは試験会場にいた

 

「うわー!人多い!!毎年2万人近く受験に来るって言ってたし

 トライアウトの期間中は建国日以外ではお祭りになるくらい

 最大規模らしいからそうなのかな?」

 

「アンスリウムさーん!」

 

「あ!レインリリーさんおはようございます。」

 

「アンスリウムさんおはようございます。」

 

「うぅ…すごく緊張するですぅ」

 

「アンゲロニアさん、おはようございます。」

 

「アンスリウムさん、おはようございます…ですぅ」

 

三人は集合場所に集まっていた。

 

今日の日程は

筆記試験と簡易的な体力テストである。

受験者が膨大であるため会場収容人数を大幅に超過するため

数日間にブロックごとに分けランダム抽選で

筆記と体力テストが午前と午後1時間ごとに入れ替わり

12時の昼食時間帯を除いた各1時限目から8時限目(8時から16時)

1次試験中は原則受験番号での呼称となる。

 

三人は初日組ではあったものの

筆記以外は受験時間帯は別であった。

 

アンスリウムは、試験会場に入り筆記試験に回答をしていった。

(あんまり自信ないのよね、埋めるだけ埋めますかね)

 

試験終了後

 

 

「60分で100問解けって…設問者、頭おかしすぎるわ!

 ギリギリ間に合ったけど…」

 

「アンスリウムさんもそう思う?私も結局全部回答したけど」

 

「アンちゃんも全部埋めたけど過酷だったですぅ…」

 

※後に20問正解すれば1次試験通過ラインという事実を知ることになるが

この時の三バカは知る由もない。

 

昼食後の三人は別行動を取ることになった。

 

「私は8時限目か…最後の方よね?もの凄く暇ね…」

アンスリウムは暇を持て余していた。

 

「ん?鳴き声が聞こえるわね…ちょっと行ってみようかしら?」

声の方角を辿って行くと女の子に出会った。

 

「どうしたの?」

 

「おねぇちゃん…ママと…ママとはぐれっちゃったのーー!」

 

「一緒に探してあげるから泣かないでよ…」

そう言うと女の子の頭を優しく撫でた。

 

「あ…ありがとう!おねえちゃん!」

 

特徴を確認してしばらく探索するとその子の母親を見つけた。

 

「ママー!」「どこ行ってたのーー?ヨシヨシ」

無事に再会果たせたようで、アンスリウムは安心した。

 

「みちわかんなくなってて、このおねえちゃんがたすけてくれたの!!」

 

「ありがとうございます。失礼ですがお名前は?」

 

「名乗るほどのものじゃないわ!じゃーね!」

というと姿を消した。

 

「え?つむじ…風」

 

 

「ブロッサムヒルって結構トラブル多いのかな?

 どうせ暇だし!適当にお節介焼いちゃおうかしら?」

軽いノリでアンスリウムはブロッサムヒルで暇つぶしをする事になった。

 

こうしてブロッサムヒル王都各地でつむじ風から出てきた、少女が助けまわるという

謎の怪奇現象が確認され、現地の当直花騎士を含め住人は困惑した。

 

ブロッサムヒル七不思議のひとつ

妖怪「つむじ風」として胡散臭い都市伝説化することになったのであった。

 

 

その日の夕方

 

「助かりましたー!もしかして?

 あなたが妖怪さん?私は花騎士騎士学校所属のセントポーリアって言います!」

 

「妖怪?何それ?

 私はトライアウトを受けにきて暇だったからちょっとお節介焼いただけよ!」

 そろそろ受験時間みたいだから!じゃーね!」

というと、つむじ風を残し姿を消した。

 

「あらら?せっかちな妖怪さんですねー!」

 

試験会場に到着したアンスリウムは体力テストを受けた!

 

「…以上!今呼ばれた者は申し訳ないが、不合格とします!

 もし次回に受験機会あるなら出直して来てください!」

 

1次試験の合格者がその場で発表され、アンスリウムは無事合格した!

不合格者を一斉に退場させた後、合格者は別室に集められた。

 

「2次試験は国境越えだ!

 ルールを説明する!

