今回、オリ主はほとんど出ません。幼少組の会話パートメインです。
町の片隅でひっそりと営業している佐山雑貨店。学生……とりわけ女学生達の間では人気の店となっている。それは、店主がとても優しいおばあさんだからでもあるし、商品が好みでもあるし、だらだらと話せるスペースがあるからでもあるし、最近謎の美青年がバイトしだした事でもあり、女生徒達の足は必然的にこの店へと向けられるようになっていた。
そんな佐山雑貨店に女生徒達と同じように常連となった小学生グループがあった。もっとも、その子達の目的は雑貨や文房具ではなく、自分達の慕う“お兄さん”に会いに来る事であったが。
「美少女参上!」
やって来たのはグループのリーダーのような立場の女の子だった。彼女はキョロキョロと店内を見渡すと、商品棚の前で品物の並べ替えを行っている人物に声をかけた。
「こんにちは、おばば様。……神崎さんは?」
女の子の挨拶に、店主である織江も笑顔で返事をする。
「こんにちは百代さん。亮真さんには用事をお願いしたから今出ているの。多分戻ってくるまでそんなに時間はかからないと思うけれど」
「……そうですか」
つまらなそうに頬を膨らませる百代に、織江は口元に手を当てながら上品に笑う。
「あらあら、大好きなお兄さんがいなくて寂しいのね」
「は、はあ~!? な、何を言ってるんですかおばば様! 私はただ……!」
「うふふ、おばあさんにはわかっていますよ。さ、お友達はもうみんな揃っています。早く行ってあげなさい」
「むう~……。まあいい。それじゃお邪魔します」
そう言って百代は店奥……以前まで使用していた雑談用の座席を通り過ぎ、店に併設されている居住スペースに足を踏み入れた。これはグループの人数が増えた事と、そもそも座席は他の客も使用するためいつも使えるわけでは無い事もあったので、織江の厚意で居間を借りるようになったのだ。もちろん、迷惑をかけない事前提ではある。
靴を脱ぎ、ふすまを開けると、そこにはいつものメンバーが集結していた。
「あ、百代ちゃんだ~」
「こんにちは百代さん」
「遅かったなパイセン。今日は妹は?」
「ワン子は今日一日中ルー師範と鍛錬だ。で、遅れた理由は出る前にジジイに捕まったから。あー、走って来たからのどが渇いた。準、お茶」
「俺かよ!? ……まあいいや。ちょっと待って……」
「はい、どうぞ」
仕方なく立ち上がろうとした準だったが、その前に一人の女の子が百代にお茶を差し出した。
「おお、さすがだな京!」
「私、出来る女なんで」
一気にお茶を飲み干す百代を眺めながら、虚空に向かって京はVサインをした。偶然から百代達との出会いを果たした彼女がこの場所に通うようになって既に数週間が経過していた。
京を苛んでいたイジメは転校という手段を以て終焉を向かえ、両親の離婚が成立し、父親に引き取られた彼女は隣接する県の小学校へ通っている。
それに伴い、引っ越しも行ったのだが、それならばなぜ遠く離れた場所に家のある京がここにいるのか。それは彼女が望んだ事だった。即ち、せっかく出来た友達とこのまま別れたくないと。娘の事情を知っていながら無視していた負い目のある父親はそれを承諾し、学校の終わる毎週金曜日に娘を近くまで送り届ける役を担っている。
また織江も、日帰りでは父親の負担が大きいだろうと、せっかくならば連休中は泊っていけばいいと京の宿泊場所に自宅を提供。
最初の方こそ緊張していた京だったが……
「そうだ、さっきおばば様から聞いたけど、神崎さん外出中だって?」
「うん。最初はおばあちゃまが行くつもりだったけど、自分が行ってくるって兄様が」
母親と違いたっぷり甘えさせてくれるおばあさんと、優しく遊び相手になってくれるお兄さんと過ごしている間に、今ではすっかり二人に懐いており、それは両者の呼び方にも表れていた。
