Re:雷鳴は光り轟く、仲間と共に   作:あーくわん

55 / 127
祝!本編50話!(番外編は除くものとして)
という訳で、いずれ纏めようと思っていた柊弥のプロフィールなどをウボァー先生作成の特殊タグをお借りして書いてみました!
1章より前に割り込む形で投稿してるので気が向いたら見てやってください!
これからもよろしくお願いします!


第50話 新たなる刺客

 

 

「お前達は知らないんだ•••本当のエイリア学園の恐ろしさを」

 

 

 レーゼが顔面蒼白でそう呟く。

 

 

「我々は"セカンドランク"に過ぎない。イプシロンに比べれば、我々の力など•••」

 

 

 セカンドランク、イプシロン。聞きなれない単語が出てきた。この言葉を鵜呑みにするなら、エイリア学園にはジェミニストームだけではなく更にチームが存在しているということになる。しかも、ジェミニストームより遥かに格上の。

 負け惜しみ•••では無いだろう。こんなことを負け際に言い残す意味は無い。ということは、それ即ち──

 

 

「無様だな、レーゼ」

 

 

 皆がレーゼの方を見て固まっていると、突如として暗雲が立ち込めて聞き覚えのない声が何処からか響いてくる。

 声の出処を探していると崖の方向から赤色の眩い光が放たれ、その中から複数の人影•••ちょうど11人。ジェミニストーム同様奇怪な服装の連中が姿を現す。

 コイツらがイプシロン、ってことか?

 

 

「デ、デザーム様ッ」

 

「覚悟は出来ているな?お前達をエイリア学園から追放する」

 

 

 デザームと呼ばれたその男は、黒色のサッカーボールを見せつけるようにして掲げる。それを見たジェミニストームの面々は絶望の表情を浮かべ、レーゼは虚ろな顔でその場に跪く。

 一際強く光ったそのボールをジェミニストームに向かって蹴り出すと、ぶつからないギリギリのところで止まったと思えば再び強く発光。その光が消える頃にはジェミニストームの姿も消えていた。

 

 

「おい!ジェミニストームのヤツらを何処にやった!」

 

「言っただろう、追放したのだ。今頃宇宙の塵だ」

 

「•••仲間じゃねぇのかよ」

 

 

 コイツらの上下関係なんて知ったこっちゃない。だがそれでも、仲間であることには変わりないはずだ。それを易々と宇宙の塵だなんて•••そんな惨い話があってたまるか。

 デザームは不敵な笑みを崩さない。ヤツからすればさも当然のことなのだう。

 だからこそ、その笑みが癪に障る。

 

 

「宇宙人だろうがなんだろうが関係ねぇ!仲間は大切にするのが道理だろうがッ!!」

 

「ふん、戯言を」

 

 

 俺の問いかけに対してデザームが答えることはない。いつの間にかデザームの手元に戻っていたボールが再び妖しく光り出す。

 

 

「我々はエイリア学園ファーストランク、イプシロン。地球人はやがてエイリア学園の真の力を知るだろう」

 

 

 そう言い残し、デザームとイプシロンの連中はその場から姿を消した。

 俺の中に残ったのはジェミニストームに勝ったことの喜びではなく、仲間を大切にしないイプシロンへの怒りだけだった。

 

 

「•••クソが」

 

「柊弥•••」

 

 

 

 ーーー

 

 

 

「•••はあ」

 

 

 強大な敵であるジェミニストームに勝ったと思ったら、今度は更に強いというイプシロンが現れた。更にイプシロンのジェミニストームへの扱いがどうにも頭に残り気分が晴れないので俺は1人キャラバンの屋根に寝転んでいた。

 イプシロンの出現は予想外ではあったが、ジェミニストームに勝利したということで今夜は随分豪勢な夕食が振る舞われた。北海道の特産品なんかが並んだりして、食事量を減らしていた最近の俺達からすればご馳走としか言い表せないラインナップだったな。

 当然俺もその場にいて食事はしたが•••やはりどうにもイプシロンのことが引っかかってしまう。皆が盛り上がっている中1人抜けてきたからもしかしたら空気を悪くしてしまったかもしれないな。バレないように抜けてきたつもりだったが。

