5Sぷらす2 ルートB   作:しろすけ

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そういやこの話書いてなかったわ
ということで追加




「なんだこれ!センサー反応しろ!

 くそぉぉ…

 あの五人だけでなくお前も俺を邪魔するのか」

 

中野たちのマンションのエントランス

ガラスドアにへばりつき呪詛の言葉を吐く幼馴染

今時オートロックも知らんのかこの男は

ところで…

 

「無理っぽいならもう帰っていい?」

「あ"あ"!?

 こんなとこで諦められるか!」

 

気合い充分なのはいいが何故俺まで

土曜の昼間

休日だというのに風太郎に連れられ一週間ぶりの中野たちのマンションへ

たしかに今日は夜までバイト無いが、何故俺のシフトを把握している?

 

「なあ

 いい加減、俺まで行かないといけない理由くらい教えてくれない?」

 

道中何度も聞いてみたがなんでか教えてくれない

理由も言わないならさっさと帰れば良かった気がするが、そこでコイツを見捨てられないあたり俺も大概甘い…

 

「あのー30階の中野さんの家庭教師をしてる上杉と申します

 そこのドア壊れてますよ?」

 

とうとう監視カメラに話しかけ始めた

さすがにこれ以上は哀れなのでそろそろ説明をしてやろうと思ってたところで

 

「何やってるの?」

 

ヘッドホンが特徴的な少女、三玖が声をかけてきた

手にビニール袋を持ってるあたり買い物にでも出ていたらしい

 

「今時オートロックも知らないんだ」

 

三玖がインターホンを操作して扉が開く

小さく舌打ちしたら風太郎に睨まれた

 

(お前、さては知ってたな!?)

(なんのことやら)

 

相変わらずこんなとこだけは以心伝心である

 

「ユーキも来てくれたんだ

 ……よかった」

 

んん??

 

「お、おう

 言った通りコイツも手伝ってくれるから」

 

お前、俺をダシに使ったな!?

 

「なあ、中野

 俺は…」

「……」

「…………三玖」

「なに?ユーキ」

 

ぷーいとそっぽを向かれたが呼び方を訂正したら反応してくれた

何故かあれ以来、苗字や三女呼びだとこの通り反応してくれない

出会って間もない女子名前呼び捨てとか普通は抵抗あるはずなんだが…

 

「お前

 名前で呼ぶくらいで恥ずかしがってんなよ」

 

うるせーノーデリカシー

別に恥ずかしい訳じゃねーわ

 

 

「おはようございまーす」

 

結局なし崩しで、中野たちの部屋へ

リビングには他の姉妹の姿もある

 

「準備万端ですっ」

 

やる気十分の四葉

 

「私も、まあ見てよっかな」

 

勉強するかはともかく興味自体はあるような一花

 

「私はここで自習してるだけなので勘違いしないでください」

 

一瞬、こちらを見て何か言いたげになった五月

 

「約束どおり日本史教えてね」

 

四葉ほどではないがやる気はある様子の三玖

各々差はあれど、思ったより協力的に見える

さっき三玖に隠れて

『頼む!お前がいないと勉強しないとか言い出しかねん!助けてくれ!』

と、割と必死そうだったが杞憂じゃないか?

まあ、なんにせよ雰囲気は悪くなさそうだし心配は…

 

「あ

 なーに?懲りずにまた来たの?」

 

そういえば、一人見当たらなかったな

最後の一人、二乃が階上からこちらを見下ろしている

 

「先週みたいに途中で寝ちゃわなきゃいいけど」

 

ほほう?

 

「貴様

 反省してないな?」

「ひっ!」

 

我ながらかなり不機嫌そうな声が出た

軽く悲鳴をあげる二乃

他の姉妹もカタカタと震えはじめた

 

「な、なんで

 あんたもいんのよ!?」

 

うん、まったくだ

それに関してはむしろ俺が聞きたい

が、それは置いといて

この間のアレではまだ足りなかったと

それなら俺にも考えはあるんだが

 

「落ち着け優希!

 俺は別に気にしてない!」

 

俺の肩に手を置いて風太郎が言う

そうは言うが、わざわざ妨害を宣言してくるような奴を放置しておけるとでも?

 

「に、二乃もどうだ?