 ランダムに転送された地域から首都まで越境してもらう。

 使用できるのは、基本装備と人力の乗り物のみ

 魔道具もしくは人力以外の動力を使用した乗り物を使用した場合失格とし、

 1次試験の点数を全て没収する。

 転送される地域は原則隣国の国境付近になるが、

 過去にはブロッサムヒルのみ帰還可という条件で、

 バナナオーシャンから足漕ぎスワンボート、

 ベルガモットバレーからウィンターローズ経由を乗り物無し自力で走破、

 という内容で短期完走した猛者もいるらしい!

 今回は国境封鎖の関係で極端な遠距離はないと思うが

 それくらいの悪条件で完走したなら、どの国の騎士団も喜んで歓迎するだろう!

 試験は二週間後。各国への到着期限は試験開始後一週間。

 それ以外の詳細は試験当日に説明する予定だ。

 諸君の健闘に期待している。以上!解散!」

 

(乗り物無しの自力って…これK団長しかいない…わね、

 第一回のトライアウトは、リリィウッドの西側に転送された人多数、

 当時は一定の地点通過だけでなく、地元固有のお題クリア必須、

 歴代屈指の超絶鬼畜難易度と呼ばれて、20人程の完走者は全員

 最終審査まで合格って年ね)

 

レインリリーとアンゲロニアも1次試験通過したという連絡も入り

アンスリウムは、2次試験対策に追われることになる。

 

二週間後、ブロッサムヒル某所

「試験の詳細を説明する、試験開始時間になり次第、まずは転移魔方陣で

 現地に行ってもらう!付近に設置してある宝箱から今から配布する認証キーで開錠し

 地図の指示に従い各国家の首都を目指してもらう!

 繰り返しになるが移動時に使用できるのは、基本装備と人力の乗り物のみ

 試験時間は今日から一週間。地図上の国家の国境線を1mmでも超えればゴール判定となる

 各自のリュックサックについた生体認証型チップでどこにいるか補足できるからな

 無論、リュックサックが生死判定なので

 失くしても失格だから取り扱いに注意する事、くれぐれも不正行為は行わないようにな。

 諸君のご武運を祈る!以上だ!」

 

試験開始時間となり、アンスリウムの順番になると転移魔方陣へ飛び込んだ!

 

「ん?ここはどこだろ?まずは宝箱ね」

 

周囲を見渡すと小箱を見つけ認証キーを近づけると音がして開錠した。

中には地図と説明書が入っていた。

 

「なになに?全部で三か所のチェックポイントに

 認証キーで開けれる宝箱があるからアイテムを回収する事

 これがチェックポイント通過の証である…ね

 模擬の指令書ってところかしら?」

 

説明書と認証キーをリュックにしまうと地図に目を通した

「ここは…ってウインターローズ??!!ウインターローズから

 リリィウッドの森経由でゴールがブロッサムヒルか…

 どおりで見た事ある風景だと思った…上空からだけど。」

周囲を見渡すと辺り一面は銀世界だった。

 

「寒いはずだけど、それほどって感じ。

 ここから近いのは、ウインターローズ内のチェックポイントかな?」

アンスリウムは地図を頼りにチェックポイントを目指した。

その後順調に3つのチェックポイントを通過してアイテムを回収し5日が経過した。

 

 

「残りあと半日か…もうすぐブロッサムヒルへの国境ね」

アンスリウムの試験も終盤に差し掛かりブロッサムヒルへは目と鼻の先

と思っていた。

「ん?んん?ここ?さっきと同じ場所だよね…」

 

3時間後 

 

明らかにループしている感じだった。

異変はそれだけでなく体調にも変化があり、疲れやすくなっていた

「よくわかんないけど、ヤバいわね…」

 

さらに2時間後

 

禍々しい気配を漂った石の欠片をみつけた

「なんなのよ力が抜ける感覚…早く離れなきゃ!」

 

(瘴気のレベルが大幅に超えたため対象物から主を保護、

リュック内に対象物を取り込み、リュック内の小箱へ封印・隔離します。)

というとリュックは欠片を取り込んだ!

 

「リュックがしゃべった??!!」

 

よく見るとただのぬいぐるみに戻っていた。

「な訳ないよね…私疲れてるのかもね」

 

無情にも時間だけが経過し残り1時間となり

アンスリウムに焦りの色が見え始めた。

「早くここから出る方法探らなきゃ!」

その時害虫の気配がした

振り向くと今まで見たこともない色をしていた。

 

「現れたわね!」

いつもの感覚で攻撃した!

