LoveLive! Prismatic Sunshine 作:ジュラーヴリク
年内に投稿間に合っていやあ、よかったよかった。また3ヶ月も感覚開いてるけど。
善子が正式加入して数日。今日は体力作りはオフだが、今までの情報共有と今後の活動内容を決めるミーティングとして部室に集まっている。
真生「というわけで、余りまくってた部費で各種作業用に中古PCと外付けHDDやらを購入した!」
千歌「えっ。マジで買ったんだ……アレ」
曜「うん。こないだ沼津のリサイクルショップで見つけてから『めっちゃ欲しい』って言ってたアレ」
梨子「コレが、目を輝かせてたって話の……アレ」
善子「いやアレとかコレとか言われてもわかんないわよ!」
善子からツッコミが飛んでくる。入部してまだ数日だが、千歌達とも打ち解けられてきてるみたいだ。
花丸「コレがネットの深淵にすら繋がるという、げーみんぐぴーしー……その割には光らないような……?」
真生「残念だけど、コレは普通のPCにHDDやらを外付けしてメモリとストレージの容量を拡張しただけのフツーのパソコンなんだ。簡単なゲームなら確かに出来るけどな」
花丸「違うんですか?」
真生「ちょっとだけな。そうだな……PCを作業机、ストレージを棚や引き出し、メモリを天板に例えよう。コイツはそれぞれを増設した状態って考えれば解りやすいかな?」
花丸「んん〜……? なんとなく解ったような気が……?」
真生「まあ、後でゆっくり解説するよ」
花丸「たはは……お手数おかけしますずら……」
解説サイトの言い回しを流用し、電子機器に疎いマルちゃんに軽く説明する。
ルビィ「でもでも! パソコンが1台あるだけでやれることはいっぱい増えますよね! 編曲とか、PVを作ったりとか!」
ふと、ルビィちゃんが面白いアイディアを提案する。
千歌「PVかぁ……。PV。プロモーションビデオ。……Aqoursの」
同じく耳に届いたらしい千歌が何度か口に出しながら考えるような素振りを見せ……
千歌「よし! それだ!」
ルビィ「ピギッ!?」
なにかしら思いついたようだ。それと同時に俺がやるべきことも、ある程度絞り込みはできた。
まったく、我が幼馴染は忙しくさせてくれるな
千歌「ねえ真生! こないだラブライブの公式サイトにAqoursの名前を登録してたよね!? 今何位!?」
真生「ちょっと待て。だーもう回線悪っ! ……現状で動きナシ! グループランキング2932位で、ソロも含めた総合ランキングだと4490位!」
善子「よ、4000……!?」
公式サイトを立ち上げ、現在の順位を確認する。
善子が動揺するが、すまないが今はスルーだ。
曜「たはーっ! 総合4500位かぁ……相変わらず果てしない数字だね」
梨子「上位陣もいくつか入れ替わってるみたい。群雄割拠もいいところね」
千歌の言葉に曜と梨子が相槌を打つ。
以前なら、ここから勢いで行動開始していたところだが、どうやら今回は少し違うようだ。
ルビィちゃんがおずおずと手を挙げる。
ルビィ「あ、あの、先輩……こういうときって、ちゃんと詳細まで決めてから実行に移したほうが確実だと思います……」
曜「……ルビィちゃん」
ルビィ「ヒィッ! ご、ごめんなさい!」
曜「それもそうだね。そういう意見、ガンッガン出してきて!」
千歌「そだね。後輩を置いてけぼりにして、私らだけで盛り上がるのはダメだよね」
ルビィちゃんの現実的な意見に曜と千歌が反応する。人見知りしやすいってだけで、もしかしてルビィちゃん俺より冷静なとこあるんじゃねえかな。ともかく、改めて冷静になる。
梨子「じゃあ、クールダウンできたところで方針を整理しない?」
梨子は一足先に頭を切り替えたらしく、ホワイトボードマーカーを手に、この場の全員に声をかける。
梨子「まず、Aqoursの今後の活動内容として、PVを作るのは確定。次に、その内容を決めていきたいところだけど、今の時点で何かアイディアある人っている?」
要点をホワイトボードをかける。
千歌「はい! はいはーい!」
梨子「はい、千歌ちゃん早かった」
曜「いや大喜利じゃないんだから」
千歌「内浦とか浦の星の魅力をまとめるとか!」
まず提案したのは千歌だ。だが、浦の星という単語に、ひとつ疑問も生じてくる。
真生「浦の星の魅力か……。なあ千歌、ダメ出しするようで悪いけど、浦の星は……」
千歌「浦の星女学院は生徒数の減少を理由に、来年度から隣の静真高校と統合される。それは解ってるよ。でもさ、逆に考えればだよ?」
千歌から一瞬だけ気圧される程の凄みが放たれる
千歌「私たちがこの学校や内浦の魅力を伝えれば入学希望者も増えて、学校を存続できるだけの生徒も集まるかもしれない。そうですよね? ……ダイヤ先輩」
そう言いながら、振り返る。
全員「?」
千歌に釣られてドアの方を見ると、意外な人物が風呂敷包みを携えて立っていた。
意外な人物、ダイヤ先輩が問いかける。
ダイヤ「高海さん……なぜ気づいたのですか?」
千歌「えーっと、緑茶とクリームの匂いがしたからです!」
ダイヤ「……よく嗅ぎ分けられましたね。ルビィから今日の活動内容はミーティングだと聞いていたので、生クリームどら焼きとお茶を差し入れに……って、そうではなく!」
流れるように包みをテーブルの上に拡げながら会話をする姿がやけに手馴れているように思う。
……もしかしてダイヤ先輩って割と愉快なトコあったりするのか?