 一緒に…」

「っ!」

 

風太郎が声をかけたが、言い切る前に二乃は部屋に引っ込んだ

排除しようとした相手に庇われたらそりゃ居心地悪いよな

 

「し、下川君

 ごめんなさい、二乃が」

「だから、謝る相手は俺じゃないだろ」

 

まあ、この場で勝手にキレてる俺に謝る気持ちは分からんでもないが

渋々と言った様子だが五月は風太郎に謝る

コイツらも打ち解けるまでは時間かかりそうだ…

 

「ほら

 勉強するんだろ?

 さっさと始めよう」

「そ、そうですね!

 早速……!」

 

ん?四葉?

変な空気にしてしまった責任感じて俺から切り出してみて、四葉が乗ってくれたと思ったんだが

着信でもあったのかスマホの画面を見て固まってしまっている

 

「上杉さん!下川さん!すみません!

 困ってる人をほっといてはおけません!!」

「は!?」

 

なんでもバスケ部のメンバーが骨折してしまいこのままでは試合に出れないとのこと

風太郎が止める間も無く四葉は部屋を出て行ってしまう

 

「あの子断れない性格だから」

 

だろうね

こいつらが転校してきて一週間ほどだが先生やらの頼み事で走り回ってる姿を何度も見かけている

お人好しなのも考えものだな

 

「それ、ユーキ君が言っちゃうんだ」

 

ナチュラルに思考読むなや

そういう一花も何故か苦笑いをしながら外出の支度

 

「い、一花?

 お前までどうしたんだ」

「ごめーん

 二時からバイトなの忘れてて」

 

すまなさそうに言いながらそそくさと部屋を後にしてしまった

 

「よーしお前ら集まれー

 授業を始めるぞー」

「現実見て

 もう私と五月しかいない」

 

生気の消えた目になった風太郎に流石の三玖も同情してるようだ

そんな三玖のスマホにも着信

画面を見た三玖はさっき買ってきたビニール袋を手に階段を上がっていく

 

「み、三玖?」

「大丈夫

 すぐ戻るから」

 

風太郎が心配そうな声をあげたが三玖は制止する

そのまま二階、姉妹それぞれの個室のうち階段から二番目の扉の前へ

 

「何よ?

 あんたが間違えて飲んだ私のジュース早く買ってきてよ」

「もう買ってきた」

 

二乃の部屋だったか

というか、着信が二乃からってことはまさかさっきの四葉たちへのもコイツの仕業か?

五月にも着信はあったみたいだが、何やら思案した挙句残ってくれたのは助かったな

 

「え?え?

 あーいう冴えない顔の男が好みだったの?」

 

階上の口論は続いてたようだ

何気に酷いこと言われてるな

 

「二乃はメンクイだから」

 

三玖も地味に酷い

というか何の話をしている何の

 

「……なあ、勉強始まんないなら帰っていい?」

「ちょっ!待っ…!」

「ダ、ダメ!」

 

いい加減この状況に耐えられなくなったので半分冗談で切り出したら意外にも三玖が口論を切り上げてまで遮ってきた

 

「ちゃ、ちゃんとするから」

「わかった

 わかったから」

 

ここまでの反応されるとは正直思わなかったので困惑してる

二乃の方は敵意剥き出しで俺の方睨んでくるし

しかし、二乃のあの態度はつまりそういうことか

そうなると俺としては二乃の気持ちもなんとなく理解できてしまうわけで…

やれやれ

風太郎が五人全員から信頼を得るのは思ってた以上に険しい道のりみたいだ

 

 

「もうこんな時間か

 今日はこれくらいだな」

 

風太郎が告げて三玖と五月も肩の力を抜く

あれから、ようやく家庭教師の授業を始めたわけだが

三玖も五月もなんで俺の方に質問してくるのさ

なにかと勉強の質問を俺にしてくる三玖をなんとか風太郎の方に誘導するのには苦労した…

三玖はなんだかんだ興味のある日本史中心だったのでどうにかなったが、五月に関しては

 

『友達に勉強を見てもらっているだけですので』

 

の一点張りで取り付く島もなかった

風太郎、わざわざ俺が教えるなら自分が教えたも同然、なんていらん挑発はやめてくれ…

 

