前みたいに書き上がったら更新する形式に切り替えるべきか。
それはそうと次々新作情報出てますね。円堂ハルはまさかのサッカーつまんねタイプ。マジ?
カオスとの試合はハーフタイムに差し掛かった。前半終了時点でスコアは2-2の同点だが、流れは確実に俺達にある。前半のギリギリで見せてきたヤツらの守備の隠し玉、アイスフォートレス。初見は肝を冷やしたが、点を奪うことじゃなくて壊すことに重きを置いたライトニングブラスターなら何とかなる。ただ難点があるとすれば俺の消耗が跳ね上がること…もっとも、それはあっちも一緒だけどな。
「皆、ちょっといいか」
熱が冷めないよう程よく身体を動かしながら休んでいると鬼道から全員に集合が掛かる。このタイミングでの集合⋯ああ、アレか。前半で掴んだのであろうヤツらの弱点。
「1つ確認する。ダイヤモンドダストとプロミネンスのメンバーの区別は出来ているな?」
「ああ。ダイヤモンドダストとは一度試合してるからな」
「よし、それなら良い」
集まった皆に対して鬼道は俺達に1つ確認を取ると、後半の動き方について話し出す。
曰く、プロミネンスとダイヤモンドダストとの間に確執が見られるらしい。厳密にはプロミネンスのMF、ネッパーだ。ヤツは明らかなチャンスでもダイヤモンドダストのメンバーにはパスを出さず、どんな状況でもプロミネンスの仲間に通すことを考えているらしい。
成程な、違和感の正体はそれか。最初は溜めを作るためだとか考えていたが明らかに不自然だった。何の為にそんなことをしているのかは分からないが、その悪癖は俺達にとって勝ちに行くための突破口だ。
「後半からは守備に集中しよう。ネッパーにボールが渡ったタイミングがチャンスだ。プロミネンスのメンバーへのパスコースに注目し、その間に割り込む」
「点数差をつけられることを警戒しながらカウンター狙いってことだね」
「任せてくださいッス!!」
鬼道の判断は俺達FWも後ろ気味に構える守備特化のスタイル。全員で守り、主導権を握った瞬間にカウンターだ。
「それにあたって⋯1つ作戦がある」
「──成程」
それを実行するための作戦が鬼道から告げられる。シンプルかつ理にかなっている作戦だ。実行するのも難しくは無い、けど俺がしくじったら終わりだな。じゃあ成功させろってだけの話だけど。
「ボールを奪うのは俺がやる。その瞬間にカウンター、あの技を狙う」
「了解だ。俺はそのサポートに徹しよう」
この作戦が決まれば俺達が有利になる。やるしかないってことだ。
「同点か⋯上等だ」
「張り合いがなければつまらないからね」
相手のツートップはまだ余裕がありそうだ。序盤でのメンタルだったら勝敗は明らかだったんだがな。
地球の命運が掛かってる試合だ、そんな中でこう思うのは不謹慎というか、相応しくないのかもしれない。けどどうしような、段々と──
「楽しくなってきた」
そう呟いた瞬間、後半開始のホイッスルが鳴る。こちらのキックオフから開始だから修也とアフロディが攻め上がるが⋯
「へっ、遅せぇよ」
一瞬のうちにバーンが奪取。一切の抵抗を許さずボールだけを自分の手中に収める。その直後俺は自分の仕事を為すべく加速、すぐさまガゼルの正面を抑える。
「よう」
「お引き取り願おうか」
ガゼルが俺を抜くために左右に激しく揺れる。右、左、右右左⋯流石に速いけど追える。そんな簡単に行かせるかよ。ガゼルに狙いを絞った徹底マーク、これが俺の仕事なんだからな。
「チッ⋯ヒート!」
ガゼルへのパスから中央突破を狙っていたんだろうバーンはそれを諦めて後ろにいるヒートへとボールを下げる。その直後、バーンの自由を奪うように修也、アフロディが2人がかりで挟む。
『まず第一段階。キックオフはこちらだが⋯あえてボールを奪われてくれ』
『わざと?』
