Re:雷鳴は光り轟く、仲間と共に   作:あーくわん

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お久しぶりです。
リアルが安定しできたので更新していきます。

…久々すぎて書き方覚えてねえ。


第122話 代表の座を賭けて

「私は彼ら、ネオジャパンの監督として……正式にイナズマジャパンに試合を申し込みます!」

 

『ええ!?』

 

 

砂木沼達ネオジャパンを引き連れた瞳子監督からの挑戦状。俺達全員が驚愕するには十分すぎる。

 

 

「そしてネオジャパンが勝った時…日本代表の座をいただきます!!」

 

「そんな無茶苦茶な!」

 

「…いいでしょう」

 

「!?」

 

「監督、何を…!?」

 

 

俺達が負けたら代表交代、それを突きつけられただけでも衝撃なのに…監督はそれを承諾した。何もかもが急すぎて理解が一切追いつかない。

 

 

「お前達、準備しろ」

 

「か、監督!」

 

「異論は認めない」

 

 

監督はそれだけ言ってベンチへ。試合形式の練習をするはずがどうしてこうなった?監督は本当に何を考えているんだ、国の代表の入れ替えなんて、そんな簡単にやっていいものなのか?

 

 

(…考えても無駄か)

 

 

監督がああ言ったんだ、俺達に従わない選択肢は無い。状況も意味も理解出来ないけどとにかくやるしかない。

 

 

「まさか瞳子監督のチームと試合をすることになるとはな」

 

「…姉さん、何を考えているんだ」

 

「やると決まった以上は全力でやるしかないな」

 

 

それにしても、錚々たるメンバーだな。フットボールフロンティアで戦ったチームのヤツらに真・帝国やエイリア学園のメンバー…色々なチームから集まっている。まるで日本代表みたいだな。

さて、どんなチームだ?特筆すべきは…砂木沼がMFなことか。砂木沼と言えばGKとFWのハイブリッド。アイツがMFに転向してるってことは、攻守双方の核なんだろうな。守備は体格のいいヤツらが揃い踏み、そしてあの源田がキーパーだ。そして攻撃はイプシロンのゼル、ジェネシスのウィーズ…今は瀬方と伊豆野か。中心に添えて霧隠や幽谷がサイドに構える。この精鋭達を瞳子監督が指導したんだ、強敵だろうな。

 

 

「何はともあれ…負けられない」

 

 

前に向き直った途端、試合開始のホイッスルが鳴る。どうやって試合を組み立てていこうか。鬼道の作戦はとりあえず様子見、ボールを確保しつつ相手の動きを把握していく。

 

 

「行かせるか!」

 

「吹雪!」

 

「任せて!」

 

「郷院、寺門!止めろ!」

 

 

霧隠が吹雪の進路を塞ぐが、完全にコースを潰される前に加速して置き去りにする。だが上手い、抜かれることを想定して2人を吹雪の前に動かしていた。

 

 

けど、その展開は想定してる。

 

 

「吹雪!」

 

「加賀美くん、任せた!」

 

 

霧隠を突破した吹雪からは見えて、それを抑える2人の死角になる位置に飛び込む。吹雪からのパスを受けてそのまま攻める。

 

 

「加賀美さん!」

 

「虎丸!」

 

「させるかァ!」

 

 

虎丸にパスを出す。が、そのタイミングを完璧に鳴上がカットしにくる。マジか…あれは完璧に読んでないと抑えきれないぞ、優秀だ。弾かれたボールはラインを割った、流れを完全に切られたな。

 

 

「上がれヒロト!」

 

 

スローイン、鬼道がボールを呼び込む。胸で受けた鬼道はループパスを前線に送りヒロトがそれを受ける。良い位置で受けた、ゴールまで運べそうだな。

 

 

「改、石平!」

 

「なにッ」

 

「もらった!」

 

 

下鶴に石平がヒロトを囲んで襲いかかる。体格の良い石平がヒロトの前に飛び出し、一瞬生まれた隙を下鶴が突く。チームとして対応力がずば抜けてる、心でも読んでるのかってくらい速い。

 

何度も攻撃を仕掛けるがヤツらのディフェンスを中々突破出来ない。良い位置に抜け出してもすぐに対応される。まるでこっちの攻撃パターンが全て見透かされてるみたいだ。

 

 

「吹雪さん!!」

 

 

虎丸がボールを軽く浮かせてスルーパスを出す。上手い、吹雪が完璧に抜け出してゴールまで届いた。

 

 

ウルフレジェンドッ!!