梨子「……せっかくだし、いただこうか?」
曜「そうだね。今のやりとりで集中も切れちゃった」
真生「そんじゃあダイヤ先輩、いただきます」
ダイヤ「まあ、この差し入れは用件の一つでもありますので。どうぞ召し上がれ」
重箱からクリームどら焼きを取り、口に運ぶ。
美味い。めちゃくちゃ美味い。
小豆の風味が活きた粒あんと丁寧にホイップされたクリームの絶妙な組み合わせ。しっとりしつつも香ばしく焼き上げられた皮がそれらを挟み、包み込むことで、見事な三位一体を成している。
そして、どら焼きの甘味と熱めに淹れられた緑茶の渋味と旨味が互いを更に引き立て合う。
パーフェクトハーモニーとはこのことだろう。
どれ、もう一個……って、あれ? どら焼きがない。
梨子「……じっくり味わってたね」
ダイヤ「お口に合ったようであれば何よりなのですが、ひと口をそこまでじっくり味わわれるのは……その、少し気恥ずかしいような……」
ルビィ「あれ? でもみんな2つずつ食べられるハズなのに、なんで真生先輩だけ1つしか……?」
善子「……ずら丸? アンタまさか!?」
花丸「違うずら! マルはむしろこの丁寧に淹れられたお茶を味わってたからまだ半分残ってるよ! ほらこのとおり!」
言うが早いか、マルちゃんが一口だけ齧ったどら焼きを掲げる。じゃあ誰が……?
千歌「……はーい」
幼馴染が気まずそうに手を挙げる。お前が犯人かこのほでなす。
善子「ずら丸、前言撤回するわ。疑ったの謝らせて。ごめんなさい」
花丸「……気にしてないよ善子ちゃん」
曜「あーっと……千歌ちゃん、一応聞くけど悪気はなかったんだよね?」
千歌「うん。ホント美味しかったから、うっかり手が伸びちゃったっていうかなんていうか……アハハ……ごめんなさい」
理由としては分かる。すげーよく分かる。超美味かったもん。
真生「……そうだよな。思わず無言になるくらい絶品だったもんな」
千歌「そうだよね!? ゴメン真生! ホントつい手が伸びすぎちゃってぁぁぁア゛イ゛ア゛ン゛ク゛ロ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛ォ゛! ゛? ゛」
だがそれとこれとは別だ。
口に餡子をつけたまま謝罪する幼馴染のこめかみに手を当て、少しばかり怒りと力を込めてそのまま握る。
曜・梨子「「真生(くん)!?」」
花丸・ルビィ「「先輩!?」」
千歌「いだだだ痛い痛い!!」
真生「ついでに質問だ。こないだ、冷蔵庫に置いてた俺の抹茶クリーム大福を食べたのもお前だな?」
千歌「あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛そーれーもーわーたーしーでーすー!」
善子「待って待って! なんでいきなりアイアンクロー!? ていうか、なんで真生のオヤツの隠し場所を千歌先輩が把握しててしかも堂々とつまみ食いできるの!? ていうかそもそも二人ともどういう関係なのって……あぁもう、ツッコミどころを一瞬で増やさないでよ!!」
善子が悲鳴じみたツッコミをしてきたので簡単に答える。
真生「え? まずこれは食べ物の恨みってヤツ。そんで俺は高海家つまりは幼馴染であるコイツんちに下宿してる」
善子「……へっ? 下宿……?」
ルビィ「それって……つまり……」
花丸「年頃の男女がひとつ屋根の下……ってコトですか!?」
三人が揃って同じ表情をしながら顔を真っ赤に染める。そういや話してなかったっけ。
曜「ちなみに、私だけ家は沼津市街だけど、私と真生と千歌ちゃんは親子揃っての幼馴染。それよりもさ、そろそろ放してあげたら? 千歌ちゃんも相手が真生だからってつまみ食いしちゃダメだよ?」
曜に促され、千歌のこめかみから手を離す。さすがにアイアンクローはやりすぎたか……
真生「その……ゴメン千歌。俺もやりすぎた」
千歌「うぅ……いったぁい……真生にキズモノにされちゃったぁ……」