 

 

「ジェミニストームを倒したら今度はイプシロン。この戦いはいつになったら終われるんだろうな•••」

 

 

 頭に過ぎったのは入院している皆と修也の顔。

 ジェミニストームを倒せばまた皆でサッカーが出来ると思っていたが、こんなことになるなんて思ってもいなかった。

 勿論サッカーは好きだが、エイリア学園を倒すためという半ば使命のような状態でプレイするのはあまり好きじゃない。俺がやりたいのはもっとこう、仲間とひたすらにボールを追いかけられるサッカーだから。

 今回てアイツらにいい報告ができると思っていただけに、どうしても残念という気持ちが上回ってしまう。

 

 

「いたいた、探したぜ」

 

「•••守」

 

 

 突如掛けられた声に身構えると、その正体は守だった。何も言わずに梯子を登ってきて、俺の隣に寝転んで同じ星空を見上げる。

 

 

「なあ守、俺達はイプシロンに勝てると思うか」

 

「なんだよ柊弥らしくない。勝てるかじゃなくて勝つんだって、いつものお前なら言うだろ?」

 

「•••まあな」

 

 

 確かにその通りだ。そんな言葉が出てこないんだ、無意識のうちに随分参ってしまってるのかな。

 大きな溜息を吐くと、守が口を開く。

 

 

「柊弥、俺達が小学生の頃にこうして2人で星空を見上げてた時のこと、覚えてるか?」

 

「ああ。俺がお前の家に泊まりにいった時だよな」

 

 

 小学生五年生の時くらいか。確か円堂家の庭の芝生に寝転んで色んな話をしたな。まあ、その話の内容の大半はサッカーのことだったが。

 

 

「2人で同じ中学に通って、サッカー部に入って、フットボールフロンティアで優勝しようだなんて盛り上がってたよな」

 

「ああ。そしてそれは実際に叶った」

 

 

 今思えばかなり現実味のない夢だったが、実際に2人で雷門中に入学し、秋と3人でサッカー部を復活させた。そこからどんどん人が集まって、帝国との練習試合をキッカケに色んなことが変わり始めたな。

 ほんの数ヶ月の間の事だったけど、本当に色々なことがあって夢の舞台、フットボールフロンティアの決勝戦のフィールドに立ち、世宇子中との試合に勝ってその時見ていた夢が本当になった。

 

 

「まさか宇宙人が攻めてくるなんて、流石に思ってもいなかったけどな!」

 

「ははっ、違いねえ」

 

 

 守と2人で大爆笑する。ここまで心の底から笑えたのは随分久しぶりな気がする。ここのところ、嫌でもずっと思い詰めていたからな。やむを得ない状況だったとはいえ。

 

 

「笑ったら少しは気が晴れたか?さっきまでのお前、酷い顔してたからさ」

 

「悪いな。ちょっとナイーブになってただけだ」

 

「良いって。柊弥にはいつも助けられてるからさ!」

 

 

 助けられてる、か。自分が俺だけじゃなく色んなヤツの助け、支えになってる自覚はないのかね、このキャプテン様は。

 まあ、それが守の良いところではあるんだが。

 

 

「あの頃の話には確かまだ続きがあったよな」

 

「ああ!フットボールフロンティアで優勝した後は世界大会で戦うんだ!」

 

「そうそう。それで、命運を決める決勝戦では俺達2人のシュートで世界一の座をもぎ取ろうぜなんて話してたな」

 

 

 俺はストライカーで守はキーパー、そんな2人が決勝という大舞台で2人でシュートするなんて今考えたらなかなかに馬鹿げた発想だよな。まあコイツは何かとシュートを撃つことが多いんだが。

 

 

「今はそれどころじゃないけどさ、いつか本当に世界の舞台で戦ってみたいよな」

 

「だな!くぅぅ、こんな話してたらボールを蹴りたくなってきた!ちょっと付き合えよ!」

 

「はいはい、しょうがないヤツめ」

 

 

 いつまでも俺の中にかかっていた霧は既に晴れたみたいだ。

 全く、コイツには感謝してもしきれないな。

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 翌日、俺達はイプシロン撃破を次の目標に掲げて北海道を出発した。