 

「ふッ…」

 

「あの構えは…!?」

 

 

吹雪が十分に構えた上でウルフレジェンドを放つ。それに対して源田がとったのは…見覚えのあるもの。

 

 

ドリルスマッシャー"V2"!!

 

 

あれは砂木沼が使ってた技だ。あれを破るのは楽じゃないな、相当なパワーがいる。轟一閃じゃ無理だ、ライトニングブラスター、もしくは雷霆一閃が必要か。

 

 

「あれはデザームの…!」

 

「源田のヤツ、いつの間に」

 

「驚くのはまだ早い…源田!」

 

 

源田のドリルスマッシャーに皆が唖然としている中、砂木沼がパスを受ける。速い、一瞬で中盤まで持ち込んできた。

 

 

「ヒロト!抑えるぞ!」

 

「ああ!」

 

「ふッ…イリュージョンボール"改"!

 

 

あれは鬼道のイリュージョンボール…いや、そういえばアレは帝国の汎用必殺技だったな。それにしてもエグい精度だ、本気で集中しないとアレは見抜けない。まあそれなら…

 

 

(技を使われる前にフィジカルで抑えるッ!!)

 

「通行止めだ、砂木沼!」

 

「お前との再戦を楽しみにしていたぞ…加賀美ッ!!」

 

「ッ!?」

 

 

パワーがエグいッ…どんな鍛え方してきやがった!?最近やりあったヤツらの中で断トツのフィジカル…!

 

 

「その程度で私は止まらんぞォッ!!」

 

「マジか…ッ!?」

 

 

砂木沼の込める力が一層強まって吹き飛ばされる。クソッ、押し負けるなんて何時ぶりだ…

 

 

「行かせないぜッ!スーパーしこふみ!!

 

ダッシュストーム"V2"!

 

「どわぁぁぁぁッ!?」

 

「今度は世宇子の必殺技!?」

 

 

成程、コイツら色んな選手の色んな必殺技をマスターしてるんだな。様々なチームから選手を集めたチームだからこそ実現出来たスタイルだ。しかもただコピーしてるだけじゃなくて、より高次元に磨き上げてる。

 

 

「壁山!止めろ!」

 

「遅い、改!!」

 

「ふッ…グングニル"V2"!!

 

鬼道が壁山に指示を飛ばすがそれよりも早く砂木沼はパスを出す。それを受けた下鶴はそのまま異次元に身を投じ、凄まじいシュートで次元の穴をこじ開けて再び姿を現した。砂木沼のシュートも伝授済みか…当然のように本家以上の練度で繰り出してきやがる。

 

 

正義の鉄拳(G3)!!

 

「守ッ、耐えろ!!」

 

 

俺の見立てが合ってれば…今の守じゃあれを止められない。最悪身体をねじ込めれば良いけど間に合うか!?

 

 

「ぐッ…うッ!?」

 

「間に合わねえか…!」

 

 

俺が割り込むより早く正義の鉄拳が打ち砕かれてゴールネットが揺らされる。開始早々で1点持ってかれた…ヤバいな。

 

 

「守、大丈夫か」

 

「ああ…今のシュート、とんでもない威力だった」

 

守の手は未だに震えている。実際に受けた守がここまで言うなら相当なんだろう。MFの下鶴でこのレベル…FWで構えてる瀬方、伊豆野。そしてあの砂木沼はどんなレベルまで進化してるんだ?下手すると、今の守一人じゃ守りきれないまである。

 

 

「円堂、加賀美。私はお前達からサッカーとは熱く楽しいものであると学んだ」

 

 

思考を巡らせていると砂木沼が話しかけてくる。

 

 

「だがそれと同時に…勝負とは辛く険しく、そして厳しいものなのだ!!」

 

 

そう語る砂木沼の表情は修羅のようだった。その目に宿るのは鋭い闘志、視線を合わせているだけで身の毛がよだつようだ。そんなアイツに言葉を返せないまま砂木沼は自陣へと戻っていく。

 

 

「アイツ…いや、アイツら本気だ」

 

「だな。久遠監督も負けたらマジで代表交代するかもしれない、負けられねえぞ」

 

 

 

気を抜いてたら一瞬で持ってかれる。どうする?対策をするにもまだ全然相手のことが分からない。唯一分かってるのはそれぞれが自分のチームの必殺技を教え合ってることくらいだ。何ならどの程度まで共有されているのかは分からない。

 

「とりあえず1点だ…1点取り返す」

 

 

相手の攻撃力が高い以上、後衛が対応出来るようになるまで時間を稼ぐ必要がある。こっちから攻めればそれも出来るし点も狙える、ここからは俺達前衛の腕の見せどころだ。

 

 

「虎丸!」

 

「はい!」

 

「鳴神、止めろ!」

 

キラースライド"改"!!