 

「手ごたえがなかったし気づかれた!」

 

「GYRRRR…」

 

 

「そんな攻撃かわして・・!!!」

害虫の攻撃が掠めたと同時にアンスリウムに未経験の痛みが走った

 

「ぐはっ!!」

 

「毒でも何でもないのに掠めただけでシャレにならない…

 カハッ…ゲホッ!ゲホッ!」

思わず吐血した。

 

「絶対にまけて…たまるもんですか!!ゴホッ!ゴホッ!!」

 

害虫が禍々しい気配を増大させるとスキルを発動し

頭と胸に即死級連撃!

アンスリウムは即死してしまった!

 

(ありえなす…ぎ‥る…わ………)

アンスリウムは目の前が真っ暗になった…・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

某所より

 

「あーあ、やっぱり死んじゃったか~。

 絶対先攻にどこでも触れただけで急所判定で

 必中必殺のクソチートのスキルなら誰でも死んじゃうよね!」

 

「…」

 

「魂だけじゃ何も話せないよね!ちょっと待っててね!

 白の神龍センティアの名において、アンスリウムに再度挑戦の機会を」

というとアンスリウムの肉体は復元した。

そしてどこからかやってきたリュックサックが来たので、反射的に装備した。

 

「ここはどこ?あなた?だれ?リュックサックが来たんだけど?」

 

「アタシはセンティア!全ての花騎士を管理してる、一応神様の管理職でっす!

 ちなみにここはアタシのプライベート兼ゲスト空間でっす。

 リュックサックが来たのは、

 オール・ド・サフランのカスタマイズリュック標準装備の機能らしいよ!

 話し戻すけど、

 K団長のこと…、

 歴史振り返ったら偽名盛り沢山なんでアイツって呼ぶね。

 アタシの依り代が女王代行やってんだけど、職務めんどくせぇー!

 毎日、毎日、花騎士の苦情や陳情が山のようにブロッサムヒルに届いて!

 大臣や各国の騎士団長が余計な事ばかり強欲に押し付けてきやがって!

 ムキーーー!血圧が上がってストレスマッハでハゲそう!!」 

 

「センティアさん…落ち着いてください」

 

 

「アンスリウムちゃんごめんね!ちょっと取り乱しちゃったね。

 アタシもアイツの相方の一人なんだけどね。

 あいつが叙任した当時のトライアウトってさ、

 運営の私怨ぶっこみまくりで気に入らない奴は全員辺境にぶっ飛ばされてさ…

 あいつもベルガモットバレーの地図でも視認できないくらい最果てに飛ばされちゃって!

 試験に不備があるからって虚偽の報告されてさ…、何度もリトライで…

 結局5日で全国の地点通過とお題フルコンプリートのグランドスラム叩きつけて

 システム上、ベルガモットバレーとウインターローズだけの判定で

 アイツそれ以上追求しなかったからさ!公平性の観点で黙っとこうと思ってたんだけど

 翌日に各国から抗議の国書やら来賓クラスの遺憾の意を示すお手紙が

 大量に来てさ…その対応がすごーく大変だった記憶あるね。

 それで女王として混乱を招いた関係者を厳罰に処したわ。

 内心で、奴ら!ホントざまぁ(笑)って感じ!!」

 

「苦労してるのね…」

 

「愚痴聞いてもらっちゃう感じでごめんね。

 ここに来れる人が年々減っちゃってさ…その代わり秘め事ばかり増えちゃってさ…

 誰にも言えない気持ちを聞いて欲しい事がたくさん出てくるのさね…

 色々聞いてもらいたい事あるけど下界が大変だから早速本題に入るね!

 現在、アンスリウムちゃんのいるところは、

 別次元の座標になってて、妨害てんこ盛りで直接干渉できないからさぁ!

 アイツの弟子なら…チャチャっと結界を構成してると思う。

 禍々しい気配のする要石破壊して欲しいのでっす!

 それが出来れば座標が正常になって、そっちに援護行かせられるからさぁ!

 害虫へのチート級付与も解除されて通常討伐が可能になるだろうし、

 万が一の時に備えてヘリアンサスちゃんクラスの部隊に対抗武器を配備してるしね。

 それまで要所の害虫だけでもやっつけてよ!すげーめんどくさいし!