『ああ。ただ奪われるだけじゃなく、バーンに奪われるんだ』
『とりあえず、最後まで聞かせてもらおうか』
『バーンに奪われたタイミングで加賀美、お前がガゼルのマークに着いてくれ。絶対にバーンからのパスを通すな』
『絶対にね。了解』
『そうすれば恐らくバーンは他の者にパスを出す。そうしたら豪炎寺とアフロディは2人でバーンのマークだ』
ここまでは鬼道の計画通りだな。バーンがボールを奪いやすいように同じサイドに寄っている修也がキックオフパスを受け、仕掛けやすいように後ろを気にかける所作を見せた。前半のゴールでボルテージが上がってるとはいえバーン単騎での突破は厳しい。さっきのクラウチングスタートみたいに目を切ってないと使えない奇策も打たせない。そうすれば当然まずはガゼルへのパスを狙うだろうが、その相方は俺が完璧に抑える。じゃあ、後ろに下げるしかないよな。
(ここからはひたすら粘着だ。後は⋯しくじんなよ、鬼道)
パスを受け取ったヒートは前線に走り出す。その際バーンとガゼルを抑える俺達の前を通るが無視だ。何か仕掛けてくると思っていたのだろう、一瞬表情が揺らいだがヒートはそのまま加速を続ける。
すると、そのサイドから示し合わせたようにネッパーが走り込んで来る。
「ヒート!」
「ネッパー!」
ヒートよりもネッパーの方が突破力は高いのか、合流してすぐボールはネッパーに委ねられる。その瞬間俺達の目の色が変わる。まず動いたのは一之瀬に土門。走り出した先は⋯ネッパーから近いヒート。そして片方は後ろに控えるリオーネのいる場所。
『プロミネンスのメンバーはバーン、ネッパー、ヒート。それにDF寄りに構えるバーラにボンバ。そしてキーパーのグレントだ。その中で確実に抑えるべきはヒートだ』
『他は?』
『構わん。恐らくヤツらは前に出てこない。それに加えてもう1人ダイヤモンドダストの前衛を抑えたい』
『ということは⋯リオーネか』
『ああ。この2人を抑えるのは一之瀬に土門、お前達に任せる』
『分かった!』
『任せろ!』
ここまでも完全に鬼道の作戦通りだ。ここまで来れば、前に出てきている連中の中で自由に動けるのはボールを持つネッパー、そして⋯
「ネッパー!こっちだ!」
ダイヤモンドダストのMF、ドロルだ。パスを求めて走ってくるが、ネッパーは苦虫を噛み潰したような顔で動かない。鬼道の読みが合えば、次にネッパーが頼るのは──
「──ボンバ!」
基本後ろに構えているボンバだ。さっきは流れがカオス側にあったから前に出てきていたが、今はネッパーからのパスコースを作り出すための前進だろ。
そして、それはウチのゲームメーカー様の想定内だ。
「ここだッ!!」
まさに一瞬、鬼道が凄まじい加速を見せると2人の間に再度姿を現す。そしてその目の前には、悠長に送り出されたボールが。
「馬鹿なッ!?」
「行くぞ!!カウンターだ!!」
鬼道が吠える、その瞬間俺はガゼルのマークを解いて鬼道の後を追う。
『そして加賀美、お前がマークに着く時にだが⋯出来るだけ自然に俺達の後衛へ近付けて欲しい』
『カウンターに切り替える時、対処を遅れさせるためだな』
『ああ。ガゼルは間違いなく前に寄る。カウンターの際、スピードに長けたアイツが戻ってくるのを出来るだけ抑えたい』
『それなら──』
俺が走り出せば当然そのままガゼルはフリー。俺と同格のスピードなら幾ら後ろまで誘き寄せてもすぐに追い付いてくる。
だからこそ、お前に任せるぜ──
「壁山ッ!!」
「はいッス!!」
カウンターに切り替える瞬間、違和感なく俺の近くに構えていた壁山がガゼルのマークを代わりに引き受ける。
「くッ」
「簡単には行かせないッスよ!!」
