疎遠になっていた双子の幼馴染と再開したらやっぱり僕は奪い合われる運命にあったようです 作:夏之 夾竹桃
ある日の帰り道。私の隣には………いつもの虹姫の姿は無かった。
どうも、体調不良によって欠席だそうだ。それに伴い私は、小鳥遊君たちとともに帰っている。
しかし、あからさまに落ち込んでいるのがバレたらしい。
「鳥塚、どうした?」
はじめにそう声をかけてきたのは………いつかと同じ小鳥遊くん。
「あぁ、ちょっと寂しくて。」
「たしか………朱雀さんだったっけ…?」
そうだ。今日1日、私は心のどこかで虹姫を想っていた。いつもと少し違うそんな日常。いや、少し前までこれが私の日常だった。
「確か風邪って言ってたね。」
彩羅ちゃんの言うとおり、風邪らしい。心配は勿論しているが、それ以上に私は虹姫のその姿を探していたのだ。
たった1日ではあるもののこの弱り様である。もし明日もと考えると、耐えれそうにはない。
私の孤独を和らげてくれた人。それでいて、1番近くに来てくれた人。その人を想い帰路をたどる。
「大丈夫。明日にはきっと良くなってる。」
染羅ちゃんか励ましてくれる。そうだ、少なくとも私は1人ではない。ただ、1番が居ないだけ………と、そう言い聞かせた。
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私の部屋に、珍しい人が来ていた。いや、何年か前なら当然のように居た人だ。
「………とうしたの、一華?」
目の前のその人に語りかける。
「なんとなく、虹姫と話がしたいなって。それにしても………ここまで離れ離れになるなんて思ってなかった。」
「まぁ、私の家一回引っ越したからね。」
「それもそうだけどさ、私達の心の距離。」
だいたい、理解ができていた。今からどんなことを話されるのか。
これはきっと彼女なりに前へ進むための話し合いである。そうして、私自身のけじめでもある。
「まぁ………そうだね。私達4人、仲良かったはずなんだけどね。」
「まぁ、時間のせいだよ。それで、話したいことがあるの………。」
「多分、夢七のこと?」
私がそう言うと一華は、少し驚いた反応をする。そうしてゆっくり私に質問を投げかけた。
「わかってるってことは………付き合ってるの?」
「いや、付き合ってない。でも、流石に気が付いてる。夢七ってわかりやすいし。知ってるよ。夢七は私のことが好きなんでしょ?」
「う、うん。」
「それで、一華は夢七のことが好き………だった。」
「やっぱり全部わかってたんだ………。」
「わかるよ。わかりやすいんだもん。」
「虹姫は………いつから気がついてたの………?」
「夢七が私を好きになった辺りから。だから………ごめん。」
私は一華に向かい謝罪する。私なら止められていたはずなのだ。
しかし、そうしなかった。夢七の目が怖かった。壊れるのが怖かった。
だからあくまでいい人で居続ける。知らないふりをする。その結果がこれなのだ。何もかもが裏目に出た気がする。
「そっか………わかってたんだ。」
どこか悲しげな表情のまま、彼女はそう言った。
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そうして、分かれ道。私は1人の道を進む。
いつもなら横に虹姫が居て、それだけでとっても幸せで。1人じゃないって実感できて………。
「影響受け過ぎかよ………。」
嘲笑気味にそう零す。多分今日の私の帰り道はずっとこんな感じだ。
どうしようか?やっぱりお見舞いにでも行くのがいいのではないだろうか?
「いや、そう言えば家の場所知らない………。」
もっと色々と聞いておくべきだったとものすごく後悔している。私はここまで駄目なやつだっただろうか?