「私もついて行こうとしたけど、せっかく一週間ぶりに友達と会えるんだから遊んでなさいって」
「……まあ、あの人ならそう言うだろうな」
「兄様の優しさは嬉しい。それに、夫の帰りを待つのは妻の役目だし」
ポッと両頬に手を当てながらクネクネと動く京。小学生にしてはませた発言ではあるが、これが冗談でも何でもない事はここにいるメンバーはこの数週間で理解してしまっていた。
「まさか、京がこんな性格だったとは思わなかったなぁ。ここに初めて連れて来た時はもっと大人しそうだと思ったんだがな」
「それだけ追い込まれていたという事ですよ。こうして自分を曝け出してもらえるのは嬉しい事ではないですか」
「だな。……まあ、あそこまではっちゃけた真似をするとは思ってなかったけど」
そう言って準が回想するのは。転校の手続きが完了し明後日には引っ越すとなった日の事であった。その日、子ども達だけで集まった場所で京はある計画を語った。
「実は、明日学校に行ってこようと思う」
最早行く価値の無い場所へわざわざ向かうという京に全員が怪訝な表情を浮かべる。
「おいおい、今更あんなところに何の用だよ」
「実は、とっても面白い話を聞いた。……私が登校しなくなった後、私を自殺させる会とかいうのが出来たとか」
「……何と愚かな」
「あはは~、ここまで来ると気持ち悪いね~」
「なんだ、殴りこむつもりか? それなら私も付き合うぞ京」
それぞれに怒りと気遣いを見せる友達の様子に、京は微笑む。こうやって自分を大切に思ってくれる人達が出来た事が少女はただただ嬉かった。
「みんなと出会えて、私は本当に救われた。けど、それと同時に、何であんな連中にビクビクしていたんだろうって思ったの。だから、あいつ等全員捨てるのと同時に、弱い自分も捨てたいの」
「お前……」
「それが京さんの決意ならば、私は応援しますよ。ですが、具体的にどうされるつもりですか?」
「あいつ等は私に自殺させたいって思ってる。……だったら望み通り自殺してやろうって」
「はあっ!? お前何をっ……。いや、待てよ。まさかお前……」
京のとんでもない発言に目を見開く準だったが、次の瞬間その真意に気づいた。
「うん、準が思っている通り」
「うわぁ……マジか。そりゃ下手したら連中トラウマになるぞ」
「あんな連中どうなろうと知った事じゃない」
「? ねぇねぇ、どういう事?」
「つまりですねユキ。京さんは……」
疑問符を浮かべる小雪に冬馬は説明する。京はクラスメイト達に自分が自殺したと思わせる事にしたのだと。それが望みなら叶えてやろうと言っているのだ。
「既に校長には説明役を頼んである。イジメの事教育委員会に黙っててやるって言ったら快く引き受けてくれた」
こういう時は担任ではないかと思われるが、いじめを把握していながら対応しなかったとして処分されている。ちなみにクラスメイト達には急病の為と偽って伝えてある。
「今更あいつ等が反省するとは思わない。多分責任のなすりつけあいをするはず。そうなったら教室に入ってやるんだ」
「え、ネタバレすんの?」
「で、私を見てあいつ等はホッとする。そして今の今まで誰が悪いとか言っていたくせにきっと私に言うんだ。「何で死んでないんだよ」「早く死ねよ」って。だから私もこう言ってやるの……」
そして当日、まさに京の言う通りの状況を向かえた所で、京は黒板を思い切り叩いた。今まで何を言われても決して反抗せずに俯いてばかりだった彼女しか知らないクラスメイト達はその行動と音に一瞬だけたじろぐ。しかし再び罵倒しようと口を開こうとしたが……。
―――お前らが死ねよ。