 巣ごと壊滅させろとは言わないし!もし花騎士の援護来るまで

 足止め出来たらトライアウトの合格証明書も発行するから!ね!」

 

「あの、何とかしたくても、速攻で死んじゃったんだけど・・・」

 

「ヘリデリフォは何も対策しなかったの??・・

 (アンスリウムの魂からリプレイチェック中)あっ!そっか!

 害虫のレベルが高すぎる上に害虫への攻撃は属性弱点以外の威力が大幅減衰して、

 害虫は時間経過でHP80%回復

 花騎士側の攻撃は

 反撃系・回避&迎撃系・追撃系・クリティカル系とデバフ系・回復&吸収系の実質上無効

 でこの害虫に対しては全く効果なし。

 討伐に少しでもモタついたら、あのクソチートスキル発動するかぁ!

 しかも害虫の属性が黒!確かに今のアンスリウムちゃんじゃ太刀打ちできないね!

 だからワザと死なせたのかもね!

 一度戦闘不能にならないと発動しないタイプならそだね!

 既にアビリティ発動してるみたいだし!HP保護と防壁か…なるほど!

 じゃ!アタシが一時的に白属性付与しまーす!

 ついでに火力不足だから攻バフ盛った方がいいね!そのためには

 花言葉をデフォルトの白以外に一時的に赤とピンクと緑も生やして…

 パパパーン!…ハイ!色々付与したよ!」

 

「ん?何も変わってるように見えないんだけど?」

 

「アンスリウムちゃんノリ悪いね!アタシがかかってると言えば、かかってるの!

 というのは冗談で…ここではアタシの気が充満してるから見えないだけでっす!」

 

「ありがとうございます。ん??」

 

「さっさと行きなよ!アタシも忙しいんだから!

 感情が昂ればこことの接続は解除されるよ!」

 

「??戻れそうもないんだけど」

 

「あー!ある一言をかければここから出れるはずってアイツは言ってたね!

 今日もアタシとアタシの身内と一緒に裏で公務とか事務作業してる

 アイツに伝言頼まれてたから今言うね!」

 

 

 

「アンスリウム!このまま負けて

 ハイビスカスにレッドジンジャー独占させてもいいのか?」

という一言を言った瞬間アンスリウムの心が燃え上がった!

 

 

 

 

「今…、何つった…ブチッ!!(何かが切れた音)

 そうよ…すべてがあれから始まったのよ…

 幼い頃からいつもいつも地味に嫌がらせばかり…

 あの試験の時もそうだった…こんな事になったのはあいつのせいよ!

 絶対許さないんだから!!!!!」

アンスリウムは激昂し、一時の間努力の鬼から、怒力の鬼に進化した!!

怒りで爆発した体内エネルギーに世界花の加護が感化され、本来の花言葉を一時的に上書き、

髪の毛が赤く染まり、服装にピンクと緑のアクセントがついた服装に変化した。

 

「膨大なエネルギーの奔流…流石アイツの弟子!やればできるじゃん!

 アタシの仕事はここまで!

 次は正規のルートで会えることを期待してるね!えへへっ!」

 

センティアがそう言うと、一瞬でアンスリウムは現実に返った

 

「どきなさい!害虫!」

先ほど攻撃してきた害虫を一薙ぎで一蹴、爆発四散した。

 

「思ったよりあっさり倒せたわね…これがセンティアさんの付与か

 …って明らかにやりすぎよーーー!!

 でも緊急事態だし、向こうから人の気配と禍々しい気配を感じるわ!待っててね!」

アンスリウムは気配のする方向へ疾走した。

 

 

「なんなのよ…これ…」

おぞましい情景が広がっていた。

腐臭が一帯に充満し、害虫との戦闘中に加護を失った者の末路なのか。

五体不満足で部位欠損、息絶えた者、白骨化したものと至る所に骨が散乱し

並の神経では発狂もしくは気絶してしまう状況だった。

 

「「アンスリウムさん!」」

レインリリーとアンゲロニア達含む生存者もいた

 

「一体どうしたの?イメチェン??」

 

「アンスリウムさん、カッコいいですぅ」

 