 襲撃予告や情報がないと何も出来ないため、とりあえずは東京へ帰る形で本州へと向かっている中、サービスエリアで休憩をしているときだった。飲み物片手に談笑していた俺達の元へ監督がやってきて、次の行き先を告げる。

 

 

「次は漫遊寺中、京都へ向かうわよ」

 

「京都、ですか•••何かイプシロンに動きが?」

 

「ええ。イプシロンからの襲撃予告があったと理事長からの連絡よ」

 

 

 京都、漫遊寺中か。確かフットボールフロンティアには出場していない学校だったな。出場が出来ないとかではなく、自分達の意思で不参加を選んでいるという話を聞いたことがある。何でも、サッカーをするのはあくまで心と体を鍛えるため。それ故に争いとなる試合などは行わないのがモットーだとか何とか。出場すれば間違いなく優勝候補の1つと言われているだけにかなり勿体ない。

 

 

「フットボールフロンティアに出てこそいないが、帝国が表の優勝校で漫遊寺が裏の優勝校なんて言われるくらいだ」

 

「そんなにか」

 

 

 元帝国の鬼道が言うならその通りなんだろう。外部と試合をすることがないのに何でそんなことが分かるのかどうかはさておいておくが。

 確か漫遊寺といえばカンフーの聖地でもある。•••少林を連れて行ってやりたかったな。

 

 

「という訳で早速出発よ」

 

「「「はい!!」」」

 

 

 目的地は京都、夜通しキャラバンは走り続けるため明日の昼までには着くだろう。結構長い時間の移動になりそうだ。

 シートベルトを締めたことを確認して俺は愛用のアイマスクを着ける。別に寝るつもりは無いが少し考えたいことがある。まあ必殺技についてだが。

 まず、ジェミニストーム戦で初めて実戦投入したサンダーストーム。あれは身体に満ちるエネルギーを11本の剣という形で具現化させ、それで斬り払うことでシュートの威力を落とすことを目的とした必殺技だ。シュートブロックのための必殺技だからシンプルにブロック技としても応用可能だ。

 そして実はもう1つの目的がある。それはエネルギーを形にする感覚を何とか掴むことであの力•••化身の感覚を掴むためだ。まあ残念ながら手応えはなかったが。

 それに関しては仕方ないとして、ようやくブロック技を持つことが出来たのは大きな進歩だ。俺の本職はFWだが、いざとなれば他のポジションもこなせるようにしておきたかったからな。キーパーは流石に厳しいが。

 

 

 必殺技といえばもう1つ、新しいシュート技だ。

 あの試合の中でも狙ってみたがレーゼに阻止されてしまったな。威力を極限まで高めるためにシュートを放っては追いつき、更にシュートして•••を繰り返しているが、その過程が長いが故に止められてしまったのだろう。だから対策を考える必要がある。

 まず1つ目、蹴りの過程を空中で行う。これを実現するとしたら空中で蹴って追い付いてを繰り返すという凄まじいことを成し遂げなければならないことになる。不可能ではないが、現状では自分で追い付けなくなって終わりだろう。

 そして2つ目、込めるエネルギーの密度を高める。ライトニングブラスターのようにボールから放たれる雷を強めることで相手に触らせないのが狙いだ。当然自分で触りにいくのも難しくなるが、そこはライトニングブラスターの応用で何とかしよう。

 自分で言ってなんだが、この必殺技は本当に難易度が高すぎるくらいだ。威力を求めるが故に想定以上のものになってしまった。北海道でのスピードの特訓で完成に近づきはしたが、まだシュートを制御しきるパワーとテクニックが足りていない。こればかりは鍛えるしかない。

 

 

「うわああああああああッッ!?」

 

「何だ!?」

 

 

 色々と考えていたら突如耳を貫いた悲鳴に飛び起きる。アイマスクを剥いで辺りを確認すると、何かが可笑しい。

 なぜ俺は外にいるんだ?しかも、辺りの建物はボロボロ、所々から煙まで登っている。

 いやそれだけじゃない、皆は何処だ?俺はキャラバンに乗っていたはずだ。何でこんなところにいるんだ?