あ、意外と大丈夫そうだわ。コイツ普段隙だらけなくせにホント防御力たけえよな。
梨子「……たまに千歌ちゃん家から千歌ちゃんの悲鳴が聞こえてくると思ったら、こういうコトだったんだ」
千歌「えっ……!?」
真生「聞こえてたのか!?」
梨子からとんでもないカミングアウトが飛んでくる。
花丸「ひとつ屋根の下……先輩と……ずりゃぁ……///」
善子「……つつ、つまり……あんなことやこんなことも……、はわぁ……///」
意外となーんにも無いぞ。
妙な妄想をしたであろう思春期娘を現実に戻すべく声をかけようとした瞬間
ダイヤ「ぶっぶーですわぁぁぁぁぁ!!」
いつぞやに聞いた凛とした怒号が響く。
ダイヤ「さっきから黙って聞いていれば、話を本筋に戻すでもなく! 真生さんを中心に乳くりあって! 貴女たちは何時からスクールアイドル部からラブコメ部に変わったのですか!?」
千歌「えっ、あっ……いや……割と最初からこんな感じだったっていいますか……」
ダイヤ「問答無用です! とにかく、ホワイトボードのメモから貴女たちがかつてのμ'sのように、廃校阻止を目指すつもりなのは解りました!
ですが! 貴女たちには足りないものが多すぎます!」
おうおうおうおう、どうしたどうした。
ダイヤ「貴女たちに足りないもの、それは! 情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さ! そして何よりも人気が足りません!!」
『ビシッ!』みたいな効果音でもついてそうな勢いでダイヤ先輩が結論を話す。
ルビィ「……お姉ちゃん、それをどうしようか今考えてたんだよ。むしろ、一応は第三者のお姉ちゃんからなにかアイディア欲しいくらい」
ダイヤ「あっ、はい。そうでしたか……」
ルビィちゃんに耳打ちされ、気まずそうにダイヤ先輩が座り直す。このヒト、愉快なヒトじゃなくて真面目さ故にポカをする、いわゆるポンコツねーちゃんだな?
曜「……よし。そろそろ下校時間だし、今日はここらで一度解散して、土日使って十千万で色々と試行錯誤してみない?」
曜が仕切り直しを提案する。
曜「ダイヤ先輩も、貴重な意見と差し入れ、ありがとうございました」
ダイヤ「いえ、私こそ途中から騒ぎたててしまって申し訳ありませんでした」
真生「気にしてませんよ。……なるほど、ちょっとした強化合宿ってワケか」
曜「そうゆうコト。ルビィちゃん達もできる限り参加して欲しいけど、家の都合とかがあるならそっちを優先してね。進捗はSIGN(サイン)で共有するから」
千歌「今週末はお客さんも少ないし、私と真生で伝えておくから大丈夫だよ。梨子ちゃんは?」
梨子「私はいつでも大丈夫」
花丸「えっと曜先輩、マルは何時にどこへ、何を用意すればいいか確認取れれば大丈夫です」
ルビィ「……相談してみます! 善子ちゃんは?」
善子「私も相談してみるわ。多分大丈夫だと思うけど……」
全員の意見が出揃う。
真生「決まりだな」
千歌「よし、じゃあ今日は後片付けをして撤収!」
トントン拍子で週末の活動予定と部室の片付けが進み、今日は解散となった。
……しかし、ダイヤ先輩が片付けを手伝ってくれたのはキャラ的に予想できたけど、『生徒会長だから』ってだけで説明がつかないくらい部室の構造を把握してたな。まるで、元々倉庫だったハズのここに頻繁に出入りしてたみたいだ。
side:曜
ああ。またやっちゃった。真生や千歌ちゃんが他の女の子にデレデレしてると、この泥色の炎が胸の奥から込み上げてくる。最近は抑えられてたつもりだっんだけどなぁ……
いけない。もう『仲間内だけの集まり』じゃないんだから、ちゃんと切り替えなきゃ。明日からの合宿、ちゃんとしなきゃ。
がんばれ、渡辺曜。
そのうち第一話を加筆修正したいところ。
ていうか、今回も5000文字書いておいてぶつ切りで終わるとか、作者に文才無いのバレるなぁ…