最早無価値な存在と成り果てた目の前のクラスメイト達。そんな彼等にいい様に弄ばれていた弱い自分と決別するため、京はひたすら冷たく、ありったけの殺気を込めてそう言い放った。
幼いながらも父から弓術という武を厳しく叩き込まれた少女の殺気に、イジメなどという卑怯な真似を楽しんでいた人間が耐えられるわけもなく、教室内は椅子から転げ落ちたり失禁したりする者が後を絶たない。
そして、一人の少女を全員で追い詰めようとした場面を直接目の当たりにして絶句する校長を一瞥し、用事は済んだとばかりに京は教室を出て行くのだった。
―――直後、その後を追って一人の少年が教室を飛び出し、今まで見て見ぬふりをし、ここまで何もしなかった事を謝罪したが、それが京に届くことはなかった。
「……いやあ、自業自得とはいえやっぱりドン引きだわ」
「言葉というのは簡単に人を傷つけます。私達も気を付けないといけませんね」
「は~い!」
「小雪は可愛いなぁ。どれ、お姉さんが撫でてやろう」
それぞれに感想をあげつつ、話題はすぐにべつの事柄に移った。……もしも少年がもっと早く行動していれば……もしも京が小雪達と出会わなければ、……もしも、二人のイレギュラーが存在していなければ、京が少年の手を取る未来もあったかもしれない。ほんの少しの歯車の狂いが、少女と少年の運命を変えてしまったのだった。
「それより、そろそろ夏休みだけど、お前達何か予定あるのか?」
百代の問いかけに四人の目が輝く。同年代より少し……いや、大分大人びている彼ら彼女らでもやはり夏休みの前では年相応の反応を見せるのだった。
「そうですね。私や準が今のところ思い浮かぶのは病院関係者が招かれるパーティーに出席する事ですかね」
「おっと若、今回はユキも一緒だぞ」
「え、そうなの? 美味しいもの食べられる?」
「ええ。きっとユキにも満足いただけると思いますよ」
「ウェ~イ! ねえねえ準。マシュマロは? ボク、マシュマロタワーが見たいな~」
「そんなふにゃふにゃタワー絶対登りたくねえなぁ」
大量のマシュマロを見上げる自分をイメージする小雪と、それが倒れてくる想像を浮かべる準であった。
「うーん、私は川神院でひたすら修業かなぁ。……いや待て。こんな美少女の夏休みが修業だけで終わるっておかしくないか」
大量の汗を流しながら鍛錬するゴリゴリの修行僧達の横で、同じく汗を流しながら鍛錬する己の姿に頭を振る百代。
「外出許可は出ないの?」
「いや、数日は大丈夫だったはずだ。……仕方ない、ここは神崎さんに海にでも連れて行ってもらうしかないな!」
ボンッ! キュッ! ボンッ! な自分(妄想)と“お兄さん”が波打ち際ではしゃぐ姿を思い浮かべた百代は密かに悶えた。
「百代ちゃんだけずるい! ボクも! ボクもお兄さんとお出かけしたい!」
「そういう事でしたら私達もぜひ参加したいものですね」
「それなら、いっその事織江ばーさんも巻き込んじまいましょうよ若」
「よし決まりだな。後でおばば様に相談しよう」
「了解。……ところで、京ちゃん。さっきから黙ったまんまだけどどうかしたの?」
「もしや、何かご予定が?」
何か遠慮でもしているのかと、全員の視線が京に集中するが、当の本人は涼しい顔でそれを否定した
「ううん。大丈夫。夏休みの間は
「なんだ、そうなの……か……」
なら問題ないなと続けようとした百代の口が固まる。
「ずっと? え、夏休みが終わるまでここで暮らすのか?」
「すでにおばあちゃまに許可は貰ってる。ぶい」
「お~。じゃあ予定がない日は毎日でも遊べるね~」
「待て待て、そうじゃないぞ小雪。おい京、それってつまり……」
「むふふ、一ヶ月以上兄様と一つ屋根の下なのです」
ドギャアァァァァァァンとポーズを決めながらドヤ顔を見せる京。
(や、やられた! こいつ、最初からそのつもりで……!)
