疎遠になっていた双子の幼馴染と再開したらやっぱり僕は奪い合われる運命にあったようです 作:夏之 夾竹桃
さて、そんな週末が終わり試験が近づいてきていた。まぁ、僕はそこまで焦りを感じているわけではない。
なに、いつもと同じだ。人並みに頑張って人並みの点数を取る。それが丁度いいのだ。
「ね、雉矢?なにしてんの?」
彩羅の声が聞こえた。なにって?こいつはこの状況を見てわからないのだろうか?
「テスト勉強だが?」
「真面目か?」
「当たり前のことだ。」
「えぇ………私が不真面目みたいに聞こえるからやめてよ………。」
「いやいや、まさかだけどしてないのか?テスト勉強。」
「するわけ無いじゃん。」
どうしてこうも自信たっぷりとそんなことが言えたのだろうか?僕にはいまいち分からない。
「………赤点だけは避けろよ?」
「当たり前じゃん。そこさえなんとかしとけば大丈夫でしょ?」
「できることならもっと普通の点くらいとってほしいな。」
「私が勉強できないみたいじゃん。生憎と心配されるほど勉強できないわけじゃないし。」
「その自信は一体どこから来てるんだよ?」
「今までの経験。だいたい、勉強なんてノート見返すだけでしょ?」
「は?」
「え?」
どうも、なにか衝撃的なことを言われたような気がする。そんな事で点数取られてちゃ、僕の努力は何なのだろうか?
「ノート見返すだけって言ったか?」
思わず僕はそう聞き返していた。やっぱり信じがたい。そのうえ、染羅だってちゃんと勉強している。
「そうだけど………。」
「彩羅の勉強法はあてになんないから、雉矢は今のままでいいよ。」
染羅の声が聞こえた。彩羅の勉強法?どういうことだ?
「彩羅………どうやっていっつもどんな勉強してるんだ?」
「ノート丸暗記。」
「………は?」
そんな化け物じみた行動できるのか?彩羅が?いや、色々とわからない………。
「彩羅曰く、ノートの内容を写真みたいに記憶するんだって。私はその感覚がよくわかんないけど。」
「しゃ、写真って………。」
「じゃあ雉矢はどうやってるの?染羅みたいな?」
「普通に書いて覚えてるだけだけど………。」
「染羅みたいに音で覚えてるわけじゃないんだね。」
「ま、待って………特殊すぎる………音ってどういうことだ?」
「染羅曰く脳内で復唱して録音するみたいにして覚えるんだって。私にはその感覚がわかんないけど。」
なんだ………この超人的な人たちは?いまいち言ってることが理解できない。写真?録音?もう………よくわかんないや………。
そうして、色々とあったものの中間試験は過ぎ去った。僕の結果は勿論ほぼ平均点。だいたいクラスの平均として65前後なので僕もだいたいそのくらいだ。
「で、彩羅と染羅は?」
「………合計点………今回も染羅に1点差で負けた………。」
「やっぱり彩羅はもうちょっと念入りに準備をしておくべきだったね。」
なるほど、いつもだいたいこうやって競い合ってるってわけか。でも1点差か………双子なんだな………やっぱり。
「だって!ちょっと前まではこれで染羅に勝ってたし!」
「ちょっと前の話でしょ?現実はこうなってるんだから。」
「うう………意地悪!」
「別に本当のことだから。」
そんな姉妹喧嘩をよそ目に僕はチラッと2人の答案用紙に目をやった。
予想通りと言えばそうだが、その実驚きもした。あまり見ないほどの高得点。そのすべてが90後半台であった。
あぁ………なかなかとんでもない姉妹だ。なぜ僕はこの2人に好かれているのだろう?そんな謎の残るテストであった。
「………まぁ、2人ともすごいってことじゃ駄目なのか?これ?」
「「駄目!」」
こういうところは本当に息ぴったりだ。
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私と虹姫はここ最近の日課じゃないが、毎日やっている事がある。それが家でのテスト勉強だ。
基本、虹姫のほうが私の家に来てくれる。今まで勉強会なんてそんなにしたことがなかった私からしてみればなかなかに新鮮だった。
「さてと、虹姫明日テストだけど。今の心意気は?」
「結構自信あり。小鳥のほうは?」
そう聞かれ正直に私は返す。
「もちろん私も自信あり。」
