陸を走る娘と海を進む娘   作:モンターク

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大食いは怖い。



大食いは止まらない

その後、島風はバクシンオーのところに置かれ、他の練習場所をみている内に夜ご飯となった。

 

「はぁ…カフェテリアも広いですね…」

 

「うちの食堂より広いっぽい」

 

「ほう、一応取り放題なのか…」

 

吹雪、夕立、長門がそう言いつつよそっている。

だが人数が人数なので艦娘で固まる余裕もないため別々に座ると…

 

「あ、あの時の」

 

「吹雪さん!」

 

スペシャルウィークである。偶然吹雪と隣になれたようだ。

 

「あの時はありがとうございました」

 

「いえ、そんな大したことは…」

 

「…!?」

 

吹雪は目を疑った。

なんとスペシャルウィークのご飯茶碗には大盛りどころではない何かが盛られていた

 

「す、すごいですね…」

 

「え?そうですか?」

 

どう考えても普通ではないが、まあ一応前例は見たことあるのでそこまでは驚かない吹雪である。

 

「私はこれくらいが限界なのに…」

 

だがそんなときに食堂の一角のテーブルが騒がしい、ウマ娘達も集まっているようだ。

 

「ひゅー!すげえ!食いっぷりだ!」

「あれならやるかもしれません!」

「だがオグリキャップには勝てる訳が……」

 

「どうしたんですか?」

 

「あ、吹雪ちゃん。赤城さんが…」

 

「え?」

 

夕立曰くなんとオグリキャップと赤城が大食い対決していると言うのだ。

たまたま一緒になったのだが、同じくらい大量によそい、いつの間にかヒートアップしてきたという。

 

「オグリ!まだ食べるんか!?」

 

「うむ」

 

「いや『うむ』じゃなくてや!!そっちのかんむす…赤城もよく食うな!?」

 

「よくあることですから……もぐもぐ」

 

「よくあっちゃまずいやろ!!」

 

オグリキャップのルームメイトのタマモクロスのツッコミが止まらない。

なお赤城の相棒の加賀は…。

 

「…すすっ……ふぅ…」

 

お茶を飲んで、突っ込むのをやめたそうだ。

 

なおこのトレセン学園のカフェテリアを仕切るおばちゃんは分量からしてみればオグリが二人という凄まじい食事の量にも関わらず、配膳し続けたという。

 

「すごい……」

 

「オグリキャップ…あそこまで食べるんだな……」

 

なお大和、長門はとっくに完食していたが、その量に関してはご想像におまかせしよう。

こちらもこちらで負けず劣らずである。

 

 

「ふぅ…やるじゃないか…」

 

「あなたも…やりますね」

 

「まさか艦娘の中にもいるとはな……」

 

そしてほぼ同時に同程度の量を満腹に食い終わった後、握手を交わしていたそうな。

大食いというものはどうやら異種同士の友情をも育むらしい

 

「いやこれで育まれても困るわ!!食堂のおばちゃんごめんな……」

 

だが目線の先にいたおばちゃんはむしろサムズアップしていたそうな。

流石別の意味での歴戦の覇者である。

 

「おばちゃん…!!」

 

タマモクロスはおばちゃんの勇敢さに泣いていたそうな。

 

「す、すごい……」

 

「はむはむ…やっぱりあれくらい食べれるようにしないと…吹雪さんも食べますか?」

 

「わ、私は遠慮しておきます…」

 

(ご飯量増えてませんか…?)

 

オグリや赤城と同様にお腹が膨らんでいるスペシャルウィークであった。

しかも見物してても食べることは止めないという。

 

(ウマ娘さんも大食いが多いんだね…)

 

そう思いつつ乾いた笑いが止まらない吹雪であった。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

その後、寮の空き部屋に泊まることになった艦娘御一行。バクシンに引っ張られた島風を除き、栗東寮である。

 

「ふあああっ…今日も色々とあったなぁ……」

 

借りてきたウマ娘の録画レースを見つつ、そうぼやく

吹雪もすっかり眠くなっているようだが。

 

トントントン!

 

「ん?」

 

ドアをノックする音

 

(長門さんかな?)

 

「はーい」

 

そしてドアを開けた先には、スペシャルウィークは居た。

 

「あ、スペシャルウィークさん!どうしたんですか?」

 

「いえ、このお守り…」

 

「あ!」

 

吹雪が落としていったと思われるお守りをスペシャルウィークが渡した。

 

「すみません、落としてたんですね……」

 

「私の方こそごめんなさい。さっきのご飯のときに渡せておけば…」

 

「いえ……」

 

あの食べてる時に渡せるわけがない…と吹雪は薄々思う。

そしてスペシャルウィークはふとした疑問を浮かべたようで聞くようだ。

 

「あの…吹雪さん…艦娘のこと、よく教えてくれませんか?」

 

「え?」

 

「あ、いえ…私、ずっと山の方の育ちで…深海棲艦とかそういうのに疎くて…ニュースで聞いたことはあるんですが……」

 

「あ、なるほど…私で良ければ…」

 

「ありがとうございます!」

 

(……なんか…似てる…かな?)

 

吹雪はどこか親近感が湧いた。

 

 

「…というわけで今に至ります。初期の国連軍の敗退時は50%の制海権を失いましたが、現在は90%の制海権を維持しています」

 

「なるほど…その深海棲艦は今も活動しているんですか?」

 

「はい、たまにチクチクと現れて…撃退は迅速なんですがまるで……あ、夏の日の蚊のような」

 

「な、なるほど…つまりその蚊を砲でドンドン!ってやってるんですか?」

 

「まあそんな感じです。でも……私はウマ娘さん達のことが羨ましいなって」

 

「え?」

 

そして吹雪は自分の装備兵装「12.7cm連装砲」と「61cm3連装魚雷発射管」を出す。

今の兵器から見ると時代遅れにも等しいが、深海棲艦戦においては有力な兵装である。

 

「だって私達ができることはこの武器を使って砲撃したり、雷撃することくらいです。言う慣れば地味で…結果を新聞やテレビとかでは見れますがその経過が映像に流れることは殆どない……でもウマ娘さん達はこうしてみんなにわかる形で走って、皆から歓声を貰える」

 

「それは……」

 

「必要なこととはわかってるんです……文句を言うのもおかしい…前世はこんなヒトの形じゃなかったから疑問にも思わなかったけど……ははは、なんか変ですよね。私」

 

なんとか笑ってごまかす吹雪である。

 

「い、いやそんなことないです!砲とか魚雷とかって…その…多分かっこいいって…あ、多分じゃなくて!」

 

 

あわわわするスペシャルウィーク。

それで砲や魚雷を持ってみようとする。

 

「なるほど…こういう感じで…なんとなく強そうですね!私じゃとてもとても…」

 

口下手なところは双方とも変わりがないようだ。

 

「…ありがとうございます。スペシャルウィークさん」

 




食堂のおばちゃんもヤバい
ドンパチの話をどうするか悩んで……あ、もちろんウマ娘が銃器とか持ったりとかそういうことはしません。
ウマ娘にしかやれないことがあれば、艦娘にしかやれないこともあるので
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