 

 

試合再開、修也からのパスを受けた虎丸が単身駆け抜ける。キラースライドはああ見えて挙動自体は単純なスライディングと変わらない。けどそのスピードは虎丸の予想を越えてボールを掠め取る。

 

「問題ねえ!」

 

「石平!!」

 

アースクエイク!!

 

「うおッ!?」

 

「まだだ…!」

 

「寺門、郷院!!」

 

ダブルサイクロン!!

 

 

弾かれたボールを確保したのは土方。そのまま前線に持ち込もうとするが石平がそれをマーク。更にその上から吹雪がカバーしたにも関わらずそれすらも対応される。

なんだコイツら…対応力がずば抜けてる。砂木沼の指示が的確なのもそうだけどそれ以上に一人一人の動き出しが速すぎる。まるで全員が俺達の動きを把握しきっているような──

 

 

「──そういうことか」

 

 

そうだ、忘れてた。誰があのチームの監督なのか。瞳子監督が俺達、厳密にはエイリア学園と戦ったあのメンバーの動きの癖だったり、今のイナズマジャパンの戦術パターンをアイツらに叩き込んだんだ。おまけに全員身体も仕上げてきてる。肉体、技術、戦略。全てにおいてハイスペック。それがコイツらネオジャパン…!

 

 

「伊豆野!」

 

「させるかよッ…!」

 

考えてる暇なんてない、とにかく相手の流れを切らないとこのまま飲まれて終わる。まずは砂木沼からパスを受けた伊豆野を抑える。コイツはパワータイプ、あの時みたいに接触の瞬間を体軸をズラしてバランスを崩す!

 

 

「そう来ると思ったぜ、加賀美!」

 

「なッ」

 

 

コイツ、乗ってこない!?押し込んでくればそのまま流せたのに、直前でストップしてきやがった!マズい、間に合わ──

 

 

「改!」

 

「任せろ!グングニル"V2"!!

 

 

伊豆野から下鶴へ、そのままグングニルが放たれる。クソッ、間に合わねえ…!

 

 

「させるか…正義の鉄拳(G4)!!

 

「…ッ、最高かよお前!!」

 

 

守が繰り出した正義の鉄拳はさっきよりも光に満ちていた。コイツ、この局面で進化しやがった…!

 

 

「ナイスセーブだ円堂!攻め上がれお前ら!!」

 

「おう!!」

 

 

守が弾いたボールを土方が確保、ループパスで一気にボールを前に押し上げる。

 

 

「挟め、郷院!西平!」

 

ハーヴェスト!!

 

「うわぁッ!?」

 

 

守が進化して相手のシュートを止めた、けどこっちの攻めは依然として通らない。コイツらの防衛網をくぐり抜けるにはこれまで通りじゃダメだ、予測されない新しい姿、予想外を作らないと通らない…

 

 

サンダーストーム"V3"…!

 

「うおッ!?」

 

 

それなら俺が…予想外、台風の目になってやる。

 

 

「加賀美が来るぞ!」

 

「コース切れ!」

 

「優秀だなッ…!」

 

 

霧隠、幽谷が一瞬で俺のコースを塞ぐ。寄せが速い、加速さえすれば抜けると思ったけどスペースを完全に潰しにきやがった。それならテクニックで──

 

 

「遅いぞ加賀美ッ!」

 

「なッ」

 

 

砂木沼ッ…!ダメだ、少しでも足を止めればすぐに詰められる。ノンストップで常に動き続けなきゃチャンスなんて掴めない…!

 

 

「いかせるかッ!!」

 

「お前などに…今の私は止められんッ!!」

 

 

俺からボールを奪った砂木沼がゴールへ向かって駆けていく。緑川が正面から抑えにいくが、砂木沼が一瞬の加速で緑川を置き去りにする。

 

 

「瀬方!」

 

「うおおおッ!!リフレクトバスター"V2"!!

 

「止める…正義の鉄拳(G4)ッ!!