「いいや、いい意味で狂わされたんだろうな。」
依然として足取りは重いまま。ゆっくりと歩を進めるも。やっぱり寂しさには打ち勝つことができない。
「………会いたいなぁ…。」
どうも今日はかなり独り言が多い。何時もなら返事が来るのに今日は誰にも届かない。
いや、届いてくれるのならあの人だけでいい。でも、そんなの私の希望であり、願望だ。
「私も………随分と酔ってるのかな。」
なかなかお洒落なことを言ってみたつもりだ。何時もならこんなんじゃないのに。
「本当………おかしくなってるな。」
まだまだ家まである。とりあえず家に帰ってしたいことといったらもう1つしかない。
「ベッドダイブしよ。」
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ごめんとしか言えない。そんな自分を情けなく思う。しかし、そんなこと思っていたところで何が変わるのだろうか………?
「本当に、ごめん。」
「いや、いいんだよ。別に問い詰めるために来たわけじゃないんだから。」
「じゃあ…本台は…?」
「………どうやったら、仲直りじゃないけど………昔みたいになれるかなって。」
なるほど、そういうことだったのか。
「昔みたいに………とは行きそうにもないけどね。まぁ、私は私でけりつけないといけないことがあるし。」
「どんなこと………?」
「まずは、夢七を振るところからじゃないかなって。」
正直にそう答えた。
「やっぱりそこから………?」
「だって、私達は今まで友達としてやって来てた。1番はじめに抜け駆けしたのは夢七でしょ?そのせいでちょっと疎遠が加速したまであるんだから。でもまぁ、半分は私の責任でもある。」
「やっぱり………。」
私は空気を読みすぎた。皆からいい目で見られたかった。誰からも嫌われたくなかった。その判断が招いたことだ。
「うん。だから、そこはちゃんとしておく。」
「わかった。任せる。」
「それはそれとして………最近、よく光華が一華のところ行ってると思うけど変なことされてない?」
続いて気になっていたのは光華のことだった。
「変なこととかはないけど………その………。」
「あぁ、知ってる。告白されたんでしょ?確かゴールデンウィークのとき。気まずい顔して光華が帰ってきたからさ。」
「………うん。された。」
「それで、それについてはどうするのさ。お姉ちゃん。」
本のいたずら心の一言だった。
「お、お姉ちゃんってまだ付き合ってもないのに!さ、流石に気が早いって!」
物凄い勢いで取り乱すものだから。かなり面白かった。まだ病み上がりだっていうのに。ちょっとはしゃいでしまうくらいには面白かった。
「ちょっとした冗談だって。でもそっか………まだ付き合ってないんだ………まだねぇ………。」
「もう!本当に………虹姫には叶わないや。」
「まぁどうなるかなんて解らないけどさ、面倒かけるかもだけど見てやってね?多分一華が光華にとっての初恋だから。」
「わかった。まぁいずれね。」
「なるほど、これでうちも安泰って訳だ。じゃあ私も好きに恋愛できるや………。」
「虹姫には好きな人っているの?」
「そうだね………多分いるよ。まだ解かんないけどさ。今日一日中その人のことを考えてたし。」
多分、これは私にとって最も重要なことだ。だから言うべきなのだろう。
「どんな人?」
その簡潔な質問にただ一言こう返す。
「強がりな人。」
そうして私はその言葉へと続けた………。
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ベッドにだいぶした後、私はらしくなかった今日一日の事を思い出す。ずっと頭にあったのは虹姫のこと。
まるで恋をしているみたいだ。私を孤独から救ってくれたあの人。
「どうしてなんだろうか………?わかんないや。」
きっと、これが私の本当。とっても弱くて何時も誰かを必要としている。今回はそれが偶然………果たしてそうなのだろうか?偶然なのだろうか?
出会いこそ偶然だった。しかし多分あの人に縋るのは必然なんじゃないだろうか?ここまで人を思い続けたことなんてない。
「あの人に会いたい………そんな風に思ったことなんて無かったけど………私のことを受け入れてくれたその人。何時も側に居てくれたその人のことが………。」
そうして私はその言葉へと続けた。
「「私はきっと、その人のことが好き………。」」