後ろで激しい足音が聞こえる。壁山を抜こうとガゼルが奮闘しているんだろうが、本人の言う通りそれは簡単じゃない。このカオスとの試合に向けた特訓で、壁山にはスタミナを重点的に鍛えさせた。ディフェンスに関するあらゆる面で高い能力を誇る壁山に持続力を持って欲しかったからな。
その目論見は見事成功、巨体を活かして長時間動くことが出来る超鉄壁DFの完成だ。フェイントまで使うようになったガゼルに対応できるのは、実戦形式の練習の中で俺や鬼道、一之瀬が何回も使っていたのが大きいだろう。こうして活きるとは思っていなかったけど。
「鬼道!戻して走れ!」
「頼む!」
完全自由な俺のスピードなら前にいる鬼道に追い付くのにそう時間は掛からない。ある程度距離が近付いたところでパスを要求する。視線を下げることなく足元の感触だけで受け取れたことを確認しつつ皆がどう動いているかを確かめる。アイツらは⋯よし、ちゃんと動き出しているな。
「行かせるか!」
「ヒート!挟むよ!」
俺の目の前には土門のマークから解放されたヒート、後ろにいたバーラが走り込んできている。
2人との距離は同じ程度。どちらかを躱してもう片方を抜くのは無理だろうな。接触するタイミングが多分同時だ。
上に回避は難しい。跳ぶ以上は誰かにパスを出したいが、確実に前まで持ち込むならパスカットされる可能性も切っておきたい。後ろに下がる⋯のはリスキーだな。せっかくのカウンターが止まる。
じゃあ、これだな。
「速さ比べといこう⋯かッ!!」
左右、後、上。残ってるのは前だ。一瞬だけ溜め、地面を爆発させる勢いで踏み抜いて超加速。2人が合流するより早くその間をすり抜けるように正面突破だ。ヤツらは俺に追い付けない、今の俺のスピードはそう簡単に抑えられるもんじゃないからな。
さて、どのタイミングでパスを出すべきか。とりあえずクララのシュートブロックはさせない方が良い。あのシュートは現状このチームで最高火力だがブロックでどれだけ削られるか、削られた後でもキーパーが止められない威力を保てるかが不確定要素だ。それなら最初からブロックされる前提じゃない方が良い。もっと時間をかければ敢えてブロックを誘って消耗させてからでも良いが、既にカウンターに移ってる以上ないものねだりみたいなものだ。
「フローズンスティール!!」
「見えてる」
思考を巡らせていると斜め後方からゴッカがスライディングを仕掛けてくるがお前がそっちに走り込んでいたのは見えてた。幾らあっちが虚を突こうとしても意味は無い。
クララは⋯俺の正面だな。アイスフォートレスの使い方は大きくわけて2パターン。自分を中心に360°広く展開する包囲型。そして自分の前方に狭く展開する城壁型。恐らく展開範囲によって壁の強度も変わる。そしてその規模的に連発できるような技でもない。壁山のザ・ウォールみたいな感じだ。それなら包囲型を先に使わせれば城壁型は無い。問題は囲まれた後どうやって突破してアイツらに繋ぐか。
「チィッ!!クララッ!!」
「分かってる」
すると右前方からはスライディングから立ち上がったゴッカが走り込んで来る。
待てよ、ゴッカとクララの連携⋯確か、最初にアイスフォートレスを見せた時もこれだった。そしてそれは⋯
(ツイてるぜ)
「アイスフォートレス」
クララが地面に両掌をつけると四方八方が氷の壁に阻まれる。その中に囚われたのは俺、クララ、ゴッカ。そう、包囲型のアイスフォートレスだ。しかも徐々に中心に迫ってきている。こんなことも出来たのか。確かにスペースが無くなり続ければ大柄でスピードもあるゴッカを躱し続けるのは難しい。確実にボールを奪うつもりだな。
とはいえ今は俺が望んだ状況だ。ここを切り抜けさえすれば後はアイツらが確実に決める。
なら、少し無茶してみるか。あんま良い思い出はないけどな。
「おらァッ!!」
「なッ、何処に!?」