 

 

「逃げろ!殺されるぞ!」

 

「お、おい!一体何が!」

 

 

 額から血を流しながらこちらへ走ってくる男性に声を掛けるが、全く相手にされず走り去ってしまった。

 全く状況が呑み込めない•••とりあえず、あの人が来た方向に向かってみれば何か分かるか?

 建物の残骸が地面に転がっており、気を付けなければ転んでしまいそうだ。注意を払いながら進んでいこう。

 

 

「きゃあああ!!」

 

 

 再び聞こえた悲鳴の方向へ全力で走る。するとそこには、濃い藍色の長い髪を持つ1人の少女がいた。

 そしてその少女が目の前に聳える巨大なビルへ手を翳すと───

 

 

「おい、何の冗談だよ」

 

 

 次の瞬間、建物の至る所に紅いヒビが入る。そして目の前の光景に目を疑った矢先に大爆発が巻き起こる。

 身体を包み込む熱風、そして豪雨のように此方へ降り注ぐ瓦礫の群。

 

 

「•••ははは」

 

 

 身を守るべく腕で視界を塞ぎながら、乾いた笑いを辛うじて聞き取る。その笑い声には、明らかな狂気が含まれていた。

 

 

 

「──い、──柊弥先輩!!」

 

「はッ」

 

 

 その時、視界が急激に歪む。目の前が真っ白になり、聞き覚えのある声が聞こえたと思ったら突如として手を暖かな温もりが包み込む。

 徐々に、徐々に視界が回復する。ここはキャラバンの中だ。そして隣には、さっきの少女•••ではなく、春奈が。

 

 

「春、奈?」

 

「大丈夫ですか?凄いうなされてましたよ?」

 

 

 そう言われて初めて息が乱れていて少し汗をかいているのに気が付いた。ということ•••あれは夢か。考え事をしている最中に夢の中に沈んでいたとはな。まだ意識がハッキリとしていないのが分かる。

 

 

「ありがとう、結構ショッキングな夢を見てたみたいだ」

 

「きっと疲れていたんですよ、これお水です」

 

 

 春奈から受け取った水を喉に流し込む。乾きが一気に潤うのを感じる。水分が足りていなかったからかただの水がやたらと美味い。

 

 

「もう夜ですから、このまま寝ちゃった方が良いと思いますよ。また辛そうにしてたら起こしてあげますから安心してください!」

 

「ああ、ありがとう」

 

 

 春奈にそう促されて再び目を閉じる。春奈がずっと手を握っていることに何か言うべきだったかもしれないが、やけに安心するから言い出せなかったな。

 そういえば、夢の中に出てきたあの少女。何処か春奈に似ていたような気がするな。

 

 

 

 ーーー

 

 

 

「着いたぞー!京都だ!」

 

「──到着か」

 

 

 古株さんの声で目が覚める。春奈は•••どうやら前の秋と夏未の席に行って何か話してるみたいだ。

 席を立ち上がって身体を伸ばしていると、皆は今起きた様子では無さそうだ。俺1人だけやたらと寝ていたらしい。

 

 

 キャラバンから降りると、日光が身体を突き刺す。辺りには古風な服装に身を包んだ中学生、恐らく漫遊寺の生徒達がいる。

 どこかのんびりとした雰囲気だが、それに似つかわしくない大穴がどうしても目につく。恐らくはイプシロンの襲撃予告の爪痕だろう。

 

 

「とりあえず、サッカー部を探してみようぜ」

 

「サッカー部なら奥の道場みたいだよ」

 

 

 サッカー部に話を聞くために何処へ向かおうかと思っていたところ、吹雪が2人の現地の女子生徒から既に場所を聞いていたようだ。その女子生徒は吹雪にほの字だ。吹雪の性格だからおそらく意図せずたらしこんだのだろう。恐るべし。

 

 

 教えてもらった方向へ進んでいくと、寺のような造形の校舎が見えてきた。そのまま歩いていると、蹴球道場という看板が掛けられた建物が目に入った。

 その瞬間守が走り出す。他の皆もそれに続く。

 

 

「どわああああああッ!?」

 

 

 すると床で滑って派手に転んだ。そしてそれに続いて行ったみんなも派手に転んだ。

 俺と鬼道、マネージャー以外は皆猪のように突っ込んで行ったようだ。人の上に人が転んで洗濯物の山のようになっている。

 それにしてもあんな漫画みたいな転び方有り得るんだな。文字通りツルッといって一回転してたぞ。

 ん?よく見たらこの床何かおかしいぞ。一箇所だけやたらもツルツルして•••これはワックスか?