「一応…無事みたいね!」

 

この状況を抜けるためにアンスリウムはある決断をする

 

「わたしが隙を作るから、ゴール付近にいる花騎士に救援要請して!」

 

「アンスリウムさんが危険じゃない!」

 

「大丈夫!しばらくこいつらを足止めするくらいはできるはずだから!」

 

「だってですぅ・・・」

 

「私をこれ以上怒らせないで頂戴!!!!いくわよ!!!」

そう言い切ると、禍々しい気配に方向へ向くと

 

「(障害物は)どぉ!!きぃ!!なぁ!!さぁ!!い゛ぃぃぃ!!」

スキルを発動させた!

 

アンスリウムが森の一部分を攻撃すると

禍々しい結界を構成していたと思われる、要石が一瞬で破壊、結界が消滅した。

さらに槍の風圧で森の木々が粉々に吹き飛び、台風一過の如く

一帯の地面がむき出しとなり、国境まで一筋の道ができた。

 

「危ないからさっさといきなさい!!ゴールはもうすぐのはずよ!!

 自力で歩ける人はレインリリーさんやアンゲロニアさんについていって!!はやく!」

 

レインリリーとアンゲロニア達を一瞥すると

 

「わたしが相手よ!かかってきなさい!」

と害虫を挑発した。

 

「こんな事をした奴は絶対許さないんだから!!!!!!」

アンスリウムは激しく怒り、ありえない勢いで害虫を討伐していった。

 

 

 

40分後

 

 

「ハァ…ハァ…いくらなんでも…多すぎじゃない…」

「このままじゃ間に合わない…」

時計を見ながらアンスリウムはそう言った。

 

遠くから聞き覚えのある声がした・

「グルグルするのぉ!!!」

と掛け声と同時に目の前の害虫が吹き飛んで肉塊と化した。

 

「ウサギゴケさん!?」

 

「アンスリウムさん!発見おくれてごめんなさいなの!」

 

すぐにヘリアンサスもやってきた。

 

「試験続行中にアンスリウムに触れたら試験失格になってしまう為

 遠くから観察してて害虫察知が遅れた、すまぬ。

 現在試験担当の花騎士が監視してるからな・・・

 そのリュックサックに例の自転車が入っているはずだよ。

 そこにいる大型害虫に全力をぶつけてその反動を利用するのだ!

 害虫討伐自体が試験じゃないしね。

 壊れても構わないくらい思いっきりやっちゃってかまわないよ!

 恐らくそうでもしないと絶対間に合わんからね。」

 

「アンスリウムさん!急ぐのです!」

 

「わかったわ!」

 

(こんなに小さくて可愛らしいリュックサックからホントに出てきたわね…)

と一瞬思ったが、緊急事態なのであまり気にも留めずに自転車に乗り害虫めがけて

突進した!

 

「ぜーったいに(試験に)まけないんだからーーー!!!!」

全力で漕いで害虫にぶつかるとその反動でゴールめがけてアンスリウムごと

自転車が吹っ飛んだ!

 

「きゃああああ!!」

アンスリウムは盛大に吹き飛び。ゴール方面へ消えていった。

 

「おお!派手に飛んだねぇ、ハハハh…」

 

「笑ってないで、さっさとK団長から預かったスクロールで応援呼ぶの!」

 

「ウサギゴケ!わかってるよ!

 さぁ!野郎ども!ここからはアタシの祭りだよ!出ておいで!」

 

スクロールを複数発動させると、ヘリアンサス直轄の義勇軍が姿を現した。

「祭り(殲滅)と聞いてやってきたぜ!」「姉御に喧嘩を売るとはいい度胸してるな!」

「根こそぎぶっ殺してやる!」「今まで生きてきた事を後悔させてあげますわ!」

 

「アンスリウムに負けないくらい派手にやるよ!!野郎ども!」

 

「「「「おおおおおおおお!!」」」」

 

こうして事態はすぐに終息した。

 

 

 

一方アンスリウムはというと、瞬く間にゴール地点を通過した。

しかし…。

 

「ゴールライン超えたけど、これどうやってとまるのよ!!!