俺はゴッカが迫る右とは逆方向に思い切りボールを蹴り飛ばす。もはやシュートの威力で。当然ヤケになった訳じゃない、この壁を超えるためにはこれがベストだったってだけだ。
何度も、何度も蹴って段々と高度を上げていく。その過程でボールにはエネルギーが集中していくがこれの調整が難しい。前まではゴールをぶち抜くためにひたすら蹴り込めば良かったけど今回はシュート目的じゃない。あくまでこの壁を超えるためだ。
さて、もう少しで突破だ。見逃すなよお前ら。
「受け取れェッ!!」
最後に蹴り上げたタイミングで壁の高さを越え、高い位置からフィールドを見下ろす。ここまで登ってきたのはそう、雷霆一閃の前身である雷帝一閃の応用だ。良い思い出じゃないってのは⋯ある意味黒歴史的側面があるからな。
眼下には鬼道。その後ろに守、土門が走り込んできていた。よく俺の意図を汲み取れたな。
3人のやや前方に俺はシュートを放つ。地面に着弾と同時、込められたエネルギーが爆発してボールは上に跳ね上がる。そして、それを追い掛けるようにして3人も跳ぶ。
鬼道曰く、デスゾーンは帝国の意思統一からなる必殺技。それに対して雷門として使うこのデスゾーンは個性のぶつかり合い。前者が足し算だとすれば、こっちは掛け算だ。
『デスゾーン2!!』
膨大な死のエネルギーを秘めたシュートが3人で織り成す三角形の中心から放たれる。個性のぶつかり合いね、確かに雷門にピッタリの謳い文句だ。
「バーンアウトォッ⋯!」
カオスのゴールに立つグレントが果敢に立ち向かうも、その炎では死の領域を焼き払うことは出来ない。不可侵のそれは強引に支配域を広げ、やがてゴールの中を完全に支配する。これで3-2、時間は後半の10分⋯よし、計画通りだ。後はこのリードを保ったまま攻め続け、あわよくば追加点を狙う。
「勝つのは俺達だ」
ーーー
「おいネッパー、あれはどういうつもりだ?」
「何のことだ」
「惚けるな!あの時、俺にパスを出せばボールを奪われることは無かった!前半だってそうだ、お前は俺とリオーネに頑なにパスを出さなかっただろう!」
「ふんッ、何を言うかと思えば」
柊弥が道を開き、鬼道達が点を決めて出来た束の間の時間。それぞれがポジションに戻るまでの時間でカオス側に不穏な空気が漂う。突如として声を荒らげたドロルにカオスの面々が視線を向けると、そこにはゴーグル越しにも苛立ちが分かるドロルと胸ぐらを掴まれるネッパーの姿があった。
「この試合に勝つのにお前達ダイヤモンドダストの力は借りない。ジェネシスの称号に相応しいのは俺達プロミネンスだけだ」
「⋯上等だッ!!それなら俺も好きなようにやる!」
そう言ってネッパーを突き放すとドロルは苛立ち収まらぬまま戻って行った。その2人のやり取りを境に他のメンバーの間も互いに懐疑的な視線を向けるようになった。お互いのキャプテンで決まったこのチームだが、本当に協力する必要があるのか。マスターランクとしてエイリア学園の上に立ち、ザ・ジェネシスの称号を争ってきた相手と急に仲良くしようなどというのが無茶な話だった、一度そう思ってしまえばもう仲間として振る舞うことは不可能だった。
「おい、ガゼル」
「⋯この試合の意義を理解していないようだね」
そのやり取りをツートップであるバーン、ガゼルは離れた位置から俯瞰して見ていた。怒るのでも諌めるのでもなく、呆れた表情を向けるだけだ。
だがこのままではただでさえリードを許してしまったというのに更に突き放される可能性がある。この試合に負けるようなことがあればその時こそ自分達の終わり。その問題を何とかしようと動くのは必然だった。
「ならば私達が道を示してやろう」
「おう。グランとやる時に残しておきたかったが⋯仕方ねえ」
2人がボールと共にポジションに着く。幸いにしてキックオフは自分達から。起死回生の一手を仕掛けるのには都合が良い。