 

 

「うっしっし!引っかかった引っかかった!」

 

 

 すると、草陰から小柄な少年が笑いながら出てくる。ということはコイツがやったんだろう。

 いち早く塔子が憤慨して追いかけていくが、渡り廊下から外に飛んだ瞬間派手な音が聞こえた。恐る恐る外を覗き込むと、見事なまでに落とし穴に落ちた塔子の姿。まさかの二重トラップだ。

 

 

「木暮ェ!」

 

「やっべ!」

 

 

 怒号が飛んできた瞬間、木暮というらしいあのチビは走り去っていった。随分と軽やかな身のこなしだな。

 その声の正体はこちらにやってくるや否やすぐさま謝罪してくる。どうやら彼はサッカー部のキャプテンの柿田というらしい。曰く、木暮もサッカー部なのだとか。

 そして木暮は相当にひねくれているようで、自分が原因で課せられた罰をいじめと思い込み、その仕返しのつもりでさっきのようなイタズラをサッカー部全員に仕掛けているらしい。自分以外全てが敵に見えているとか何とか。

 

 

「それにしても、何でそんなことをするんだ?」

 

「木暮は小さい頃親に捨てられているのです。恐らくはそれで•••」

 

「親に•••」

 

 

 柿田のその言葉に反応を示したのは春奈だ。そうか•••そういえばそうだったな。

 恐らく自分と少し重ね合わせたのだろう、春奈の表情が明らかに曇っている。昨日の夜のこともあるから今度は俺が声を掛けるべきだな。

 

 

「春奈、大丈夫か」

 

「•••はい、ちょっと思い出しちゃっただけです」

 

 

 そう返す春奈はやはり暗い。

 俺はそんな春奈の手を軽く握る。誰にも見えないように。

 

 

「えっ」

 

「昨日こうしてくれたろ、そのお返しってことで」

 

 

 とてつもなく照れくさいが、こういう時は人の温もりがどうのこうのと聞いたことがある。実際に昨日悪い気はしなかったからな。

 変に思われないか不安だったが、春奈が少し笑って握り返してきたのできっと大丈夫だろう。

 

 

「ところで、私達に何か御用で?」

 

「ええ、こちらにエイリア学園からの襲撃予告がありましたよね?」

 

「ああ、あの件ですか」

 

 

 そう言うと柿田は俺達を道場内に案内してくれる。練習中だった漫遊寺サッカー部を集合させたようで、全員勢揃いしている。

 早速本題を守が本題を切り出すと、予想外の答えが返ってきた。

 

 

「私達は戦うつもりはありません」

 

 

 戦うことなく対話での解決を試みるとか何とか。染岡がそんな話が通じる相手ではないと反対するが、心に邪念があるからと一蹴される。

 どうやら本当に試合に応じるつもりはないようだ。あくまで話し合いでどうにかするつもりらしい。

 正直、無理だろう。染岡が言った通りそんなことで解決するような連中ならここまで被害は広がっていない。

 俺も説得してみるが意見を曲げる様子はない。そしてそのまま鍛錬があるからと全員その場を去っていってしまった。

 

 

 恐らく近いうちにイプシロンがやってくる。それまでに漫遊寺中を説得、必要なら一緒に戦う手筈を整えておかなければならないだろう。

 あまりやれることは多くはないが、とりあえず特訓だ。ジェミニストームより格上というイプシロンに勝つため、ひたすらに自分を鍛えるしかない。




詰め込みすぎた
50話記念ということで、リメイク前の"雷鳴は光り轟く、仲間と共に"を一時的に公開します。今と比べて設定やら何やら色々違うので興味があればぜひ→ https://syosetu.org/novel/245711/
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。