誰かの英雄に成りたくて   作:パーカス

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序章
新しき生


結構から言うと、俺は死んだ

 

 

どういった経緯で死んだか分からんけど、死んだ事は分かっている

 

 

そして俺は今、真っ白な場所で1人座り込んでいた

 

 

頭がこんがらがって、何から悩み解決すればいいか分からない……

とりあえず、先に自分の記憶を確認する事にした。

 

俺は夜霧翔、2002年10月生まれで年齢は18歳……

中学の頃から学校には行かず、ゲームやアニメが大好きな引きこもり……

悲しい経歴だが、一応自分の名前等は覚えているみたいだ。

でも少し、おかしな点に気付いた。

 

 

自分以外の周りに関しての記憶が一切覚えていないのだ

 

 

家族の顔も名前も、友達……はいたかどうか知らないけど、そっちの記憶に関しては何も覚えていないみたいだ

 

頭を悩ませて思い出そうとするが、頭に浮かぶ思い出の映像には俺に話し掛けて来る人達にモザイクがかかり、更にはその人の声にはノイズがかかる

 

死んだ時に自分以外の記憶も失ってしまったのか?

 

それとも元々俺には家族や友達などと呼べる記憶が存在しないのか?

 

可能性的に前者の方が信憑性が高いな……

もし後者であるなら、頭に浮かぶあのモザイクの人達は誰なんだ?ってなる

 

でも、何故だろう?

 

 

別に記憶が無くていいや、て思えちゃうのは……

 

 

もう死んだから思い出さなくていいって思っているから?

 

と、悩んでいると俺の目の前で眩い光が現れる。余りの眩しさに手で目を覆い、光が収まるのを待った。

すると、光の中に人の形をした何かが見えた。それは光が徐々に収まると同時に、よりはっきりと視認出来るようになる。

 

 

そこには──────

 

 

「こんにちは、突然ですが貴方は死んでしまいました」

 

 

布1枚で大事な部分だけ隠された露出狂の女がいた。

 

 

やっば

ぜってぇヤバい人だ

てか、さりげなく俺が死んだ事を言ってきたな、この人

どうしよう

逃げようにも、ここ何にもないから逃げれる場所がねぇや

 

 

俺がそんな事考えていると、女は不思議そうな顔をしながら聞いてくる。

 

 

「あれ?あまり驚いていませんね?」

 

 

別の意味で驚いているからかな

あとこの人、もしかして神か何かか?

あと普通に可愛いな……

もし俺の生きた世界にいたら、世界一の美少女として有名になっても可笑しくないくらいの美貌だぞ?

 

 

「あの〜、何か喋ってくれませんか?流石に私だけ喋るのは寂しくなっちゃうので……」

 

 

泣きそうな顔でそう言ってくる。

 

 

泣き顔も可愛い……

いや、てか神なら心の声って聞こえるんじゃないのか?

それはアニメだけかな?

まぁ、そろそろ喋らないと泣きそうだし喋るか……

 

 

「……お前は、誰だ…?」

 

 

ヤッバ

忘れてたわ

俺、心の声と口調は、実際に言う声と口調とは違うんだった……

こう人と喋る事を嫌ってこの喋り方をし続けた結果、これが定着しちまったからもう治せねぇよ!

ほら!よく言うんじゃん!染み付いた癖は直せないって!それと一緒さ!あれ?聞いた事ない?……まぁ気にすんな!

………誰に言ってんだ?

 

 

女はとても嬉しそうに目を輝かせ、笑顔で喋りかけてくる。

 

 

「こんにちは!私は……そうですね、女神さまって呼んでください」

 

 

やっぱり神なんだ……

てか、そろそろ服着てほしいんだけど……

直視出来ないんだが

 

 

「貴方は夜霧翔さんで間違いないですか?」

「……あぁ」

 

 

これ言った方がいいのかな?

でもどうしよう……

これが神にとって当たり前の格好だったら……

 

 

「えーっと、貴方の死因ですが……貴方は覚えていますか?」

「……」

 

 

俺は顔を横に振り、否定する。

 

 

「では私からお教えします。貴方は地球時間5月18日火曜日13時49分38秒に街を歩いてた時、通り魔に背中を刃物等で刺され、お亡くなりになってしまいました」

 

 

マジか

俺、殺されたんか

 

 

「ちなみに貴方を殺した者はその後、確保されたみたいです」

 

 

ん〜、俺以外に被害者とか出なかったのかな?

 

 

「俺以外にも死人は出たのか?」

「幸いながら死人は貴方だけで、他の人は軽い怪我等で済んでいるようです」

 

 

それは良かった……

まぁ、別に俺が死んでも悲しむ奴なんていないだろ

……記憶はないけど、家族とかは悲しんでくれてるかな?

 

 

「……俺の家族は?」

「……」

 

 

そう言うと、女神は言いずらそうな顔をしていた。

その顔を見て、俺はすぐに察した。

 

 

……なるほど

やっぱりそうなるよな

 

 

「やっぱり今のは無しだ」

「……そうですね、出来れば私もお教えしたくありませんので」

 

 

女神はそう言うと咳払いし、そして先程の笑顔を浮かべた。

 

天使だ……

いや、女神か

 

 

「暗い話はここまで!貴方には今から2つの選択肢があります!1つは地球とはまた違った別世界で第2の人生を謳歌するか、勿論初回特典で1つだけ好きな能力を選べられます!そして2つ目ですが─────」

 

 

これは異世界転生あるあるの転生か昇天の2択か?

まぁ、転生もいいけど別に第2の人生を謳歌したいとも思わないし、昇天でもいいかな〜

 

 

「私達の、神の使徒になり世界を旅するか。この2択です」

 

 

……ん?