 

砂木沼からのパスを受けた瀬方が世宇子の必殺シュートを放つ。土塊に何度もバウンドさせて威力を増強させてゴールへ向かっていくが、守が正義の鉄拳で打ち砕く。弾かれたボールはそのままラインを割った。さて…

 

 

(ゴールは守がいるから大丈夫、ただ…)

 

 

攻めの一手が足りない。ゴール前まで持ち込めればチャンスは幾らでもあるのに、そこまで辿り着けない。消耗度外視でギアを上げて、一気にゴールまでぶち抜くか?ハーフタイムがあるから多少無茶しても大丈夫だろうけど、まだアイツらがどんな手札を残してるか未知数な以上あまりやりたくない。

 

 

「選手交代!宇都宮に代わって風丸!」

 

「風丸…?」

 

 

試合が始まってから監督に何か言われて何処かに行ったのは見えてたけど、戻ってきてたのか。そしてこのタイミングで交代…風丸がこの盤面を変える切り札になる…そうか!

 

 

「風丸、新必殺技が完成したのか?」

 

「ああ!ボールを奪ったら俺に回してくれ、必ずゴールまでの道を開いてみせる!」

 

 

新しい一手が欲しかったところでこれはデカい。試合はスローインから再開…よし、アレでボールを奪い取って風丸に回す。

 

「…伊豆野!」

 

「おう!」

 

「ここだ、雷霆翔破ァッ!!」

 

 

下鶴のスローインが伊豆野に届くより早く間に飛び込む。1回やったら警戒されてガチガチにマークされる…だからこそ刺さる、一度きりの初見殺しだ。

 

 

「加賀美!」

 

(ああ、見てるぜ──)

 

 

俺の初動を見て既に動き出していた風丸が視界の端に飛び出す。俺からのシュート性のパスを受け取った風丸はそのまま加速。

 

 

「行かせん!!」

 

「見せてやる、俺の新必殺技!!」

 

 

風丸の動き出しを見ていた郷院が立ちはだかる。しかし風丸は更に加速、風を羽衣のように纏いながら郷院の周りを駆ける。郷院はその動きを捉えきれず、風丸が創り出した風のドームに捉えられる。

 

 

風神の舞!!

 

 

暴風が真上に吹き抜けると郷院は吹き飛ばされ、風丸がその中から姿を現す。成程な、スピードで翻弄からの吹き飛ばし。確実に相手を突破する必殺技だ。郷院を吹き飛ばすほどの風力なら抵抗するのも難しい。良い新武器を持ってきやがったな。

 

 

「豪炎寺!!」

 

 

風丸からのパスが修也に通った瞬間、爆炎が舞い上がる。轟々と燃え盛る爆炎は更に勢いを増し、竜巻のように源田が待ち構えるゴールへと襲い掛かる。

 

 

 

ドリルスマッシャー"V2"!

 

 

 

爆熱ストームvsドリルスマッシャー。沖縄で繰り広げられた激突の再現のような光景が繰り広げられる。しばしの衝突の後、状況を動かしたのは爆炎だった。

 

 

『決まったァ!豪炎寺の同点ゴール!!これで得点は1-1!!』

 

 

よし、これで同点…一旦は安心できる。ここからどうやってリードを確保するか。

 

 

「ここでホイッスル!前半終了です!」

 

 

…折り返しか。色々考えなきゃいけない以上、ここで時間を確保出来るのは有難いかもしれない。

 

 

「風丸!」

 

「お前いつの間にあんな技を?」

 

 

ベンチに戻るやいなや、皆は風丸を囲んで囃し立てる。前半で一切通じなかった俺達の攻めを有効にする一役を担ったんだ、当然だ。

 

 

「よし、この勢いで逆転だ!」

 

『おう!!』

 

 

守の気合いに皆が同調する。勢いとしては悪くはない…交代した風丸が起点になって、試合をイーブンに戻した。

 

 

「…ダメだな、このままじゃ」

 

 

ネオジャパン…アイツらはきっと後半から新しい俺達にも対応してくる。それを上回るには、アイツらの予想を凌駕する必要がある。それに必要なピースを俺達はまだ見つけられてない。

 

 

「まだここからだな」

 

 

ここからの後半、もっと厳しい戦いになる。この壁を越えられないなら…世界に羽ばたくことなんて出来ない。




とりあえず日曜~月曜で毎週更新していきたいです。
感覚を取り戻すまでおかしいところあると思いますが、何卒ご容赦を…
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