 このままだと城壁にぶつかっちゃう!」

 

そこにツインテールの花騎士らしき人物が駆けつけこう言った。

 

「御友人を窮地を助け、率先して害虫の足止めをするとは、

 なかなか根性があるじゃないですか。

 その行為に私は誠意をもって応えましょう…はあああ!!」

 

飛んできた自転車ごとアンスリウムを素手で静止させた。

 

「た、助かった…」

アンスリウムは安堵した。

 

「もしかして…あなたが、あのデンドロビウムさん…ガクッ…」

アンスリウムは疲労が極限に達し気絶した。

そして元の姿に戻り、付与関連も時間と共に消滅した。

 

 

 

 

 

後日、今回の害虫発生事件の顛末について聴取があった。

 

「私はサクラといいます。早速だけど話を聞かせてもらえるかしら?」

 

アンスリウムは記憶が曖昧なセンティアに遭遇した事はぼかして

それ以外の事の顛末を詳細に話した。

 

「なるほど、そういう事だったわけね」

サクラはそう言った。

 

(結構人数いるけど事情聴取なのよね?)

とアンスリウムは思っていた。

 

「どうしてアンスリウムさんは無茶をしちゃったのかしら?

 この状況なら害虫を放置してもやむを得ない感じよ?」

 

「私は、全部独りで何でもできると勘違いしてました。

 K団長を通して様々な人との関りを通して

 人との繋がり、そして騎士学校受験生として

 この理不尽な状況に負けたくないと思いました。

 親友を助けるためにした、私自身のこの行為に後悔は微塵もありません。

 処分は甘んじて受けます。」

 

(これだけプレッシャーをかけている口頭試験のはずなのに整然と構えていて、

なんて胆力の持ち主かしら?…

50年前に主席団長として卒業したとされるK団長と同じくらいの情熱を感じるわ…)

 

「アンスリウムさんの処遇に関しては、今から審議して書面で交付するわ。

 そんなに時間が掛からないと思うから、しばらく待っててね。」

 

「わかりました」

 

アンスリウムはそう言って退出した。

 

(書面って一体どういう事かしら?口頭で処分するなら即できるはずなのに。

 しかも今から審議って、訳が分からないわ。) 

 

約1時間後、審議が終わったのか続々と大勢の人が退出した。

再び入室すると二人の女性がいた。

 

「ちょっと長引いちゃったわね。ごめんなさいね」

とサクラが謝った。

 

「書面を読みあげるわね!」

 

 

「アンスリウム殿

 貴殿が優秀な成績で現地適正審査に合格した事をここに証明する。

 所定の手続き完了後、〇月×日に騎士学校へ登校する事!」

 

さらに詳しく見るとブロッサムヒル女王の署名と玉璽らしきものが押印してあった。

サクラが読み終わるとアンスリウムに手渡した。

 

「これはブロッサムヒル現女王の直筆で全文が書かれた

 正規の書類だから失くさないようにね」

 

「女王様直筆の書類?!え?えっっ?!?!」

(センティアさんの話本当だったの!?)

 

「ちなみに優秀な成績というのは、首席合格ってことですよ!」

 

もう一人の女性が回答した。

 

「あなたはいったい」

 

「申し遅れました!ブロッサムヒルの騎士団長補佐ナズナです!

 よろしくお願いします!」

 

「よろしくお願いします」

 

「ナズナさんはブロッサムヒル女王様から

 新人花騎士の人事も委託されていて、

 特殊装備の合成と錬成できるこの世に二人しかいない汎用錬金術師よ!

 私は今年の主任担当教官なので、アンスリウムさんは

 首席合格者としての自覚をもって行動してくれると助かるわ!」

 

サクラはそう締めくくった!

 

「ささっ!アンスリウムさんついて、詳しいお話を根掘り葉掘り聞きたいですし、

 別室に案内するので!その耳飾りもついでに、とっとと合成しちゃいましょう!」

 とナズナの目が輝いていた。

 

 

「その状態になったナズナさんは誰もとめられないので頑張ってね!」

 

「ええっ?そんなー!」

 

 

 

 

 

紆余曲折あったもののアンスリウムの花騎士としての人生が始まろうとしていた。

 

 




最後までお読みいただきありがとうございます。

これにて完結となります。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。

文字数が後半に増えてしまい、短期連載のつもりが
長時間更新がストップしてしまい申し訳ありませんでした。
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