で、二乃の方は時折部屋から顔を出してはこちらを恨めしそうに見ていたわけだが

こっちが視線を送るとすぐ慌てて引っ込んでいく

別に睨んでるわけではないんだが…

 

「先が思いやられるな」

「全くだ

 特に二乃

 あいつとわかり合える日が来るとは思えん」

 

風太郎も流石に二乃が特別に悪意を持ってるのには気づいてるみたいだな

 

「ちゃんと誠実に向き合えばわかってくれるよ」

 

意外にも三玖がそんなことを言ってくる

 

「誠実にって…

 どうすりゃいいんだよ」

 

風太郎も面食らってはいるようだがそう聞き返す

 

「私に言われてもわかんない」

 

「それを考えるのがフータローとユーキの仕事でしょ」

 

誠実に向き合う、ね

…………って

 

「三玖

 俺は家庭教師の仕事引き受けてるわけじゃ」

「そ、そうだな!

 お前たちから信頼されるように頑張るぜ!」

 

風太郎…お前勢いで巻き込もうとしてる?

流石にこれ以上は勘弁してほしいんだが

ただ、三玖の方は何故か俺の方を期待してるような目で見てくるわけで…

これは今後も巻き込まれるのを覚悟しないといけないらしい

 

 

「……財布忘れた」

「はあ?

 お前にしては珍しいな」

 

お前が急に押しかけてきて引っ張ってくるから咄嗟に財布鞄に突っ込んだんだよ

で、勉強道具取り出した時に一緒に出してそのままか

振り返れば既に自動ドアは閉まっている

げんなりとした気分でインターホンを操作する

頼むから二乃は出ないでほしいが

 

「忘れ物?

 シャワー浴びてるから勝手に取ってっていいよ」

「もう少し危機感持ってくれ…」

 

信頼されているととるべきか、男として見られていないととるべきか

ともあれ自動ドアが開いたので再びマンションの中へ

 

「ついていくか?」

「すぐだから先帰ってろ」

 

どうせマンション出たら俺はバイト先直行だし、お守りが必要なわけもない

風太郎と別れて一人再び中野たちの部屋へ

 

で、一応チャイムを鳴らしたが返事はなく、言われた通り鍵は開いていたので室内へ

リビングに入ってみれば

 

「ーーっ!

 悪りぃ…」

 

ソファーに座り髪をドライヤーで乾かしている姿を確認して慌てて廊下に戻る

この間の放課後の時といい男が近くにいるってのにどういう羞恥心をして…

 

いや、ちょっと待て

下で三玖と話してからここまで何分かかった?

いくらなんでもシャワーを浴びるには早すぎる

それに髪の長さが三玖よりあったような

つまり…

 

「誰?三玖?

 お風呂入るんじゃなかった?

 空いたけど」

 

よりによって二乃かよ

さっき誠実に向き合えばなんて言ってた矢先にこれだ

いや、風太郎がこの局面に遭遇しなかっただけマシなんだが

 

「お昼にいじわるしたことまだ根に持ってんの?」

 

「あれは勢いで…

 悪いとは思ってるわよ」

 

姉妹相手だとこんだけ素直に謝れるんだなこいつも

…って気配近づいてきてる!?

 

「……何とか言いなさいよ」

 

言えるか!

どうやら廊下の手前では止まってくれたみたいだが

 

「全部あいつらのせいだ」

 

ん?

 

「パパに命令されたからって好き勝手うちに入ってきて…」

 

「私たち五人の家にあいつらの入る余地なんてないんだから」

 

……まあこういうことなんだろうな

正直その気持ちはよくわかってしまうわけで

かといって、風太郎の事情もあるので引き下がるわけにもいかんし

 

「ねえ聞いてんの?」

「っ!?」

 

気づけば目の前に二乃の顔

めちゃくちゃ近くに顔を寄せてきている

何だこいつ?ここまで近づいてて気づかないか普通?