「朝は兄様と一緒にラジオ体操をして、昼は兄様と一緒に店番をして、夜は一緒の布団で寝る。そしてあわよくば一緒にお風呂に入る。こうして毎日アピールし続ければ、夏休みが終わる頃にはきっと兄様も私に夢中……。あ、ダメ兄様。みんなが見てる……」
「……相変わらず大した妄想力だな」
「準、想像力は人を成長させますよ」
「想像力と妄想力は似て非なるものだと思いますがねぇ若」
少しばかり危ない表情を浮かべる京を見て引き気味な準と、素直に称賛してしまう冬馬。そこへ小雪が割って入る。
「ず、ずるい! ずるいよ京ちゃん!」
「ずるくない。作戦と言ってほしい」
「む~……ふ、ふん。いいもん。ボクだってお兄さんと寝た事あるもん!」
「ファッ!? こ、こらユキ! なんてはしたない事を言うんですかお前はぁ!」
つ〇まるキャラみたいに噴き出す準に、小雪はただ首を傾げる。
「? よくわかんないけどホントの事だもん。この前一緒に河原をお散歩した時に気持よさそうだからって土手で横になったんだけど、ボク途中で寝ちゃったんだ。えへへ、お兄さんの膝枕気持ちよかったなぁ。……それに、お昼寝仲間も出来たしね~」
「お昼寝仲間?」
「うん。ボクがお兄さんに膝枕してもらってたら、どこからか女の子がふらふら~ってやって来て、そのまま反対の膝にポテリって頭を乗せたと思ったらすぐに寝ちゃったの」
「それは……なんとも不思議な方ですね」
「つーか、大将もよく起こさなかったな」
「なんかあまりにも気持ちよさそうに寝てて起こすのが悪いからって。……あ、そういえばその後もう一人男の子がボク達から少し離れた所に座ってボーっと川を見てたっけ。なんかひどく落ち込んでた感じだったよ。なんとなーくどこかで見覚えのある子だった気がするなぁ」
「おいおい、まさかそいつまで膝枕したってか?」
「むふふ、お兄さんの膝は死守したもんね。でも、お兄さんは何か話しかけてたよ。男の子の方も……確かお父さんの教えがどうとか自分のやり方がどうとか言ってた気がするけど、なんか難しそうな話だったからボク途中で寝ちゃったんだ。で、目が覚めたら男の子はいなくなってた。女の子の方もボクが起きて少ししてから目を覚まして、「気持ち良く寝れたよ~。また膝枕してね~」って帰っちゃった。だから結局名前は聞けなかったんだ」
「兄様の膝枕……羨ましい」
「……ふん。節操のない人だな」
自分もやってもらいたいと口にする京と、どことなく不満そうな百代。その様子を眺めながら準はそっと冬馬に耳打ちした。
「ユキや京はわかりやすいけど、パイセンも大概だよな。川神院じゃひたすら厳しく躾けられてるって聞いてるし、素直に甘えりゃいいのに」
「準、乙女心というのは複雑なのですよ」
「乙女心ねぇ。……そういや若、この前店に来たおねーさま方の事覚えてるか?」
「この前ですか? ふむ、このお店は女性の方が沢山来店されるのであなたの言うお姉様という方が誰なのか……」
「ほら、あの時俺が“鞭”が似合いそうだなってこっそり指さしたあの人だよ」
「……ああ! あの方ですか」
友人二人と来店したその女生徒は店内を見渡して残念そうに溜息を吐いたという。
―――今日はあの人はいないのか。
―――お~? なになに梅子。あのカッコいい店員さんに用があったの?
―――へえ、勉強と鞭術にしか興味の無いあの梅子がねぇ。
―――な、何を勘違いしている! 私はただ、この前ここに来た時に忘れ物をしたのをわざわざ追いかけて来てくれた事の礼を言おうとしただけだ。
―――ああ、最初ストーカーだと思って鞭でぶっ叩こうとしたんだっけ?
―――で、それを簡単に避けられて、アンタが呆気に取られている間に忘れ物渡して帰っていったんだったよね。
―――ッ~~~~! その話は止めろ! 第一、私はどちらかというと年下の方が……!
―――はいはい。
―――話を聞けぇ!