「行くぞッ!!」
「おうよッ!!」
キックオフと同時に2人は真っ直ぐ走り出す。そうすれば当然、現在雷門側のツートップである豪炎寺、アフロディとぶつかる。
だがバーンとガゼルの連携はその2人をものともしなかった。この試合の中で見せたこともないスピードて駆けていくツートップに2人は触れることすら出来なかった。
「くッ」
「速い!」
そうすれば当然、次に待ち構える者がいる。全身から雷を迸らせて圧倒的な威圧感を放つ男、加賀美 柊弥だ。
「加賀美!テメェは強え、けどな!!」
「私達は負ける訳にはいかないんだ!!」
「知るか!!ここは通さねえよッ!!」
柊弥が指を鳴らすと幾本もの雷の剣が姿が現し、入り乱れながら2人に襲いかかる⋯と思われたが、実際には片方。ボールを持たないガゼルの方だった。10を超える数の剣が全てガゼルに降り注ぐ。それはまるで剣の雨。全てを躱すのはかなり困難だ。それによって柊弥はバーンとデュエルにもつれ込む。
「クソッ、邪魔だッ⋯」
「絶対止める⋯お前らの好きにはさせねえ!!」
柊弥の突破を試みるがバーンは苦戦を強いられる。突破どころかむしろボールを奪われかねない状況だ。
「うオオオオオオオオッ!!」
「ガゼル!?」
「出せ!!バーンッ!!」
その時、ガゼルがサイドに抜け出してきた。自身の必殺技であるサンダーストームで動きを止めていたガゼルが既にここにいることに驚愕した柊弥だったが、全身ボロボロなその姿にその理由を理解した。
(まさか、正面突破してきたのかッ!?いやマズ──)
「良い熱じゃねえか、ガゼルッ!!」
柊弥が対処するより早くバーンはガゼルへパス。ガゼルのその執念に口角を上げながらもバーンは柊弥を置き去りに加速。先に抜け出したガゼルと共にゴールを目指す。
「止めるぞ!」
「遅いッ!!」
「そんなんで俺たちが止まるかよッ!!」
柊弥を抜いたのを皮切りに2人は更に勢い付く。鬼道を中心に全員がその進路を断とうとするが全く歯が立たない。あっという間にゴール前に辿り着いた2人は同時に跳ぶ。
「バーン!!」
「ガゼル!!」
2人の脚にはそれぞれ獄炎と爆氷が宿る。それぞれが明らかに得意の必殺シュート以上のエネルギーを孕んでおり、今から放たれるであろうシュートがどれほど凄まじいものかを嫌でも知らしめている。
「クソがッ、止めるのは間に合わねえか⋯!」
抜かれてからもなお柊弥は2人を追いかけ続けていたが、シュート体勢に入る前に止めることは叶わなかった。バーンとガゼルは脚を振り上げると、勢いそのままにボールに叩き込む。
『ファイアブリザードッ!!』
バーンとガゼル、炎と氷。彼らのチーム名であるカオスを象徴するかのようなシュートが遂に放たれた。
あまりの圧迫感に身体が強ばった立向居。どうすれば止められるかと考えを巡らせていると、シュートと自分の間に誰かが割り込んだのが見えた。
「はァァァァァァァッ!!!!」
柊弥だ。全身から雷を迸らせて限界を越える雷霆万鈞をフルで発動し、迫り来るシュートに向かって黄金の雷を宿した右脚を叩き付ける。
「ぐォ⋯ォォォォォォッ!!」
だがその抵抗は瞬く間に蹂躙される。柊弥を弾き飛ばしてシュートは再び立向居へと襲い掛かる。
「ム、ムゲン・ザ──」
直後、立向居をシュートが貫いた。激しく揺らされたゴールネット、鳴り響くホイッスル。ようやく取り返したリードが覆されたことを理解させられるには十分過ぎた。
「勝つのは──」
「──私達だ!!」
後半20分、再び天秤は水平に。フィールドには立向居が倒れる音と2人の咆哮だけが木霊した。
デスゾーン2、そしてファイアブリザード。次の話でカオス戦は完結ですね。
次回、神の審判。お楽しみに。
頑張ってまた日曜に更新できるようにします(超小声)