そのまま目を細めて

 

「〜〜〜〜〜〜〜!!!」

 

声にならない悲鳴がマンションに響き渡るのであった

 

 

「静粛に」

 

リビングに一花のどこか楽しそうな声

何故か裁判所の風景を幻視した

まあ実際は床に正座させられてるだけなんだが

 

「裁判長」

「はい

 原告の二乃くん」

 

「この男は一度マンションから出たと見せかけて私のお風呂上がりを待っていました

 悪質極まりない犯行に我々はこいつの今後の出入り禁止を要求します」

 

当然のように経緯を勘違いされてる…

結果として風呂上がりを見てしまったのは悪かったが弁明くらいしてもいいんだろうか

 

「たいへんけしからんですなあ」

 

相変わらず一花は楽しそうだが…

 

「中野

 俺は財布を取りに来ただけで…」

 

ぷーんとそっぽを向かれる

 

「……裁判長」

「ふむふむ」

 

言い直したらニッコリ笑顔でこっちを向く

被告の立場の俺が言えたことじゃないがいつまでこの茶番に付き合わんといかんのだ

 

「異議あり」

 

ここまで沈黙していた三玖が手を挙げる

 

「ユーキは悪人顔してるけどこれは無罪」

 

手厳しい

が、顔に関しては自覚はしてるので反論できん

っていうか庇ってくれてる?

 

「私がインターホンで通した

 録音もある

 これは不幸な事故」

 

冷静なのがいてくれて助かる

何故か後ろで五月もホッとしてるように見えたが

 

「あんた、まだそいつの味方でいる気…?」

 

二乃はそれでも納得いってないようで

 

「そんな口実信用できるわけないでしょ」

「実際に財布はテーブルに置きっぱなしだった」

 

二乃の言葉に三玖が反論して睨み合いに

なんだが妙な雰囲気になってきたな…

 

「裁判長〜

 三玖は被告への個人的感情で庇ってま〜す」

「ち、違…」

 

三玖が二乃の言葉に顔を赤くして反論する

そしてそのまま始まる口論

当事者なのに置いてけぼりを食らってるんだが

 

「い、今は私たちが争ってる場合じゃ…」

「五月は黙ってて」

「あんたはどっちの味方なのよ」

 

仲裁に入ろうとした末っ子は返り討ちに遭い長女に泣きつく羽目に

 

「うーん

 三玖はそう言うけどねー

 なんせユーキ君だからねー」

 

おっと…

一花のやつは意味ありげな笑みでそんなことを言う

これはもしかしなくても初日のアレのことを思い出してるんだろうか

 

「一花

 やっぱあんたは話がわかるわ!

 そうよ!この根暗は廊下で待ち伏せまでしてだんだから!」

 

……いい加減言われたい放題にも程があるのでそろそろこっちも発言していいだろうか

 

「確かに風呂上がりの次女とリビングで鉢合わせたよ」

「っ!ユーキ?」

「ほら見なさいよ!」

 

自白とも取れる俺の発言に三玖の顔が強ばり、二乃は鬼の首を取ったようにさらに圧を増す

 

「ただ一瞬だけですぐ廊下に引っ込んだよ」

「はあ?」

「聞こえてなかったかもだが一応謝りもした」

 

二乃が割り込んできそうだがこの際言うことは言ってしまいたいので

 

「お前、俺のこと三玖と勘違いして話しかけてきただろ?」

 

「俺もどう答えようと考えてたらお前が目の前まで来たわけ」

 

とりあえず事実をそのまま言ったが果たして

 

「……じゃあ、二乃が勝手にユーキの前に出てきたってこと?」

「はあ!?

 こいつの言うことなんか信じられるわけないでしょ!?」

 

まあ、二乃の反応は当然だよな

逆の立場なら確実に信用しない

 

「どうあれ」

 

だが勝手に落とし所は決めさせてもらおう

 

「お前に嫌な思いさせたのは事実だろ

 すまなかった

 出入り禁止ならそれで構わないよ」

 

もともと俺がここに来たのは成り行きだったし

チラッととはいえ二乃の裸を見てしまったのは事実なわけで

バスタオルは巻いてたが

こんなことを招いたとして風太郎の家庭教師に影響が出てしまうかもしれんな

 

「何勝手に話終わらそうと…」

「ダメ!」

 

勝手に話を進めた俺が気に食わなそうだった二乃だが三玖が声をあげたことに固まる

 

「もともと鍵を開けたのは私だし、ユーキはちゃんと謝った

 そこまでする必要ない」

 