ここまで本気になる理由。正直言うと特にないのだが、やるからにはやっぱりいい点数を取りたいと言うのが本音だ。
だからこそ今まで頑張ってきた。
「今日は最後だからね。詰め込まなきゃ。」
「私もそのつもり。とことん付き合うよ。」
私と虹姫の勉強法は至ってシンプル。お互いがお互いの苦手なところを補完する。
2人でやっているんだからこれが1番の得策だろう。そうして、今日もいつもと変わらず私達は勉強会を始める。
どれほどの沈黙が続いたか。あまり覚えてはいないがふと虹姫を見ると寝てしまっていた。
流石に家で眠られるのはまずいだろう。なにせ明日がテストなのだから。そうして私は虹姫を起こそうと手を伸ばす。
そこで私の体は勝手に止まった。なにか悪戯でもしてやろうかと企んでいた。しかし何も思いつかない。
「今、虹姫は寝ている………わたしは起きてる………そうだなこういう時………例えば漫画とかなら?」
そんな事を口走ったのが間違いだったかも知れない。その先を勝手に頭の中で補完してしまう。
そうして少し………恥ずかしくなる。
「やっぱりやめた………。」
私はその後、火照りがなくなるまで時間を置き、そうして虹姫を起こすのだった。
そうして、中間試験は何事もなく終わる。そうして返された答案用紙。正直かなりドキドキしている。
決心が付き。表替えした答案用紙。なかなかにいいのではないだろうか?総て70~80点と相応の点数が返ってきた。
続いて虹姫も私と同じような点数だった。しかしながら………なんとなく寂しさも感じられた。
「嬉しくないの?」
虹姫にそう聞かれ、私は答える。
「嬉しいけどさ、また一緒の時間がちょっと減るのかって………。」
「呼んでくれたらいつでも行くよ?」
その返答に、私は嬉しさを感じていた。そう、テストなんてどうでも良くなっていた。私は孤独から開放されればそれで良かったのだ。
そのことにようやく気付かされたテスト週間だった。
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私の家には今、光華が来ている。なんでも、勉強を教えてほしいそうだ。幸いに私は勉強はできる方だ。
「一華、ここは?」
すっかり一華呼びも定着してきていた。そうして聞かれた場所を答える。
なんだかお姉ちゃんになった気分だ。そうしてそんな光華を見守りながら私も私の勉強をする。
お互いに試験週間。中学生と高校生。習っている内容は違うが私はその分、光華に教える事ができる。
そうして、先程の光華の質問に一通り答え終わると少し違った質問が帰ってきた。
「ありがとう………でも、一華は教えてもらう人いなくてもいいの?」
「私が勉強できることはよく知ってるでしょ?」
「そうだけどさ………。」
「なに、簡単だよ。ノートを見ながら推察して発展させていく。私にとってこれが面白いんだよ。」
なかなか、変わった趣味をしているのは解っている。しかしこれが本当に楽しいのだ。
「やっぱり一華って凄いね。」
「私が凄いとかじゃないよ。ただ、楽しいことは人それぞれってだけ。ほら、次の問題。」
そうして私達はまた文面と向かい合う。そうしてしばらくして、また光華が私に問いかける。
「一華………近く無い………?」
「そうかな?さっきと変わってない気がするけど。」
本当は意図的だ。こういう時、光華がどんな反応をするのか、少し興味が出たので試している。
肩は触れ合わないが意識させるくらいの距離。
「ま、まぁ………良いけど。」
あからさまに恥ずかしがっているその姿を見てあぁ、やっぱり光華なんだなと再認識する。
そうしてしばらくはそんな日が続いた。
お互いに試験が終わり結果を発表する。
「まぁ私は………いつも通りかな。」
80~90点代。勉強すれば結果は付いてくる。まぁ、これは私にとっての普通だ。
「僕はちょっとあがったよ。」
点数で見れば光華も私と同じくらいの点数。なかなかに頑張ったのではないだろうか。
「また、何かあったら教えてあげるからね?」
「うん。また来る。」
そうして、光華は私の家を後にした。
いつまで経っても光華の本質的な所は変わんないんだなと、そう思わされた試験週間だった。
誰か忘れてるような気がしている方。きっと気のせいです。