「……あの時、俺や若は微笑ましいねぇってそのやり取りを見てたけど、この三人、チベットスナギツネみたいな顔でおねーさま達に目を遣ってたよなぁ」
「実にシュールな光景でしたね。最も、神崎さんの人気はそれだけに留まりませんが」
「そりゃなあ……。そんじょそこらのアイドルなんか相手にならないくらいのイケメンで、俺達とのやり取りで優しくて面倒見がいい事も知られてるし。年頃のおねーさまには優良物件にしか見えねえだろうな」
「惜しむらくは……その人気に本人が一切気づいていない事ですね。今度父に鈍感に効く薬が無いか聞いてみましょうか」
おどけてみせる冬馬に対し、準は真剣な表情でそれを否定する。
「無駄だぜ若。ありゃ病気どころか呪いだから薬なんか効きゃしねえって」
「……それはそれで不憫だと思いますが」
「大将に惚れちまった人間は苦労すると思うぜ。ま、それを傍から見てニヤニヤするのも面白そうだが」
「おや、準は羨ましいとは思わないのですか?」
「あ? ん~~~そうだな。この前のおねーさまも相当な美人だったし、身内贔屓なしでユキ達も美少女だと思うけど……恋愛対象かって言われると違うんだよな」
「ふむ、ではあなたも年下の方が好みだと?」
「年下……う~ん、そうなのかな。なんかそれも違う様な」
「まあ、一般的に私達の年齢で恋愛対象について真剣に考える子は珍しいでしょうし、あなたも成長すればいずれ自覚する日も来るでしょう」
「だな。今は恋愛云々よりもこうして若達とつるんでる方が楽しいですし」
「ふふふ、そうですね。私もです」
「……ん!?」
友達との一時を大事にしようと冬馬と準が頷きあった直後、何かに気づいたようにピクリと体を動かす百代。
「どうしたの百代ちゃん?」
「神崎さんが帰って来そうな気がする」
「何でわかるんだよパイセン……」
「カン!」
そして数秒後、店の方から本当に“彼”の声が聞こえて来た。
「ただいま戻りました」
「お帰りなさい、亮真さん。あの子達、みんな揃っているわよ」
「そうですか。なら、ちょっと声だけかけてきますね」
足音が徐々にこちらに近づいて来る。そして、ふすまがゆっくりと開けられると、そこには子ども達の大好きな“お兄さん”の姿があった。
「やあ、みんないらっしゃい」
「ども、大将」
「お邪魔しています」
「お帰りなさい、お兄さん」
「兄様、お菓子にする? お茶にする? それとも……私?」
「この美少女を待たせるなんていい度胸ですね神崎さん」
一斉にしゃべりだす子ども達にただ微笑むお兄さん。帰宅して早々にごちゃごちゃと話しかけられているのに嫌な顔一つせずに応えてくれるその優しさが百代達には心地良かった。
「ありがとう、京ちゃん。じゃあお茶を淹れてもらっていいかな」
「任せて(……残念)」
「それと百代ちゃん。本当ならもう少し早く帰って来られたんだけど。途中でやけに足の速い男の子に捕まってしまったんだ。そのまま何故かかけっこ勝負する事になって気づいたらこんな時間に……」
「足の速い? ……そいつ、もしかしてバンダナしてました?」
「ああ。もしかして百代ちゃんの知り合いかい?」
「いや、私も前に一人で走り込みの最中にいきなり勝負を挑まれまして。身の程を教えてやろうと受けてやったんですけど、思ったより速くて中々面白いヤツだったと覚えてます」
「はは、なんだか風のような男の子だな」
「ねえねえお兄さん! ボク達夏休みの予定の事を話し合ってたんだ! それでね……!」
お兄さんの手を引っ張って自分達の輪に加える小雪。そうして、彼等はいつもの様に仲間同士の楽しい会話を時間が許す限り交えるのだった。
幼少期は夏休みで終わりです。それから一旦元の世界に戻り再度まじこいの世界にやって来て、成長した百代達に再会したところでひとまずの区切りにしようと思っています。
まじこい編が一段落したらD×Dを更新するとして、また番外編としてダンまち編とか書いても面白そうだな~とか思ってたりします。
あまりに多くの人に読まれた『鋼の救世主』が概念とでも呼ぶべきものに昇華して、それがダンまち世界に零れ落ちてベル君がそれを読んで「俺」という英雄に強く憧れていたらまさかの張本人が登場! みたいな展開で。まあ、序盤くらいしか知らないので俺達の戦いはこれからだエンドにしかならないと思いますが。