気の所為か?

今異世界転生ものあるあるでも聞いた事のないような選択肢が出てきたぞ?

 

 

「……神の、使徒?」

「はい、簡単に言うと『神のお願いを聞く』。ただそれだけです」

 

 

神のお願いを聞くだけ?

……何か裏がありそう

それに神の使徒になる、てことは神の奴隷として戦い続けるって事なのかもしれない

考え過ぎなのかもしれないが……

 

 

「…神の使徒になったとして、何かこちらに得るものはあるのか?」

「そうですね……」

 

 

女神は悩む素振りを見せ、そして質問に応える。

 

 

「まず転生とは違い、使徒になれば特典を2つお願いする事が出来ます」

「特典を2つも?」

「はい、その人が第2の人生を神に捧げるのなら、神はそれ相応の対価を支払わなければなりません。そこで出された案は特典を1つ増やす事、それが条件です」

 

 

んー、確かに特典2つは有難いな

てか、俺の他にも使徒になった奴はいるのか?

 

 

「使徒は何人いるんだ?」

「え?」

 

 

え?

結構普通の質問したような気がするけど……

この反応……ま、まさか……

 

 

「……いない、のか?」

「ソ、ソンナコト、ナ、ナイ、ヨ」

 

 

女神は誤魔化すように目を逸らし、口調がロボットみたいな喋り方になった。

 

 

「……」

「うっ……」

 

 

黙って女神の顔を見ていたら、気まずそうな顔をしていた。が、どうやら諦めたらしく正直に話してくれた。

 

 

「……実は何度か頼んだ事はあるんですが、みんな転生したいって言って行っちゃうんです。だから、その、使徒は……いません」

 

 

なるほどな〜

確かに特典2つを手にするより、別世界で自由に生きる方がよっぽどマシだな

折角の新しい人生をまた誰かに束縛されたくないもんな……

 

 

「……貴方も、転生を望みますか?」

 

 

女神が少し悲しそうな笑みと共に、聞いてくる。

 

 

「……」

 

 

さて、俺はどうしよう

転生しちゃうか、使徒になるか……

正直、俺はどっちでもいいんだけど……

女神さんのあんな悲しい顔を見ちゃったらな〜

 

 

「……特典は言えばくれるのか?」

「はい、仰って下さればその力を授けます」

「なら、俺の特典は─────」

 

 

さぁ〜って、どうしよっかな〜

パワー系の能力でいくか、魔法系の能力でいくか……

いや、今後の事も考えて万能系の方が良さそうだな……

よし!なら俺が望む力は─────!!

 

 

「ペルソナ5のジョーカーの能力とFateのエミヤの能力で頼む」

「分かりま─────あれ?何で2……つも……」

 

 

女神は驚いた顔でこちらを見てくる。正直見つめ合うのも少し恥ずかしくて抵抗あるが、覚悟を女神に伝える為にしっかりと彼女の目を見る。

 

 

「俺がなんの役に立つか分からない。が、誰かの為に戦えるというのなら、それもいいかなって思ってな」

「夜霧さん……!!ありがとうございます!!」

「!?」

 

 

女神は余程嬉しかったのか、急に抱き着いてきた。

 

 

うぉぉぉぉぉぉ!?

まさか人生でこんな美女に抱き着かれる日が来るなんて!!

てか、この人露出凄いのに更に胸もデカいから、すごく感触がぁぁぁぁぁぁ!!

記憶はないけど、身体は知ってる!!

俺、女に抱き締められた事ない!

つまり、この人が初の人!!いや、初の神?初の神はおかしいから初の女?

何か卑猥に聞こえるかも……

 

 

「そろそろ離れて欲しいんだが……」

「あ、ご、ごめんなさい!!嬉しくてつい……」

「……そうか」

 

 

流石は俺ッ!

心の声と言ってる事が全く違う!!

更に言えば、表情も作ってるから向こうから見たら冷静沈着の口数が少ない絡みにくい男に見えている筈だ!

いや〜、記憶はないけどこの才能を身に付けた前の俺には感謝しないとな!

サンキュー!!

 

 

「えー、では、夜霧翔さん。貴方は今から()()……神の使徒として生きる、という事でよろしいですね?」

「あぁ……ん?」

 

 

あれ?今、『私の』って言わなかった?

 

 

女神は1冊の本を取り出し、何かを書き記す。─────すると。

 

 

「なッ!?」

 

 

俺の足元に変な魔法陣が現れ、女神が何かを唱えると魔法陣は光を放ち、光が俺を飲み込んでいく。

 

 

「これより早速、貴方には世界を旅してもらいます。安心してください。最初の世界は割と簡単な世界にしますから」

 

 

女神は満面の笑みでそう言って、手を振る。

 

 

いやいやいやいやいやいやいやいや!?

可愛い笑顔だけども!?

能力について説明とかその他諸々の説明はッ!?

 

 

そんな俺の心の声は聞き取って貰えず、魔法陣の中へと引きずり込まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目を覚ますと、そこは森の中だった。

辺りは高々に立つ木々ばかりで、ここが何処の世界か判断する事が出来なかった。

俺は立ち上がり、木々の間から光が射している方へ歩き出した。

森から脱出すると、視界に様々な建造物と住宅地が写った。

そして頭に突然ナビのような声が聞こえそれを最後まで聞き、俺は心の中で苦笑いを浮かべながら絶望した。

 

 

 

いやいや、女神さま……

何処が簡単な世界なんスか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

“ようこそ、ハイスクールDxDの世界へ”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

┈┈┈┈┈《第1話 新しき人生》┈┈┈┈┈

 

 

 

 

 

 

 

 

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