昼間の勉強前といい突然こんな感じになるのは一体なんなんだ

そこまでして庇ってもらわんでも…

 

「そ、そうですよ

 下川君も反省してますし」

 

五月まで助け舟を出してくれる

しかし、二乃の方はやっぱり納得がいってないわけで

 

「アンタたちはコイツの味方をするってわけ!」

 

俺の方を指差して吠える

うん

俺としても被害者である二乃が納得しない限り終わりじゃない認識はあるんだが

 

「まあ、そうカッカしないで」

 

一花の方は普段通りというか、一歩引いた目線というか

 

「私たち昔は仲良し五姉妹だったじゃん」

 

そう何気なく発したであろう一花の言葉に二乃の表情が曇る

 

「昔はって…

 私は…」

 

他の姉妹には聞こえなさそうな声で呟いたと思ったら駆け出してリビングを出る

そのまま扉が閉まる音まで聞こえたので部屋を飛び出してしまったようだ

 

「いいの?」

「……ほっとけばいいよ」

 

三玖はいつもの無表情でそう返してくる

飛び出していった二乃のあの表情

正直こんな事態を招いた元凶としては俺が何言っても無駄だろうし

これ以上の過度な干渉はよろしくなさそうだな

 

 

「あ」

 

言ってるそばからこれである

三玖たちに騒ぎを起こした件を改めて謝り、マンションを出たところで座り込んでいる二乃に遭遇してしまった

 

その二乃は俺が出てきたのを確認しするや立ち上がりオートロックの自動ドアを潜ろうとして

無常にも閉まるドアの前でガックリと肩を落とす

 

「チッ…

 使えないわね」

 

おおかた鍵も持たずに出てきて、他の姉妹に開けてもらうのもバツが悪いってとこだろうな

 

「何見てんのよ

 あんたの顔なんてもう見たくもないわ」

「ん

 悪かったな」

 

さっき考えた通りこれ以上の干渉は良くないか

そのうちこいつも折れて…

 

「はぁ…」

 

どうも膝を抱えて座り込む姿に後ろ髪を引かれて立ち止まる

 

「な、何よ

 まだ何かあるわけ?」

 

振り返れば警戒したように身構える二乃

口には出してないが前言撤回だな

 

「もう少し素直になったら?」

「はあ?

 意味わかんないですけど」

 

敵意を隠そうともしない二乃

だがこの敵意は

 

「姉妹のこと心配してんでしょ?」

「っ!」

 

図星みたいだな

結局、こいつの俺たちへ向ける敵意は姉妹への愛情の裏返しなんだろう

異分子としてずかずか入り込まれてきたらそりゃあ不安にもなる

多分だが、こいつが一番姉妹思いなんだろう

 

「羨ましいな」

「は?」

 

思わず口をついて出た言葉はしっかりと聞こえてしまったらしい

今更誤魔化すのも難しいか…

 

「そういう相手がいるってのは正直羨ましいよ」

 

「まあ、後悔だけはしないようにしな

 あの時あんなこと言わなきゃ良かっただとか、後になってそう考えるのは結構しんどいぜ?」

 

我ながらどの口が言うんだと内心自嘲

だがまあ、認めたくはないがどうもこいつの姿がどこかの甘ったれに被ってしまうわけで

 

「あんた…それって…」

「二乃」

 

二乃が何かを言いかけた時、マンションから出てきた三玖にそれは遮られた

 

「いつまでそこにいるの

 早くおいで」

 

そう言われた二乃はそれ以上何も言わない

 

「じゃあな」

「うん

 ユーキ、また今度ね」

 

俺と三玖とのやりとりにも割り込んでくる様子はない

そこまで深刻に捉えてくれなくてもよかったんだがな

その場から離れ、少しして後ろを振り返れば、なんだかんだ並んでマンションの中へ戻っていく二乃と三玖

 

しかし、これは今後も風太郎は苦労するんだろうな

ま、俺が関わる機会はもう無いだろうし

これも経験ということで頑張ってもらうとしよう

 

無い…よな?

 

一抹の不安を覚えたが気のせいだと信じたい

 




追加はあっちの連載終わってからだと言ったな
あれはうs(ry

オリ主の正座耐性は高め
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