Re:雷鳴は光り轟く、仲間と共に   作:あーくわん

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評価や感想も励みになります。本当にありがとうございます。

前回の話でフェイの柊弥に対する呼び方の表記にブレがあったので修正しておきました。

また、今回は少し短くなっております。ご了承を。


第4話 さよならの誓い

「信じられないかもしれないけど、僕達は……未来から来たんだ」

 

「ああやっぱりか……」

 

「そうだよね、そんな簡単に……って、え?」

 

 

 フェイが素っ頓狂な声を上げる。

 勿論普通ならここは「な、なんだってー」と驚きの声を上げるべき場面だろう。

 だが察してしまったものは仕方ない。よって俺は悪くない、うん。

 

 

「何となく察しはついていたんだ。お前達の俺を知っているかのような口ぶりも、化身をはじめ想像の遥か上を行く技術も……未来のものだと考えれば合点が行くからな」

 

「な、なるほど……」

 

「とりあえず、なぜプロトコル・オメガは俺を狙ったのか、なぜお前達はプロトコル・オメガと戦うのか……このあたりを聞きたいな」

 

 

 俺の希望通りに天馬にフェイ、優一……ついでにクマさんも説明を始めてくれた。本人の希望により、クマさんはこれ以降ワンダバと呼ぶ。

 まず大前提として、彼らは全員未来から来た。さらに言えば天馬は10年後の未来から、フェイとワンダバは200年後の未来から、そして優一は天馬とは違う10年後の未来から来たそうだ。これについてはあとから触れることとする。

 

 

 次に事の流れを整理する。まずはフェイ達。

 フェイ達は、彼らがいた200年後の未来では、"セカンドステージ・チルドレン"という人智を超えた力を持つ少年達が支配者となっているそうだ。

 そしてそれを打開するために動き出したのが意思決定機関"エルドラド"だ。

 エルドラドは過去からサッカーの痕跡を一切消すことで、優れたサッカー選手の遺伝子から生まれたセカンドステージ・チルドレンの誕生を阻止しようとしているのだと言う。

 

 

 そのためにエルドラドが差し向けたチームこそがプロトコル・オメガであり、彼らは天馬の時代からサッカーを抹消した。

 が、その中で天馬だけがサッカーのことを覚えており、それに気づいたプロトコル・オメガは天馬を襲撃した。

 そこにフェイとワンダバが助太刀に入り、プロトコル・オメガを一時撃退。

 そして天馬達は、天馬の時代からサッカーが消える要因となった"俺の時代の雷門サッカー部設立阻止"を防ぐため、俺を助けにやってきたというわけだ。

 

 

「1つ良いか? 仮に俺があのままプロトコル・オメガにリンチされてサッカーから離れたとしても、雷門には守がいる。あの熱血バカがいる限りサッカー部は作られると思うんだが……」

 

「確かにそうかもしれないね。けれど実際は、加賀美さんを襲った後に円堂さんもヤツらに襲われるんだ」

 

「何故俺達2人を同時に襲わない? その方が効率的なんじゃないか?」

 

「恐らく、円堂 守と加賀美 柊弥という2つのピースが揃っているところに時空を超えて干渉すると、さっき説明した時空の共鳴現象によって彼らでは手に負えなくなるんだと思う。だから2人は別々に襲われるはずだったんだ」

 

 

 なるほど、大体理解した。要するに俺と守が揃っていた場合、ヤツらは何も変えることはできずに終わる。だから1人ずつ襲ったと。

 ではここで優一について触れようと思う。

 優一は本来の歴史では、弟である剣城 京介(つるぎ きょうすけ)が原因による事故で下半身不随に陥るそうだ。

 が、エルドラドの歴史修正によりその事故そのものが歴史から消える。この時点で()()()()()()()()()()()()()()が生まれた。

 そして優一はある人の導きにより、歴史を正しい方向に導くために時空を超え、この場にやってきた。というのが事の顛末らしい。

 

 

「……こんなところか、随分と複雑なことになっているみたいだな」

 

「理解が早くて助かるよ」

 

「最初は俺もお前達と戦おうと思ったが……どうやら、俺のやるべきことは別にありそうだな」

 

 

 そう言って立ち上がる。

 俺のやるべきこと、それは──

 

 

「正しい歴史通り、雷門にサッカー部を作る! それがお前達の未来にも繋がる……そうだろ?」

 

「……はい! 加賀美さんが、加賀美さん達がサッカー部を作ってくれたら、サッカーも喜びます!」

 

「サッカーが喜ぶ、か……お前は面白いやつだな、天馬」

 

 

 そういって手を差し出すと、天馬はその手をがっちりと握りしめる。

 

 

「お別れだな。歴史が正しく進めばこっちの時代のお前と会うことはあるだろうが、今俺の目の前にいるお前と会うことはもう無いかもしれないな」

 

「そうですね……でも俺、加賀美さんに会えて良かったです!」

 

「ああ、俺もだ! もし、何かが起こってまた会えたらその時は……」

 

「「サッカーやろうぜ!!」」

 

 

 ここでさよならだ。俺達はそれぞれの誓いを胸に、これからも進み続ける。

 ワンダバが運転するタイムマシンに皆が乗り込み、時を超えるまで俺はずっと手を振っていた。

 SF映画のように目の前からタイムマシンが姿を消すと、辺りには静寂が満ちた。

 面白いやつらだったな。いつかこの時代のアイツらに会うのが楽しみだ……まあ、フェイとワンダバには会えないだろうが。

 

 

「あ、俺ここからどうやって帰ればいいんだろう」

 

 

 奇跡の生還を果たしたのは、それから2時間ほど後のことだった。

 

 

 

 

---

 

 

 

 

 

「なあ柊弥、そういえば昨日あの後どこ行ったんだよ?」

 

「あー、ちょっとサッカーしにいってた」

 

「えー? あの後俺とやるって約束してたじゃんかよ!」

 

「悪い悪い……お?」

 

 

 翌日、放課後になって部室に向かう中で守に昨日のことを問い詰められていた。

 まさか未来から来たヤツらとサッカーしてましたなんて言っても信じないだろうし、適当に濁しておくことにする。

 

 

 そんな感じで会話をしながら部室に到着すると、部室の前に2人の男子生徒がいるのが見えた。

 

 

「よ! もしかして入部希望か!?」

 

「あ、あぁ……俺は半田、そしてこいつが……」

 

「染岡だ、よろしく頼むぜ」

 

「染岡に半田か、よく来てくれたな。さ、とりあえず部室に……」

 

 

 新入部員2人確保、雷門サッカー部はまだまだ部員募集中だ。

 




プロトコル・オメガ戦を終え、未来組の事情を聞いた上で別れ、自分の時代で生きていく柊弥。
次回よりFF編、本格スタートです。どうぞお楽しみに。
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